ブログ・コラム
2025.11.24
造作家具で叶えるホテルライクな暮らし|家事がしやすく整う間取りと美しく調和するオーダーメイド設計の家づくり
- カテゴリ:
- 家具と暮らしとインテリアコーディネート
造作家具とは?
置き家具にはないメリットと
失敗しない為の提案。

※造作家具が空間を整え暮らしの質を静かに高めるLDK。
収納と柔らかな間接照明が
住まいに一体感をつくり、
木の表情を引き立てながら美しい陰影を描きます。
暮らしに調和をつくる
建築的な家具設計による付加価値。
家づくりを考えるとき、
「どんな家具を置くか」という視点は
誰もが持ちますが、
実は家具そのものを
建築の一部として設計する
という選択肢があります。
それが造作家具(オーダーメイド家具)です。
Instagramで見るような、
上質で統一された空間。
無駄のない収納計画。
ホテルのように整ったLDK。
それらの多くは、
造作家具によって生み出されています。
今回はのblogでは、
造作家具とは何か?
置き家具との違い、
メリット・デメリット、
そして後悔しないための設計方法について、
建築家としての視点から
少し書いてみたいと思います。
造作家具とは
建物と一体化して「空間を整える」家具。
造作家具とは、
住まいの空間に合わせて一から設計し、
職人さんが
手作業でつくる家具のことです。
棚やカウンター、テレビボード、
洗面台、ワークスペースなど、
さまざまな場所に採用されます。
既製品を選ぶのではなく、
「使い方を設計する」
「素材から選ぶ」
「高さや奥行きを最適化する」
というプロセスでつくられるため、
住まい手さんの暮らしに
深く寄り添った家具となります。
建築と一体で設計するため、
空間全体の調和をつくるという点が、
造作家具ならではの魅力です。
造作家具と置き家具の違い
置き家具は、
市販の家具から選ぶという
前提があるため、
比較的「ハイブランド」であっても
サイズ・色・素材に制限があります。
空間に対して
家具を合わせるのではなく、
家具を置く場所に合わせる
という考え方が近くなります。
一方の造作家具は、
空間そのものを美しく、
使いやすく整える・・・・・。
という建築的な発想で設計され、
空間にぴったりと納まり、
素材の統一感も生まれます。
その違いは、
出来上がったときの印象に
大きく影響します。
まるで建物に最初から
備わっていたかのような
自然さが生まれる
それが造作家具の特長です。
造作家具のメリット
空間に調和する美しさが生まれる
床材、壁材、建具、
照明計画と合わせて
家具をデザインできるため、
住まい全体に統一感が出ます。
特に和モダンやジャパンディのように
「素材感」や「陰影」を
大切にする住宅では、
造作家具が空間の質を大きく高めます。
既製家具では決して得られない、
落ち着いた
品格ある佇まいが生まれます。
隙間がなく、
スペースを最大限に使えるという事。
どれだけ良い家具でも、
数センチの隙間が生まれれば、
ほこりがたまり、
デッドスペースになります。
造作家具は寸法を1mm単位で
調整できるため、
隙間を一切つくらず、
空間を無駄なく活用できます。
特に収納計画では、
造作家具の方が
必要なところに必要なだけ
収納のある家が
実現しやすくなります。
自分の身体的特性に合った寸法で作れる。
棚の高さ、
カウンターの奥行き、
デスクの高さ。
既製品は平均的な体格を
基準にしています。
勿論、商品によっては
様々な選択肢もあります。
しかし、実際の暮らしでは、
「あと3cm高ければもっと使いやすい」
「あと5cm奥行きが欲しい」
など、微妙な寸法の違いが
快適性を大きく左右します。
造作家具は、
自分の身長や使い方に合わせて
寸法を最適化できるため、
身体に負担がかかりにくく、
日々の行動がスムーズになります。
掃除しやすい家になる
家具と壁の間にできる細い隙間は、
掃除機のノズルが入りにくく、
ほこりが溜まりがちです。
造作家具はその隙間をつくらないため、
「掃除する場所そのものが減る」
という快適性が生まれます。
家は、
使いやすさと同じように
掃除しやすさ も重要で、
それを叶えるのは造作家具の強みです。
地震時の安全性が高い
造作家具は、
壁や床に固定して設置するため、
個々に倒れる心配がありません。
地震対策としても非常に有効で、
特に大型収納では
安心感が大きく変わります。
家族の命を守るという意味でも、
造作家具はひとつの「設備」
として考える価値があります。
