ブログ・コラム
2025.06.21
中庭で育つ子どもとの時間、そして夫婦ふたりの静かな時間も味わう。“家族の時間”と“個の時間”が自然に交差し、暮らしに光と風を届ける“内と外”のある間取り提案と住まい設計の魅力とは。
- カテゴリ:
- 庭・中庭・外構と暮らす設計
家族の暮らしに「もう一つの空」を。
子どもが元気に外で遊ぶ姿、
家の中からふと見える緑や光。
※中庭とつながるウッドデッキとLDK。
静けさと光が満ちるホテルライクで上質な暮らしのイメージ提案です。
共働き・子育て世代の家族が、
日常のなかで心を整える場所──。
中庭とつながる住まい。
家族の気配が自然と交差し、
子どもが遊ぶ姿を見守りながら、
大人は静かに自分の時間を味わう。
そんな“内と外のちょうどよい距離感”を、
暮らしの中に描く設計です。
木の温もりと柔らかな照明、
視線の抜ける開放感が、
住まい手さんの暮らしの質感と
美しく調和しています。
中庭のある風景が、
日々の暮らしの中で
ふっと心を癒してくれる
大切な時間になることがあります。
奈良をはじめとした
郊外エリアだけではなくて
住宅地エリアでも「中庭のある家」が、
子育て世代からも
高い支持を得ています。
その理由はただ単に
“庭がある”というだけではなく、
“室内に近い安全な自然空間”として
活用できること。
そして家族のつながりを
自然に保ちながら、
生活動線や空間のゆとりも
両立できるところにあります。
やまぐち建築設計室では、
奈良の風土と家族の暮らし方を
丁寧に読み取りながら、
中庭という空間を
暮らしの中心に据えた住まいを
数多く手がけてきました。
今回のコラムでは、
「子育て」と「家族の時間」を支える
中庭の住まいについて、
設計思想から実例、
よくある質問までを交えて
書いてみたいと思います。
なぜ中庭なのか・・・・・。
子育て世代に選ばれる5つの理由
- 視線が届く“安心な外”
小さな子供を育てているご家庭では
外で遊ばせたいけれど、
目が届かないのは不安
という声を多くいただきます。
中庭がある住まいでは、
LDKや子ども部屋から
中庭を囲むように設計することで、
どこにいても子供の様子が
確認できます。
道路と遮断された中庭は、
外の自然に触れながらも、
家の一部として
安全に過ごせる空間となります。
- 自然とのふれあいが暮らしの一部に
植物や土、水に触れる経験は、
子どもの感性を育む上でも
とても大切です。
中庭にシンボルツリーや家庭菜園、
小さな水遊びスペースを設けることで、
暮らしの中に
“自然とのふれあい”が常にあります。
また、
季節のうつろいを目で、肌で、
感じることができるのも、
中庭の大きな魅力です。
- 在宅ワークの気分転換にも。
リモートワークが一般化する中、
自宅での仕事環境を
整えるご家庭も増えています。
中庭があることで、
書斎やLDKから
窓越しに緑が見えるだけでも心が整い、
集中力が続きやすくなります。
四季折々の変化が視界に入ることで、
仕事の合間のリセットや、
子どもとの息抜きにもぴったりです。
- 光と風を招き、住まいが呼吸する
中庭のある住まいは、
風と光の通り道を
巧みに設計できるのも利点です。
南からの光を
中庭経由でLDKに取り込んだり、
東西に抜ける風を
コントロールしたりすることで、
冷暖房に頼らない快適性も実現。
特に奈良のような盆地型気候では、
中庭設計が温熱環境の
快適性に直結します。
- 家族の会話が“中庭を通して”つながる
子ども部屋とリビングを
中庭越しに配置すると、
視線が交わる距離感が生まれます。
個室にこもりがちな子どもでも、
ふと目が合うだけで
親の安心感につながったり、
中庭越しに「食事の用意が出来た際に」
声をかけたり、
物理的に離れていても
心理的には近い距離感が保たれます。
中庭は、
まさに家族を“つなぐ場”
でもあるのです。
中庭とつながるLDK、そして子ども部屋
奈良県大和高田市で
ご依頼をいただいたK様邸では、
立地条件・共働き・子育て世代のご家族のために、
中庭を家の中心に配置した
コの字型の住まいをご提案しました。
中庭は、
LDKと浴室等がぐるりと
囲むように計画されています。
外からの視線を遮りながらも、
空が開けた開放的な空間で、
ウッドデッキのある空間を
ディスプレイに見立てた「工夫」を施したり、
部屋の延長空間として見立てたり
家族で週末のバーベキューも
楽しんでおられます。
また、
部屋から中庭へは
直接出入りできる設計となっており、
中庭を通して室内外が
シームレスにつながる構成。
夜には、
間接照明で中庭がライトアップされ、
雰囲気を変化させ
語らいの時間にも
一人で寛ぐ時間にも
優しい光が添えられます。
そしてこの住まいでは、
