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2026.06.14
実家を相続したら何から始めるべきか?そのままにする・建替え・リフォーム・売却で後悔しないための考え方
- カテゴリ:
- 古民家再生・空き屋問題
実家を相続したら、考えておくべきこと。
建替え・リフォーム・売却で
後悔しないための住まいの整理について。

※実家を相続したとき、大切なのは
「残すか手放すか」を急いで
決めることではありません。
まずは建物や土地の状態を知り、
これからの暮らしとの関わり方を
整理することが、
後悔しない選択への第一歩になります。
親から実家を相続する。
それは、単に土地や建物を
受け継ぐという話だけではありません。
そこには、
家族の記憶があり、
親が暮らしてきた時間があり、
自分自身の育った風景が残っています。
だからこそ、
実家を相続したとき、
多くの方が迷います。
売った方がよいのか。
残した方がよいのか。
リフォームして住めるのか。
建替えた方がよいのか。
それとも、
しばらく空き家として管理すべきなのか。
答えを急ぎたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、
実家の相続で後悔しやすいのは、
最初に「売る」「壊す」「直す」といった
結論から入ってしまうことです。
本当に大切なのは、
まずその家と土地の状態を知り、
家族の考えを整理し、
これからの暮らしに
どう関わる場所なのかを見極めることです。
奈良で家づくりやリフォーム、
古民家再生、
空き家管理のご相談を受ける
建築家の視点から、
実家を相続したときに
最初に考えておくべき順番について
お伝えします。
実家を相続した直後に、
いきなり売却を考えない方がよい理由
実家を相続すると、
まず頭に浮かぶのは
「この家をどうするか」という問題です。
特に、自分たちがすでに
別の場所で暮らしている場合、
実家に住む予定がなければ、
売却を考えるのは自然なことです。
ただし、
すぐに売却だけを前提にしてしまうと、
その土地や建物が持っている
本来の可能性を
見落としてしまうことがあります。
例えば、
古い家に見えても、
構造や敷地条件によっては
リノベーションで
十分に住み継げる場合があります。
反対に、見た目はきれいでも、
雨漏りや耐震性、
法律上条件などに課題があり、
建替えや売却の前に
整理すべき問題が
隠れていることもあります。
また、実家は不動産であると同時に、
家族の記憶が残る場所です。
感情だけで残すと
維持管理に苦しむことがありますし、
効率だけで売却すると、
後から
あの場所をもう少し
活かせたのではないか?
と感じることもあります。
だからこそ、
最初に必要なのは結論ではなく、
情報と状態の整理です。
まず確認するべきことは
「相続手続き」と「期限」
建築や暮らしの話に入る前に、
確認しておくべきは
相続に関する基本的な手続きです。
不動産を相続した場合、
相続登記が必要になります。
現在は相続登記が義務化されており、
土地や建物を相続したことを
知った日から
一定期間内に
手続きを行う必要があります。
また、
相続税の申告が必要な場合には、
原則として期限があります。
ここで大切なのは、
冷静な判断を行うという事です。
相続登記は司法書士、
相続税は税理士、
遺産分割や相続人間の調整は弁護士など、
内容に応じて
専門家へ確認することが大切です。
つまり、相続の手続きと、
住まいの可能性。
この二つを分けて考えることが、
後悔しない第一歩になります。
次に見るべきは、
家の「見た目」ではなく「状態」
実家を久しぶりに訪れると、
どうしても目に入るのは、
古くなった外壁や傷んだ床、
使いにくそうな台所、
暗い廊下などです。
しかし、建物の価値は
見た目だけでは判断できません。
確認するべきは次のような部分です。
築年数。
構造の状態。
雨漏りの有無。
シロアリ被害の有無。
基礎や床下の状態。
屋根や外壁の傷み。
断熱性や耐震性。
給排水管や電気設備の老朽化。
過去の増改築の履歴。
これらを確認せずに「古いから壊す」
「まだ住めそうだから直す」と
決めてしまうと、
後から大きな費用が
発生することがあります。
特に築年数の古い住宅では、
表面をきれいにする
リフォームだけでは
解決できない問題が
