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ブログ・コラム

2026.06.07

ファミリークローゼットは本当に必要なのか。家事動線だけでは見えてこない、後悔しない住まいと収納計画の考え方

カテゴリ:
家づくりと間取りの考え方

ファミリークローゼットは本当に必要なのか。

家事動線だけでは見えてこない、

暮らしやすい住まいの考え方。

 

家づくりのご相談をいただく中で、

近年特に増えている

ご要望のひとつが

「ファミリークローゼットを設けたい」

というものです。

 

ファミリークローゼットは本当に必要なのかを考えるための収納計画事例。ブラックチェリーのフローリングが温かみを演出する大容量のウォークイン型ファミリークローゼット。ランドリールームや洗面室と連携した家事動線と生活動線を計画し、共働き夫婦や子育て世代の暮らしやすさを高める収納設計。家族の成長やライフスタイルの変化にも対応できる、建築家が提案する後悔しない住まいづくりの実例。

※収納は広さよりも使い方で考えるように。

 家族の成長や暮らしの変化まで考えることが、

 後悔しないファミリークローゼット計画の

 第一歩です。

 

SNSや住宅情報サイト、

施工事例などでも

頻繁に取り上げられているため、

今の家づくりには必須の空間なのではないか?

と考える方も少なくありません。

 

確かにファミリークローゼットには

多くの魅力があります。

 

洗濯物を一か所にまとめて収納できる。

各部屋に衣類を運ぶ手間を減らせる。

ランドリールームと連携することで

家事効率が向上する。

 

忙しい共働き世帯や子育て世代にとって、

そのメリットは

非常に魅力的に映るのだと思います。

 

しかし、本当に大切なのは

「流行しているから採用すること」

ではありません。

 

その空間が、

ご家族の暮らし方や価値観、

そして将来の変化にまで

対応できるかどうかが重要です。

 

私たち建築家が考える住まいづくりは、

単なる間取りづくりではありません。

 

そこに暮らす人の行動や心理、

家族関係や成長の過程まで含めて

住まいのカタチとして

整える事が大切だと考えています。

 

その視点から見ると、

ファミリークローゼットは

単なる収納空間ではなく、

家族の暮らし方そのものを

映し出す場所でもあるのです。

 

なぜファミリークローゼットが

人気なのか?

 

現代の暮らしは

以前よりも忙しくなっています。

 

共働き世帯の増加。

子どもの習い事。

在宅勤務の普及。

家事と育児の両立。

 

限られた時間の中で

多くのことを

こなさなければならない時代です。

 

そのため家づくりにおいても、

「少しでも家事負担を減らしたい」

「効率良く暮らしたい」

という考え方が

重視されるようになりました。

 

ファミリークローゼットは

まさにその象徴とも言える存在。

 

しかし、ここで少し

考えてみたいことがあります。

 

本当に求めているのは収納でしょうか?

あるいは家事の効率化でしょうか?

 

実際に求めているのは、

「家族と過ごす時間」

「心の余裕」

「暮らしやすさ」

ではないでしょうか?

 

収納はあくまでも手段です。

目的ではありません。

 

〇関連blog

家にいるのに疲れる原因とは?収納・家具・インテリア・動線から派生する、心が休まる住まい設計暮らしと感情を整える住まいの環境設計という考え方

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail848.html

 

環境心理学から考える

収納と暮らしの関係性。

 

環境心理学という学問があります。

人と空間との関係を

研究する分野の学問です。

 

環境心理学では、

人の行動や感情は

周囲の環境から大きな影響を

受けることが分かっています。

 

例えば、

片付いている空間では

集中力が高まりやすい。

 

視界に物が多い空間では

無意識にストレスが増える。

 

動線が複雑な空間では

疲労感が蓄積しやすい。

 

といった研究結果があります。

 

つまり住まいの設計は、

単なる建物づくりではなく、

人の心理状態や家族関係にまで

影響を与えるということです。

 

収納計画も同じです。

収納量が多いことが

重要なのではありません。

 

「自然と片付く仕組み」が重要なのです。

 

ファミリークローゼットが

上手く機能する住まいでは、

家族が無理なく片付けられます。

 

逆に動線や位置が合っていない場合は、

どれだけ広くても

不便な収納となり

物を押し込むだけの部屋となり

使われなくなってしまいます。

 

