ブログ・コラム
2026.05.26
家づくりで後悔する人の共通点。―共働き・子育て世代が見落としやすい「暮らしの価値観」と、心が整う住まいの設計について―
- カテゴリ:
- 住まいと暮らしの考え方
家づくりで人生が変わる人と、
後悔する人の違い。
間取りの前に整えるべき
暮らしの価値観について。

※間取りを考える際には、
どんな人生を送りたいのかを考えるように。
「こんなはずじゃなかったんです」
家づくりを終えた後、
SNSなどでそう漏らす人も
多いようです。
決して失敗した家ではない。
性能も悪くない。
設備も整っている。
見た目も、
周囲からは「素敵ですね」と言われる。
それなのに、
なぜか家にいても落ち着かない。
休日も、どこか疲れる。
家族が同じ空間にいても、
心に余裕が生まれない。
理想の家を手に入れたはずなのに、
暮らしそのものは、
思っていたほど豊かになっていない。
実は、こうした悩みは
少なくありません。
そしてその原因は、
単純な間取りの失敗だけではないことが
多いのです。
家づくりで後悔する人は、
「家」だけを考えてしまうということ。
家づくりを考え始めると、
多くの人はまず情報収集を始めます。
Instagram。
Pinterest。
YouTube。
住宅会社の施工事例。
間取り紹介。
雑誌、住宅展示場。
そこには、
魅力的な空間が並んでいます。
吹き抜け。
ホテルライクなLDK。
回遊動線。
大容量収納。
間接照明。
ジャパンディ。
高性能住宅。
もちろん、
それらは素晴らしい要素です。
ですが問題は、
何のために、その家を求めるのか
ということが整理されないまま、
家づくりだけが進んでしまうことです。
例えば、
「片付かないから収納を増やしたい」
と思っていても、
本当の問題はモノが増え続ける生活習慣
動線のストレス
心の余裕のなさ
家族間の役割負担
などにある場合があります。
つまり、家づくりの悩みの多くは、
間取り以前に、暮らし方そのものと
深く繋がっているのです。
今の時代、
多くの人が「家の中」で疲れています。
現代は、
想像以上に脳が疲れやすい時代です。
スマートフォン。
通知。
SNS。
仕事。
人間関係。
将来への不安。
常に何かが視界に入り、
気づかないうちに緊張が続いている。
だからこそ最近、
家にいるのに休まらないという人が
増えています。
リビングにいても落ち着かない。
気配が多い。
視線が散る。
モノが見える。
音が響く。
そうした小さな刺激の積み重ねが、
人の神経を疲れさせていくのです。
本来家とは、
疲れを回復する場所であるはずです。
けれど現代の住まいは、
便利さや効率を追い求めるあまり、
「休まる」という感覚が、
抜け落ちてしまうことがあります。
「便利な家」が、必ずしも
幸福を増やすわけではないという事。
もちろん便利さは大切です。
家事が楽になること。
移動しやすいこと。
収納しやすいこと。
それらは
日々の負担を減らしてくれます。
ですが、便利さだけで、
人は幸せになれるわけではありません。
例えば旅館やホテルに限らず
それぞれが思う
リラックスできる場所に行くと、
呼吸が深くなることがあります。
障子越しのやわらかな光。
木の香り。
静かな庭。
深い軒がつくる陰影。
程よい雑音・・・etc。
そこには急がなくていい空気
があります。
つまり人は単なる機能性だけではなく、
「感情が落ち着く環境」
を求めているのです。
住まいとは、
単純な場所ではありません。
心を回復させる場所であり、
人生を支える土台となる場所でもあります。
家は人生の「一部」になる。
人は環境の影響を受けながら生きています。
例えば、
暗い部屋では気持ちも沈みやすい。
騒がしい場所では集中しづらい。
散らかった空間では思考も乱れやすい。
逆に、
ほどよい自然光が入る。
視線が抜ける。
木の質感がある。
静かな時間が流れる。
そうした環境は、
人の感情を穏やかに整えてくれます。
〇関連blog
住まいは人生観の表出|間取りの前に整えるべき意識が、暮らしの質を決める理由
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail824.html
毎日の感情。
家族との会話。
睡眠の質。
思考の整理。
孤独感。
安心感。
それらは、
住環境と深く結びついています。
だからこそ、
家づくりとは単なる建築行為ではなく、
人生の環境設計を考える行為
でもあるのです。
後悔しやすい人には共通点があります。
家づくりで後悔しやすい人は、
「何を大切にしたいのか」ということが
曖昧なまま進めてしまう傾向があります。
例えば、
周囲に合わせる
SNSの流行を追う
“正解の間取り”を探す
性能競争に巻き込まれる
もちろん情報収集は大切です。
ですが、本当に大切なのは、
自分たちにとっての心地よさです。
人によって、
落ち着く空間は違います。
開放感が安心になる人もいれば、
包まれる感覚に安心する人もいる。
静かな家を求める人もいれば、
家族の気配を感じたい人もいる。
つまり家づくりとは、
自分たちらしい暮らしを
見つける作業でもあるのです。
家づくりで人生が変わる人。
一方で、
家づくりによって
人生が良い方向へ変わる人もいます。
その人たちは、
単に「おしゃれな家」を
求めているのではありません。
もっと深いところで、
「これからの人生を整えたい」
と思っています。
例えば、
仕事から帰った時、ほっとしたい。
休日は家族と穏やかに過ごしたい。
子どもとの時間を大切にしたい。
家にいる時間で気持ちを回復させたい。
そうした願いが、
住まいの軸になっているのです。
だからこそ、完成した家が、
単なる建物ではなく、
人生を見直したうえで
人生を支える場所になっていきます。
建築家と家づくりをする意味。
建築家との家づくりは、
単にデザインを
整える作業ではありません。
その人、その家族が、
どんな時に疲れ、
どんな空間で安心し、
どんな人生を送りたいのか。
そこまで丁寧に考えながら、
空間を整えて人生の環境設計を行うこと。
だからこそ、完成した時に、
「この家、自分たちらしい」
と感じられるのです。
間取や図面要素だけではなく、
感情や暮らし方まで含めて意味を設計する。
それが、
建築家の役割のひとつだと考えています。
心が整う住まいを考えるということ。
やまぐち建築設計室では、
それぞれの暮らしにとって
豊かさを感じられる住まいづくりを
ご提案しています。
大切にしているのは、
単に流行を追うことではありません。
住まい手の感情や
暮らし方に寄り添いながら、
帰ると呼吸が深くなる・・・・・。
そんな住まいを丁寧に。
家づくりとは人生を整えること。
だからこそ間取りを考える前に、
どんな人生を送りたいのかを
大切に考えて欲しいと思います。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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