潜んでいることもあります。
一方で、
古い家だからこそ
残せる価値もあります。
深い軒。
落ち着いた和室。
庭との距離感。
柱や梁の存在感。
今の住宅には少なくなった余白。
こうしたものは、
新築では簡単に再現できない魅力です。
大切なのは、
古いか新しいかではなく、
残す価値がある部分と、
更新すべき部分を見極めることです。
土地の条件を知らずに、
建替えや売却を決めない
実家を相続したとき、
建物ばかりに意識が向きがちですが、
実は土地の条件も非常に重要です。
例えば、次のような点です。
道路にきちんと接しているか。
再建築が可能な土地か。
敷地と道路に高低差がないか。
市街化区域か、市街化調整区域か。
建ぺい率や容積率はどうか。
古い擁壁や境界の問題はないか。
駐車場を確保できるか。
上下水道やインフラに問題はないか。
同じように見える土地でも、
建替えしやすい土地と、
思った以上に
制約の多い土地があります。
特に奈良県内では、
古くからの集落や
市街化調整区域、
細い道路に面した住宅地、
敷地と道路に高低差のある土地
などもあります。
そうした条件を
知らずに売却や建替えを判断すると、
思っていた計画が
進まないことがあります。
実家の相続では、
建物だけではなく、
土地の性格を知ることが大切です。
家族で話し合う前に、
感情と現実を分けておく
実家の相続で難しいのは、
建物の状態だけではありません。
家族の気持ちです。
兄弟姉妹の中で、
売りたい人もいれば、
残したい人もいます。
誰かが住みたいと思っている
場合もあれば、
誰も住む予定はないけれど、
親の家を手放すことに
抵抗がある場合もあります。
ここで大切なのは、
感情を否定しないことです。
実家に対する想いは、
人それぞれ違います。
ただし、
想いだけでは維持管理はできません。
固定資産税、火災保険、
草木の管理、雨漏りへの対応、
近隣への配慮、
防犯、台風や地震への備え。
空き家として持ち続ける場合にも、
現実的な負担があります。
だからこそ、
家族で話し合う前に、
まず情報を
整理しておくことが大切です。
建物の状態。
土地の条件。
維持管理にかかる費用。
リフォームした場合の可能性。
建替えた場合の可能性。
売却した場合の考え方。
感情と現実を分けて整理することで、
家族の話し合いは
少し穏やかになります。
建替えが向いている場合
実家を建替えるという選択は、
単に古い家を
新しくするということではありません。
その土地で、
これからの暮らしをもう一度
組み立てるということです。
建替えが向いているのは、
例えば次のような場合です。
建物の老朽化が大きい。
耐震性に不安がある。
断熱性や設備の更新だけでは
暮らしにくさが解決しない。
間取りが今の家族構成に合っていない。
二世帯住宅や平屋など、
新しい暮らし方を考えたい。
その土地に長く住み続けたい。
建替えの良さは、
今の暮らしに合わせて
一から設計できることです。
親の時代の暮らしに合わせて
つくられた家を、
自分たちのこれからの暮らしに
合わせて
整え直すことができます。
ただし、建替えには解体費用、
申請、地盤、外構、仮住まいなど、
建物本体以外の費用も関わります。
また、現在の法律では
同じ規模の家が
建てられない場合もあります。
だからこそ、
建替えを考える場合は、
最初に土地条件と
法規制を確認することが大切です。
リフォーム・リノベーションが
向いている場合
実家を残したい。
親が大切にしてきた家の
面影を引き継ぎたい。
そう考える方にとって、
リフォームやリノベーションは
有力な選択肢です。
特に、構造が健全で、
雨漏りや大きな劣化が少なく、
土地条件にも
大きな問題がない場合は、
住み継ぐ可能性があります。
リフォームが向いているのは、
例えば次のような場合です。
柱や梁など
構造部分に大きな問題がない。
家の雰囲気や庭を残したい。
和室や縁側など、
既存の良さを活かしたい。
新築よりも既存建物を
活かすことに価値を感じている。
将来的に週末住宅や
二拠点生活として使いたい。
古民家再生や
和モダンの暮らしに関心がある。
ただし、リフォームで大切なのは、
表面的にきれいにすることでは
ありません。
断熱、耐震、設備、動線、
収納、採光、通風。
今の暮らしに必要な性能と、
昔の家が持つ良さをどう両立させるか。
そこを丁寧に考えることで、
実家は単なる古い家ではなく、