家事動線だけで考えると見落とすこと。

ファミリークローゼットを

検討するとき、

多くの人は家事動線を重視します。

 

ランドリールームの隣に設ける。

洗濯物をすぐに収納できる。

 

〇関連ブログ

ランドリールームで後悔する人が見落としていること。家事動線だけでは叶わない、建築家が提案する本当に暮らしやすい間取りと住まいの考え方

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail874.html

 

確かに合理的です。

しかし暮らしは

家事だけでは成り立っていません。

 

朝起きる。

身支度をする。

学校へ行く。

仕事へ行く。

帰宅する。

入浴する。

着替える。

就寝する。

 

家族の一日は

多くの行動の連続です。

 

ファミリークローゼットは、

その流れの中で考える必要があります。

 

家事動線だけを最適化しても、

生活動線が

不自然であれば

使いにくい空間になります。

 

つまり、

家事動線

生活動線

心理的な使いやすさ

この三つを同時に

考えることが大切なのです。

 

子どもの成長と収納の変化

ここが最も見落とされやすいポイントです。

 

家づくりは

今だけを考えるものではありません。

 

子どもが3歳の時と

15歳の時では

暮らし方が大きく変わります。

 

幼少期は親が衣類を管理します。

小学生になると

自分で準備するようになります。

小学生もあり時期から、

そして中学生になると

プライバシー意識が重要になります。

 

高校生になると

自室中心の生活になります。

 

つまり家族収納の

あり方も変化するのです。

 

小さい頃は便利だった

ファミリークローゼットが、

成長後には

使われなくなることもあります。

 

だからこそ私たちは、

今の便利さだけでなく、

10年後

20年後

の暮らしまで考えながら設計を行います。

 

家族関係を育てる収納計画

収納は物をしまう場所ではありません。

実は家族関係にも大きな影響を与えます。

 

例えば、

帰宅したら自然と上着を掛ける。

ランドセルを決まった場所に置く。

洗濯物を家族それぞれが片付ける。

 

こうした行動が

自然に行われる住まいでは、

家事負担が

特定の人に集中しにくくなります。

 

反対に、

片付けにくい。

戻しにくい。

遠い。

面倒。

 

そう感じる収納計画では、

家族の誰かが

負担を抱えることになります。

 

住まいは家族の行動を育てます。

そして行動の積み重ねが

家族の関係性を育てていくのです。

 

平屋とファミリークローゼット

やまぐち建築設計室では

平屋のご相談も多くいただきます。

 

平屋はワンフロアで

生活が完結するため、

ファミリークローゼットとの

相性が良い場合があります。

 

寝室。

子ども部屋。

ランドリールーム。

洗面室。

 

それぞれの距離を

適切に調整できるからです。

 

しかし平屋だから

必ず必要というわけではありません。

 

収納を一か所に集約することで

便利になる場合もあれば、

各部屋に適切な収納を

設けた方が使いやすい場合もあります。

 

重要なのは流行ではなく、

ご家族の暮らし方です。

 

本当に必要なのは

収納ではなく「暮らしの設計」

 

ファミリークローゼットが必要かどうか。

実はこの問いに正解はありません。

なぜなら住まいの最適解は

家族ごとに違うからです。

 

収納計画は、

家族構成

働き方

子どもの年齢

趣味

価値観

将来設計

によって変わります。

 

だからこそ私たちは、

最初から間取りを描きません。

 

まず暮らしを伺います。

どのような朝を迎えたいのか。

どのような夜を過ごしたいのか。

家族との時間をどう大切にしたいのか。

 

その対話の中から、

本当に必要な収納の形が

見えてくるのです。

 

ファミリークローゼットは便利な収納です。

しかし、それは暮らしやすさを

保証するものではありません。

 

家事動線だけでは

見えてこないことがあります。

 

生活動線。

家族関係。

子どもの成長。

環境心理学から見た居心地の良さ。

そして将来のライフスタイルの変化。

 

それらを総合的に考えた先に、

本当に暮らしやすい

住まいがあります。

 

収納を考えることは、

家族の未来を考えること。

 

間取りを考えることは、

暮らし方を考えること。

 

やまぐち建築設計室では、

収納の数や広さではなく、

その先にある家族の暮らしを

大切にしながら住まいを設計しています。

 

ファミリークローゼットを

つくるかどうかではなく、

どのような暮らしを実現したいのか?

 

その問いから

家づくりを始めてみませんか。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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