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ブログ・コラム

2026.09.19

いい家は、誰にとっても「いい家」ではない|奈良で注文住宅を考える方へ、建築家と一緒に育てる「自分たちに合う家」を見つける感度

カテゴリ:
住まいと暮らしの設計思想

いい家は、誰にとってもいい家ではないということ。

奈良で注文住宅を考える方へ、

建築家と考える「自分たちに合う家」の考え方と見つけ方。

 

「せっかく家を建てるなら、できるだけ後悔したくない。」

 

奈良で注文住宅を考えるご家族と建築家による住まいの設計打ち合わせ。住宅模型や平面図・立面図、素材サンプルを囲み、人気の間取りや一般的な正解に合わせるのではなく、家族の暮らし方や価値観、生活動線、将来の変化を整理しながら「自分たちに合う家」を一緒に考える、やまぐち建築設計室の家づくり。

※図面を描く前に暮らしを描くという時間から始まり、誰かの正解ではなく「自分たちに合う家」を建築家と一緒に見つけていく設計の時間。

 

 

注文住宅を考え始めた方であれば、

きっと一度はそう思うのではないでしょうか?

 

だからこそ、

SNSで素敵な住宅を探したり、

住宅展示場へ出掛けたり、

YouTubeで間取りを勉強したり、

「注文住宅 後悔」

「平屋 間取り」

LDK 何帖」

「ファミリークローゼット 必要」

「奈良 注文住宅」と検索したり。

 

今ではAIに質問すれば、

家づくりに関する膨大な情報を

ほんの数秒で知ることもできます。

 

プロンプト次第でのハレ―ションを含めて

回答の是非は別として・・・・・・。

情報を集めること自体は、

決して悪いことではありません。

 

ところが不思議なことに、

調べれば調べるほど、

何が自分たちにとって正解なのか

分からなくなってしまう。

そんな方も少なくありません。

 

なぜでしょうか?

私はその理由のひとつに、

「他の誰かにとってのいい家」と

「自分たちにとってのいい家」が、

いつの間にか混ざってしまうことがあるように思います。

 

人気の間取りや機能が、自分たちにも正解だとは限らない。

例えば、広いLDK

アイランドキッチン。

ファミリークローゼット。

ランドリールーム。

玄関からパントリーへつながる家事動線。

吹き抜け。

中庭。

ホテルライクなインテリア。

和モダンの落ち着いた空間。

本当に、どれも魅力的です。

 

私自身、こうした空間を設計することもあります。

けれど「人気があるから取り入れる」という理由だけでは、

私は間取やデザインの方向性に採用しません。

 

なぜなら、暮らし方が違えば

同じ間取りでも使いやすさは変わるからです。

 

例えば、大きなファミリークローゼット。

家族全員の衣類を一か所にまとめることで

洗濯や片付けが楽になる家庭もあります。

 

一方で、朝の身支度の時間が重なったり、

家族それぞれが自室で着替えたりする家庭では、

各部屋に収納した方が自然で便利な場合もあります。

 

アイランドキッチンも同じです。

夫婦や家族で料理を楽しむ家には

とても心地よい場所になるかもしれません。

 

しかし、

調理中の手元をあまり見せたくない。

生活感を抑えたい。

料理に集中したい。

そういう方なら、別のキッチンの形や

もっと異なる方向性での空間へのレイアウトの方が

心地よいこともあります。

 

つまり、間取りそのものに

絶対的な正解があるわけではないということです。

 

本当の意味での「いい家ランキング」が存在しない理由。

 

もし、日本中の人が満足できる

完璧な間取りが存在するのであれば、

注文住宅は必要ないのかもしれません。

 

みんなが同じ間取りで

暮らせばよいことになります。

 

でも実際には違います。

5時に起きる人。

夜遅く帰宅する人。

休日には料理を楽しむ人。

庭で過ごしたい人。

家では静かに読書をしたい人。

友人を招くことが好きな人。

車を眺めながら過ごしたい人。

家族がいつも同じ場所にいたい人。

それぞれ別々の場所で過ごしながらも、

お互いの気配を感じていたい家族。

 

同じ4人家族だったとしても、

暮らしの内容や感度はまったく異なります。

 

ですから私は建築家として、

家族構成や必要な部屋数だけを聞いて

間取りを考えることはしません。

 

私が図面を描く前に考える事。

 

住まいの設計のご相談では、

一見すると建築とは

あまり関係がなさそうなことまでお聞きします。

 

例えば、

朝起きて最初に何をしますか?