次の世代の暮らしを
支える場所になります。
売却が向いている場合
もちろん、
実家を手放すことが
悪いわけではありません。
誰も住む予定がなく、
管理も難しく、
将来的な活用予定もない場合は、
売却が現実的な選択肢に
なることがあります。
売却が向いているのは、
例えば次のような場合です。
相続人の誰も住む予定がない。
遠方に住んでいて管理できない。
建物の傷みが大きく、
維持費がかかり続ける。
家族間で現金化した方が分けやすい。
その土地で暮らす未来が描けない。
ただし、売却する場合でも、
建物や土地の状態を
把握しておくことは大切です。
古家付きで売るのか。
解体して更地にするのか。
リフォームしてから売るのか。
活用の可能性を整理してから
判断するのか。
この違いによって、
費用も進め方も変わります。
売却は最後の選択肢ではありませんが、
最初に急いで
決めるものでもありません。
空き家として持ち続けるなら、
管理の計画が必要
今すぐ決められないから、
しばらく空き家のままに
しておこう・・・・・。
そう考える方も多いと思います。
その判断自体は
間違いではありません。
ただし、空き家は放置すると
傷みが早く進みます。
人が住まなくなると、
換気が減り、湿気がこもり、
雨漏りに気づきにくくなります。
庭木や雑草が伸び、
近隣に迷惑をかけることもあります。
台風や大雨の後に
屋根や外壁の傷みに
気づかないまま時間が経つと、
修繕費用が大きくなることもあります。
空き家として持ち続ける場合は、
定期的な換気、通水、清掃、
外回りの確認、
庭木の管理、
防犯確認などが必要です。
管理するという選択も重要です。
その意識を持つことが大切です。
判断の順番を間違えないことが、
後悔を減らすということ。
実家を相続したとき、
多くの方はこう考えます。
売るか。
直すか。
建替えるか。
しかし、
建築家の視点では、
順番は少し違います。
まず、相続の手続きと期限を確認する。
次に、建物の状態を知る。
土地の条件を知る。
家族の考えを整理する。
これからの暮らしを考える。
その上で、
建替え・リフォーム・売却・管理を比較する。
この順番が大切です。
家は、単なる資産ではありません。
けれど、想いだけで
持ち続けられるものでもありません。
だからこそ、
感情と現実の間に、
丁寧な整理が必要になります。
やまぐち建築設計室が大切にしていること
やまぐち建築設計室では、
実家や空き家、建替え、リフォーム、
古民家再生のご相談をいただいた際、
最初から答えを決めつけることはしません。
建替えた方がよい家もあります。
リフォームで
十分に活かせる家もあります。
手放した方が
家族にとって穏やかな場合もあります。
しばらく管理しながら、
将来の選択肢を
残す方がよい場合もあります。
大切なのは、
その家をどうするかだけではなく、
これからどう整えるかです。
住まいをつくるのではなく、
暮らしを整える。
実家の相続も、
家づくりと同じように、
暮らしを見直すきっかけになります。
親が暮らした家を、ただ残すのか。
新しい暮らしへ受け継ぐのか。
家族にとって
無理のない形で手放すのか。
その判断は、
急がなくてもよいと思います。
ただし、放置はしない方がよい。
まずは、現状を知ること。
そこから、
後悔しない選択が始まります。
実家を相続したら、最初にすべきことは、
売却でも建替えでもリフォームでもありません。
まずは、整理です。
相続の手続きと期限を確認する。
建物の状態を知る。
土地の条件を確認する。
家族の考えを整理する。
維持管理にかかる現実を知る。
これからの暮らしを考える。
その上で、建替え・リフォーム
売却・空き家管理という選択肢を
比較することが大切です。
実家は、思い出の場所であり、
同時にこれからの暮らしに関わる
大切な資産でもあります。
だからこそ、
焦って決めるのではなく、
丁寧に向き合うこと。
奈良で実家を相続された方、
空き家の管理や建替え、リフォーム、
古民家再生で迷われている方は、
まず「何を選ぶか」ではなく、
「何を大切にしたいのか」から
考えてみてください。
家の話から始めるのではなく、
暮らしの話から始める。
そこに、
後悔しない実家の引き継ぎ方が
見えてくるはずです。
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