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ブログ・コラム

2026.02.04

住まいが整うと、日々の暮らしの選択が上質に変化する理由 ― 思考と感情に作用する、インテリアと設計の見えない力 ―

カテゴリ:
家具と暮らしとインテリアコーディネート

住まいが整うと、

なぜ人生は少しずつ穏やかになるのか?

 

インテリアと設計、

その奥にある「見えない働き」について。

 

家にいるはずなのに、

なぜか気が休まらない。

 

片付いているのに、

どこか落ち着かない。

 

暮らしに不満があるわけではないのに、

心の奥に、

説明しづらい違和感が残る。

 

住まいのご相談をお受けしていると、

こうした言葉にならない感覚に、

何度も出会います。

 

自然光が差し込む和モダンのリビング空間。大開口の窓を介して中庭と緩やかにつながり、ソファと円形テーブルの配置が穏やかな動線を生む。間取りとインテリアが調和し、思考と感情が静かに整う住まいの設計。

※間取りや家具を整えることは、
暮らしの背景にある思考や感情を、
静かに整えていくことでもあります。

 

 

多くの方は、

間取りが原因なのか、

収納が足りないのか、

設備の問題なのか、

と「目に見える理由」を

探そうとされます。

 

けれど実際には、

図面や性能表では説明できないところで、

暮らしの質が左右されていることが

少なくありません。

 

住まいは、

ただ身を守る箱ではなく、

毎日の思考や感情に、

影響を与え続ける存在だからです。

 

インテリアは「飾り」ではなく

「反応」から始まるということ・・・・・。

 

インテリアという言葉を聞くと、

色や素材、

家具や照明といった

視覚的な要素を

思い浮かべる方が多いかもしれません。

 

しかし、

実際に暮らしを左右しているのは、

それらを見たとき、触れたとき、

自分の内側で

何が起きているかです。

 

なぜこの空間だと呼吸が深くなるのか?

 

なぜこの場所では

無意識に肩に力が入るのか?

 

なぜ帰宅した瞬間に、

ほっとする家と、

そうでない家があるのか・・・・。

 

それらはすべて、

理屈ではなく、反応として現れます。

 

人は日々、

意識よりも先に「感じる」ことで

環境を受け取っています。

 

住まいも同じです。

 

整った空間に身を置くと、

考えが自然と整理され、

余計な緊張がほどけていく。

 

逆に、

違和感を抱えた空間では、

小さな疲れが積み重なっていく。

 

インテリアは、

その反応をつくる「ギア」だと、

私は考えています。

 

「きれいにすること」は、

自分の扱い方を決めること・・・・・。

 

住まいを整える行為は、

単なる掃除や片付けではありません。

 

自分をどのように扱っているかを、

毎日確認する行為でもあります。

 

雑然とした空間で過ごしているとき、

人は無意識に、

「これくらいでいい」と

自分に言い聞かせています。

 

反対に、

丁寧に整えられた空間では、

「大切に扱われている」という感覚が、

静かに心に染み込んでいきます。

 

この差は、

一日では大きく

感じられないかもしれません。

けれど、

一年、五年、十年と積み重なると、

選択の質や、

物事への向き合い方に、

確かな違いとして現れてきます。

 

住まいは、

暮らしの背景を生み出す場であり、

人生の土台となるものです。

 

正解を探すほど、

違和感は増えていく・・・・・。

 

現代は、

情報が非常に豊富な時代です。

 

施工事例、間取り集、

トレンドカラー、最新設備。

 

選択肢が増えた一方で、

「何を基準に選べばいいのかわからない」

という声も増えています。

 

その結果、

無意識のうちに、

自分の感覚よりも、外の基準を優先する

という状態に陥りがちです。

 

けれど、

どれだけ評価の高い空間であっても、

そこに身を置く自分が

落ち着かなければ、

暮らしとしては成立しません。

 

住まいにおいて大切なのは、

正解を集めることではなく、

自分にとっての

違和感を減らしていくことです。

 

そのためには、

「なぜ落ち着かないのか」

「なぜこの場所が好きなのか」

そういった事柄と、

自分の反応を観察する必要があります。

 

設計とは、感覚を翻訳する仕事

 

やまぐち建築設計室では、

設計を「形をつくる作業」

だとは考えていません。

 

むしろ、

言葉にならない感覚や、

本人ですら気づいていない価値観を、

空間として翻訳する行為だと

捉えています。

 

落ち着きたいのか?

 

刺激がほしいのか?

 

家族との距離を近づけたいのか?

 

一人になれる余白が必要なのか?

 

それらは、

図面の上では数値として表れません。

けれど、

動線、天井の高さ、光の入り方、

素材の触感、視線の抜け方によって、

確実に体感として現れます。

 

設計とは、

その微妙な差を積み重ねる仕事です。

 

空間が思考に与える影響・・・・・。

 

人は、

意識していない時間のほうが、

圧倒的に長く生きています。

 

だからこそ、

無意識に触れ続ける環境は、

思っている以上に

大きな影響を持ちます。

 

例えば、

視線が常に遮られる場所では、

思考も自然と内向きになります。

 

反対に、

緩やかに抜けのある空間では、

考え方にも余白が生まれます。

 

これは感覚的な話でありながら、

非常に現実的な現象です。

 

住まいは、

日々の思考のクセを、

静かに形づくっています。

 

インテリアと人生がつながる理由

 

「家と暮らしが整うと、人生がうまくいく」

という言葉を聞くと、

少し大げさに感じるかもしれません。

 

けれど、

人生は大きな出来事よりも、

日常の積み重ねでできています。

 

どんな空間で朝を迎え、

どんな場所で一日を終えるのか?

 

その繰り返しが、

気分をつくり、

判断をつくり、

選択をつくっていきます。

 

住まいは、

人生そのものを変える

魔法ではありません。

けれど、

人生の流れを整える力を持っています。

 

自分のための住まいを・・・・・。

 

本当に心地よい住まいは、

誰かに見せるためのものではありません。

 

自分が深く息をつけること。

無理をせずに過ごせること。

自然体に戻れること。

 

それらを支える空間こそが、

長く付き合える住まいだと、

私は考えています。

 

設計とは、

暮らしを便利にする技術であると同時に、

生き方を整えるための手段でもあります。

 

もし今、

住まいに小さな違和感を

感じているのなら、

それは、

暮らしを見直す合図かもしれません。

 

インテリアは、

カーテンや照明を選ぶことではなく、

自分自身と向き合う入り口。

 

住まいを整えることは、

人生を丁寧に扱うこと。

 

私は、そう考えて設計を続けています。

 

住まいは、

いつからでも

整え直すことができます。

 

このブログが、

皆さん自身の暮らしを見つめ直す

キッカケになれば嬉しく思います。

 

○関連blog

暮らしが整うと、思考の疲れは静かにほどける・ストレスの正体は「空間の秩序」住まいから考える認知的負荷の改善と所作の設計

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail727.html

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  建築家 山口哲央
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