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ブログ・コラム

2026.02.22

奈良で暮らしを整える|間取り・インテリア・家具レイアウトから考える上質な住まい設計

カテゴリ:
間取り・動線・家事・プラン

間取り・インテリア・動線設計の本質。

 

深層心理と環境心理から考える、

暮らしを整える住まいの思想。

 

奈良で設計した和モダン×ホテルライクなLDK空間。ハードメープルのフローリングとガラス天板のダイニングテーブルを組み合わせ、石貼りアクセントウォールと建築化照明による間接光が落ち着いた陰影を生み出す。間取り・家具レイアウト・動線設計を統合した、上質な注文住宅のリビングダイニング。

※ハードメープルの床が柔らかく光を反射し、

ガラス天板のダイニングテーブルが
視覚的抜けを生むことで、
空間全体に静かな品格をもたらす

設計提案事例。

 

 

住まいは「人生観の表出」であるという事。

住まいとは何でしょうか?

 

雨風をしのぐ器でしょうか?

資産でしょうか?

家族が暮らす器でしょうか?

 

いずれも「そう」だと言えます。

 

けれど、

私はこう考えています。

住まいとは人生観の「表出」である。

 

どのような時間を尊び、

どのような距離感を心地よいと感じ、

どのような静けさを求めるのか。

 

その価値観が、

空間として可視化されたものが

住まいだと考えています。

 

間取りは結果であり、

動線は思想の反映であり、

インテリアは哲学の具現化です。

 

だからこそ私は、

図面を描く前に対話を重ねます。

 

なぜ人はその人の価値観なりに

「整った空間」に安堵するのか?

 

環境心理学的に見ると、

人は常に環境から影響を受けています。

 

特に重要なのが、

レプティリアン脳(本能脳)の働きです。

 

この脳の領域は、

・安全かどうか

・逃げ道があるか

・圧迫されていないか

を瞬時に判断します。

 

例えば、

・背後が守られたソファ配置

・回遊できる動線

・見通しの良いリビング

・通路幅60120cmの確保

これらは理屈ではなく、

本能に安心を与えます。

 

逆に、

・行き止まりの多い間取り

・視線を遮る家具配置

・圧迫感のある天井高

は、無意識に緊張を生みます。

 

住まいの満足度は、

理性ではなく本能が決めている。

 

なので、理性だけで考えた住まいは

暮しに沿っていない部分も多くなり

徐々にストレスが蓄積して

家族間にも不協和音のような状態を

引き起こすケースも

実際にあります。

 

この事実を理解せずに、

間取りを語ることはできません。

 

安全欲求と住まいの役割

 

マズローの欲求五段階説では、

安全欲求は

根源的欲求の一つです。

 

住まいは、

この欲求を満たす場でもあります。

 

そうではない「家」に住んでいる人は

家で不協和音が多発するか

休日でも「家で居る事」がストレスになるので

ほぼ外出する・・・。

 

という「ご相談者さん」も

家づくり相談に来られました。

 

しかし現代の住宅情報は、

・デザイン

・設備

・スペック

に偏りがちです。

 

本質はそこではありません。

本質は、

・温度の安定

・光の質

・動線の明確さ

・視覚ノイズの排除

です。

 

帰宅した瞬間に肩の力が抜ける。

それは、

本能が「ここは安全だ」と判断している証です。

 

動線は、思考エネルギーを守る設計

であるということ。

 

行動経済学では「決断疲れ」

という概念があります。

 

人は日々、

膨大な意思決定を行っています。

 

もし住まいの中で、

・無駄な往復がある

・収納が分断されている

・生活動線が交差する

状態が続けば、

小さなストレスが蓄積します。

 

一方で、

・キッチントライアングルが整う

・洗濯動線が一直線

・収納が動線上にある

この設計では、

思考を酷使せずに体が動きます。

 

住まいは、

思考エネルギーを守るための

器でもあります。

 

成熟した立場で日々判断を重ねる方ほど、

この「消耗の差」を

敏感に感じ取られます。

 

視覚ノイズと陰影の哲学

和の美意識において、

陰影は重要な要素です。

 

強い直射光は緊張を生み、

やわらかな間接光は安堵を生みます。

 

ホテルライクな空間が心地よい理由は、

豪華さではなく、

視覚ノイズの排除です。

 

・色彩の統一

・収納の扉化

・家具高さの抑制

・影の設計

 

奈良という土地で設計する際、

地域風土を考慮しながら

私は特にこの「陰影」を重視します。

 

歴史ある街並みに調和するのは、

過度な主張ではなく、

静けさのある空間です。

 

そして人の心理的にも「程よい静けさ」は

暮らす人の心にも

余白を生み出します。

 

家族の距離感と空間心理

 

パーソナルスペースという概念は、

関係性の質を左右します。

 

パーソナルスペース(個人空間)とは、

他人に近づかれると不快やストレスを感じる、

自分を囲む目に見えない

心理的な縄張りです。

 

一般的に親しい人は近く、

知らない人や苦手な人は遠くに

配置されます。

※性別、性格、文化、年齢によって異なります

 

近すぎれば圧迫。

遠すぎれば孤立。

 

回遊動線のあるリビングは、

自然な視線の交差を生みます。

 

階段の踊り場の小さなデスク。

廊下の書棚。

 

それらは偶発的な対話を育てます。

そういう意味でも、

住まいは人間関係を整える場です。

 

優位性欲求と「空間の格」

 

人は安全が満たされると、

次に「自己の価値」を

確認しようとします。

 

これはマズローでいう「承認欲求」、

あるいは深層心理でいう「優位性欲求」に

近いものです。

 

けれど、

それは決して他者に

誇示するためだけのものではありません。

 

本質的には、自分自身が、

自分の選択に誇りを持てるかどうか?

