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ブログ・コラム

2025.12.29

品の良さは設計で整えられる、心と身体が自然に落ち着く住まいの環境設計

カテゴリ:
和モダン思想

 

品の良い住まいとは何か?。

 

心・身体・暮らしの質を

設計するということ。

 

皆さんは「品の良い住まい」と聞いて、

どのような空間を

思い浮かべるでしょうか?。

 

折り上げ天井と間接照明によって天井高2450mmの落ち着きを演出したホテルライクなリビング空間。薄いグレーの壁とベージュのソファが調和し、光・余白・動線を丁寧に整えることで、心と身体を静かに整える上質な住まいの一例。

※余白と光が心身を整える落ち着きのある住まい提案。

 

整えられた外観、

上質な素材、

ゆとりある構成。

 

それらは確かに

住まいの印象を形づくる

大切な要素です。

 

しかし本質的な「品の良さ」とは、

ただの視覚的な

美しさではありません。

 

住まいが心と身体を整え、

日々の暮らしの質を高める

場の在り方そのものを

指します。

 

これは、

住まいの価値を「カタチ」だけで

測るのではなく、
人間としての生理的

心理的部分の深部と

結び付けて

空間を設計するという視点。

 

暮らしの心理、

環境は感情をつくっている

ということ。

 

建築空間は、

ただの「容れ物」ではありません。

 

人は空間の中に

身を置いた瞬間から、

無意識のうちに

その環境の影響を

受け取っています。

 

閉鎖的な空間では

ある意味では心が萎縮し、
光と素材の

調和した空間では、

自然と落ち着きや

安心感が生まれる。

 

こうした反応は、

環境行動学の分野でも

示唆されている、

人間としての

共通した感覚です。

 

やまぐち建築設計室でも、
なぜか心地いい家には

理由があるという視点から、
床や家具、

空間全体の関係性を

丁寧に読み解いて

設計を行っています。
▶︎
参考記事:
「なぜか心地いい家には理由がある床と家具の関係から考える住まい」
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail596.html

 

つまり家とは、
単に生活を行う場所ではなく、
日常のストレスを緩和し、

心身を回復させるための

環境装置とも言えます。

 

環境が生みだす「暮らしの効能」

住まいの環境は、

目に見えないところで

暮らしに効いてきます。

 

色彩、素材、光。
これらは単なる

デザイン要素ではなく、
人の気分や集中力、

呼吸の深さにまで作用します。

 

たとえば照明計画。
明るさだけを

満たす光ではなく、
時間帯によって変化し、

影を許容する光は、
空間に余白と

静けさをもたらします。

 

こうした考え方は、
暮らしの中での

「安心感」や

「落ち着き」を支える

重要な設計要素です。

 

間取りの本質。

人生を豊かにする

「流れ」をつくる・・・。

 

品の良い住まいにおいて、
間取りは

「部屋を多くつくること」

ではありません。

 

人の動き、心の切り替え、

暮らしのリズムを

受け止めるための構成です。

 

家事動線と生活のリズム

 

動線とは、

単なる効率のための

線ではなく、
身体感覚に寄り添う設計を

含みます。

 

キッチンから洗濯へ。
ダイニングから庭へ。
玄関から、

少し落ち着いた趣味の空間へ。

 

こうした日常の流れが

無理なくつながることで、
暮らしの中の

小さな疲労は

確実に減っていきます。

 

この点については、
暮らしに寄り添う

動線設計をテーマにした

投稿でも詳しく書いています。
▶︎
参考記事:

「暮らしに寄り添う動線設計という選択」
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail542.html

 

心理的な距離感とプライバシー

廊下や中間領域は、

単なる通路ではありません。

 

部屋と部屋の間に

余韻と安心感を生むための

空間とも言えます。

 

設計の意図にもよりますが

すぐに次の空間が見えないこと。

 

視線が一度、

落ち着く場所があること。

 

こうした設えによって、
人の気持ちは自然と切り替わり、
日常の緊張は

静かにほどけていきます。

 

住み方そのものを

整えるという考え方は、
こちらの投稿でも

掘り下げています。
▶︎
参考記事:
「住み方をデザインする建築家の住まいづくり」

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail526.html

 

「心地よさ」は、

設計の先にあるということ。

心地よさは、

偶然に生まれるもの

ではありません。

 

間取り、光、影、素材、

色、余白・・・・・。

それら一つひとつを

人の感覚を基準に

丁寧に重ねた先に、
住まいの質は

静かに立ち上がってきます。

 

やまぐち建築設計室では、
目立つデザインよりも、
住んでから効いてくる

設計を大切にしています。

 

実際に暮らしてから

感じる変化については、
住まい手さんの声が

何より雄弁に語ってくれます。
▶︎
お客様の声:
https://www.y-kenchiku.jp/voice_detail16.html

 

住まいは、

心と体を育む器であり

人生の背景です。

 

そこに流れる時間、

積み重なる記憶、日々の感情。

 

それらを受け止め、

静かに支え続ける器が、

住まいという存在です。

 

環境を整えることは、

人生を整えること。

 

品の良い住まいとは、
見せるための

空間ではありません。

 

心が落ち着くこと。

住まいを整えることは、
人生を整えること。

その本質に向き合いながら、

丁寧に暮らしについて

設計の工夫を施しています。

 

このブログが、
家づくりや模様替えを考える方の
小さなヒントになれば幸いです。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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