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ブログ・コラム

2025.07.16

ただ移動するための階段では終わらせない家族の気配がやさしくつながる開放的なリビングアクセス階段と引き返さない暮らしを叶える回遊動線のある住まいの設計打ち合わせ記録。日々の流れをスムーズに空間の奥行きを豊かに描き出す暮らしに寄り添う建築のかたちと間取り空間の工夫。

カテゴリ:
育児・子育てを考えながらの住まい造り

空間に広がりを、

暮らしにゆとりを・・・・・。

 

奈良県の中南和郊外で

住まいの新築計画中の和風住宅。

 

住宅の新築設計打ち合わせ風景。建築家と住まい手がCGパースと建築図面を広げながら、間取りや階段・吹き抜けの設計について検討している様子。リビングアクセス階段を中心とした開放的な空間設計がテーマ。

※設計打ち合わせのひとコマ。住まい手さんと建築家が

 回遊動線やリビング階段の配置、

 LDKの開放感について、

 図面と内観パースを見ながら

 具体的な暮らし方を共有している様子。

 空間に流れる“暮らしのリズム”を可視化する

 大切な時間です。

 

 

 

〇関連blog

子育て世代のための住宅設計、奈良県の郊外で考える暮らしの間取りと生活環境の提案

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail502.html

 

 

リビングアクセス階段と

回遊動線が導く

暮らしの質を高める住まいの設計。

 

間取り構成から

住まい手さんの暮らしに関する

周辺状況を整理整頓して

設計内容が本格的に進みはじめた

今回の住まいづくり。

 

住まい手さんとの

打ち合わせは回を重ねるごとに、

単なる図面の確認ではなく

その家で

どんな日々を紡いでいくのかという、

より具体的で

生活感のある話へと深まってきました。

 

前回の打ち合わせでは、

家全体の構成に関わる

大きな要素である「リビングアクセス階段」と、

生活動線にゆとりをもたらす

「回遊型のプラン」について、

間取り図と共に

内観CGパースを交えて丁寧に検討しました。

 

今回のblogでも、

その内容をふまえながら、

空間構成が暮らしの質に

どのような影響を与えるのか、

また家族にとって

本当に心地よい家とは何かを

あらためて考えるきっかけになるよう、

設計の意図と

打ち合わせの内容を

掘り下げて書いてみたいと思います。

 

「一筆書き」のように動ける家の心地よさ。

まずお話ししたいのが、

住まい手さんご家族が

強くご希望された行き止まりのない家

 

やまぐ地建築設計室が提案したのは、

住まいの中をまるで一筆書きのように

巡ることができる

「回遊動線」を持った間取り。

 

勿論一言で回遊動線と言っても

様々な回遊性が存在しています。

 

家事動線や生活動線が

一方向に限定されていると、

例えば朝の忙しい時間帯や

子どもたちの支度が重なるタイミングなどに、

動きがぶつかり合い、

ストレスの原因になります。

 

一方、

回遊型のプランでは

動きの選択肢が増え、

スムーズな移動が可能に。

 

誰かがいてもすっと別のルートを選べる、

そうした柔軟さ

忙しい時間帯のある暮らしに

余白を与えてくれます。

 

具体的には、

玄関から洗面脱衣室を経て、

ウーオークスルークローゼットを介して

寝室~LDK等へ抜けられる構成。

 

さらに、

ファミリークローゼットや

階段との接続も、

すべて回れることを

意識して設計しています。

 

この一筆書きの動線には、

家事効率の向上だけでなく、

「移動がストレスにならない」

という心理的効果があります。

 

家中どこにいても流れがあり、

遮られない構成は、

価値観や暮らし方にもよりますが

ストレスを軽減し、

住まう人の心にゆとり

もたらすのです。

 

階段は移動の装置ではなく、

空間の核であるという考え方。

 

今回の住まいの中心には、

リビング階段を設けました。

 

一般的には、

階段は廊下に隠されがちですが、

今回はあえて生活空間の中央に

階段を据える設計を。

 

