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ブログ・コラム

2025.10.08

吹抜けとオープン階段のある暮らし・光と風、そして家族の気配を感じる心地よい設計で陰翳礼讃の空間に影と光と風がほどよくめぐる家。吹抜けとオープン階段がつくる暮らしの余白提案。

カテゴリ:
設計の事・デザインの事

 

暮らしの環境を心地よく、

オープン階段のある暮らし。

 

吹抜けと階段がつくる

「光と余白」の共存する空間。

 

開放感あふれる吹抜けリビングにオープン階段を設けた、奈良のやまぐち建築設計室による和モダン住宅のインテリア。 木の天井と床がやわらかな一体感を生み、黒のスチール階段とグレーのキッチンが上質なコントラストを演出。 中庭の緑を眺めながら、光と陰が静かに移ろう心地よい空間デザイン。 家族の気配を感じながら暮らす「開放と落ち着き」が調和した住まいの設計提案。

※吹抜けとオープン階段を一体的に設計したLDK空間。

 

 

開放感が「心の余白」を育むということ。

 

天井高く抜ける吹抜けと、

軽やかに空間を貫く

オープン階段、

リビングアクセス階段のある暮らし。


それは単に

「おしゃれな家」の象徴ではなく、
暮らしに呼吸を与える

設計の意図そのものだったりします。

 

光がめぐり、風が通い、

家族の声が響く。

 

そんな日常の中に

建築の温度を感じられるよう、
やまぐち建築設計室では

デザインの美しさと

住み心地の均衡を

常に意識しています。

 

その一つの手段としての

オープン階段、

リビングアクセス階段

という存在。

 

オープン階段という「立体の余白」

視覚の抜けと心理的開放感。

 

オープン階段は、

壁を設けないことで生まれる

「透けの美」。

 

視線の抜けがもたらす軽やかさは、

空間の広がりを

心理的にも倍増させます。

 

住宅街では、

敷地形状が限られていても、
この「立体的な余白」を

設計に組み込むことで、

圧迫感を軽減し、
自然光が奥行きを生み出すように

デザインすることが可能となります。

 

安全性と美の調和を考える。

階段は「家具」でもあり

「構造物」でもあります。

 

だからこそ、

安全性と美しさを両立させる

バランスが重要です。

 

蹴込み板の有無:

蹴込み板がない階段は軽やかですが、

ご家庭では転落リスクも。
 

デザイン性を保ちながらも

安全基準を考慮しつつ

配慮のデザインを施して

カタチを考えます。

 

踏み板の素材と滑り止め:

木の温もりを活かしつつ、

滑り止め加工や

照明演出を加えることで、

見た目と安全の両立を図ります。

 

手すりデザイン:

鉄や木のフレームを細く軽く見せながら、

手に馴染む感触を大切に。

触れるたびに「心地よさ」を

感じるような設計を。

 

吹抜けがつくる「光と風の循環」

窓を通じて室内への採光計画は

重油です。

 

吹抜けの最大の利点は、

光が重層的に

空間を照らすこと。

 

ただ明るいだけでなく、

時間とともに変化する

陰影のグラデーションが、
日常のなかに

静かな豊かさをもたらします。

 

外部の環境や

方位を考慮して窓を設けることで、

四季の光を柔らかく取り込み、
北面には光の反射を

活用した設計を施すことで、

室内全体を均質に照らします。

 

自然光をデザインに取り込み

「意匠として設計する」ことで

室内環境は良い意味で変化します。

 

窓の位置と高さ、

光の角度、

床や壁の素材反射率を考慮して、
光そのものを

建築素材として扱う、

二次的なデザインも空間の特徴に。

 

通風と空調の調和。

吹抜け空間では、

空気の流れをデザインすることが

快適性の鍵となります。

 

暖気と冷気の層を整えるために、

 

・シーリングファンで空気を循環

・床暖房で足元の冷えを防止

・高断熱材で外気の影響を最小化

 

建築的視点から

「温度のバランス」を

コントロールすることで、
エネルギー効率と

居心地の両立を実現します。

 

これは単なる住宅性能ではなく、

暮らしの質を設計するという

考え方に通じるものです。

 

デザインとプライバシーの

共存をどう叶えるか。

 

吹抜けとオープン階段を設けると、

開放感と同時に

「見えすぎる」課題も生まれます。

 

たとえばリビングから

2階が見渡せる設計は、

家族の距離を感じられる反面、
プライバシーの確保が

難しくなることもあります。

 

その解決策として有効なのが、

視線の制御を

デザインに組み込むことです。

 

縦格子や木ルーバー:

視線を遮りながら風と光を通す。

 

植栽や中間領域:

自然の要素で視線を緩やかに分断。

 

間仕切り壁:

完全な閉鎖ではなく

気配が伝わる程度の高さで設計。

 

やまぐち建築設計室では

「閉じすぎず、開きすぎず」という
間の感覚を大切にしています。

 

日本の美意識に通じる「曖昧な境界」を、
現代住宅にどう翻訳するべきなのか?。

 

そこに設計者の感性が宿ります。

 

素材が語る「住まいの人格」

素材は空間の温度を決める

要素です。

 

オープン階段と

吹抜けを一体で考える場合、
素材の質感と

経年変化を

どのように捉えるかが

住まいの印象を大きく左右します。

 

設計の段階で

「経年の美しさ」を

想定しておくこと。

 

それが、10年後・20年後も

飽きのこないデザインを

育てます。

 

設計とは、

暮らしをデザインすること。

 

吹抜けやオープン階段のある家は、

単なる「見た目の開放感」を

デザインする訳ではありません。

 

家族の在り方や、

時間の流れを空間で

表現する手段です。

 

朝、階段を降りると

光が迎えてくれる。

 

夜、吹抜けに灯る

柔らかな明かりが家族を包む。

 

そんな暮らしの情景が

自然と生まれる家を

設計することこそ、
建築家の仕事だと考えています。

 

開放感は「設計された安心」の上に

成り立つということ。

 

オープン階段と吹抜けは、

心地よい日常の象徴。

 

しかしその美しさを

支えているのは、

緻密な構造計算と

細部のデザインです。

 

「見た目」だけでなく、

「暮らし方」「家族構成」

「季節の光」を考えてこそ、
真に開放的で豊かな住まいが

生まれます。

 

奈良という自然と文化の

共存する土地で、
光と風、

そして人の気配が

調和する家づくりを。

 

 

 

〇関連blog

家族の気配と個の時間が自然に共存する和モダン×ホテルライクな住空間の設計、コンパクトで上質な間取りが生み出す距離感の妙。風土に寄り添い日常に馴染む静けさと開放性を同居させた設計思想と空間構成に暮らしの価値観を紐づけて丁寧に暮らしを解きほぐすように。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail547.html

 

〇関連blog

奈良県の家づくりで比較的狭い土地も広く快適に暮らす事の出来る間取り提案、スキップフロアで視線と段差を活かす空間活用設計。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail521.html

 

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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https://www.y-kenchiku.jp/

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