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ブログ・コラム

2025.12.18

理想のインテリアテーマの決め方|和モダン×ホテルライクな暮らしを整える建築家の設計思考。

カテゴリ:
家具と暮らしとインテリアコーディネート

 

理想のインテリアテーマの決め方。

 

迷わない部屋づくりのための、

建築家からの思考整理提案。

 

「おしゃれな部屋にしたい」
「統一感のあるインテリアに憧れる」

 

ホテルライクな上質さに和モダンの静けさを重ねたLDK空間。木目天井とグレートーンのインテリアが調和し、余白と光を大切にした暮らしやすい住まいの設計事例。

※素材が持つ意味・光・余白、

暮らしの趣を揃えることで生まれる空間の提案。
家族が居心地よいと思える“心地よさ”を

大切にしたインテリアテーマの一例。

 

 

ナチュラル、モダン、

北欧、和モダン、ジャパンディ・・・。

選択肢が多すぎて、

かえって迷ってしまう。

 

これは、

住まいづくり・リフォーム

リノベーションを考え始めた方が、

最初につまずきやすい

ポイントでもあります。

 

最初から生活のビジョンや

コンセプトが整っているケースも

ございますが、

家造りを考えている皆さんが

迷う事も多いものです。

 

インテリアテーマを決めることは、
単に「好みのテイストを選ぶ」こと

ではありません。

 

これからの暮らし方を、

空間を通じてどう整えるか?
という、

とても本質的な設計行為です。

 

今回は、

やまぐち建築設計室が
実際の設計打ち合わせでも

大切にしている

 

「住まい手さんが

迷わないために出来る

インテリアテーマの決め方」を、

段階的にお伝えします。

 

インテリアテーマ迷子になる理由。

なぜ、多くの方が

インテリアテーマで

迷ってしまうのか?。

 

理由はとてもシンプルです。

 

・事例写真から「部分的に」好きな要素を

拾ってしまう

 

・「おしゃれ」と「暮らしやすさ」を

別物として考えてしまう

 

テーマを「見た目」だけで

決めようとしてしまう

 

その結果、

  • ソファは北欧
  • 照明はインダストリアル
  • 床は和風

と、意図せず

チグハグな空間になってしまいます。

 

だからこそ必要なのが、
順序立てて考えることです。

 

ステップ

自分の「好き」を、言葉にする

 

インテリアテーマの出発点は、
カタログでもSNSでもなく、

自分自身です。

 

まずは、

次のような視点で「好き」を

洗い出してみてください。

 

・普段の服装(色・素材・シルエット)

・よく行くカフェや宿

・旅先で心地よかった空間

・落ち着く場所、長く居られる場所

 

ここで大切なのは、
「おしゃれそう」ではなく、
「無意識に選んでいるもの」を

見ること。

 

たとえば、

 

・木・石・布など自然素材に惹かれる

・余白のある静かな空間が落ち着く

・光と影のコントラストが好き

 

こうした感覚的な言葉こそが、
インテリアテーマのになります。

 

ステップ

ライフスタイルと

ズレていないかを確認する

 

次に考えるべきは、
そのテーマが

今とこれからの暮らしに

合っているかです。

 

・共働きで忙しい

・小さな子どもがいる

・在宅ワークが多い

・将来、暮らし方が変わる可能性がある

 

こうした条件を無視して
「見た目重視」で

テーマを決めると、
住み始めてから違和感が

生まれます。

 

たとえば、

・片付けが苦手なのに、

装飾の多いインテリア

・落ち着きたいのに、

刺激の強い配色

・家事動線を無視した家具配置

 

インテリアテーマは、
暮らしを縛るものではなく、

支えるものです。

 

この空間で、

どんな一日を過ごしたいか?
そこから逆算して

考えることが大切です。

 

ステップ

イメージを「一枚の世界観」にまとめる

 

ここでようやく、
好き・好みを集める

イメージ収集の出番です。

 

ただし、見るポイントは
「細部」ではなく、

全体の雰囲気。

 

・色のトーンは揃っているか

・素材に一貫性があるか

・光の入り方はどうか

 

複数の画像を集めていくと、
自然と共通点が

見えてきます。

 

それが、
あなただけの

インテリアテーマの輪郭です。

 

「和モダン × 静けさ」
「ジャパンディ × 余白」
「シンプルモダン × 温もり」

 

テーマは、

一語でなくても構いません。

 

むしろ、

言葉で説明できるテーマの方が、
ブレにくく、

失敗しません。

 

ステップ

家具・素材・色をテーマ基準で選ぶ

テーマが定まったら、
選択基準は

とてもシンプルになります。

 

それは、このテーマに合っているか?

 

・流行っているから

・安かったから

・SNSで見たから

 

ではなく、
テーマにふさわしいかどうか。

 

この判断軸ができると、
空間は自然と整っていきます。

 

やまぐち建築設計室が考える

「良いインテリアテーマ」とは?

