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ブログ・コラム

2026.01.27

外と内の関係を美しく整える、窓から考える和モダン×ホテルライクな住まい

カテゴリ:
設計の事・デザインの事

窓は、光や風を

取り入れるだけの存在ではありません。

 

外と内をつなぎ、視線や陰影、

心の落ち着きまでを整える、

住まいの重要な設計要素・・・・・。

 

床から天井までの大開口サッシ越しに、雑木と紅葉を配した中庭を望む和モダンのLDK空間。木天井と間接照明が生む穏やかな陰影、視線を遮りながら外とつながる窓設計により、静けさと心地よさを両立した上質な住まい。

※外と内をやさしくつなぐ大開口の窓と中庭。
視線を整え、光と陰を受け止めることで、
日常の所作が自然と静まっていく

和モダンのLDK空間です。

 

 

今回のblogではでは、

暮らしの質を大切にする住まいにおいて、

窓が果たす役割と、

その在り方を建築家の視点から

紐解いてみたいと思います。

 

夕刻の陰影、

夜に灯る間接的な明かり。

 

これらの光の移ろいを、

どの場所で、

どのように受け止めるのか?

 

窓は「明るさを確保する穴」ではなく、

光の道を設計するための要素。

 

人生の節目として

住まいを見つめ直す

ご夫婦の住まいにおいて重要なのは、

眩しさのない明るさ、

時間とともに表情を変える光、

そして心を静かに整える陰影の存在。

 

時には、

あえて光を抑えることで生まれる

落ち着きや、

陰を含んだ空間の方が、

日々の緊張を

解きほぐしてくれることもあります。

 

街の灯としての窓の存在・・・・・。

 

閉じながら、ひらくという思想

夜の住まいを眺めたとき、

窓からこぼれる光に、

不思議な安心感を

覚えた経験はないでしょうか?

 

それは、

窓が単なる私的な要素ではなく、

街と関係性を持つ存在だからです。

 

窓は、

住まいの内側を

すべてさらすためのものではありません。

 

むしろ、適度に閉じ、

必要な分だけひらく。

 

その節度こそが、

上質な住まいの佇まいをつくります。

 

周囲からの視線、

通行人の気配、

隣家との距離感。

 

それらを丁寧に読み解いた上で、

「どこを見せ、どこを隠すのか」を決める。

 

窓の設計には、

暮らしの品位がそのまま表れます。

 

風と視線の「道」をつくるように、

通すべきものと遮るべきものの存在。

 

窓は、

風を通すための「道」でもあります。

 

しかし、

風だけを通し、

不要な視線は通さない。

 

そのためには、

高さ、位置、形状、開き方、

そして外構や植栽との関係性まで含めた

立体的な計画が欠かせません。

 

また、

窓は「視線の抜け」をつくる

存在でもあります。

 

遠くの山並み、

庭の緑、

季節の移ろい。

 

それらを切り取る窓は、

まるで一枚の額縁のように、

日常を静かな風景へと変えてくれます。

 

重要なのは、

何を見せるか以上に、

何を見せないかを決めること。

 

この取捨選択にこそ、

設計者の思想となる暮らしが現れます。

 

あえて「窓をつくらない」という選択で

暗さや陰を愉しむという豊かさ。

 

すべての場所に

窓が必要なわけではありません。

 

収納を優先する。

壁面を整える。

落ち着いた暗さを受け入れる。

 

こうした選択が、

結果として住まい全体の

完成度を高めることもあります。

 

陰があるからこそ、

光が際立つ。

 

閉じた空間があるからこそ、

ひらいた空間が心地よく感じられる。

 

人生を深く彩る住まいに共通するのは、

すべてを満たそうとしない

余白の存在です。

 

「家の美しさは窓まわりに宿る」

 

この言葉を語るのは、

建築家 伊礼智 氏です。

 

やまぐち建築設計室もまた、

この考えに深く共感しています。

 

窓まわりだけに限った話ではありませんが、

素材の選び方、

納まり、

カーテンや障子の扱い、

外部との関係性。

 

そのすべてが、

住まいの品格を決定づけます。

 

どれほど間取りが優れていても、

窓まわりが雑であれば、

その家はどこか落ち着かない。

 

逆に、

窓まわりが丁寧に設えられた住まいは、

言葉にしなくとも、

考えた結果が佇まいとして反映され

「大切に設計された家」であることが

伝わります。

 

窓は暮らしの質を左右するということ。

 

大きさ。

性能。

配置。

種類。

 

数十ある選択肢の中から、

どれを選び、

どれを手放すのか?

 

その判断基準は、

流行や数値ではなく、

住まい手がどのように

暮らしたいかに尽きます。

 

安心して過ごせること。

緊張せずにいられること。

自然と呼吸が深くなること。

 

私は、窓を「部材」としてではなく、

暮らしを支える環境として

捉えています。

 

だからこそ、

住宅設計において、

窓の役割を真面目に考えることは、

とても大切なことなのです。

 

やまぐち建築設計室が考える「窓」とは?

 

窓は、

外と内をつなぐ境界であり、

同時に、

心と暮らしを整えるための装置です。

 

開くためではなく、

整えるために設ける。

 

見せるためではなく、

守るために配置する。

 

その積み重ねが、

長く愛される住まいをつくります。

 

もし、

「なぜか落ち着かない家」

「美しいはずなのに疲れる空間」に

違和感を覚えたことがあるなら。

 

その答えは、

暮しにそぐわない

環境設計の在り方にあるのかも知れません。

 

今回のblogが、

暮らしの環境という視点で

ご自身の住まいを

見直すきっかけになれば幸いです。

 

○関連blog

同じ間取りでも、心地よさが違う理由・・暮らしの受け取り方から考える、後悔しない住まい設計

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail697.html

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