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ブログ・コラム

2026.01.04

同じ間取りでも、心地よさが違う理由・・暮らしの受け取り方から考える、後悔しない住まい設計

カテゴリ:
和モダン思想

同じ出来事でも、

人はそれぞれ違う世界を

生きていると考えています。

 

暮らしと環境から考える、

受け取り方の世界観。

 

中庭に面した大開口を持つ和モダン住宅のリビング。 光と陰影、余白を大切にした設計により、住まい手の受け取り方や心の状態に寄り添う静かな暮らしの環境を表している。

※光と余白が、受け取り方を整えるCG提案事例。
住まい手さんの内側に静かに作用する、

陰翳礼讃を意識した

和モダンの暮らしの環境提案。

 

同じ出来事が起きても、
人はそれぞれ、

まったく違う世界を生きています。

 

上司に少し注意されたとき。
ある人は自分を責め、
ある人は

成長のヒントとして受け取り、
ある人は深く気に留めることもなく

流していく。

 

違いを生んでいるのは、
出来事そのものではありません。

 

その人が無意識のうちに

通している、
経験・思い込み・価値観

というフィルターです。

 

基本的に人は、
目の前で起きている事実を

そのまま見ているようで、
実は「自分なりの解釈」を

通した世界を生きています。

※これは実体験も含みます。

 

そしてこの構造は、
住まいと暮らしにも、

驚くほどよく似ています。

 

同じ間取りでも、

人それぞれ

心地よさが違う理由・・・・・。

同じ広さ。
同じ間取り。
同じ性能。

それでも、

  • なぜか落ち着く人
  • 少し息苦しく感じる人

が生まれることがあります。

 

マンションでも戸建てでも、

テラスハウスでも

そうですが、

皆が住みやすいと

言っていたから

正解のはずなのに、

悪くないはずなのに・・・・・。
そう感じたことがある方も、

少なくないのでは

ないでしょうか?。

 

住まいの心地よさは、
数値や理屈だけでは決まりません。

そこに暮らす人が、
どんな世界の中で

生きてきたのか?。

 

どんな距離感を

心地よいと感じるのか?。

その内側の感覚と、
住まいという環境が、
静かに噛み合ったとき、
初めて「落ち着く」という

感情が生まれます。

 

暮らしは、

内側の世界が映し出されたもの。

 

やまぐち建築設計室に

住まい造りに

ご相談に来られる方も、
最初にこうおっしゃる方も

います。

  • 「失敗しない間取りが知りたい」
  • 「正解の家を建てたい」
  • 「後悔しない選択をしたい」

とても自然な気持ち

だと思います。

 

家づくりは

人生の大きな決断ですから、
誰もが「正解」を

求めてしまうかと思います。

 

けれど、

設計の現場に

立ち続けて感じるのは、
満足度の高い住まいほど、

「正解探し」から始まっていない
という事実です。

 

満足度の高い住まいは、

・自分たちが、

どんな時間を大切にしているのか?

・どんなときに気持ちが整うのか

・何を削ぎ落とすと楽になるのか

そうした内側の整理から

始まっています。

 

暮らしとは、
外から与えられるものではなく、
内側の世界が、

環境として「カタチ」に

なったものだと考えています。

 

だからこそ、
住まいは「見た目」も大事ですが、
「感じ方」から

考える必要があります。

 

受け取り方の

哲学に触れるということ。

 

やまぐち建築設計室の

暮らしの考え方を

形づくるうえで、
静かに影響を受けてきた

価値観があります。

 

それは、
日常の所作や

積み重ねの中にこそ、
生き方の本質が現れるという

考え方です。

 

一見すると何も変わらない毎日。
同じ動作、同じ時間、

同じ季節の移ろい。

 

けれど、その受け取り方は、
そのときの

心の状態や経験によって、
驚くほど

違って感じられます。

 

特別な出来事があるから

豊かなのではなく、
「どう向き合うか」

「どう味わうか」によって、
日常は静かに

深みを持ちはじめるということ。

 

この考え方は、
住まいづくりにも、

そのまま重なります。

 

住まいは、

感情を操作する装置ではない。

 

近年、
「気分が上がる家」
「テンションが上がる空間」
といった言葉を

よく目にします。

 

もちろん、

それ自体を否定するつもりは

ありません。

 

ただ、

設計者として

大切にしているのは、
常に気分を上げ続ける家ではなく、
どんな状態の自分でも

受け止めてくれる家です。

 

疲れている日。
気持ちが沈んでいる日。
何もしたくない日。

そんな日でも、
無理に元気にならなくていい。
無理に整えようとしなくていい。

ただ、
そこに居るだけで、
呼吸が少し深くなる。

 

住まいは、
感情をコントロールする

装置ではなく、
感情をそのまま

置いておける場所であるべきだと

考えています。

喜怒哀楽にそっと寄り添うように。

 

環境は、

思考と感情を静かに変えていく。

人は、

自分が思っている以上に、
環境の影響を受けています。

・光が強すぎると、落ち着かない

・音が反響すると、無意識に緊張する

・視線が常に通ると、休まらない

・物が多いと、思考が散らかる

逆に言えば、
環境が整うと、
考え方や感情も、

自然と整っていきます。

 

これは、
「気持ちを切り替えよう」と

努力することとは違います。

 

住まいが変わることで、
努力しなくても、

受け取り方が変わる。

 

暮らしが変わると、
生活という世界の見え方も、
静かに変わっていくのです。

 

「正解の家」ではなく、

「自分に合う住まい」

家づくりで本当に大切なのは、
「何を選ぶか」ではありません。

 

自分は、

どんな世界で生きていたいのか。

忙しい日々の中で、
つい後回しにしてしまう

問いですが、
この問いに

向き合わないまま進むと、
どこかで違和感が残ります。

逆に、
この問いを丁寧に掘り下げていくと、

  • 間取り
  • 動線
  • 光の取り入れ方
  • 余白のつくり方

すべてが一本の

線でつながっていきます。

 

それは、
誰かの正解ではなく、
自分にとっての最適解です。

 

暮らしの哲学としての建築

建築は、
単に雨風をしのぐ

箱をつくる仕事ではありません。

 

その人が、
どんな世界を、

どんな距離感で生きていくのか。

 

それを、

環境づくりとして支えること。

 

日々の出来事は

変えられなくても、
受け取り方は変えられる。

 

そして、

その受け取り方は、
住まいによって、

静かに育てられていく。

 

何気ない日常を、
そのまま肯定できる暮らし。

 

やまぐち建築設計室は、
そんな「暮らしの器」

としての住まいを、
これからも丁寧に

考えたいと思っています。

 

同じ出来事でも、
人はそれぞれ

違う世界を生きています。

だからこそ、
住まいもまた、
一つの正解に収束する

必要はありません。

 

あなたにとって、
心がほどける距離感はどこか。
静かになれる場所はどこか。
無理をしなくていい

環境とは何か。

 

その問いに耳を澄ませることが、
暮らしを整える、

最初の一歩です。

 

このブログが、
暮しや生活環境を考える方の
小さなヒントになれば幸いです。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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