夫婦二人だけの時間もまた
大切にデザインされています。
たとえば夜、
子どもが寝静まったあとのウッドデッキで、
季節の風を感じながらワインを楽しむ時間。
休日の朝、
早起きしてふたりで
中庭に面したキッチンカウンターで
コーヒーを淹れながら、
何気ない会話を交わすひととき。
それは、
忙しい毎日の中でも
“夫婦だけの時間”という、
暮らしのリズムを整える
かけがえのない時間になっていきます。
また、
将来子どもが巣立ったあとでも、
中庭は“静けさを慈しむ場所”として、
夫婦の暮らしの中心であり続けます。
中庭は、
子どもと過ごすためだけでなく、
大人同士が“素の自分”に戻れる
場所でもありますから・・・・・。
設計者の視点。
「育ち」と「暮らし」をつなぐ
中庭という空間。
やまぐち建築設計室では、
建物の“間取り”や“デザイン”以上に、
「その家族らしい暮らしの風景」を
描くことを大切にしています。
中庭の設計もまた、
その一環。
子どもが小さいうちは遊び場に。
大きくなれば離れていても
中庭越しに気配を感じられるように。
そして、
普段もその先の「いつか夫婦ふたりだけの時間」にも
寄り添えるように──。
そんな未来の風景まで描きながら、
中庭という可変的な
“余白空間”を計画していきます。
さらに中庭には、
・光と風をコントロールする環境装置としての役割
・空間に広がりと奥行きを与える視覚的効果
・家族関係の距離を心地よく整える心理的効果
・世代ごとの暮らし方を優しく包み込む柔軟性
といった、
空間以上の価値が内包されています。
中庭があることで、
家族の時間も、
個人の時間も、
夫婦の時間も、
いずれも同じように大切に
育まれていく。
中庭だけではありませんが
暮らしの魅力は
様々な角度から生まれます。
よくある質問(Q&A)
Q1. 中庭があると防犯面が心配では?
外部からの視線が入りにくい一方、
出入り口や死角が増えるのではと
心配されることもあります。
しかし設計次第で死角を最小限に抑え、
門扉や外壁の高さ・照明計画を
工夫することで、
むしろプライバシーと
防犯性を高めることが可能です。
Q2. 手入れは大変では?
植栽エリアを限定し、
タイルやウッドデッキで
ゾーニングすれば、
日常の掃除や水やりの手間は
大幅に軽減されます。
季節ごとの剪定や落葉掃除も含めて、
ライフスタイルに応じた
設計提案を行っています。
Q3. 土地が狭くても中庭は可能?
都市部や狭小地でも、
「コの字型」「L字型」などで
間取りを設計することで、
中庭的な空間を確保できます。
吹き抜けや
スキップフロアを組み合わせて、
視線や光の抜けをつくることで、
実際以上の広がりを
演出することが可能です。
■ご相談・設計相談のご案内
うちでも中庭のある暮らしが、
実現できるかな?
どんな土地なら中庭設計に向いている?
そんな疑問に丁寧にお答えする、
相談会を随時実施しております。
やまぐち建築設計室では、
奈良・橿原市を中心に、
住まい手さんの
暮らしに寄り添う住まいを
丁寧に描いていきます。
▶ ご相談予約はこちらから
https://www.y-kenchiku.jp/contact.html
関連コラムのご紹介(内部リンク)
家具配置を起点にした間取りの考え方について解説。
中庭を囲むLDKや回遊動線設計との
相性にもつながる内容です。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail572.html
家事ラク動線・収納計画・空間の余白について解説。
中庭との関係性をどのように
設計するべきかという
空間構成にもつながる内容です。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail558.html
家族の記憶を家の真ん中に。
中庭は、
ただの空間ではありません。
家族の暮らしの中心に、
“空”を迎え入れることで、
そこにしかない
記憶と時間が積み重なっていきます。
子どもたちの成長を見守りながら、
四季を感じ、
光に包まれ、
時には雨音に癒やされる・・・・・。
そんな日常の中に、
家族のしあわせが育まれていくこと。
それこそが、
中庭のある家が
もたらしてくれる
かけがえのない価値だと、
やまぐち建築設計室では
考えています。
奈良という地に根ざした
設計事務所として、
あなたと、
あなたの家族の“暮らしの真ん中”を、
丁寧につくりだすように。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
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