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ブログ・コラム

2025.07.26

10年後も心地よく暮らせる住まいを──建築家が考えるライフステージに寄り添う可変性のある間取り設計

カテゴリ:
過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り

家族のライフステージと

暮らしの変化に寄り添う、

フレキシブルな間取り設計とは?。

 

将来を見据えた

住まいの可変性と設計の工夫。

 

吹き抜け階段を囲むように設けられた2階ホールの多目的スペース。現しの木梁が美しい構造美を生み、自然光が差し込む空間は将来的に書斎や趣味室、子どものプレイルームなど多用途に活用可能な可変性を備えた間取り。

※小屋組現しの梁が印象的な2階ホール、
 結婚したてのご夫婦の為の住まい。

 自然光に満ちた空間は、

 フリールームやワークスペース、

   ホビールームなど

 将来的には

 セカンドリビングとしても使え、

 個室としても仕切る事が可能となる

 構造設計済みの可変性のある設計。

 

 

10年先の家族の姿を、

今の住まいに描けていますか?。

 

家を建てるということは、

単なる「今の生活」、「今の状態」のみに

合わせた暮らしの器を

つくることではありません。

 

生活環境は、

時とともに確実に変化します。

 

〇関連blog

成長を超えて愛される和モダン住宅のつくり方、家事ラク動線・収納計画・空間の余白まで、人生を豊かに整える住まいの設計とは?。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail558.html

 

 

家族の成長や独立、

仕事や暮らしのスタイルの変化、

親との同居や介護・・・。


こうした「未来のライフステージ」に

寄り添い、

長く心地よく住み続けられる

住まいを設計することは、

これからの「住まい手」にとって

欠かせない視点となっています。

 

自然素材の木梁が映える高天井と、視線が抜ける大開口が魅力の2階空間。壁を設けずフリープランで設計された多目的スペースは、将来的に2部屋に分けることも可能な柔軟な構造を持つ。奈良県の注文住宅の可変間取り実例。

※使い方を限定しない大空間。

   将来は間仕切りで部屋を分けても、

   ワンルームのまま多目的に活用しても◎。

   今も未来も心地よく暮らせる

  「可変する住まい」の実例。

 

たとえ住宅性能がいくら高くても、

間取りがライフスタイルに

合わなくなれば、

そこに暮らす

住まい手さんは不自由を感じ、

「建て替え」や「住み替え」、

大幅なリフォームを

考えることにもなります。

 

奈良県の注文住宅。明るい自然光が差し込むLDKと学習スペースが一体となった空間。木の温もりあるフローリングと吹き抜け、白壁、黒のソファが調和するインテリアで、家族の視線が交差する開放的なリビング設計。

※子どものスタディスペースとリビング、キッチン、

 階段が緩やかにつながる空間設計。

 家族の気配を感じながら、

 それぞれの時間を過ごせる

 間取りの工夫が随所に。

 子供の成長に合わせて間取り上、

 部屋割を変更できる設計。  

 


計画的なリフォームや

リノベーションは別として

そうした事態を防ぐために、

やまぐち建築設計室がご提案するのが、

「フレキシブルな間取り設計」です。

 

白を基調としたハイグレードなアイランド型キッチンが中心に据えられた奈良県の注文住宅。天井までの大容量収納、ダイニング、リビングが一直線に配置された間取りで、生活動線と視線の流れが美しく設計されたLDK空間。

※家事動線と収納計画が一体化されたアイランドキッチン。

 LDK空間全体が見渡せ、

 料理中も家族との

 コミュニケーションが自然と育まれる、

 フレキシブルな暮らしの中心となる場。

 子供部屋と連続した空間は、

 将来用途を変更できる間取りに。

 

今回は10年後も20年後も

住まいやすいと思えるための

「間取りの可変性」について、

少し書いてみたいと思います。

 

家族のライフステージは

10年ごとに大きく変わる。

 

人生のステージは、

10年ごとに

劇的に変化していくとも

言われます。

 

20代後半〜30代前半

:結婚、住宅購入・建築、出産・育児

 

40代〜50

:子育て期真っ只中、

親の介護の始まり、

子の自立準備

 

60代〜

:退職、親との同居、

子の巣立ち、老後の暮らし

 

これらの変化を予測し、

ある程度「住まいの柔軟性」として

織り込んでおくことで、

長く住み継げる家となります。

 