 

良いインテリアテーマとは、
目立つものではありません。

 

・住んでいて疲れない

・無意識に整う

・時間が経つほど、馴染んでいく

 

そんな空間です。

インテリアは、
暮らしの背景であり、心の環境。

だからこそ、
「好き」と「暮らし」と「時間」を
丁寧に重ねて

考える必要があります。

 

インテリアテーマは、

生活基準であり

暮らしの設計図のもとになるもの。

 

インテリアテーマは、
おしゃれを決める為のもの

ではなく、
暮らしを整えるための

設計図となるものです。

 

・自分の感覚を知る

・ライフスタイルと照らし合わせる

・言葉にして、軸をつくる

 

この順序を守るだけで、
迷いは驚くほど減っていきます。

もし今、
「なんとなくしっくりこない」
「どう決めていいかわからない」
そう感じているなら、

それはセンスの問題だけでは

ありません。

 

整理の順序が、

少し違っているだけです。

 

よくある質問|

インテリアテーマの決め方

 

Q.インテリアテーマは

いつ決めるのが正解ですか?

 

A.間取りや家具を決める前、

できるだけ早い段階が理想です。

テーマは住まいづくりの軸。

先に定まることで、

間取り・収納・照明まで

一貫性が生まれます。

 

Q.テーマは一つに絞らないとダメですか?

 

A.絞る必要はありませんが、

ある程度言葉で説明できる軸は

必要です。
掛け合わせでも問題ありません。

 

Q.途中でテーマがブレてしまいます。

 

A.流行ではなく「テーマ基準」で

選んでいるかを確認してください。
判断軸があると迷いは減ります。

 

Q.リフォーム・リノベーションでも

テーマは必要ですか?

 

A.むしろ重要です。
残す部分・変える部分の判断が

明確になります。

 

Q.プロに相談する時、

何を伝えればいいですか?

 

A.完成イメージより

「どんな暮らしをしたいか」です。

設計者はそこから

本質的なテーマを読み取ります。

 

Q.テーマが決まらないのは

センスの問題ですか?

 

A.いいえ。多くの場合、

考える順序を知らないだけです。

 

補足|インテリアテーマを

「正解探し」にしないために・・・。

 

ここまで読み進めてくださった

方の中には、
なるほど、考え方は分かった。

でも、これで本当に

合っているのだろうか?
そんな不安を、

少し感じている方も

いるかもしれません。

 

けれど、インテリアテーマに
たった一つの

正解はありません。

 

なぜなら、

住まいは展示場のための空間でも、
誰かに評価されるための

舞台でもないからです。

 

暮らしの中で、

 

・朝、自然と深呼吸できる
・夜、気持ちが静かにほどける
・家に帰ると、少し安心できる

 

そうした感覚の積み重ねこそが、
その人にとっての

「正解のインテリア」です。

 

だからこそ、

最終的にテーマは

「決め切るもの」ではなく、
育てていくものだと、

やまぐち建築設計室では

考えています。

 

やまぐち建築設計室の思考

― 住まいは、人生を支える「器」

やまぐち建築設計室が
住まいやインテリアを考えるとき、
いつも立ち返る視点があります。

 

それは、

住まいは人生の背景であり、

心の状態をつくる器

という考え方です。

 

光の入り方、
風の通り道、
素材の手触り、
空間の余白。

 

それらは、

目立たなくても、
日々の感情や思考に、

確実に影響を与えています。

 

だからこそ、
「流行っているか」よりも
「長く、心地よくいられるか」を

大切に考えています。

 

「映えるか」よりも、
「暮らしの中で、無理がないか」を

考えます。

 

インテリアテーマとは、
見た目を揃えるための

ルールではなく、
暮らしを整えるための「静かな指針」。

 

そしてそれは、
住む人の価値観や人生観と、
ゆっくりと無理なく

重なっていくものだと思っています。

 

何となく決めて、
何となく選んで、
何となく住む。

 

それよりも、
立ち止まって考え、
言葉にし、
自分たちの暮らしと向き合う。

 

その時間こそが、
後悔しない住まいづくりに

つながっていきます。

 

もし今、
「まだ少し迷っている」
「うまく言葉にできない」
そう感じているなら、

それは間違っていません。

 

住まいづくりは、

一つずつ整理しながら、
自分たちのペースで、
自分たちの為の

暮らしの輪郭を描いていくことが

重要です。

 

今回のblog投稿が、
そのための

小さな道しるべになれば、
これほど嬉しいことはありません。

 

○関連blog

家具と間取りの選び方で“後悔しない暮らし”を叶える――和モダン×ホテルライク×ジャパンディの空間設計術|動線・サイズ・色彩バランスを整え、心理的な安心と豊かさを育む住まいづくり

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail609.html

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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