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ブログ・コラム

2026.09.15

いい家とは、暮らしに没頭できる家|注文住宅を建てる前に考えておくべき「何をしたくなるか」から始める間取りと幸福な時間のつくり方

カテゴリ:
住まいと暮らしの設計思想

 

暮らしに没頭できる家とは?

毎日の幸福感を育てる注文住宅と間取りの考え方。

 

 

 

吹き抜けと大開口から庭の緑を望む、ホテルライクなモダン住宅のLDK。錆鉄色の梁と火打ち梁、石調の壁、間接照明、造作収納を組み合わせ、家族で過ごす時間と一人で寛ぐ時間のどちらにも心地よく没頭できるよう計画した、注文住宅のリビング・ダイニング・キッチン。

※いい家とは、眺めるための家ではなく、暮らすほどに時間を忘れ、自分らしい日常に没頭できる家なのだと思います。

 

 

家を建てるとき「広いLDKがほしい」

「ホテルライクな空間にしたい」

「家事動線をよくしたい」

「収納を増やしたい」

「中庭のある家にしたい」

「和モダンで落ち着いた住まいにしたい」

 

そんな希望を考えることは、とても自然なことです。

 

けれど、住まいを設計するときに

やまぐち建築設計室が大切にしていることがあります。

 

その家で家族が何かに没頭できるか?

ということです。

 

少し意外に思われるかもしれません。

しかし、暮らしの幸福について考えていくと、

「何を持っているか」だけではなく、

どんな時間を過ごしているかというところへ辿り着きます。

 

幸せな暮らしは、

特別な出来事だけから生まれるわけではないということ。

 

旅行へ行く。

美味しいものを食べる。

欲しかったものを買う。

 

そうした非日常の喜びも、人生には必要です。

 

けれど私たちの人生の大部分を占めているのは、

もっと普通の時間。

 

例えばですが、

朝起きる。

顔を洗う。

朝食を食べる。

仕事へ行く。

帰宅する。

料理をする。

家族と話す。

お風呂に入る。

本を読む。

音楽を聴く。

庭を見る。

そして眠る。

 

だからこそ住まいを考えるときには、

「特別な日に幸せになれる家」だけではなく、

「何でもない日に心地よく過ごせる家」を考えることが大切だと考えています。

 

「没頭する時間」が、暮らしを豊かにするということ。

心理学には「フロー」と呼ばれる考え方があります。

 

時間を忘れて本を読んだり、

料理に夢中になったり、

庭の手入れをしているうちに夕方になっていたり、

趣味に集中して気がつけば何時間も経っていたり。

 

何かに深く入り込んでいる状態です。

 

こうした時間は、単なる暇つぶしではありません。

何かに集中することで余計なことを考える時間が減り、

「自分が今ここにいる」という感覚を取り戻す。

 

それが、暮らしの充実感につながっていくことがあります。

住まいは、その時間を支える場所でもあります。

家を建てても、

暮らしに集中できないことがあるということ。

 

ところが家づくりでは「何をつくるか」ばかりに

意識が向きやすくなります。

 

LDKは何帖。

収納は何帖。

ランドリールーム。

ファミリークローゼット。

アイランドキッチン。

吹き抜け。

中庭。

書斎。

ホテルライクなインテリア。

 

もちろん、どれも悪いものではありません。

 

問題は「なぜ、それが自分たちの暮らしに必要なのか」

という部分が抜け落ちてしまうことです。

 

このコラムを読んでいる「あなた」は

なぜ家を建てるのですか?

 

SNSで見た素敵な家を一つずつ足していった結果、

希望していたものは全部入ったのに、

なぜか落ち着かない。

そんなことも起こり得ます。

 

「便利」と「心地よい」は違うということ。

 

家事動線を短くする。

収納を増やす。

掃除をしやすくする。

 

こうした合理性はとても重要です。

けれど、暮らしは合理性だけではできていません。

 

例えば、

庭の木が風に揺れるのをぼんやり眺める。

朝、キッチンに柔らかな光が入る。

休日に少し時間をかけて珈琲を淹れる。

料理をしながら家族の気配を感じる。

お気に入りの椅子に座って本を読む。

夜、照明を少し落として音楽を聴く。

 

そんな効率性や性能ではない「何の役にも立たないように見える時間」が、

実は暮らしの幸福をつくっていることがあります。

 

ですから、やまぐち建築設計室では、

家事を早く終わらせる設計だけでなく、

その先に生まれた時間をどう過ごすのか?

