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ブログ・コラム

2025.12.18

光と影で完成する和モダンの家、建築家が考えるホテルライクな上質さを日常にする照明設計の考え方

カテゴリ:
和モダン思想

和モダン住宅と照明計画

光と影が住まいの質と

心の在り方を

決定づけるということ。

 

和モダンの住まいに導かれる

心地良さの提案。

 

和モダン住宅のLDK空間。障子建具と間接照明を組み合わせたホテルライクなダイニングと、畳スペース・リビングが緩やかにつながる設計。光と影のバランスを整え、落ち着きと高級感を両立した建築家設計の和モダンの家。

※和に寄せた空間美の和モダンの家LDK空間

 

 

和モダンの家に惹かれる理由を、
はっきりと言葉にできる方は、

実はそれほど多くありません。

 

「なんとなく落ち着く」
「旅館のような雰囲気が好き」
「ホテルライクだけれど、冷たくない」

 

和モダン住宅の広々としたリビング空間。障子建具と折り上げ天井の間接照明が調和し、光と影のコントラストでホテルライクな落ち着きを演出する設計。木質フローリングと和の意匠を融合した、建築家が手がける高級和モダンの家。

※和に寄せた空間美の和モダンリビング

 

そんな感覚的な言葉で

語られることが多いのが、
和モダン住宅の特徴です。

 

しかしその

なんとなく心地いいの正体を、
設計の視点から紐解いていくと、
必ず辿り着く要素があります。

 

それが、照明計画です。

 

和モダン住宅の広々としたLDK空間。折り上げ天井に仕込んだ間接照明と木梁が、光と影の奥行きを生み出すホテルライクなリビング。無垢フローリングと上質な家具配置により、建築家・設計事務所が手がける高級和モダンの住まいを表現している。

※ホテルライクに寄せた空間美の和モダンLDK

 

やまぐち建築設計室では、
照明を「後から選ぶ設備」ではなく、
和モダン住宅を

成立させるための

根幹要素として

住まい手さんの暮らしと

価値観の意識とのバランスを

検討しながら計画しています。

 

建築家が設計した高級和モダン住宅のリビング。間接照明に照らされた木質壁面とルーバー建具が、旅館のような落ち着きとホテルライクな上質感を演出。照明計画によって、日常を静かに整える和モダンの家の空間構成を示している。

※ホテルライクに寄せた空間美の和モダンLDK

 

なぜ照明が、

そこまで重要なのか?。

 

同じ間取り、

同じ素材、

同じ家具を使っていても、
照明の違いだけで、

住まいの印象は驚くほど変わります。

 

・高級感があるか、ないか

・落ち着くか、落ち着かないか

・旅館のように感じるか、

単なる住宅に見えるか

 

その違いを生むのが、
光の質と、影の扱い方です。

 

和モダン住宅や、
その要素を取り入れた

ホテルライクな住まいでは、
「明るさ」よりも
どう心地よい陰影を生み出すのか?

又は程よい暗さを

どのように生み出すべきか?

が重要になります。

 

和モダン住宅に、

均一な明るさは逆効果。

 

一般的な住宅では、

・天井にダウンライトを等間隔で配置

・部屋全体を均一に明るく照らす

という照明計画が

多く見られます。

 

確かに、

生活するうえで

暗すぎる家は不便です。

 

ですが、

均一な明るさ=心地よさではありません。

 

和モダン住宅では、

  • 明るい場所
  • 少し暗さを残す場所
  • あえて影をつくる場所

この明暗のグラデーションを

意識的に設計します。

 

光があるから影が美しく、
影があるから

空間に奥行きと静けさが生まれる。

 

この考え方が、
和モダン住宅の

照明計画の出発点です。

 

皆さんも旅館やホテルに

宿泊したり、

ホテルのラウンジを利用する際に

その照明の生み出す奥行き感や

質感に癒されたことが

あるのではないでしょうか?

