ブログ・コラム
2026.02.07
家づくりで「正解」を探す前に──人生の重心から考える、これからの住まいの在り方
- カテゴリ:
- 暮らしの事
家づくりを通して、
何を大切にしたいですか?
住まいづくりは、
人生の重心を定めるための時間です。
家づくりとは、
理想の暮らし完成させるための
プロジェクト・・・・・。
という内容だけでは、
少し足りない気がしています。
それはむしろ、これからの人生において、
何を大切にして生きていくのかを、
丁寧に確かめていく時間。
私は、そう捉えています。

※日常を静かに整える、
ホテルライクなLDK空間の提案。
空間の質が、暮らしと人生の重心をつくります。
それはむしろ、
これからの人生において、
何を大切にして生きていくのかを、
丁寧に確かめていく時間。
私は、そう捉えています。
図面や性能表、
数値や仕様の検討はもちろん大切です。
けれどその奥には、
言葉になりにくい
「感覚」や「価値観」が存在しています。
住まいは、
日々の暮らしを包み込み、
人生の「場」となり続けるもの。
だからこそ家づくりは、
暮らしそのもの、
ひいては
生き方そのものを映し出す行為
なのだと考えています。
「どちらが正解でしょうか?」
という問いの背景・・・・・。
設計の打ち合わせの中で、
よく、こんな言葉をいただきます。
この選択って、
どちらが正解なんでしょうか?
間取り、仕様、性能、コスト、
将来の見通し。
家づくりには、
判断を求められる場面が数多くあります。
多くの方が、
「失敗したくない」
「後悔したくない」
という思いを抱えながら、
一つひとつの選択に向き合っておられます。
その結果、つい・・・・。
・損か得か
・効率的かどうか
・一般的に正しいか
といった、分かりやすい基準で
答えを探したくなる。
それは、ごく自然なことです。
ただ・・・選択が
難しく感じられるときほど、
私は、ある問いに立ち返って
いただきたいと考えています。
家づくりを通して、
何を大切にしたいですか?
この問いは、
正解を導くためのものではありません。
むしろ、
ご自身の価値観に、
そっとその輪郭に触れるための問いです。
たとえば・・・・・。
家族との時間を、
どのような距離感で育てたいか?
ひとりで思考を整える静けさを、
どれほど必要としているか?
将来への安心を、
どの水準で確保しておきたいか?
毎日の生活感を、
どのように保ちたいのか?
無理のない、上質な身の丈とは何か?
これらは、数字や正解で
比べられるものではありません。
それぞれが、
その人なりの人生観に
深く結びついた問いだからです。
同じ選択でも、
家が持つ意味はまったく異なる
同じ間取り、
同じ仕様、
同じ予算規模であっても
「安心を最優先にした結果」なのか
「自由度を残すための選択」なのか。
その思考の背景が違えば、
その住まいが持つ意味は、
まったく異なります。
住まいは、
単なる機能の集合体ではなく、
価値観の積層によって形づくられるもの。
どんな思いで選び取ったかが、
暮らしの質として、現れてきます。
迷っているのではなく、
言葉になっていないだけ・・・。
選択に時間がかかるのは、
優柔不断だからではありません。
むしろそこには、
自分の価値観に、
きちんと誠実でありたい
という、
とても真っ当で、
成熟した姿勢が表れています。
人は「自分の軸」と
選択が一致したとき、
はじめて深い納得と安心を
得られると言われています。
家づくりは、
正解探しではなく最適解としての
「重心」を定めること
私たちは、
家づくりを「正解を当てる作業」
だとは考えていません。
・何を守り
・何を手放し
・どこに重心を置くのか
という事柄を、
自分の人生と照らし合わせながら
選び取っていく行為。
重心が定まれば、
間取りも、素材も、性能も、
自然と一つの方向へ収束していきます。
暮らしの質は、努力ではなく「環境」がつくる
私が設計で大切にしているのは、
「頑張らなくても整う暮らし」です。
人の気分や行動は、
意志の強さよりも、
身を置く環境に大きく影響されます。
・視線の抜け
・光と影の濃淡
・音の反響
・動線の在り方
・収納の位置と量
これらはすべて、
無意識のうちに、
日々の感情や所作を整えてくれます。
住まいの設計とは、
未来の自分達を、どう扱うかを決めること
でもあるのです。
やまぐち建築設計室が
大切にしている設計姿勢
やまぐち建築設計室では、
「どんな家を建てたいですか?」
という問いよりも先に、
どんな暮らしを、
どんな姿勢で続けていきたいですか?
という対話を重ねます。
やまぐち建築設計室が
考える住まいの完成形は、
目を引く派手さではありません。
時間が経つほど、馴染んでくる空間
暮らしの中で、静かに効いてくる設計
無理をしなくても、品よく整う住まい
住まいは、人生を支える「場」。
だからこそ、
主張しすぎず、しかし確かな存在感を
持つことが大切だと考えています。
完成後に残るのは、静かな「記憶」
家が完成したあと、
強く記憶に残るのは、
間取りや設備の優劣ではありません。
残るのは、
「あのとき、何を大切にして選んだか」
という、
ご自身の選択に対する記憶です。
その記憶は、
人生の節目や、迷いの瞬間に、
背中を支えてくれることがあります。
選択に疲れたときこそ、
立ち返ってほしい問い・・・・。
もし今、家造りを計画しようと考えて
家づくりの為の乱立する情報や
選択肢の多さに、
少し疲れてしまっているのだとしたら
どうか一度、
目の前の判断から
距離を置いてみてください。
そして、この問いを、
胸の中に置いてみてください。
家づくりを通して、
あなたの未来に
何を大切にしたいですか?
形でしょうか?
機能でしょうか?
それとも、
これからの人生のあり方でしょうか?
やまぐち建築設計室は、
その方向性を見つけていくための
設計者でありたいと考えています。
住まいは、人生の器。
だからこそ、
丁寧に、静かに、
価値観に寄り添いながら形にしていく。
それが、
やまぐち建築設計室の
変わらない設計姿勢です。
このブログが
皆さんの暮らしを見つめ直す
キッカケになればうれしく思います。
○関連blog
暮らしが整うと、思考の疲れは静かにほどける・ストレスの正体は「空間の秩序」住まいから考える認知的負荷の改善と所作の設計
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail727.html
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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