まで考えることが大切だと思っています。

 

没頭できる場所は「書斎」だけではない。

「没頭できる空間」と聞くと、

書斎や趣味室を思い浮かべるかもしれません。

 

しかし私は、

必ずしも専用室が必要だとは考えていません。

 

窓辺に置いた一脚の椅子でもいい。

キッチンでもいい。

ダイニングでもいい。

庭に面した縁側でもいい。

中庭を眺める場所でもいい。

洗面室でも、

浴室でも、

薪ストーブの前でも構いません。

 

重要なのは部屋の名前ではなく、

そこで何をしている自分が心地よいのか?

ということです。

 

「考える」だけでは分からない暮らしがあるということ。

家づくりを始めると、

「理想の暮らしを教えてください」と聞かれることがあります。

しかし、いきなり聞かれても答えるのは難しいものです。

 

そこで私は、

理想を考える前に、

今の生活を観察してみることをおすすめしています。

 

休日、気がつくと何をしていますか?

家のどこにいる時間が長いでしょうか?

一人になりたいのは、どんなときでしょう?

家族と一緒にいたいのは、どんなときでしょう?

料理は好きでしょうか?

庭を眺めるのが好きでしょうか?

本を読みますか?

音楽を聴きますか?

車を触りますか?

お酒を楽しみますか?

友人を招くことが好きでしょうか?

何をしているとき、時間を忘れますか?

 

そこに、その家族にとって本当に必要な住まいのヒントが

隠れていることがあります。

 

喜怒哀楽を受け止められる家を考えるということ。

家族は、毎日笑っているわけではありません。

嬉しい日があります。

疲れて帰る日があります。

仕事で悔しい日があります。

夫婦で意見が合わない日もあるでしょう。

子どもが落ち込む日もあります。

一人になりたい夜もあります。

 

どうですか?

そんな風に思う事はありませんか?

 

そして・・・反対に、

家族みんなで、

夫婦で、親子で話したい夜もあるはずです。

 

ですから私は、

いつでも家族が一つの場所に集まることだけが、

いい間取りだとは思っていません。

 

つながる場所と離れられる場所。

明るい場所と少し陰影のある場所。

賑わう場所と静かな場所。

 

その両方があることで、

住まいは人の喜怒哀楽を受け止めやすくなります。

 

色・光・素材も「没頭できる環境」をつくるということ。

空間の印象は、間取りだけで決まりません。

色、光、素材、天井の高さ、窓の位置、家具、音、

外からの視線、庭との距離。

 

こうした要素が重なって、

居場所の感覚が生まれます。

 

例えばホテルライクな住まいだからといって、

すべてを明るく華やかにする必要はありません。

 

グレージュや木、石などを組み合わせ、

照明を必要な場所へ丁寧に配置することで、

静かに気持ちを整えられる空間になることがあります。

 

和モダンの住まいでも同じです。

深い軒。

障子越しの光。

庭の緑。

陰影。

低く抑えた天井。

そこから開ける景色。

 

日本の住まいが昔から大切にしてきた「間」や「余白」には、

人の気持ちを急がせない力があるように私は感じています。

 

憧れを捨てる必要はありません。

ここで誤解しないでいただきたいのは、

SNSや雑誌で見た憧れを諦める必要はない、

ということです。

 

ホテルライクにしたい。

和モダンにしたい。

大きなLDKがほしい。

中庭がほしい。

アイランドキッチンにしたい。

ガレージがほしい。

 

その憧れは、家づくりを始める大切な原動力です。

ただ「憧れているもの」と「自分たちが心地よく暮らせるもの」を一度整理してみる。

そこに建築家が関わる意味があると考えています。

 