休日はどこで過ごすことが多いですか?

家族で食事をする時間はどれくらいありますか?

料理は一人でしますか?

それとも夫婦でしますか?

洗濯は朝ですか、夜ですか?

家に帰ったとき、最初に何を置きますか?

友人を家へ招くことはありますか?

一人になりたいときは、どのような場所で過ごしたいですか?

今の家で、小さなストレスを感じていることは?

そして、新しい家で、

どんな時間が増えたら嬉しいですか?

 

こうした会話を重ねていきます。

 

なぜなら、

設計図をつくるために必要なのは

「欲しい部屋の一覧」だけではないからです。

 

そのご家族が、どんな毎日を送っているのか。

どのような暮らしの不自由さを感じているのか。

どのような価値観の中で暮らしているのか?

その価値観の「周辺」には何が存在しているのか?

そこを知らなければ、

本当の意味で暮らしに合った家を考えることは難しいと思っています。

 

家づくりに必要なのは、

たくさんの知識を持つことだけではないと思います。

 

「この間取りが人気だから」ではなく、

「私たちには、こちらの方が心地よい。」

 

「この設備が高性能だから」ではなく、

「私たちの暮らしには、ここまで必要ない。」

 

「この家がおしゃれだから」ではなく、

「なぜか、この空間にいると落ち着く。」

 

そうした小さな感覚を、丁寧に拾えるようになること。

 

私はそれを「自分たちに合う家を見つける感度」と考えています。

その感度は、最初から備わっている必要はありません。

 

家族で話し、

今の暮らしを振り返り、

好きなものと、少し違うと感じるものを見比べ、

建築家との対話を重ねていく。

 

その過程で少しずつ、

「私たちは、こう暮らしたい」という輪郭が見えてきます。

 

私は、その輪郭を一緒に見つけることも、

住宅設計の大切な仕事だと考えています。

 

やまぐち建築設計室は、

間取りやデザインの前に暮らし方や価値観を読み取り、

言葉になりきらない想いまで整理することを

設計の重要なプロセスとして位置づけています。

 

「欲しいもの」を全部入れることが、注文住宅ではないということ。

 

家づくりを始めると、

欲しいものはどんどん増えていきます。

 

広いLDKも欲しい。

大きな収納も欲しい。

ランドリールームも欲しい。

書斎も欲しい。

中庭も欲しい。

ホテルのような洗面室も欲しい。

 

それ自体は自然なことです。

でも、ここで一度考えてみてください。

 

それをつくることで、

どんな時間を手に入れたいのでしょうか?

 

私は、この「問い」がとても大切だと思っています。

「中庭が欲しい」という希望のその先を考えるということ。

 

例えば「中庭が欲しい」というご希望があったとします。

そこで「分かりました。中庭をつくりましょう。」

とすぐに図面を描くこともできます。

 

でも私は、

なぜ中庭が欲しいのだろう?

と考えます。

 

外からの視線を気にせず

カーテンを開けて暮らしたいのかもしれない。

リビングから緑を眺めたいのかもしれない。

子どもを安心して遊ばせたいのかもしれない。

休日の朝、

夫婦で珈琲を飲みたいのかもしれない。

 

あるいは、

忙しい仕事から帰ってきたとき、

庭を眺めながら

気持ちを切り替えられる場所が欲しいのかもしれません。

 

同じ「中庭が欲しい」という言葉でも、

求めている暮らしは違います。

 

目的が違えば、

中庭の大きさも、

窓の位置も、

軒の深さも、

植栽も、

照明も、

室内との距離感も変わります。

 

ここに、注文住宅を設計する深い意味があります。

「何をつくるか」よりも「なぜ欲しいのか?」

これは収納でも、

キッチンでも、

LDKでも、

寝室でも、

ビルトインガレージでも同じです。

 

私は、要望そのものより、

その要望が生まれた理由を大切にしています。

 

「大きなLDKが欲しい。」なぜでしょう?

