ブログ・コラム
2026.01.09
言葉から始まる住まいづくり・家族の関係と人生を静かに整える建築家の設計思想
- カテゴリ:
- 和モダン思想
言葉から始まる住まいづくり、
暮らしの倫理と、
家族の時間を整える建築の話。

※言葉が静かに交わされる余白を整えたLDK。
光・素材・距離感が、
家族の関係と暮らしの質を穏やかに育てます。
家づくりの打ち合わせで、
「どんな暮らしがしたいですか?」
そうお聞きすると、
言葉に詰まる方が
少なくありません。
決して考えていない訳ではないです。
むしろ、
真剣に考えているからこそ、
簡単な言葉では表せないという状況。
そんな沈黙を、
何度も目にしてきました。
間取りや設備、性能やデザイン。
家づくりには、
決めなければならないことが
無数にあります。
しかし本当に難しいのは、
それらを選ぶことではなく、
自分たちは、
どんな日常を生きたいのか?
その輪郭を
言葉にすることなのかも
知れません。
暮らしは、
間取りよりも「言葉」でできている。
家は、
単なる箱ではありません。
そこには、
日々交わされる言葉があり、
沈黙があり、
感情の揺らぎがあります。
朝の「おはよう」。
仕事から帰ったときの「おかえり」。
何気ない「ありがとう」や、
「今日はどうだった?」という一言。
それらは、
図面には描けません。
けれど確かに、
住まいの空気をつくり、
家族の関係性を育てていきます。
やまぐち建築設計室は、
暮らしを行為の
集合としてではなく、
言葉と感情が行き交う
時間の連なりとして捉えています。
どれほど美しい空間であっても、
そこに交わされる言葉が
荒れていれば、
住まいは人を休ませる
場所にはなりません。
反対に、
決して大きくなくとも、
やさしい言葉が
自然に生まれる家には、
不思議なほどの安心感と、
静かな豊かさが宿ります。
禅の教え「愛語」に学ぶ、
住まいのあり方。
禅の教えに「愛語(あいご)」
という言葉があります。
思いやりのある言葉、
相手の心に寄り添う言葉を
大切にしなさい、
という教えです。
強い言葉は、
人を動かすことがある。
正しい言葉は、
相手を納得させることができる。
けれど、
やさしい言葉は・・・・・。
人を守り、関係を育て、
人生を穏やかに整えていきます。
この考え方は、
住まいづくりにも
深く通じています。
音が反響しすぎないこと。
視線がぶつかりすぎないこと。
気配は感じられるけれど、
干渉しすぎない距離感。
それらはすべて、
家の中に交わされる言葉の質を、
無意識のうちに
支えている要素となります。
静かな場所があるから、
言葉がやさしくなる。
余白があるから、
感情を落ち着かせることができる。
光と影が整っているから、
心のトーンも自然と整う。
建築は、
人のふるまいや言葉に、
確かに影響を与えているものです。
求める「次の価値」
情報も、モノも、選択肢も、十分にある。
だからこそ次に求められているのは、
「足し算の豊かさ」ではなく、
「整える豊かさ」です。
広さや豪華さよりも、
自分たちらしい穏やかさで
過ごせること。
忙しい日常のなかでも、
気持ちが戻ってこられる
場所があること。
そして何より、
家族との関係が、
無理なく、自然に、
育まれていくこと。
その根底にあるのが、
どんな言葉が、
この家で交わされていくのか
という問いだと、
やまぐち建築設計室では
考えています。
家族の関係は、
設計で「守る」こともできる。
家族関係は、
とても繊細です。
どれほど仲の良い夫婦でも、
忙しさや疲れが重なれば、
言葉は荒くなりがちです。
だからこそ住まいは
頑張らなくても、
穏やかでいられる環境
である必要があります。
帰宅後すぐに
一息つける場所がある。
それぞれが一人になれる
小さな居場所がある。
自然と顔を合わせる動線が、
さりげなく
間取りに組み込まれている。
こうした設計の積み重ねが、
無意識のうちに、
やさしい言葉を生み出す
土壌になります。
住まいは、
家族の関係性を映す鏡であり、
同時に、それを支え、
守る器でもあるのです。
やまぐち建築設計室は
ただ建物を
設計しているわけではありません。
間取りやデザインの先にある、
そこで紡がれる時間、
言葉、感情の流れを
一緒に考えています。
どんな朝を迎えたいのか。
どんな気持ちで
一日を終えたいのか。
どんな言葉を、
子どもに、パートナーに、
かけていきたいのか。
その問いに、
正解はありません。
けれど、
その問いを避けたまま
完成した家は、
どこかで必ず、
違和感を生みます。
やまぐち建築設計室は、
設計の初期段階で、
あえて立ち止まり、
言葉を探す時間を
大切にしています。
それは遠回りのようでいて、
実は最も後悔の少ない家づくりへの
近道だと考えているからです。
住まいづくりは、
人生の問い直しでもある。
家を建てることは、
これからの人生を、
どう生きるかを
考えることでもあります。
忙しさに流されてきた時間。
当たり前だと思っていた習慣。
無意識に飲み込んできた価値観。
それらを一度、
静かに見つめ直す。
そして、
自分たちにとって
本当に大切なものを、
言葉にしてみる。
そのプロセス自体が、
すでに「暮らしを整える行為」
なのだと考えています。
言葉から住まいは始まる
どんな言葉が行き交う家で、
これからの人生を
過ごしたいか?。
その問いから、
住まいづくりは
始まるのだと思います。
やまぐち建築設計室は、
図面の前に、
言葉に耳を澄まし、
完成の先にある
暮らしを見据えながら、
一棟一棟、
丁寧に設計を行っています。
住まいが、
家族を守り、関係を育て、
人生を穏やかに
整える場所であるために。
言葉から始まる
住まいづくりを丁寧に。
このブログが、
皆さんの
住まいと暮らしを見直す
小さなきっかけになれば幸いです。
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品の良さは設計で整えられる、心と身体が自然に落ち着く住まいの環境設計
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail695.html
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