ブログ・コラム
2025.08.09
数寄屋の家をイメージした奈良の和モダン住宅。外構と庭が織りなす、外観としての佇まいの美と暮らしの豊かさの設計提案。
- カテゴリ:
- 庭・中庭・外構と暮らす設計
建築(住宅)の佇まいは
外構で決まる。
暮らしと品位を育む
庭・エクステリアの美学。
※数寄屋の家をモチーフにした奈良県の和モダン住宅。
深い軒と本瓦屋根、
広がる芝生の庭が織りなす開放感ある外構デザイン。
はじめに・・・・・。
なぜ外構が家の印象を左右するのか?。
家の第一印象を決めるのは、
必ずしも
建物そのものではありません。
多くの人は、
家と庭をセットで目にします。
そこに広がる門塀・アプローチ
植栽・照明・塀の素材や
高低差といった外構の要素が、
住宅の印象に深く刻まれるのです。
ありふれた家でも、
外構の設計が優れていれば、
そこに住む人の教養や品位、
価値観が自然と伝わります。
反対に、
建物がどんなに美しくても、
駐車場の舗装だけで
外構が未整備であれば、
全体の印象は随分変わります。
やまぐち建築設計室では、
外構を
建物が完成してから考える
付属物ではなく、
住宅設計の根幹を成す
要素として位置づけています。
外構が与える「外からの印象」と
街並みとの調和。
外構は、
その家単体の美しさだけでなく、
周囲との関係性も
形づくります。
街並みの中で調和しつつも
程よく存在感を放つ外構は、
通りすがる人々の
目を引き、
地域全体の景観価値を
高めます。
奈良県内も
住宅地によっては、
法律や条例、
地域のルール等によって
古くからの景観や隣家との
距離感を尊重しながら、
現代的な感性で
デザインを融合させることが
求められます。
石積みや木塀、
低木の組み合わせなど、
日本的な素材を使いながら、
直線や陰影で
現代性を加えることで
「和モダンの美」も完成します。
記憶に残る佇まい。
人は五感を通じて
記憶を刻みます・・・。
玄関アプローチに
足を踏み入れたときの足触り、
植栽の揺れる音、
木漏れ日が地面に描く模様。
これらは一瞬で心に残り、
その家の印象を
「好きか嫌いか」という
感覚レベルで決めてしまうのです。
これはまさに本能的感情に響く部分。
理屈ではなく、
「なんとなく好き」と
感じるデザインが、
家そのものに関してもそうですが
外構にも求められます。
外構がもたらす
内側からの景色・・・・・。
外構の効果は、
外からの見え方だけに
留まりません。
むしろ、
毎日の暮らしの中では
室内から眺める景色こそが、
住まい手の幸福感を左右します。
緑がつくる心理的な豊かさ。
例えば、
朝食をとるダイニングの窓から、
季節ごとに色を変える
庭木が見える光景と、
駐車中の車の背面だけが
見えるだけの光景。
その違いは、
想像以上に大きいものです。
前者は、
視覚だけでなく
嗅覚・聴覚まで刺激します。
春には新緑の香り、
夏には蝉しぐれ、
秋には落葉の音、
冬には枝に積もる雪の白さ。
これらが日々の暮らしに
変化と味わいをもたらします。
視線をコントロールする。
外構の植栽や塀は、
外部からの視線をコントロールし、
プライバシーを守ります。
ただ遮るだけでなく、
自然素材や緑で
柔らかく視線を逸らすことで、
閉塞感のない
安全な空間が生まれます。
結果として、
室内の居心地が格段に向上します。
建築と外構は一体設計が基本。
やまぐち建築設計室では、
建物と外構は
ある程度までは
同時に計画することを
基本ルールとしています。
それは次の理由からです。
1全体のバランスを取るため
建物の高さや形状、
窓の位置、
外壁の素材に合わせて
外構のラインや高さを設計することで、
統一感のある
美しい佇まいが生まれます。
2機能性を高めるため
駐車場、アプローチ、
玄関ポーチの
動線を計算に入れることで、
日常の使いやすさが格段に上がります。
3コスト効率を最適化するため
建築工事と
外構工事を分けて考えると、
資材や工期が重複して
コストが増えることがあります。
一体で計画すれば無駄を省けます。
外構設計の重要ポイント
植栽計画
