ブログ・コラム
2026.04.29
住まいは人生観の表出|間取りの前に整えるべき意識が、暮らしの質を決める理由
- カテゴリ:
- 住まいと暮らしの考え方
意識の向け方が、
住まいと人生の質を決めていく。
間取りの前に整えるべき「暮らしの本質」
について
住まいづくりで本当に大切なのは
間取りを考える事ではなく
「意識の向け方」。

※この空間は間取りの検討から
生まれたものではありません
暮らしへの“意識”から導かれた空間です
光の入り方、家族の距離感、過ごす時間の質
それらを整えた結果としてこの空間があります
暮らしの質や家族関係、
人間関係まで整えるための
住まい設計の本質を、
建築家の視点から少し書いてみたいと思います。
住まいづくりを考え始めたとき、
多くの方がまず思い浮かべるのは
「間取り」や「デザイン」ではないでしょうか?
・リビングは何畳にするか
・キッチンは対面型がいいのか
・収納はどれくらい必要か
もちろん、
それらはとても大切な要素です。
しかし・・・・・。
独立して建築家として
仕事をしているこの22年間で
私は一つの確信を持つようになりました。
家づくりで後悔する理由や
間取りで失敗する人の共通点
などという話がSNSなどでも
解説されている事がいおおいですが、
見せかけのあおりだけで、
本質は語られていません。
テクニックやスペック
流行りではなくて、
家族の意識の向け方が整っていないままでは、
本当の意味で満たされる住まいには
ならないということです。
意識するということは、
“生き方を考えるということ”です。
「意識することは大切です」
この言葉は、
とてもシンプルですが、
実はとても深い意味を持っています。
ここでいう“意識”とは、
単に気を張ることでも、
努力を続けることでもありません。
どこに目を向けるのか。
何に価値を見出すのか。
家族とどのように向き合い、
人生設計を行うのか?
どのような時間を、
人生の中で大切にしたいのか。
つまり、
自分自身の生き方に、
どんな方向性を与えるのかという
選択について意識するということです。
人は、意識を向けたものによって
日々の行動が変わり、
行動の積み重ねが習慣となり、
やがてその人の人生を
かたちづくっていきます。
これは、暮らしにおいても、
住まいにおいても、
人格形成においても
まったく同じことが言えます。
流行や他者の価値観を基準にしてしまうと、
一見美しく整った住まいであっても、
それは「誰かの正解」を
なぞった空間になってしまう。
その結果、
自分たちの感覚と、
空間の在り方に微細なズレが生まれ、
日々の中で違和感として
積み重なっていきます。
間取りの前に整えるべき「暮らしの意識」
やまぐち建築設計室では、
設計に入る前の段階で、
必ず大切にしていることがあります。
それは、
間取りの前に「暮らしの意識」を
整えることです。
・どんな朝を迎えたいのか
・家族とどのような距離感で過ごしたいのか
・一人で過ごす時間に、何を求めるのか
・どんな光や、
どんな静けさに心地よさを感じるのか
こうした問いに向き合うことで、
はじめて
その人にとって本当に必要な空間が
見えてきます。
住まいとは、
単なる機能の集合体ではなく、
人生の時間を積み重ねていく場。
だからこそ、
どんな形にするかの前に、
どんな時間を過ごしたいのかを
明確にすることが重要になります。
意識が整うと、
空間は自然と整いはじめるということ。
不思議なことに、
暮らしに対する意識が整ってくると、
空間の在り方は
その家族に相応しくなるように
導かれていきます。
たとえば、
静かな時間を大切にしたい方には、
過度に開きすぎない、
陰影のある落ち着いた空間へ・・・。
家族との会話を重視したい方には、
自然と視線が交わる距離感や、
気配を感じられる配置に・・・・。
外とのつながりを感じながら
暮らしたい方には、
中庭や借景を取り込む設計が、
日常に豊かさをもたらすように。
これはすべて、
「どこに意識を向けているか」が
空間に表れているということです。
住まいは“人生観の表出”であるということ。
住まいとは、
単なる生活の入れ物ではありません。
そこには、
住まい手の価値観や、
人生に対する姿勢が出現します。
何を大切にしているのか。
どんな時間を
愛おしいと感じているのか。
どんな未来を思い描いているのか。
それらが、
空間の質感や構成、
光の入り方や余白の取り方にまで
影響していきます。
つまり、
住まいは人生観そのものの表出である
とも言えるのです。
ほんの少しでも、
意識の向きを整えるだけでいいと思います。
大きく何かを変える必要はありません。
ただ、理想や夢だけではなくて
キチンと現実の立ち位置と関係性を
見直して、ほんの少し、
人生を意識するように
自分たちの暮らしに
意識を向けてみること。
・今の生活の中で、
本当に大切にしたい時間は何か
・無意識に流されている習慣はないか
・家族との関係性は、
心地よい距離感になっているか
そうした「小さな問い」が、
これからの住まいづくりを
大きく変えていきます。
〇関連blog
家づくりの相談は人生相談ということ|建築家が考える、後悔しないための暮らしと時間の質を整える住まい設計の本質
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail815.html
そしてその積み重ねが、
日々の暮らしの質を整え、
やがて人生全体の
豊かさへとつながっていくものです。
家づくりは、
人生を整えるための
プロセスだということ・・・・・。
住まいをつくるという行為は、
単に建物を建てることだけではありません。
これからの人生を
どのように過ごしていくのかを
見つめ直す時間でもあります。
だからこそ、
やまぐち建築設計室では、
図面を描く前に、
言葉や意識を整えることを
大切にしています。
対話を重ねながら、
暮らしの輪郭を少しずつ
浮かび上がらせていく。
そのプロセスこそが、
本当に豊かな住まいづくりにつながると
考えています。
意識の向け方ひとつで、
暮らしは静かに変わっていきます。
そしてその変化は、
やがて空間へと現れ、
日々の時間の質を豊かにしていきます。
住まいづくりを考えている
今だからこそ、
ぜひ一度、
「どんな人生を送りたいのか?」
という事柄に意識を向けてみてください。
その先にこそ、
本当に心地よい住まいのカタチが
見えてくるはずです。
間取りの前に暮らしを整える。
その一歩から、すべてが始まります。
その最適解が、
住まいのかたちを決め、
そして、人生の質を変えていきます。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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