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ブログ・コラム

2026.10.15

働く場所が変われば、仕事の質も変わる|奈良のオフィス・事務所・店舗設計で考える、木の温もりと上質な空間づくり

カテゴリ:
体験を設計する店舗・空間デザイン

木のある空間は、暮らしと仕事、人生をどう変えるのか?

 

奈良・吉野杉と吉野桧から考える、

上質な住まいと建築の価値提案。

 

木のルーバー天井や無垢材のような質感のデスク・床、自然光と植栽を取り入れた上質なオフィス空間のイメージ。大きな窓から緑を望み、木の温もりと開放感が調和する事務所内装。奈良県のやまぐち建築設計室が考える、経営者の理念や企業の個性を大切にした、働く人にも訪れる人にも心地よいオフィス設計・事務所建築のあり方を表現したCG画像。

※働く場所の空間が変われば仕事の時間も変わる。

木の質感、自然光、

緑が調和する空間から考える、

経営者と企業理念を踏まえ

働く環境の大切さを映す上質なオフィス設計。 

 

ふと目に入る木の天井や、

柔らかな光を受けた壁の表情に、

気持ちが落ち着くことがあります。

 

仕事場では、木の質感を感じる空間が、

訪れる人を穏やかに迎えてくれる。

 

そんな何気ない時間の積み重ねが、

仕事場であっても

愛着を育てていくのではないでしょうか?

 

建築を考えるとき、

私たちは間取りや広さ、設備、建築費など、

さまざまな条件を検討します。

 

もちろん、どれも大切なことです。

しかし、完成した建物で

長い時間を過ごすことを考えると、

もう一つ大切にしたいことがあります。

 

その空間に身を置いたとき、

自分はどのような気持ちになるのか?

 

今回は、

奈良県の吉野杉や吉野桧をはじめとする

木材という素材を通して、

住まい、店舗、仕事場、

そして人生の豊かさにつながる

建築の価値について考えてみたいと思います。

 

建築費が高騰する今、

なぜ木造建築が見直されているのか?

 

近年、住宅だけでなく、

店舗や事務所、宿泊施設などの建築でも、

資材価格や人件費の上昇が大きな課題となっています。

 

これまで鉄骨造や鉄筋コンクリート造を

前提としていた建築計画でも、

木造という選択肢を比較検討する動きがあります。

 

木造建築は、

建物の用途や規模、構造条件によって、

建築費や工期の面で有利になる可能性があります。

 

一方で、木造であれば

必ず安く建てられるというわけではありません。

 

必要な耐火性能、構造計画、

設備、建物の規模などによって、

適切な選択は変わります。

 

では、木造建築の価値は、

建築費や工期だけで判断できるのでしょうか?

 

私は、そうではないと考えています。

木には、構造材料としての役割だけでなく、

人が過ごす空間の印象や質感をつくる役割があります。

 

そして、その素材をどこに、

どのように使うのかによって、

空間の感じ方は大きく変わります。

 

造で建てることと、

木の魅力を活かした空間を設計することは、

必ずしも同じではありません。

 

ここに、建築家が考えるべき

大切な設計の仕事があると思います。

 

奈良・吉野の木が持つ、素材としての魅力

 

奈良県の吉野地方は、

長い歴史を持つ林業地域です。

 

吉野杉や吉野桧は、

建築用材としてだけでなく、

木目の美しさや質感を活かした内装材、

造作材などにも使われています。

 

吉野杉には、

比較的柔らかく穏やかな木肌や、

木目が生み出す繊細な表情が・・・・・。

 

吉野桧には、淡い色合い、緻密な木肌、

独特の香りなどの魅力があります。

 

もちろん、

同じ樹種でも育った環境や製材方法、

乾燥、仕上げによって、

その表情や性質は異なります。

 

木という素材の面白さは、

工業製品のようにすべてが均一ではないところにもあります。

 

一本ごとに木目が違い、

色合いが違い、

時間とともに少しずつ変化していく。

 

その違いを欠点として捉えるのではなく、

素材が持つ個性として設計に取り入れる。

 

そこに、自然素材を使う意味があるように思います。

 

ただし、奈良の木を使えば、

それだけで上質な建築になるわけではありません。

 

どれほど美しい木材でも、

使う場所や分量、

周囲の素材との組み合わせによっては、

その魅力が十分に伝わらないことがあります。

 

素材の価値を、空間の価値へと変える。

それが、設計に求められる

役割の一つです。

 

木の魅力は、使う量ではなく、

使い方で変わるということ。

例えば、リビングの天井に木を使う場合。

 

天井全体を木で仕上げる方法もあれば、

視線が集まる

一部分だけに木を使う方法もあります。

 

木の色合い、板の幅、木目の方向、

照明との関係によって、

空間の印象は変わります。

 