憧れと現実の間を設計するということ。

家づくりには、敷地が必要です。

予算もおなじく。

建築や都市計画の法律があります。

構造があり、性能があります。

そして何より、

家族それぞれの生活があります。

 

理想だけを追えば、現実から離れてしまいます。

現実だけを優先すれば、

心が動かない家になるかもしれません。

 

ですから設計では、

憧れと現実のどちらかを諦めるのではなく、

それぞれにある最適な場所を探していく。

 

私はそれを大切にしています。

 

「何を置くか」より「何をしたくなるか」ということ。

家を見たときに「素敵」と思うことと、

その家で暮らして「なんだかここにいると落ち着く」

と感じることは、少し違います。

 

ですが、私は両方を大切にしたいと思っています。

座りたくなる。

庭を眺めたくなる。

料理をしたくなる。

本を読みたくなる。

家族と話したくなる。

少し早く帰りたくなる。

休日を家で過ごしたくなる。

そうした小さな行動が自然に生まれる住まいです。

 

人は「幸せになろう」と考え続けるだけでは、

なかなか幸せにはなれません。

 

けれど、

心地よい椅子があれば座る。

庭が見えれば眺める。

使いやすいキッチンなら料理をしたくなる。

静かな場所があれば本を開く。

つまり住まいは、

人の意志だけに頼らず、

望ましい行動が自然に起こる環境をつくることができるということ。

そこにも設計の意味があります。

 

環境が人を変える、

家族であっても人間関係をどのように生み出すのか?

 

家づくりは「未来の日常」を考えること。

家づくりというと、

間取りを決めることだと思われがちです。

 

しかし私が設計の打ち合わせで行っているのは、

もっと日常的なことです。

 

朝、どんなふうに目覚めたいのか。

休日はどこで過ごしたいのか。

家族とは、どんな距離でいたいのか。

一人になる時間は必要なのか。

何をしていると心が整うのか。

10年後、20年後、

どんな暮らしをしていたいのか。

 

そこから逆算して、

間取り、動線、収納、窓、光、素材、色彩、家具、庭との関係を整えていく。

 

ですから私は、

住宅設計とは建物をつくること以上に「家族の時間を設計すること」だと考えています。

 

奈良で注文住宅や住まいづくりを考えている方へ。

奈良市、生駒市、大和郡山市、橿原市、桜井市、香芝市、

葛城市、北葛城郡、生駒郡、田原本町、明日香村、高取町、吉野郡などで、

注文住宅や建て替え、リフォーム・リノベーションを考えている方へ。

 

間取りを考える前に、

少しだけ考えてみてください。

 

新しい家で、

あなたは何に夢中になっていたいでしょうか?

 

庭でしょうか。

料理でしょうか。

読書でしょうか。

音楽でしょうか。

車でしょうか。

仕事でしょうか。

子どもとの時間でしょうか。

夫婦で静かに過ごす時間でしょうか。

 

答えは、家族によって違って当然です。

そして、その違いこそが、

注文住宅をつくる意味だと思っています。

 

誰にでも合う家ではなく、

その家族だからこそ心地よい家。

 

便利なだけでも、

美しいだけでもなく、

何でもない一日に自然と没頭でき、

ふとした瞬間に「この家でよかった」と思える暮らし。

 

やまぐち建築設計室では、

間取りやデザインを決める前に、

家族の暮らし方、価値観、日々感じている小さな不便、

そしてまだ言葉になっていない希望まで丁寧に整理しながら、

そのご家族にとっての「心地よい日常」を一緒に考えています。

 

家を建てることだけではなく、

これからどんな時間を過ごしていきたいのかということ。

そこから住まいづくりを考えてみませんか?

やまぐち建築設計室の住まいづくり、予約制相談会のご案内

 

※新築・リフォーム・土地探しなど、

まだ考えがまとまっていない段階からご相談いただけます。

 

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建築家に設計を依頼する意味とは?|奈良で注文住宅を考える方へ、価格では測れない「家族のための家」と設計の価値

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail969.html

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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