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ブログ・コラム

2026.07.27

収納を増やしても片付かないのはなぜ?|散らからない家をつくるために、建築家が見つけた本当の原因

カテゴリ:
収納計画と片付けやすい間取り

収納が足りないと思っている人ほど、

本当は収納に困っていない理由。

 

奈良で注文住宅・リフォームを考える方へ、

暮らしを整える建築家が見つけた「本当の原因」

 

収納を増やしても片付かない悩みに対し、生活動線と物の戻しやすさから収納計画を整えた奈良県の注文住宅。グレージュモダンのホテルライクなLDKに、ブラックチェリーの床、壁面収納、キッチン収納を設けた設計事例。

※収納を増やす前に、

 毎日の動きと「物の戻しやすさ」

 片付けやすさを見直してみませんか。

 

 

「収納が足りないんです。」

 

家づくりのご相談で、

とてもよく耳にする言葉です。

 

注文住宅を検討している方も、

リフォームを考えている方も、

多くの方が「もっと収納を増やしたい」と

おっしゃいます。

 

しかし、

これまで数多くの住まいづくりに

携わってきた中で感じるのは、

収納が足りないこと、

そのものが問題であるケースは、

実はそれほど多くないということです。

 

本当に困っている原因は、

別のところに隠れています。

 

今回のコラムでは、

収納の広さや数だけでは解決できない

暮らしの問題と、

整理収納と暮らしの関係性を考える

建築家だからこそ見えてくる

解決方法について書いてみたいと思います。

 

「収納を増やせば片付く」は本当でしょうか?

新築住宅の広告記事や資料を見ると、

* 大容量ウォークインクローゼット

* ファミリークローゼット

* パントリー

* シューズクローク

* 小屋裏収納

など、「収納の多さ」が

魅力として紹介されています。

 

もちろん、収納は大切です。

 

しかし、

それだけで暮らしが整うのであれば、

新しい家に住み始めた

すべての人が

片付けに困らないはずです。

 

実際には、

他の住宅会社で

住まいをご新築された方からの問い合わせで、

相談収納は増えたのに、

以前と同じように散らかる。

という「問い合わせ」ご相談も

少なくありません。

 

つまり問題は、

収納量ではないのです。

 

本当に足りないのは

「収納」ではなく「戻しやすさ」。

 

例えば、仕事から帰宅した場面を

思い浮かべてください。

 

玄関でバッグを置き、

上着を脱ぎ、

郵便物を置き、

鍵を置き、

買い物袋をキッチンへ運ぶ。

 

この一連の流れの中で、

収納場所が遠かったり、

動線から外れていたりすると、

「あとで片付けよう」

という行動になります。

 

〇関連blog

家にいるのに疲れる原因とは?収納・家具・インテリア・動線から派生する、心が休まる住まい設計暮らしと感情を整える住まいの環境設計という考え方

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail848.html

 

そして、その「あとで」は、

忙しい毎日の中で積み重なり、

散らかりへと変わっていきます。

 

リビングでは

ソファの上やダイニングチェアの周辺に

ついつい「物」を

置いたりしていませんか?

 

人は面倒だと感じる行動を、

無意識に後回しにする傾向があります。

 

だからこそ、

片付けやすい家とは、

収納が多い家ではなく、

自然と元の場所へ戻したくなる家

なのだと考えています。

 

建築家が最初に見て考えるのは、

収納だけではありません。

 

やまぐち建築設計室では、

「収納はどれくらい必要ですか?」

という質問から

設計を始めることはありません。

 

まず知りたいのは、

そのご家族が、

どのように暮らしているのかです。

 

例えば、

朝は誰が一番早く起きるのか。

共働きなのか。

洗濯は夜にするのか、朝にするのか。

ネット通販をよく利用するのか。

趣味の道具はどこで使うのか。

休日は家族でどのように過ごすのか。

 

こうした日常の積み重ねを

丁寧に整理していくと、

収納の位置も、

収納の大きさも、

必要な種類も、

暮らしの前提条件と

間取で生まれる特長を意識する事で

解決策が見えてきます。

 

間取り同様に、

収納計画は暮らしの結果であって、

出発点ではありません。

 

〇関連blog

片付けが苦手でも整う家へ|暮らしの動線から考える建築家の整理収納設計

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail691.html

 

収納が多い家より、

散らからない家を設計するということ。

 

収納スペースを増やすことは、

それほど難しいことではありません。

 

しかし、本当に目指すべきは、

物が見えない家ではなく、

片付けることを意識しなくても

整っていく家。

 

例えば、

玄関近くにコートを掛ける場所があるだけで、

リビングの椅子に

上着が置かれなくなります。

 

洗濯動線の途中に

ファミリークローゼットがあれば、

畳んだ洗濯物を

何度も持ち運ぶ必要がありません。

 

※家庭環境、間取りにもよります。

 

パントリーも、

買い物動線と冷蔵庫の位置を

考えるだけで、

家事の負担は大きく変わります。

 

こうした一つひとつの積み重ねが、

「散らからない暮らし」を

つくっていきます。

 

忙しい家族ほど、

この考え方が大切です。

 

時間は、誰にとっても平等ですが、

忙しい方ほど「判断する回数」を

減らすことが

暮らしの質につながります。

 

毎日、

「どこへ置こう。」

「あとで片付けよう。」

「どこにしまったかな。」

そんな小さな判断が積み重なることで、

知らず知らずのうちに

心も疲れていきます。

 

だからこそ、

建築家が設計すべきなのは

収納スペースではなく、

暮らしの中から「迷う時間」を減らす仕組み

なのです。

 

これは、住宅だけでなく、

経営や仕事にも

共通する考え方ではないでしょうか。

 

今日からできる、小さな暮らしの診断

もし今、

「収納が足りない」

と感じているなら、

新しい収納家具を探す前に、

試していただきたいことがあります。

 

一週間だけでも構いません、

家の中で、

物を置きっぱなしにした場所を

メモしてみてください。

 

玄関。

ダイニングテーブル。

ソファ。

キッチンカウンター。

洗面台。

その場所には、

「片付ける気がない」のではなく、

「そこに置く理由」があることに

気づくはずです。

 

その理由を見つけることが、

本当に暮らしやすい

住まいづくりの第一歩になります。

 

建築家は「収納」だけを

設計しているのではありません。

 

収納を増やすことはできます。

棚を増やすこともできます。

クローゼットを

広くすることもできます。

 

しかし、

それだけでは、

暮らしは整いません。

 

私たち建築家が設計しているのは、

収納スペースという場所だけではなく、

そのご家族が、

無理なく心地よく暮らし続けられる

毎日の仕組みであり習慣です。

 

家づくりとは、

要望を図面にする仕事ではありません。

 

ご家族の暮らしを観察し、

言葉になっていない困りごとを見つけ、

設計によって解決するということ。

 

もし収納のことで悩んでいるなら、

「収納を増やす方法」だけではなく、

「なぜ散らかるのか」という

本当の理由を考えてみませんか。

 

その答えは、収納の中ではなく、

毎日の暮らしの中にあります。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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