 

住まいは、その象徴になります。

 

・素材の質感

・光の扱い

・空間の余白

・統一された設計思想

 

それらが整っているとき、

人は無意識に自尊感情が安定します。

 

派手さではなく、

静かな格。

 

それらは、

暮らしの背景として、

日々の判断や思考の質を支えます。

 

過度な装飾ではなく

「品格」を纏う住まいであるように。

優位性を誇示するのではなく、

自己の内側を整える設計という意味です。

 

所有欲と愛着形成の設計

 

心理学には「所有効果」

という概念があります。

 

人は、

自分が所有していると

感じるものに対して、

価値を高く見積もる傾向があります。

 

住まいづくりにおいて重要なのは、

家族が同じ立場で参加すること。

・間取りを一緒に考える

・動線を実際に歩いてみる

・家具寸法を床に再現して体感する

・光の入り方を時間帯で想像する

このプロセスを経ることで、

住まいは「家族で共に創るもの」へ変わります。

 

愛着は、

体験・経験・そして時間から生まれます。

皆さんもそうではありませんか?

 

そして愛着は、

家族と住まいを

長く大切にする力になります。

 

損失回避性・・・・・・。

行動経済学では、

人は利益よりも損失を

強く感じるとされています。

 

家づくりにおいて最も強い感情は、

「後悔したくない」

という思いです。

 

後悔の多くは、

・動線の失敗

・収納不足

・光の入り方の誤算

・将来変化への未対応

といった、

日々繰り返される

小さな違和感から生まれるものです。

 

一度の後悔は小さくても、

十年、二十年と重なれば

大きな差になります。

 

だからこそ、

設計段階で徹底的に「未来を想像する」ことが

重要で、正解探しではなく

自分たちにとって

どのような選択肢がある家が「最適」なのか?

 

朝の動き。

夜の帰宅。

来客時の流れ。

老後の暮らし。

 

動線は、未来の選択肢に幅を持たせる為の

設計でもあります。

 

やまぐち建築設計室が大切にしているのは、

暮らしの質を整えるという考え方です。

 

そんななかで、

ここ最近ホームページの「お問合わせ」から

よくいただく質問事項を

少しだけ、ご相談者さんからも

承諾をいただいたので

少し開示させていただこうと思います。

※内容は要約し最小限の文章に加工しています。

 

よくあるご質問(FAQ

Q1:奈良で和モダンの注文住宅を建てる場合、

何が重要ですか?

 

A:素材と陰影の扱いです。

歴史的文脈に調和する落ち着いた色調、

過度な装飾を排した設計が、

長く愛される住まいを生みます。

 

Q2:ホテルライクな家をつくるには

何が必要ですか?

 

A:視覚ノイズの削減と動線の整理です。

照明計画、収納設計、

家具レイアウトを初期段階から

統合することが不可欠です。

 

Q3:間取りの相談は

どの段階で行うべきですか?

 

A:家づくりの計画を

どのように進めるかを考え始める前です。

価値観を整理し、

暮らし方を言語化することが、

設計の質を左右しますから

間取りの方向性について

何も決まっていない時点が最適です。

 

Q4:建築家に依頼するメリットは何ですか?

 

A:敷地条件・動線・インテリア

心理的快適性を含めて

「仕様」と呼ばれるものがありません。

よく洋服で例えられるように「オーダーメイド」

であるというところが

分かりやすいかも知れません。

 

図面の前に、整えるべきもの・・・・・。

 

住まいづくりは、

自己理解の旅でもあります。

 

・どのような時間を大切にしたいか

・どの距離感が心地よいか

・どんな光で朝を迎えたいか

 

これらを整理せずに図面を描けば、

本質からズレます。

 

間取りは結果であり、

原因は暮らしの哲学です。

 

住まいを整えることは、

人生を整えること。

 

動線を整えることは、

思考を整えること。

 

光を整えることは、

感情を整えること。

 

本質的な住まいづくりをお考えの方へ。

 

やまぐち建築設計室では、

間取りやプランの前に、

暮らしを語る時間を大切にしています。

 

本能と理性を踏まえて

暮らしの内容を整える時間こそが、

住まいの質を決めます。

 

家づくり、

少し立ち止まって考えてみたい

そんな方の目に、そっと届けば幸いです。

○関連blog

間取×インテリアと家具レイアウトで暮らしやすさを極めながら暮らしの最適解をイメージするように、新築・リフォームの家事動線と過ごし方のデザイン

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail504.html

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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