 

日本の住まいは、

影とともに暮らしてきました。

 

日本の伝統的な住まいを

思い浮かべてみてください。

 

・障子越しに差し込む柔らかな光

・軒下に生まれるほの暗さ

・夕暮れ時の、部屋の奥に残る陰影

これらは決して

「暗い家」ではありません。

 

むしろ、

心が落ち着く空間として、

多くの人の記憶に残っています。

 

和モダン住宅の照明計画は、
この日本的な光の感覚を、
現代の暮らしに合わせて

再構築する試みでもあります。

 

照明は「器具選び」ではなく「設計」

照明計画というと、

・デザイン性の高い照明器具

・有名ブランドの照明

・ペンダントライトや間接照明

といった「器具選び」に

意識が向きがちです。

 

しかし、本当に重要なのは、
どこを照らし、

どこを照らさないかという

照明設計です。

 

やまぐち建築設計室では、

基本的には

・天井全体を照らさない

・壁や床に光を落とす

・視線の先をやさしく照らす

といった考え方で、
空間全体の

光環境を整えていきます。

 

照明器具は、

そのための「道具」に

すぎません。

勿論、

インテリア的な要素を含む

照明器具のアドバイスを

行う事もあります。

 

リビング照明|

主役は家具でも天井でもない。

 

和モダン住宅のリビング照明で、

最も大切にしているのは、

そこにいる人が、

どう感じるのか?

ということです。

 

・テレビを見る時間

・家族と会話する時間

・一人で静かに過ごす時間

 

それぞれの時間に対して、
照明は主張しすぎてはいけません。

 

そのため、

・天井照明は最小限

・間接照明で空間の輪郭をなぞる

・夜は暗さを楽しめる明るさに抑える

といった計画を行います。

 

結果として、
夜になると

自然と気持ちが落ち着くリビング
が生まれます。

 

和モダン × ホテルライクが

心地いい理由。

 

「ホテルライクな家に住みたい」
というご相談は

年々増えています。

 

ただし、

やまぐち建築設計室が考える

ホテルライクとは、
派手さや非日常感

という意味ではありません。

 

・情報量が整理されている

・光が抑えられている

・音や視線が気にならない

 

つまり、

日常を疲れさせない空間です。

 

和モダン住宅の照明計画は、
このホテルライクな

考え方と

非常に相性が良い訳です。

 

和の静けさとホテルの洗練。

その両方を

成立させるのが、
照明の役割です。

 

中庭と照明が生み出す、

夜の和モダン。

 

先の和モダン記事で

お伝えした「中庭」は、
照明によって完成します。

 

昼間は、

光と緑を取り込む装置。

 

夜になると、

照明によって

暮らしの背景へと変わります。

 

・植栽を下からやさしく照らす

・壁に影を映す

・室内よりも、あえて暗く抑える

 

中庭をどのような

魅力的空間のするのかで、
室内の落ち着きは一層変化します。

 

まるで旅館のような、
「内が落ち着く」空間です。

 

実は廊下・玄関・寝室こそ、

照明の差が出るということ。


和モダン住宅の照明計画で
最も設計力が

問われるのは、

  • 廊下
  • 玄関
  • 寝室

といった場所です。

 

これらの空間は、
必要以上に

明るくする必要はありません。

  • 足元をやさしく照らす
  • 光源を直接見せない
  • 影を残す

こうした配慮が、
住まい全体の

品格をつくります。

 

土地と照明の関係

 

奈良は場所にもよりますが
都市部に比べて

夜の光が穏やかな地域です。

 

月明りも穏やかで

星を眺めることが出来る

環境も多く、
低層住宅が多く、
夜になると静けさが際立つ。

 

この環境は、
和モダン住宅の

照明計画にとって

大きな強みです。

 

やまぐち建築設計室では、
その土地の夜の表情まで含めて、

照明を設計しています。

 

照明は、

暮らしを切り替えるスイッチ。

 

朝の自然光。
昼の柔らかな明るさ。
夜の間接照明。

 

照明は、
人の気持ちを切り替える
暮らしの

スイッチでもあります。

 

和モダン住宅の照明は、
「明るくするため」のもの

ではありません。

 

心を整えるための装置です。

 

和モダン住宅は、

光と影で完成するということ。

 

和モダンの家、
和を意識した

ホテルライクな住まい。

 

それらが本当に

心地よく感じられるかどうかは、
照明計画で決まります。

 

光を抑え、
影を活かし、
時間の流れを感じる。

 

やまぐち建築設計室は、
照明を含めて

「暮らしそのもの」を

設計する建築設計事務所です。

 

和モダンな家に

憧れているけれど、
何から考えればいいのか

わからない・・・・・。

 

そう感じているなら、

まずは、
どんな光の中で暮らしたいか
を考えてみてください。

暮らしの方向性とともに

そこから、

住まいづくりのイメージは

始まります。

○関連blog

和モダン住宅のリビング設計とは|数寄屋の思想から考える、心地よさが続く住まい。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail672.html

○関連blog

中庭がつくる和モダン住宅の静かな豊かさ。プライバシーと開放感を両立する、日本的住まいの設計思想。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail674.html

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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