家族が集まりたいから?

人を招きたいから?

開放感が欲しいから?

今の家が狭く感じるから?

 

理由が違えば、設計の回答も変わります。

場合によっては、

LDKを大きくすることではなく、

窓の位置を検討する。

視線の抜けをつくる。

庭との関係を整える。

家具の配置を考える。

天井の高さを調整する。

そうすることで、

求めていた心地よさを実現できることもあります。

 

要望をそのまま図面にすることと、

要望の奥にある暮らしを設計することは、

似ているようで違います。

 

予算も「自分たちに合う家」をつくるための大切な条件。

 

注文住宅では、

予算の話を避けて通ることはできません。

 

土地。

建物。

外構。

家具。

照明。

設備。

性能。

素材。

 

すべてに費用を掛ければ、

当然ながら総額は大きくなります。

 

ですから大切なのは、

単純に「高い・安い」で考えることではなく、

自分たちは、

何にお金を使うと暮らしの満足度が高くなるのかを考えることです。

 

料理が大好きなご家族なら、

キッチンに予算を使う意味があるかもしれません。

 

庭で過ごす時間を大切にしたいなら、

建物を少しコンパクトにしてでも

外構や植栽を丁寧に整える方がよい場合もあります。

 

車が趣味なら、

ガレージは単なる駐車スペースではなく

暮らしを豊かにする居場所になるでしょう。

 

一方で、

使わない部屋や

必要以上の面積にお金を掛けても、

暮らしの満足につながるとは限りません。

 

ですから予算配分にも、

その家族の価値観が表れます。

 

いい家は「足し算」だけではつくれない。

家づくりでは

「これも欲しい」

「せっかくだから、これも」と考えたくなります。

 

ところが、

良いものを全部集めれば良い家になるとは限りません。

 

むしろ設計では、何をつくらないか、

という判断が重要になることがあります。

 

使わない部屋をつくらない。

必要以上に廊下をつくらない。

収納を闇雲に増やさない。

窓を必要以上につくらない。

流行しているからという理由だけで

設備を採用しない。

 

そして、本当に大切な場所には

きちんと余白を残す。

 

そうやって整理していくと、

その家族にとって大切なものが少しずつ見えてきます。

 

「誰にでも合う家」と「家族のための家」

誰にでも使いやすい家には、

汎用性という大きな価値があります。

 

それも一つの正解です。

しかし注文住宅には、

もう一つの考え方があります。

 

100人にとって80点の家ではなく、

そこに暮らす、その家族にとって心地よい家を考えること。

 

朝の光が入る場所。

料理をしている人から見える景色。

仕事から帰ってきたときに感じる空気。

家族が自然と集まる場所。

一人になりたいときに逃げ込める場所。

庭を眺めながら何もしない時間。

夜、照明を落として夫婦で静かに話す時間。

 

それらは住宅設備のカタログには

載っていません。

 

でも私は建築家として、家を建てたあとに残る豊かさは、

むしろこういう時間なのではないかと考えています。

 

「自分たちらしい家」が分からなくても大丈夫です。

ここまで読むと、

「では、自分たちらしい暮らしとは何だろう?」と思われるかもしれません。

 

実際、ご相談に来られる段階で、

すべてを明確に言葉にできる方は

それほど多くありません。

 

むしろ、

平屋がいいのか二階建てがいいのか分からない。

マンションか戸建てか迷っている。

建て替えるべきかリフォームすべきか決められない。

和モダンも好き。

ホテルライクも好き。

SNSを見るたびに

好きな家が変わってしまう。

 