やまぐち建築設計室では、

ご家族の「今」と「これから」を

対話の中でじっくりと共有し、

その上である程度の

可変性を持たせた

設計提案を行っています。

 

フレキシブルな住まいを実現する

アプローチ・・・・・。

 

●可動式の壁・間仕切りで変化に対応する

空間の使い方は

固定しなくても良いと考えています。

 

むしろ将来、

使い方を変えられるようにしておく事が

住まいの強さになります。

 

引き戸やアコーディオンカーテン

仕切れば個室、

開け放てば広いプレイルーム。

 

たとえば子供が

小さいうちは

広々とした遊び場、

成長したらそれを2室に分けて個室に

という使い方が可能です。

 

可動式間仕切り収納

 

収納家具が間仕切りを兼ねる設計。

収納力を確保しながら

空間の役割を

変化させられる優れものです。

 

ロールスクリーンやカーテン

 

より簡易的ながら

視覚的な分離が可能です。

 

来客時や一時的な仕切りに

柔軟に対応できます。

 

●大空間をベースに家具でゾーニングする

壁で仕切らず、

家具や照明・ラグなどで

空間を「ゆるやかに分ける」

という手法。

 

これは、

将来的な使い方の変化にも

柔軟に対応できる設計哲学です。

 

家具でゆるやかに仕切る

 

ソファの背でリビングと

ダイニングを分けたり、

本棚でワークスペースを作るなど、

生活動線や視線の

流れを意識しながらレイアウトします。

 

ラグや照明でエリア分け

リビングとダイニングで異なるラグを敷く、

ダイニングだけ

ペンダントライトを設けるなど、

視覚的な「間取りのニュアンス」を

加えます。

 

将来的な用途変更に対応

 

仕事スタイルが変わって

在宅ワークが中心になるときも、

ゾーニングされた空間が役立ちます。

 

●スケルトン・インフィルの

考え方を取り入れる・・・・・。

 

構造(スケルトン)と内装(インフィル)を

分けて設計するという

現代建築の基本思想です。

 

シンプルな構造設計

構造を柔軟に考えて

耐震や制震をキチンと性能的に

問題なく織り込み

最初から柱や壁を

少なく設計しておけば、

間取り変更がしやすくなります。

 

逆に構造的に固定されすぎた家は、

部屋の使い方の

変更を考える事を

行ったとしても

住み替え以外に

選択肢がなくなってしまう事も

起こりやすくなります。

 

●配管・配線の将来対応

水回りの移動がしやすいように、

あらかじめ

床下や壁内に

空間的余白や点検口を設けておく。

 

将来的なリフォームや

増設がしやすくなり、

ライフステージの変化に追従できます。

 

●多目的に使える「余白空間」を意識する

「この部屋は◯◯用」と決めきらずに、

使い方を限定しない空間を持つこと。

 

それが、

暮らしの変化に強い住まいになります。

 

・土間スペース

自転車やベビーカーの置き場、

DIY作業、来客時の応対スペースなど。

 

一つの用途に縛られず、

多目的に活用できる場所として。

 

・フリールーム(予備室)

最初は趣味の部屋、

やがて子ども部屋、

のちに書斎や介護室へ。

 

その時々の暮らしに

寄り添える「変化する部屋」です。

 

・ロフトやスキップフロア

縦方向に空間を活かすことで、

秘密基地のような書斎や子ども部屋、

収納空間として機能。

 

コンパクトな住まいにこそ有効です。

 

未来の変化を想像する力が、

後悔しない

家づくりにつながるように。

 

住まいとは、

「今の暮らし」を整えるだけの

器ではありません。

 

10年後、20年後の暮らしにも

心地よく対応できる

柔軟性と余白を内包していることが、

長く愛せる家をつくるための

大きな鍵です。

 

暮らしに変化があるからこそ、

その変化を受け止められる

可変性のある間取りが必要だと

考えています。

 

 

 

やまぐち建築設計室では、

ライフステージの未来を

一緒に想像しながら、

今とこれからに

フィットする住まいを

ご提案しています。

 

家づくりを考え始めた今こそ、

5年後・10年後の暮らしを見つめ、

自分が、家族が

どのように変化していくのかを

意識的に考えて

どんな空間が必要なのか、

何を大切にしたいのかを

先ずは家族で

語り合ってみてください。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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