その理由は、

階段を空間構成の一部として

積極的に取り込むことで、

上下階を視覚的にも

感覚的にもつなぐことが

できるからです。

 

階段を通して

立体的な生活空間を生み出し

良いいでの家族の距離感や

気配が届く。

 

あるいは、

1階にいる存在が自然と伝わる。

 

物理的な距離を取りながらも、

心理的なつながりを絶やさない。

 

一人担いたい時は「籠る場所」も

用意しながら程よいつながりを

デザインした空間。

 

そんな仕掛けとして、

リビング階段は

今回大きな役割を果たしてくれます。

 

また、

階段の存在は空間に

抜けを与える効果も・・・・・。

 

視線が階段上部に誘導され、

天井高が高くなることで、

空間全体に

垂直方向の広がりが生まれます。

 

吹き抜けと組み合わせれば、

自然光も取り込みやすくなり、

時間帯によって変わる

光の表情も楽しめます。

 

“ただの階段では終わらせない。

 

暮らしに寄り添いながら

生活の実態を設計に取り込む。

 

設計の中で大切にしているのは、

「かたち」にする前に、

「くらし」を設計すること。

 

この打ち合わせでは、

住まい手さんの日々の動き、

家族の過ごし方、

休日の過ごし方、

朝の準備や

夜のくつろぎ時間などを

細かくカタチにしている時間。

 

夫婦それぞれが求めている

「居場所」の違いも大切に。

 

テレビのあるリビングで過ごす時間、

一方で、

キッチンからの視界の開け方や、

パントリーの動線と

それぞれの趣味の時間・・・・・。

 

そうした異なる

過ごす時間と要望を

うまくつなぎ合わせ、

どちらの想いも

見えるかたちにしていくこと。

 

階段の位置やデザインひとつをとっても、

空間のになり得る重要な要素。

 

たとえば、

TV背面のアクセントウォールと

階段手すりの素材感を揃えることで、

視覚的な統一感をつくりながら、

空間全体の印象を

落ち着かせることができます。

 

細部の仕上げに至るまで、

暮らしの輪郭をなぞるように

設計が進んでいくこと。

 

そのプロセスこそが、

注文住宅で行う

住まいづくりの大切な時間の使い方です。

 

「間取りの良し悪し」は、

暮らしの質に直結する

 

今回の打ち合わせを通じて

住まいの快適さは、

面積やグレードではなく、

間取りの質にこそ宿るということ。

 

どれだけ広い家でも、

暮らしに合っていなければ、

そこにストレスや

使いづらさが生まれます。

 

一方で、

限られた空間でも、

動線や視線、光の入り方、

気配のつながり方が

家族の暮らしに寄り添うように

そして一歩先を見据えるように

しっかりと設計されていれば、

そこには暮らしやすさが自然と宿ります。

 

リビングアクセス階段や吹き抜けは、

今回の間取り設計では

その象徴的な存在です。

 

動線と視線、

感覚のすべてを

柔らかくつないでくれる

設計要素が、

日々の生活の質を

そっと底上げしてくれるのです。

 

暮らしに、空間に、ゆとりと気配を。

 

やまぐち建築設計室では、

「建物」ではなく、

「暮らしの器」をつくるという意識で

日々の設計に取り組んでいます。

 

どの家庭にも

唯一無二の生活のかたちがあり、

それら対して程よく寄り添える家こそが、

本当に帰りたくなる家だと思うのです。

 

回遊動線、

リビングアクセス階段、

吹き抜け、視線の広がり。

 

これらはすべて、

どんなふうに家族が過ごし、

どんな空間が心を整えてくれるかを

考え抜いた結果にすぎません。

 

次回は、

いよいよ外観デザインの昇華や

素材の具体化へと進んでいきます。

 

勿論「間取りと暮らしの昇華」も。

 

この住まいが、

どのように暮らしの器として

カタチになっていくのかは

またの機会に。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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