ブログ・コラム
2025.09.25
色と暮らしの心理効果・建築家が提案するクロス選びと空間デザインの秘訣・奈良のやまぐち建築設計室が語る、和モダン・ジャパンディ・ホテルライクな住まいづくりに工夫を施す密度のデザイン提案。
- カテゴリ:
- インテリア デザイン 家具
色と暮らしと心理的な効能
建築家が語る「色彩設計」が生みだす
豊かな住まい体験。
※和モダンの余白と色彩を生かした
住まい手さんの思うイメージを昇華した
ホテルライクリビング
PHアーティチョークが照らす上質な暮らしの空間
色は「暮らしの感情」を操る
設計要素です。
新築での家づくりや
リフォーム・リノベーションを
検討していると、
多くの方は「間取り」「収納」
「動線」などの機能的な要素に
強く意識を向けます。
もちろんそれらは絶対的に
大切ですが、
実際に住まい手さんが日々触れ、
直接的に
心に作用するのは「色」の要素です。
壁や天井、床や家具、
カーテンにいたるまで、
色の選択は
無意識のうちに私たちの
感情や行動を導いています。
たとえば、
ある色は家族の会話を弾ませ、
ある色は集中を助け、
またある色は
「ここに帰ってきたい」と
思わせる心地よさをつくる。
色を「感覚的な演出」ではなく、
暮らしをデザインするための
建築的な要素と捉えること。
オシャレでハイセンスでもありつつ
それぞれの価値観から
心地よさを感じる住まいを
実現したい方にとって
重要な視点です。
進出色と後退色・・・・・。
空間の広がりを操る錯覚効果。
空間デザインにおいて、
色彩は単なる
表情付けにとどまりません。
心理学的に、
人は色から距離感の
感覚を受け取ります。
進出色(赤・橙・黄など)
前に迫り出すような印象を持ち、
エネルギッシュで
生命力を感じさせます。
小さな空間では
圧迫感に
つながることもありますが、
玄関や一部の壁に
差し込めばアクセントとなり、
空間全体に活気を与えます。
後退色(青・紫など)
視覚的に遠ざかる効果を持ち、
部屋を広く見せる
働きがあります。
リビングの奥や寝室に
取り入れることで、
ゆったりとした奥行き感や
落ち着きを演出できます。
たとえば、
マンションの限られたLDKでも、
奥の壁をブルー・グレーにすることで
奥行きが生まれ、
より広い住まいに見える。
これは、
設計の意図としての技法です。
色が心に与える心理的効能。
毎日の気分を整える・・・・・。
色は暮らしの「感情スイッチ」
にもなります。
以下に代表的な色の効能を
ご紹介します。
赤:活力・情熱・高揚感。
ダイニングやスポーツルームに。
橙(オレンジ):
親しみやすさ・温かみ。
家族が集うリビングに。
緑:
安心感・自然との調和。
リラックス空間やワークスペースに。
青:
集中・冷静さ。
勉強部屋や寝室で安眠効果をサポート。
黒:
高級感・緊張感。
アクセントとして使うと
空間が引き締まる。
白:
清潔感・軽やかさ。
暮らしの基調色として万能。
また、色には
体感温度を左右する
力があります。
暖色系は「+3度」、
寒色系は「−3度」の
心理効果をもたらすと
言われています。
夏の日差しが差し込む
南向きのリビングには寒色を、
北側の冷えやすい部屋には
暖色を・・・・・。
これは省エネや快適性にも
直結する、
知っておきたいポイントです。
暮らしに活かす
「色のシナリオ設計」。
住まいは「人生の拠り所」。
その雰囲気を決定づけるのが色です。
家族の時間を紡ぐリビング
柔らかいベージュやオレンジで温かみを。
お客様を迎える玄関
白と黒を基調に、
深緑やネイビーを差し色に。
仕事や勉強に集中する書斎
グレーやブルーで落ち着きを。
癒しを求める寝室
淡いグリーンやブルーで心を鎮める。
上記は一例ですから
様々な派生があります。
これは単なる「好きな色を選ぶ」
ということではなく、
空間ごとに求める感情や
役割をデザインするという
考え方です。
建築家の設計では、
色を「感情の道筋」として
組み込む場合も多くあります。
結果として、
「住まい」は単なる器ではなく、
暮らしに寄り添う
大切なパートナーである
という考え方。
建築家とつくる、
色を活かした空間デザイン。
オシャレでセンスの良い住まいにしたい
ホテルライクな上質感を出したい
それだけではなくて
暮らしの空間として
人生に寄り添う
色彩設計は
欠かせないテーマです。
実際には、
色を選ぶ場面で迷うことが多いもの。
好きな色を選んだはずなのに
「落ち着かない」
「意外と暗い」など、
完成してから
後悔することのないように。
単に流行色を提案するのではなく、
住まい手さんの
ライフスタイル・家族構成
敷地条件を踏まえて
色を設計します。
自然光の入り方、
照明の計画、
素材との組み合わせ、
素材それぞれの融合を
暮らしと価値観に照らし合わせて
トータルで考え、
空間全体が調和するよう
デザインを施しています。
色彩は家具やインテリアとの
連動も欠かせません。
たとえば、
フローリングの温かみを
引き立てるベージュの
クロスや塗装や漆喰など、
モルタル調キッチンに
映える深いネイビーのタイルやパネル。
薄い色彩のフローリングから
濃い色彩のフローリングの奥行きを。
建築とインテリアを
シームレスに繋ぐ「色の提案」は、
大切な価値のひとつです。
色は「暮らしの温度」と
「心の質」を変える要素です。
装飾ではなく、
心理や体感に直結する
「暮らしの設計材料」。
仕上げ材のタイルや石材、
木材から塗材、壁紙(クロス)
フローリング等とその他部材、
窓枠から扉、家具の色を
どう選ぶかによって、
日々の心地よさや
家族の距離感までも
変わっていきます。
家づくりを検討されている方、
リフォームで住まいを
アップデートしたい方。
色を「感覚的な好み」から
「暮らしの質を高めるデザイン要素」へと
シフトして考えることが、
住まいづくりの
第一歩となります。
やまぐち建築設計室では、
色の心理効果と
建築的な空間デザインを融合させ、
暮らしをより豊かに
感じられる
ご提案を大切にしています。
この家にいると心が落ち着く。
家族の会話が自然と増える。
そんな体験を、
ぜひ色彩設計から
感じてみてください。
〇関連blog
暮らしの質は「色」でも変わるという事、住宅設計の際に検討しておくべき空間全体における色彩の心理的効果と錯覚の活用。おしゃれで心地よい住まいを叶えるために知っておきたい色の選び方と素材との上手な組み合わせ。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail541.html
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
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