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ブログ・コラム

2026.02.19

はじめてのカフェ開業に必要な設計と資金の整え方|建築家が考える長く続く個人店の実践知

カテゴリ:
体験を設計する店舗・空間デザイン

カフェ開業を整える実務の設計図

 

 

資金・物件・設備・寸法・運営・集客

トラブル予防までを一本の線で考える

 

 

奈良県でカフェ開業・店舗設計を検討する個人オーナー向けの空間イメージ。木目仕上げのカウンターとスチール製ハイチェアを配置したコーヒー専門店の内観デザイン。壁面に設けた無垢材の棚にはドリップポット、サーバー、カップを整理収納し、エスプレッソマシンを含めた効率的な厨房動線を確保。カウンター端に配置した観葉植物ポトスが柔らかな印象を与え、長く続く個人経営店を想定したミニマルで機能的な店舗設計の事例イメージ。

※小規模でも効率よく回るコーヒー専門店の
カウンター設計イメージ。

動線と収納計画を整えることで、

長く続く個人経営の基盤をつくります。

 

 

前回の投稿記事では、

カフェ開業は「内装デザイン」から

始めるのではなく、

整えるべき「順序」があるという

お話をしました。

 

今回は、その続きです。

 

夢を形にするための、

より具体的で、より現実的な設計図。

 

感性と経営、

空間と数字、

理想と持続性。

 

そのすべてを一本の線で整理していきます。

 

第一章|

開業資金の「崩れない組み方」

 

カフェを始めたいと考えたとき、

最初に不安になるのは

資金ではないでしょうか?

 

「総額いくらあればいいのか」

 

しかし本当に考えるべきは、

いくらで始められるか?

ではなく、

どのような構造であれば続けられるか?

ということです。

 

資金を三層構造で捉える

 

資金計画は、

次の三層で整理します。

 

第一層:初期投資

 

物件取得費(保証金・礼金・仲介)

内装工事費

厨房設備費

家具・什器

 

第二層:立ち上げ費

 

ロゴ制作

看板・サイン

写真撮影

WEB整備

メニュー印刷

 

第三層:運転資金

 

家賃

光熱費

仕入

人件費

返済

生活費

 

特に重要なのが第三層です。

 

運転資金は建築で言う「余白」

 

売上は、

想定どおりにはいきません。

 

オープン直後は話題性で来店があっても、

その後が本番です。

 

少なくとも

6か月分の固定費+生活費があると、

焦らずに改善ができます。

 

焦りは、

空間にも接客にも現れます。

 

余白がある経営は、

空間にも穏やかさをもたらします。

 

固定費の上限を決める

 

家賃は未来の重さです。

理想的なのは、

売上想定の30%以内。

 

地方都市・奈良のような車社会では、

駅前よりも「通いやすさ」が

効く場合もあります。

 

立地の華やかさより、

持続できる重さを選ぶ。

 

これが個人経営では特に重要です。

 

第二章|

メニューは厨房の設計図である

メニューは夢の象徴です。

 

しかし同時に、

厨房の仕様書でもあります。

 

何を出すかによって、

必要な設備も工事費も変わります。

 

コーヒー特化型

 

厨房面積は34坪でも可能。

 

必要設備は比較的コンパクト。

 

・エスプレッソマシン

・グラインダー

・製氷機

・冷蔵庫

・浄水設備

 

動線を3歩以内に抑えることで、

一人運営が現実的になります。

 

焼菓子併設型

 

オーブン・作業台・排気設備。

 

厨房は46坪。

 

焼成動線と接客動線を分けることで、

混雑時のストレスを減らします。

 

香りが価値になりますが、

排気計画を誤ると近隣トラブルになります。

 

軽食提供型

 

加熱機器、グリストラップ、強制排気。

 

厨房は6坪以上が目安。

 

一人で回すには相応の工夫が必要です。

 

メニューの広がりは、

設備費の増加に直結します。

 

最初からすべてをやらない。

 

段階投資という考え方が有効です。

 

第三章|

一人で回す店の寸法設計

設計は感性だけでは成立しません。

 

寸法が、すべてを決めます。

 

厨房奥行

 

900〜1100mm

 

広すぎると移動距離が増え、

疲労が蓄積します。

 

作業台高さ

850〜900mm

 

身体に合わない高さは

慢性的な負担になります。

 

客席配置

2人席600×700mm

通路幅800mm以上。

 

椅子を引いたときの動線まで想像します。

 

レジ位置

入口から視認できる位置。

レジの迷いは、心理的不安につながります。

 

第四章|工事見積の見方

見積書は、削るためのものではありません。

守るべき部分を守るためのものです。

削ってはいけない項目

給排水、電気容量、換気設備、断熱

 

ここは後戻りが難しい部分です。

 

調整可能な項目

 

壁仕上材

家具グレード

照明デザイン

 

印象は変えられます。

 

機能を守り、印象で調整する。

 

第五章|

物件内見チェックリスト

 

物件は雰囲気で決めない。

必ず確認すべき項目があります。

 

排水経路

ダクトの通し方

前テナントの臭い

隣接住戸との距離

午後の日照

駐車動線

 

ここを誤ると、

設計以前の問題になります。

 

第六章|

MEOを整える初期設計

 

Googleビジネスプロフィールは、

開業前から整えます。

写真に関しては、

外観、入口、店内、客席、厨房

それぞれが大事です。

写真によるテーマ性、

空間の一貫性が信頼を生みます。

 

カテゴリ設計

 

メインとサブカテゴリを整理することで、

検索導線が変わります。

 

投稿と口コミ導線・・・・・。

1回の投稿。

口コミは自然に。

 

押し付けない姿勢が、

長期的な評価をつくります。

 

第七章|

よくあるトラブルと設計での予防

臭い問題

排気計画をきちんと行う事。

 

音問題は吸音や防音の計画設計。

 

結露に関しては断熱不足とならないように。

 

清掃困難、収納不足は店の

清潔感を保つためにも重要です。

 

客席トラブルは距離感と

視線設計で回避。

 

第八章|

設計とは未来の負担を減らすこと

 

カフェは、

美しい空間づくりだけではありません。

働く側にも、

来店いただくお客様側にも

疲労を減らすことが出来るように。

 

動線が整えば、

毎日が軽くなる。

 

固定費が適正なら、

判断が穏やかになる。

 

余白があれば、

接客に温度が生まれる。

 

それが、

長く続く店の構造です。

 

最後に・・・・・。

カフェ開業は、

出店したい人からすると

人生の設計でもあります。

 

テナントや物件を想い描く前に、

店舗運営としての構造を整える。

 

その順序が、未来を支えます。

 

もし今、

物件を見始めている

資金計画に迷いがある

厨房寸法が定まらない

席数で悩んでいる

 

そんな段階でしたら、

設計相談は早いほど整います。

 

無理な計画は一旦立ち止まり

まずは、

構想を「分かりやすく」

言葉にするところから。

 

少し立ち止まって考えてみたい

そんな方の目に、

そっと届けば幸いです。

 

○関連blog

はじめてのカフェ開業に必要な設計と資金計画|長く続く個人経営店をつくる順序

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail755.html

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