ブログ・コラム
2025.07.30
奈良で建てる和モダン住宅》土間回廊と陰影の美を活かした中間領域のある家|暮らしに寄り添う設計プロセス
(仮称)土間回廊と豊かな陰影と
中間領域のある和モダンの家 新築計画。
※落ち着いた水平ラインと二段屋根が特徴の外観デザイン。
深い軒が陰影をつくり、
和モダンの美意識が映える正面外観。
※角度を変えると立体感が際立つ外観フォルム。
木調のアクセントと陰影の重なりが
和の情緒を現代的に表現。
外観と内部空間がカタチとなる
建築現場・・・・・。
外観が現れ始めたタイミングで感じる
「構想が現実になる瞬間」。
前回の現場打合せ段階では、
工事用仮設足場と
養生シートにより
建物の外観は見えない状態でしたが、
いよいよ足場が解体され、
建物の「かたち」が外からも
見えるようになりました。
〇関連blog
奈良・郊外の家(仮称)土間回廊と豊かな陰影と中間領域のある和モダンの家新築
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail587.html
二層に折れ重なる屋根、
軒の深い水平ライン、
陰影が生まれるカタチのと素材感。
そして何よりも、
住まい手さんと一緒に
構想段階から大切にしてきた
「土間回廊」や「中間領域」の存在が、
しっかりと
この住宅に表現されつつあります。
工事が着々と進む現場から
外観デザインと
内部空間の様子を少しだけ・・・・・。
外観デザインとして
和の落ち着きと
現代的な軽やかさを併せ持つ意匠に。
深い軒と段屋根構成がもたらす、
平屋のような「つし二階」を
イメージしたプロポーション。
外観においてまず目を引くのは、
深い軒がつくる
影のグラデーションと、
二段構成の屋根ライン。
これは、
和風建築の伝統的な
屋根の重なりを
現代的にアレンジしたもので、
外観に奥行きと落ち着きを与える
重要な要素となっています。
屋根の形状でも外観は随分変わります。
外壁は白に近いベージュトーンの
素材(サイディング)に加えて、
アクセントとして
一部分にフェイクの「形状」を
つくりだし「木目調」の
外壁材料(サイディング)を縦配置。
同じ形状であっても
材料の選定次第で
雰囲気もイメージも変わるので
風情を損なわないように
清潔感のある印象を
共存させるデザインとしました。
中間領域(半屋外空間)としての土間テラス
写真に写っている
基礎の張り出し部分は、
LDKへとつながる屋外土間テラスの一部。
このスペースは
屋根に守られながらも、
外の空気を感じられる
LDKとも繋がる「中間領域」として、
暮らしの多用途な場となります。
リビングの延長として
子どもが遊ぶテラスとしても、
ブランチを楽しんだり
ハンモックチェアで寛いだり
憩いの場としても、
住まい手さんの
生活スタイルによって
柔軟に使い分けることができます。
和の家における
「縁側」や「土庇」→ドビサシと読みます。
※室内から大きく跳ねだした
軒下空間をつくる庇(屋根)のことです。
昔ながらの暮らしの知恵と工夫、
そして思想を、
現代の生活にふさわしく
再構成しています。
内部空間では、
光と影が交錯する
素材と寸法で整えた設計の骨格提案。
現場進行中の空間に見る、
計画した「余白」と「陰影」。
現在内部空間では
大工さんを中心に工事が進行中。
※空間の骨格が見えてくる施工中の内部。
廊下と開口部の配置からも
光と影のリズムが感じられるように。
柱や梁と呼ばれる骨組みに
石膏ボードによる下地を貼り終えて、
間取り通りの「部屋のカタチ」が
明確に浮かび上がってきています。
写真に写る廊下からは、
縦・横・奥行きの視線が
繋がるように
レイアウトされた間取りの意図が
伝わるかと思います。
通路でありながら、
視線の広がりや
余白を感じられるよう、
壁の厚みや室内扉の位置や形状、
寸法・・・・照明の配置までを
一体で設計しています。
廊下の突き当たりには
明るい光が入り、
居室や水回りに移動するたびに
自然な「陰影のリズム」が
現れるようになっています。
高窓からの自然光と構造材の共演。
※吹き抜けから空を望む大きな高窓と
魅せる化粧梁の構造美。
自然光が優しく差し込み、
暮らしの中に光と陰をつくる設計です。
写真では、
吹き抜け空間を活用した
高天井に配置(レイアウト)した
大きな高窓が映っています。
この窓は、
午前中の明るさも活用しつつ
午後からの自然光が
やさしくLDK空間に届くよう
設計しており、
天井付近に浮かぶ
梁材→建物の構造材の一つで、
柱の上に水平に架け渡され、
屋根や床の荷重を支える
骨組み・横架材のことです。
それらと組み合わさって、
内部に光の陰影をつくり出します。
※この場所にはリビングアクセス階段も
配置します。
特に今回の計画では、
梁を「見せる構造材」として使う設計とし、
素材感や構造美を
暮らしの中に溶け込ませることを
意図しています。
梁材は工事中という事もあり
養生した状態で撮影されており、
これからは
その表情が現れる工程が待っています。
設計思想・・・・・。
土間・回廊・陰影、
中間領域がもたらす居心地の良さ。
土間の再解釈=暮らしの接点を内包する装置
「土間」とは単なる玄関のことではなく、
今回の設計課題の中では
「外と内」「人と人」
「道具と暮らし」の接点を内包する
装置だと考えています。
靴を脱ぐ/履くという動作だけでなく、
外の空気を感じながら
時間を過ごす、語らう、飲食を楽しむ、
読書を楽しむ、
一人静かに過ごす、
家族と過ごす、
子どもが遊ぶ、誰かを迎え入れる。
そのすべての場面を包み込む、
時間と使い方に開かれた
余白を設計すること・・・・・。
この家の土間回廊も、
まさにその役割を果たします。
動線としての「通る土間」から、
滞在する「居る土間」へと、
用途が自然に変化するように
計画しています。
陰影が住まいに情緒とリズムを生む。
和の家の魅力のひとつは、
「光が直接差し込まない」ことで
得られる柔らかな空間の質感。
あえてすべてを明るく照らさず、
自然光の当たり方や
陰の落ち方に
メリハリを持たせることで、
空間に奥行きと情緒をもたらします。
設計においても、
庇や壁の角度、
素材の反射率、窓の高さと向きなど、
陰影のデザインにも
設計の工夫を施しています。
そしてその課題となる陰影と
和の趣に「回廊・土間」の一部に
この後の工程で「施す」
工夫のデザインも・・・・・。
これからの工程では、
内装の仕上げ工事
造作家具の取り付け
外部の最終的な仕上げ
左官や外構の仕上げなどが
予定されています。
特に設計段階からこだわってきた
土間空間の仕上げ素材や、
中間領域と内外の繋がり方には
様々な設計の工夫が活きてきます。
建物に周囲の
自然環境(風・光・植栽)を
取り込んでる設計は
環境を読み解く設計から派生した
暮らしのカタチ提案です。
住まいは単なる建物ではなく、
住まう人の暮らしや感情、
日々の動作に呼応する
「器」であるべきだと、
やまぐち建築設計室では考えています。
そのためには
住まい手さんの価値観と
ライフスタイル・・・・・。
現実と理想の二面性、
素材の選定、
寸法のバランス、光と陰の調整、
そして内外の境界のつくり方に対して、
誠実で繊細な設計が大切です。
やまぐち建築設計室では、
設計の初期段階から
施工中の現場に至るまで、
住まい手さんの暮らしに
深く寄り添う家づくりを大切にしています。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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