ブログ・コラム
2025.06.08
奈良で心地よく、美しく、永く愛せる住まいを建てるための土地探し、建築家と考える敷地、土地選びの本質と住まい造りを踏まえた設計の視点。陽の入り方、敷地形状、街並み、災害リスク、周辺環境。人生を彩る舞台となる土地をどう選ぶべきか。後悔しない家づくりのために知っておきたい土地選びの知恵を奈良の地域性をふまえて詳しく。
- カテゴリ:
- 家造りの最初の段階での選択肢
新しく土地を探しながら
住まいを新築しようとしたときに・・・。
※理想の土地選びは、建築家と共に“現地の空気感”を確かめながら進めていく奈良県内での家づくりに向けた土地探しの一場面。
建築家と考える「土地探し」の基本と
成功する家づくりへのプロセス。
新しく住まいを建てようとしたときには、
今住んでいる家を建て替えるという選択肢と、
新しく土地を探して心機一転、
一戸建てを建てるという選択肢があります。
奈良県内に限った話ではありませんが
理想の暮らしにふさわしい土地を求めて探したい
というご相談もよく「お問合せ」をいただきます。
たとえば、
現在マンション暮らしのご家族が、
子育てのタイミングやご両親との近居、
あるいは自然豊かな環境への
移住を目指して「土地探し+注文住宅」という
プロセスに進まれることも。
しかし土地探しは奥が深いものです。
〇関連blog〇
奈良で理想の家づくりを土地探しから始める方へ。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail561.html
条件の良い土地ほど早く売れてしまい、
土地価格や立地条件・周辺環境・法的制約・建築条件など
さまざまな要素が絡み合います。
今回は、
土地探しから住まいづくりを計画されている方に向けて、
建築家の視点から「土地探しの基本」と
「知っておくべきポイント」を少し書いてみたいと思います。
① 陽当たりと敷地配置の考え方
土地探しの際にまず考えていただきたいのは「陽当たり」です。
とくに 奈良県の住宅地や駅近くの建物密集地エリアでは、
周囲の住宅配置によって陽当たりが大きく変わります。
たとえば南向きの土地でも、
道路の向き(南側道路・北側道路・東西道路)によっては、
隣家との間隔が十分でないと
1階が暗くなるケースがあります。
目安として本来であれば
方位にもよりますが、
建物と建物の間は5〜6m程度は空けたいところ。
単純な考え方のみであれば
陽当たりの良い庭のある暮らしを目指すなら、
約65〜70坪程度の敷地が理想といえます。
加えて、
南側道路だけがベストとは限りません。
北側道路の場合は、
車と庭の位置関係に自由度が生まれたり、
視線が気になりにくいという利点があります。
土地の形状や敷地の奥行きによって
選択肢が変わってきます。
狭小地や街中で陽当たりを確保したい場合は、
2階リビングや吹き抜け、天窓(トップライト)という
設計の工夫も選択肢となります。
② 建築条件付き土地とは?
土地情報を見る際に注意したいのが「建築条件付き土地」です。
これは土地の売主(ハウスメーカーや工務店・不動産会社)が
「自社または提携先で家を建てること」を条件に
土地を販売するものです。
この場合、
建築会社が選べないという点が
デメリットになります。
やまぐち建築設計室のような
自由設計・設計事務所での家づくりを希望する方は、
条件付き土地を避けて「建築条件なしの土地」を
中心に探すことをおすすめします。
③ 仲介手数料と費用感覚
土地購入時には、不動産会社への「仲介手数料」が発生します。
上限は 宅建業法により定められており、
物件価格×3%+6万円+消費税、という計算が一般的です。
土地探しの段階で、
この費用も念頭に置いて
資金計画を立てておくと安心です。
④ 土地探しの具体的方法
現在は スーモやアットホームなどの
ポータルサイトが最近では土地探しの
入り口になっている事も多く
考え方によっては非常に便利です。
【例:検索キーワード】
- 奈良市 土地 70坪
- 橿原市 建築条件なし
- 王寺町 分譲地 南向き
AIレコメンド機能も進化しており、
過去の検索履歴からより
希望に近い土地情報が表示される傾向があります。
しかし、
ネット情報だけでは判断が難しい部分もあります。
物件が古いまま掲載されて更新されていないケースや
魚釣りでいう「撒き餌」的な物件があるのも事実です。
必ず「対人的」対応を事前に確認して
現地確認や、
最終的には「建てる事」を理解している相談先の目線で
アドバイスを受けることを強くおすすめします。
⑤ 優先順位を明確にする
土地探しを始める際は、
ご家族のライフスタイルや希望条件を整理しましょう。
【優先順位の例】
■通勤や通学の利便性
■駅距離・公共交通機関
■買い物環境(スーパー・病院など)
■実家との距離(サポート体制)
■日当たり・庭の有無
■予算
何を優先し、なにをするべきなのかを
明確にしておくことが「迷わない土地探し」の鍵となります。
⑥ オンラインでの情報収集テクニック
- Googleストリートビュー → 街並み確認
- Google Earth → 敷地形状、周辺環境の立体確認
- 国土地理院 地図閲覧サービス → 地形や昔の土地の履歴確認
こうしたツールを使いこなすことで、
よりリアルな情報が事前に得られますし
いざ、窓口で話す際にも
情報整理が簡単になります。
⑦ 自然災害リスク確認
必ず確認したいのが自治体のハザードマップです。
洪水・土砂災害・液状化・地震などのリスクを把握し、
安全性を確認することが重要です。
奈良県内でもエリアによりリスク差がありますので、
土地選定時の比較要素のひとつに
加えておくべきだと思います。
⑧ 土地相場を把握する
「公示価格」「実勢価格(時価)」を参考に土
地の相場感を掴むことも重要です。
ネットでも毎年公表されていますが、
同じエリアでも道路幅・向き・形状・隣接建物などにより
価格が変動します。
⑨ 土地の評価ポイント
建築家として同行させていただいたり選択肢のアドバイスの経験から、
以下の点は土地選びの際に特に影響が大きいと感じています。
■ 南向き道路>北向き道路(価格差2割程度)
■ 道路幅6m以上が理想(5m~4m幅でも人気)
■ 角地は評価が高い
■ 旗竿地は安くなるが設計に工夫が必要
■ 平坦な敷地がベター(高低差がある場合は将来のプランと現時点でも設計力が問われる)
■ 形状は整形地(正方形・長方形)>不整形地
さらに 新しい分譲地・商業施設へのアクセスなども
人気要素になりますが、
忘れがちな「騒音や渋滞リスク」と生活する際に気付く
夜間の明るさも併せて検討しておくべきです。
【特記事項】
■ 競売物件はプロ向き(融資が使えない・リスクが高いため)
■ 市街化調整区域の既存宅地は要チェック(掘り出し物のケースあり)
土地探しは「情報収集力」と「優先順位の明確化」、
そして「信頼できるパートナーの選択」が成功のカギです。
やまぐち建築設計室では、
家づくりの初期段階から土地探しのご相談に対応しています。
「土地を見ながらこの形ならどんな家が建つでしょうか?」
「予算内で理想に近づける方法は?」
こうした視点を持ちながら土地探しを進めると、
より現実的で理想的な
住まいづくりが実現します。
これから奈良で土地探し+家づくりを計画中の方は、
ぜひ気軽にご相談ください。
理想の暮らしを叶える「土地選びの知恵」と「設計の力」で、
心地よい住まいの実現を
丁寧にお手伝いできればと思います。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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