造作家具のデメリット
完成までに時間が必要
造作家具は、
打ち合わせ → 設計 → 制作 → 設置
という工程を丁寧に積み重ねるため、
どうしても時間がかかります。
ただし、
このプロセスこそが
「暮らしに合う家具」を生むための
大切な時間となります。
間取構成や空間構成と同じで
早く欲しい家具ではなく、
長く心地よく使う家具を
求める人向きといえます。
コストが既製家具よりかかる
職人さんが
一つずつ手作りするため、
量産品よりは高くなります。
しかし、
造作家具は耐久性が高く、
長く使えるため、
結果的に「よい買い物」に
なることも多いです。
予算調整も可能で、
LDKのみ造作にするなど、
ポイントを絞って採用する
という方法もあります。
完成するまで実物を見られない
不安がある。
既製家具とは違い、
実物を事前に確認できません。
そのため、
完成したときに「イメージとの差」
が生まれる可能性がゼロではありません。
その不安を解消するためには、
・施工例を見せてもらう
・素材を現物で確認する
・3Dパースでイメージ共有する
など、
丁寧な打ち合わせが欠かせません。
固定式のため、
気軽に模様替えはできない。
メリットでもある「動かない」
という特性は、
裏を返せば模様替えが
難しいということでもあります。
子ども部屋など、
将来変化が必要な場所は、
造作と置き家具を組み合わせるなど、
可変性を意識することが重要です。
造作家具で後悔しないためのコツ
家具の目的を明確にすること
収納する物、
使うシーン、座るか立つか、
誰が使うのか。
こうした「具体的な用途」を
決めることが、
造作家具成功の鍵です。
目的が曖昧だと、
使いづらさにつながります。
逆に目的がはっきりしていれば、
造作家具は
驚くほど暮らしにフィットします。
家事動線と合わせて設計する
造作家具は、
どこに設置するかで
使いやすさが大きく変わります。
洗濯・料理・片付け・掃除など、
家事動線を理解したうえで設計すると、
本当に暮らしやすい空間になります。
動線と家具の相性は、
建築家の視点が
最も活きる部分です。
造作家具の経験が豊富な会社に
依頼すること。
造作家具は、設計力
現場調整力・素材の理解など、
多くの専門性を必要とします。
経験の浅い会社では、
仕上げの美しさや寸法精度が
大きくブレることもあります。
依頼先を選ぶ際には、
どんな造作家具をつくってきたか
実例は見せてもらえるか
を必ず確認すると安心です。
造作家具は
暮らしの質を設計する選択肢。
造作家具は、
ただの設備ではなく、
暮らしやすさ・空間の美しさ
安全性・快適性を
高いレベルで叶えるための
建築的な家具です。
・隙間がない
・掃除しやすい
・身体に合う寸法
・上質な素材で統一できる
・耐震性が高い
こうしたメリットが、
日常の満足度を静かに、
しかし確実に高めてくれます。
もちろん、
コストや時間はかかりますが、
その分「長く使える価値」と
「上質な住まい」を
手に入れることができます。
奈良で造作家具を活かした
住まいをつくりたい方へ・・・。
やまぐち建築設計室では、
和モダン・ジャパンディ
数寄屋建築の思想を背景に、
素材の美しさと
暮らしの快適性が両立する
造作家具の選択肢も
丁寧に考えています。
暮らしの趣をどのように考えて
住まい造りをすすめるべきか?。
家づくりのご相談は、
ホームページのお問い合わせから
お気軽にご連絡ください。
住まい手さmmの
価値観に寄り添いながら、
好きでいられる空間を、
造作家具とともに考えてみませんか?
〇関連blog
建築家とつくる家、家事を踏まえた動線計画と共に暮らしに寄り添う収納計画
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail479.html
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間取×インテリアと家具レイアウトで暮らしやすさを極めながら暮らしの最適解をイメージするように、新築・リフォームの家事動線と過ごし方のデザイン
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail504.html
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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