お問合せフォーム

ブログ・コラム

2025.10.19

間接照明が描く折り下げ・折り上げ天井の派生から生まれるキッチンを含む空間デザイン・光と陰影が調和する上質なホテルライクな空間で、暮らしの奥行きを感じる住まいへ。

カテゴリ:
設計の事・デザインの事

折り下げ天井や折り上げ天井がつくる、

リビングやダイニング、

キッチンスペースの奥ゆかしさと

暮らしの趣。

 

中庭と一体化した折り下げ天井のあるキッチン空間。間接照明が天井面に柔らかな陰影を描き、グレーのコンクリート壁と木質天井が上質に調和する。大開口から庭の緑を望み、光と静けさを感じるホテルライクな和モダンの住まい。奈良で高級感と暮らしやすさを両立するやまぐち建築設計室の設計提案。

※光と素材が調和する中庭をテラス化した

ホテルライクな空間提案事例です。
天井に変化をつくり

陰影で優しく空間を整える設計を施しました。

 

 

空間の高さを整えるという、

暮らしの設計。

 

家づくりを考えるとき、
キッチンやリビング、

ダイニングという場所は

「日々の時間を紡ぐ空間」であり、
家族の暮らしのリズムを

形づくる大切な空間です。

 

そんな空間をより心地よく、

美しく整えたいときに。

 

一つの手法として考えたいのが

「折り下げ天井」や「折り上げ天井」です。

 

仕上げや形状をほんの少し変化させるけで、

空間の印象は驚くほど変わります。

 

けれども、それは単なる

「おしゃれ」」や「ホテルライク」

という言葉では片づけられません。

 

そこには、

暮らしの重心をどこに置くかという、
設計の思想が

静かに息づいてくからです。

 

高さを設計するという事。

折り下げ天井や

折り上げ天井の魅力は、

天井の高さに「奥行き」を

生み出すことにあります。

 

採用する素材の変化や

間接照明を加える事で

印象も随分変化します。

 

目に見える変化があるだけで

気分も随分変わる事

皆さんも経験があるかと思います。

 

例えば、

LDKをひと続きにした空間の中で、
キッチンの天井を

少しだけ下げることで、
目には見えない「区切り」が生まれます。

 

それは壁で隔てることなく、
料理をする人と

くつろぐ人との距離感を
やわらかく整えるような仕掛けです。

 

光のあたり方も変わり、
日中は自然光が

折り下げ部分にやさしく陰影をつくり、
夜は間接照明が柔らかに包み込みます。

 

一日の移ろいを、

天井の高さがそっと受け止めてくれる。

 

そんな穏やかな時間の流れが、

空間の工夫次第で生まれます。

 

見せない美しさという機能。

折り下げ天井や折り上げ天井は、

見た目の演出だけでなく、
機能を美しく

整えるための建築的工夫も

存在しています。

 

照明の配線や換気ダクトなど、
生活の裏側にある「機能」を

上手く包み込むことで、
空間そのものの清らかさが保たれます。

 

キッチンに立ったとき、
視界に余分なものが入らないだけで、
心の落ち着き方がまるで違う。
その小さな差が、

毎日の「心地よさ」に

繋がっていくからです。

 

また、

少し天井を低く抑えることで、
人は自然と「守られている」という

安心感を感じやすくなります。

 

背中側に程よい間隔があることで

心地良さや安心感を味わったことは

ありませんか?

 

部屋の隅が落ち着くようなイメージ。
料理をしている時間が、
まるで一人の静かな

儀式のように感じられる。

 

折り下げ天井や折り上げ天井は、

そんな感覚を生み出す
建築的な「包容力」を持っています。

 

折り下げ天井や折り上げ天井を

考えるときに

もちろん、

どんな家にも同じように

合うわけではありません。

 

天井の変化させるには、

いくつかの注意点もあります。

 

たとえば、

下げ過ぎによる圧迫感。

 

空間の密度にもよりますが

一般的には1020cmの範囲が

心地よいバランスですが、
天井の高さや窓の位置、

照明の配置などと合わせて

慎重に検討することが大切です。

 

もうひとつは

掃除やメンテナンスのしやすさ。

 

段差部分には埃が溜まりやすいため、
素材の選定や

仕上げ方にも配慮が必要です。

 

最近では、

防汚加工が施された面材料や、
フラットな仕上げで

陰影を楽しむ設計も増えています。

 

こうした要素を、
暮らしの「リアル」と

美しさの両側から見つめること。

 

それが、

設計段階での大切な判断。

 

暮らしの重心をどこに置くか

折り下げ天井や折り上げ天井を

設けるということは、
高さという見えない線で

暮らしの秩序を描くということです。

どこで会話が生まれ、
どこで手を動かし、
どこで光が止まるのか。

 

それらをすべて見渡した上で、
「この高さなら、心が落ち着く」
という一点を見つけ出すことが、

建築家の仕事です。

 

つまり折り下げ天井や折り上げ天井は、
空間のデザインでありながら、

心のリズムを

整える設計要素であるという事。

 

折り下げ天井や折り上げ天井を

空間デザインに取り入れた

キッチンやリビング空間は、
単に「スタイリッシュな空間」を

つくるための装飾ではなく、
暮らしの質を丁寧に整える

設計の工夫の一つです。

 

天井の高さを少し変えるだけで、
人の感じ方や動き方が変わり、
その家の「呼吸」が整います。

 

やまぐち建築設計室では、
暮らしの動線と心理と生活の流れを

丁寧に読み取りながら、
素材の質感や光の陰影も含めて

設計に取り込みます。

 

キッチンに立つ時間が、
ただの作業ではなく心地よいひととき

となるように。

 

その一瞬の心地よさの積み重ねこそが、
豊かな暮らしの本質だと、

考えています。

 

〇関連blog

なぜこのリビングはずっと居たくなるのか?奈良で叶える感情に寄り添う和モダンの住まい、素材・光・視線の設計がもたら“無意識の快適さを空間に宿す設計提案。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail597.html

 

〇関連blog

色と暮らしの心理効果・建築家が提案するクロス選びと空間デザインの秘訣・奈良のやまぐち建築設計室が語る、和モダン・ジャパンディ・ホテルライクな住まいづくりに工夫を施す密度のデザイン提案。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail616.html

 

 

‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------

 

BACK

ブログトップへもどる