和を意識した空間であれば、

木の天井に塗り壁を組み合わせ、

障子越しの柔らかな光を取り入れる。

 

ホテルライクな空間であれば、

石や金属、落ち着いた色合いの壁と木を組み合わせる。

 

木材そのものが主張しすぎるのではなく、

ほかの素材との関係の中で、

その魅力が引き立つように考えます。

 

大切なのは、

木をたくさん使うことではなくて、

木を使う場所と、

あえて使わない場所を考えることです。

 

その余白があるからこそ、

木の表情が美しく見える場合もあります。

 

また、照明の色温度や光の当たり方によって、

同じ木材でも

昼と夜では異なる表情を見せます。

 

昼間は自然光を受けて

明るく感じられる木の天井が、

夜には間接照明によって

穏やかな陰影を生み出す。

 

木のある空間の魅力は、

素材そのものだけでなく、

光、影、色彩、そして余白との関係によって

生まれるのです。

 

素材は、毎日の気持ちに関わっている。

例えば、空間の一部に

木の質感を感じられる場所がある。

 

窓の外には庭の緑が見え、

柔らかな自然光が室内に入ってくる。

 

座ったときの視線の高さや、

天井の低さ、家

具との距離感まで丁寧に考えられている。

 

そうした空間では、

特別なことをしなくても、

そこにいる時間そのものを

心地よく感じられるかもしれません。

 

もちろん、木材を使うだけで、

誰もが落ち着いた気持ちに

なるとは限りません。

 

心地よさの感じ方には個人差があり、

室温、湿度、音、明るさ、

空間の広さなど、

さまざまな条件が関わっています。

 

だからこそ、

木材だけに頼らず、

空間全体の環境を整えることが大切です。

 

私が空間設計で考えているのは、

見た目の美しさだけではありません。

 

その空間で過ごす人が、

どのような一日を送り、

どのような気持ちで居ることができるのか?

 

その日常を想像しながら、

素材や間取り、

光の入り方を考えていきます。

 

空間の質は、

そこで過ごす時間の質にも

つながっているということ。

 

そう考えると、

素材選びは単なる仕上げ材の選定ではなく、

過ごし方を考える設計の一部になります。

 

木のある仕事場は、

働く人と訪れる人に何をもたらすのか?

 

木の魅力に関して、店舗や事務所、

宿泊施設など、

人が集まり、働き、過ごす建築でも、

素材の選び方は重要です。

 

例えば、美容室。

お客様が扉を開けたとき、

最初に感じるのは、

設備の性能や建築費ではありません。

 

光の明るさ、空間の広がり、

素材の質感、家具の配置、

そして店全体の雰囲気です。

 

木を使ったカウンターや天井が、

店舗の印象を柔らかくすることもあります。

 

一方で、洗練された印象を

大切にする店舗であれば、

木と石、金属などを組み合わせることで、

落ち着きと緊張感のある空間を

つくることもできます。

 

事務所や社屋でも同じです。

働く人が長い時間を過ごす場所だからこそ、

採光、温熱環境、音環境、動線、家具、

素材などを総合的に考える必要があります。

 

木材を取り入れることで、

空間の印象に変化を与えることはできます。

 

しかし、

仕事の生産性や従業員の満足度が、

木材の使用だけで

必ず向上するわけではありません。

 

大切なのは、

そこで行われる仕事や人の動きを

理解したうえで、

ふさわしい環境を設計することです。

 

そして、経営者にとっては、

もう一つの意味があります。

 

それは、

建築が企業や店舗の

価値観を伝える場所にもなるということです。

 

どのようなお客様に来ていただきたいのか。

そこで働く人に、

どのような環境を用意したいのか。

自分たちの仕事に、

どのような誇りを持っているのか。

 

その考え方は、

建築の素材や空間構成にも関連します。

 

店舗や仕事場の設計は、

単に必要な部屋を

配置する仕事ではなくて、

その場所で生まれる体験や、

事業のあり方を考える機会でもあるのです。

 

古民家に残された木が教えてくれる、

時間の価値観。

 

奈良には、

長い年月を経た木造建築が

数多く残されています。

 

古民家の梁や柱を見ると、

新しい木材にはない

色合いや表情に出会うことがあります。

 

年月を重ねた木には、

傷や変色、

使い込まれた痕跡が残っています。

 

それらは、

建物が過ごしてきた

時間の記録でもあります。

 

古民家再生では、

古いものをすべて残すことが

正解とは限りません。

 

構造の安全性、耐震性能、

断熱性能、設備の更新、

使いやすい動線など、

現代の暮らしに合わせた検討が必要です。

 

その一方で、

残す価値のある柱や梁、

建具などを活かすことで、

新築では得られない

空間の魅力が生まれることがあります。

 

古いものと新しいものを、

単純に対立させない。

 

残すべきものを見極め、

変えるべきところを変える。

 