四季を通して表情が変わる植栽は、
外構の主役とも言えます。
- 高木で縦のラインをつくる
- 中低木でボリューム感を出す
- 下草で足元を整える
素材選び
自然石、焼き物、木材、金属。
素材の選択は、
その家の雰囲気を決定づけます。
耐久性や経年変化の美しさを考え、
時が経ちながらも
魅力を保つ素材を選びます。
照明計画
夜の外構は照明によって
まったく異なる表情を見せます。
アプローチや植栽を
ライティングすることで、
防犯性も向上し、
夜景としての美しさが際立ちます。
外構と暮らしの心理的効果
外構の整った家は、
住む人の心を整えます。
美しい景色を
日常的に目にすることで、
ストレスが軽減され、
印象も格段に良くなります。
外構は「住む人の分身」とも言えます。
整えられた庭や塀は、
そこに暮らす人の
価値観や生き方を無言で語ります。
実例紹介|奈良・和モダン住宅の外構美
(昼景)
※奈良県内の数寄屋を意識した和モダン住宅。
無垢材の門扉と本瓦屋根、
四季を彩る植栽が織りなす端正な外構デザイン
奈良県内で手がけた
こちらの数寄屋をモチーフにした
和モダン住宅は、
本瓦屋根と塗り壁、
そして無垢材の門扉が織りなす
格調高い佇まいが特徴です。
街路からの視線を受け止めるのは、
まずこの落ち着きのある
土色の塀と端正な門構え。
遠くからでも、
その輪郭と素材感が際立ち、
静かで上質な印象を放ちます。
門の左右には、
季節の変化を感じられる
植栽を配しました。
左手にはイロハモミジを主木に据え、
春の芽吹きから
秋の紅葉まで彩りを変える演出を。
根元にはツツジを植え、
春には足元に
華やぎを添えます。
右手にはシマトネリコを配し、
常緑の爽やかな葉が
一年を通じて
門周りを引き締めます。
さらに、
低木にはアベリアを選び、
控えめな花と香りで
来訪者を迎える設えとしました。
塀は掻き落とし仕上げの
塗り壁と本瓦の笠木で構成し、
和の落ち着きと
経年変化の美しさを両立。
袖壁の切り込みや
植栽越しの隙間が、
光と風を通し、
閉塞感を与えません。
これにより、
防犯性とプライバシーを保ちながらも、
通りとの柔らかな関係性を
築いています。
アプローチは
御影石の白御影平板を敷き、
段差は低めに抑えて
バリアフリー性を確保。
門扉の背後から
玄関までの距離をしっかりとり、
ゆとりある進入動線を
設計しました。
この距離感が、
訪れる人の心を自然と整え、
日常に小さな非日常感を添えます。
(夜景)
※夕暮れ時にライトアップされた門構え。
塀に映る植栽の影と柔らかな灯りが、
迎えの美学を表現します。
夕暮れ時になると、
外構全体が柔らかな光に包まれます。
門柱灯とローポールライトが
温かな灯りを放ち、
イロハモミジの枝葉が
塀にシルエットを描く様は、
まるで屏風絵のような趣。
門扉越しには
玄関ホールの光が滲み、
住まい手を迎えるための
迎えの美学が表現されています。
瓦屋根の深い軒が
照明の光を柔らかく反射し、
塗り壁の陰影を際立たせます。
昼間には感じられない、
夜特有の奥行きと静けさが漂い、
和モダン住宅ならではの
格調をさらに引き上げています。
雨上がりの路面に映る灯りも、
設計の一部として計算、
夜景に深みを与えています。
室内からも、
ライトアップされた門構えと
植栽が窓枠の中に
額縁のように収まり、
特別な時間を演出します。
〇関連blog
中庭で育つ子どもとの時間、そして夫婦ふたりの静かな時間も味わう。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail574.html
暮らしの舞台装置という考え方。
外構は、建物の顔であり、
暮らしの背景です。
やまぐち建築設計室では、
建物と外構を一体で設計し、
昼と夜の両方で
暮らしそのものが映える
住宅と生活空間を
ご提案しています。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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