そんな状態でも構わないのです。

 

答えが決まってから

建築家へ相談する必要はありません。

 

何に迷っているのか。

なぜ決められないのか。

何となく好きなもの。

何となく嫌なもの。

今の暮らしで感じている違和感。

 

そうした一つひとつを

一緒に整理していくところから、住まいの設計は始まります。

 

家を選ぶ前に、自分たちの「判断軸」をつくる。

情報が少なかった時代とは違い、

今はSNSYouTube、検索、AIによって

膨大な住宅情報を見ることができます。

 

だからこそ必要なのは、

もっと情報を集めることだけではありません。

 

自分たちは、何を大切にして暮らしたいのか?

という判断軸です。

 

例えば、

広さより居心地。

豪華さより静けさ。

家事効率より家族との距離。

あるいは逆に、

家族との時間を増やすために

徹底的に家事を効率化する。

 

どちらが正しいという話ではありません。

 

大切なのは「自分たちは、こちらが心地よい」と言えることです。

 

その軸が見えてくると、

SNSで人気の間取りを見ても、

住宅展示場へ行っても、

設備を比較しても、

情報に振り回されにくくなります。

 

家づくりの選択肢が

「多すぎて決められないもの」から、

「自分たちの暮らしに必要なものを選ぶための材料」へと変わっていきます。

 

私が考える「いい家」とは?

私は、いい家を一つの言葉で

定義することはできないと思っています。

 

なぜなら、いい家は、住む人によって違うからです。

 

ただ一つ、

設計するときに大切にしていることがあります。

 

完成した瞬間だけではなく、

5年後。

10年後。

20年後。

家族の暮らしが変わっても、

「この家を建ててよかった。」と、

ふとした日常の中で感じられる家であること。

 

華やかな写真を撮るためだけの家ではなく、

朝起きて、

食事をして、

仕事へ出掛け、

帰宅して、

家族と話し、

時には一人になり、

眠りにつく。

 

そんな何でもない毎日を

心地よく受け止め続ける家。

 

住宅設計とは、

その家族の人生の場面をつくる仕事なのだと思っています。

 

奈良で注文住宅を考えている方へ。

奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、桜井市、香芝市、

葛城市、北葛城郡、生駒郡、田原本町、明日香村、高取町、吉野郡などで、

注文住宅や平屋、建て替え、

リフォーム・リノベーションを検討されている方へ。

 

まだ土地が決まっていなくても。

間取りが決まっていなくても。

住宅会社を決めきれなくても。

「自分たちは、どんな家を建てたいのだろう?」という段階でも構いません。

 

むしろ、その時期だからこそ考えられることがあります。

家を建てることを急ぐ前に、

これから家族で、

どんな時間を過ごしていきたいのか・・・・・。

一度、そこから考えてみませんか?

 

やまぐち建築設計室では、

完成形を決めてから相談していただくのではなく、

まだ言葉になっていない希望や迷い、

今の暮らしで感じている小さな違和感まで

丁寧にお聞きしながら、

そのご家族にとっての

「暮らしの判断軸」を整理するところから

住まいづくりを考えています。

 

誰かにとっての正解ではなく、

あなたと、ご家族にとっての答えを。

 

その答えを一緒に探し、

建築として丁寧に形にしていくこと。

 

それが、建築家として私が考える注文住宅の設計の時間。

 

「何を建てればいいのか」ではなく、

「これから、どう暮らしていきたいのか」。

 

そんな話の入り口から、

住まいづくりを始めてみてください。

 

やまぐち建築設計室の予約制住まい造り相談会のご案内

 

※新築・リフォーム・土地探しなど、

まだ考えがまとまっていない段階からご相談いただけます。

 

〇関連blog・コラム

建築家に設計を依頼する意味とは?|奈良で注文住宅を考える方へ、価格では測れない「家族のための家」と設計の価値

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail969.html

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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