その判断の積み重ねによって、

建物は次の時代の暮らしへと

受け継がれていきます。

 

これは、

古民家を住まいとして

再生する場合だけでなく、

店舗や宿泊施設などに

活用する場合にも共通する考え方です。

 

ただし、

用途を変更する際には、

建築基準法や消防法、

旅館業法など、

計画に応じた確認が必要になります。

 

建物の魅力を活かすことと、

安全に使い続けられること。

 

その両方を考えることが、

再生設計には欠かせません。

 

上質な空間は、

高価な素材を使えば

生まれるわけではないということ。

 

上質な住まいを考えるとき、

高価な材料や設備に

目が向くことがあります。

 

もちろん、

素材そのものの品質や耐久性、

仕上がりの精度は大切です。

 

しかし、

高価な材料を多く使ったからといって、

必ずしも心地よい空間に

なるわけではありません。

 

例えば、

木材の種類を増やしすぎると、

木目や色合いが互いに主張し、

落ち着かない印象になることがあります。

 

反対に、素材の種類を絞り、

使う場所を丁寧に考えることで、

上質な空間が生まれる場合もあります。

 

設計では、

何を加えるかだけでなく、

何を加えないかという判断も重要です。

 

木の美しさを引き立てるために、

周囲の色を抑える。

 

窓から入る自然光を活かすために、

照明の配置を工夫する。

 

庭の緑を美しく見せるために、

室内の視線を整理する。

 

そのような小さな判断が重なって、

空間全体の印象が整っていきます。

 

上質さとは、

素材の価格だけで決まるものではなく、

素材をどのように組み合わせ、

どのような時間を生み出すかによって

育まれるものだと考えています。

 

素材が空間を変え、

空間が時間を変え、

時間が人生をつくっていくように。

 

私たちは、日々の暮らしの中で、

建築を強く意識しているわけではありません。

 

朝起きて、食事をして、

仕事へ向かい、家に帰る。

 

仕事場では、

人と会い、考え、働き、

ときには休憩する。

 

そんな日常の中に、

建築は存在しています。

 

だからこそ、

空間の質は大切なのだと思います。

 

好きな椅子に座り、

木の天井を眺めながら過ごす時間。

 

仕事の合間に、

窓から庭の緑を見る時間。

 

お客様を迎え、

自分たちの仕事について語り合う時間。

 

何気ない会話を交わす時間。

 

一つひとつは小さな出来事かもしれません。

しかし、その積み重ねが、

日々の記憶になっていきます。

 

木という素材には、

そのような日常の背景として、

空間に穏やかな

表情を与える魅力があります。

 

ただし、

素材だけが人生を

変えるのではありません。

 

素材を活かす設計があり、

そこで過ごす人の暮らしや

仕事があって、

初めて建築の価値が生まれます。

 

私は、建築の価値を、

完成した瞬間の

美しさだけで判断したくありません。

 

5年後、10年後、20年後。

その空間で過ごしてきた

時間を振り返ったときに、

建ててよかった、

ここで過ごせてよかったと思えること。

 

そこに、本当の意味が

あるのではないでしょうか?

 

素材の意味が空間の意味を変える。

空間が、そこで過ごす

時間を変えるということ・・・・・。

 

そして、その時間の積み重ねが、

人生の豊かさにつながっていくように。

 

奈良・吉野の木の魅力を考えることは、

単に木材を選ぶことではなく、

これからどのような時間を

過ごしたいのかを

考えることでもあると思います。

 

奈良で、木の魅力を活かした

住まいや建築を考える方へ・・・・・。

 

奈良県で和モダンの注文住宅や平屋、

店舗併用住宅、事務所、

古民家再生による店舗、

事業の計画などを考える際、

木材をどのように取り入れるかによって、

空間の印象や使い心地は変わります。

 

吉野杉や吉野桧を

使うことが目的なのではなく、

そこで過ごす人にとって、

どのような空間がふさわしいのか?

 

その最適解を探す中で、

素材の選択肢を

考えていくことが大切です。

 

やまぐち建築設計室では、

建物の広さや間取りだけでなく、

過ごし方、仕事のあり方、

素材、光、視線、動線、

そして時間の過ごし方を大切にしています。

 

新築だけでなく、

既存の建物を活かす

リフォームやリノベーション、

古民家再生についても、

建物の状態や

計画条件に応じて検討しています。

 

住まいや仕事場の計画を考え始めたとき、

まだ具体的な

形が決まっていなくても構いません。

 

どのような場所で、

どのような時間をつくりだすのか?

 

そこから建築の可能性を

考えていくことも、

設計の大切な始まりだと思います。

 

建物をつくることの先にある、

過ごし方と営みを考えるように。

〇関連blog・コラム

なぜ事業用物件の価値は設計で変わるのか|建築家が考える店舗設計と賃貸テナント経営のポイント

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail784.html

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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