お問合せフォーム

ブログ・コラム

2025.05.29

家を建てることはゴールではなく始まり。建築を考える力と暮らしをデザインする視点が人生100年時代に本当に心地よい住まいをつくる鍵になる。奈良で叶える暮らしの質を高める家づくりとは?。

カテゴリ:
過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り

建築を考えるこ事と、暮らしを考える事。

家を建てる設計と、

人生を描く設計とのあいだで必要な知恵と知識。

 

 

設計士との住宅プラン打ち合わせ風景。ガレージ付きオシャレモダンな二階建て住宅の完成予想パースと詳細な平面図を机に広げながら、新築計画について検討中。奈良県での注文住宅設計・建築相談のリアルな一場面。住まいのビジョンを丁寧に描くプロセスが感じられる。

※「建てる」から「暮らす」へ、図面とパースを前に住まい手さんと共に未来の暮らしを丁寧に描いていく時間。

 

 

家づくりは、人生の編集作業ということ。

一生に一度あるかないかの「家づくり」。

それは単なる構造体を設計・建設する

行為ではありません。

 

家を建てるということは、

家族の暮らし方を見つめなおし、

これからの人生を

どう過ごしていきたいかを

編集していくような作業です。

 

家族のライフスタイル、

価値観、趣味、未来の展望、

それらすべてを丁寧に拾い上げ、

かたちにしていく仕事。

 

〇関連blog

暮らしの見直しが住まいを変えるという事、後悔しない家づくりの考え方。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail528.html

 

やまぐち建築設計室では、

それを「人生をデザインする設計」と

呼んでいます。

 

僕自身も、

建築家として多くの家を設計してきたなかで、

やはり一番大きな気づきを得たのは、

自宅を建てた経験でした。

 

図面を描くだけの「建築をつくる設計」では

見えてこなかった、

「暮らしをつくる設計」の

奥深さに触れた瞬間です。

 

建築を考えるということ:

構造と論理で成り立つ技術・・・・・。

建築とは「技術」と「論理」の集積です。

敷地条件、法規制、構造、

断熱性能、採光計画、通風、

動線設計・・・・。

 

それぞれが建物としての

成立要素であり、

ひとつとして欠けてはなりません。

 

例えば、

奈良県のように四季がはっきりとし、

夏と冬の温度差も大きい地域では、

断熱材の種類や厚み、

通風の取り方にまで

配慮する必要があります。

 

また、

日照シミュレーションも含めて

窓の選択や部屋や建物に対する配置も、

建築家の設計力が問われる部分です。

 

これらはある意味では

非常に論理的な設計作業であり、

まさに「構造体としての家」を

どう成立させるかの領域です。

 

けれども、

建築設計はここで

終わってはなりません。

 

暮らしを考えるということ:

感情と関係性を設計する力・・・・・。

家とは「暮らしの器」です。

日々の動作、家族とのふれあい、

ふとした瞬間に感じる

「心地よさ」や「安心感」は、

数値やデータだけでは測れません。

 

朝起きたとき、

東の窓から差し込むやわらかい光。

 

料理をしながら、

子どもの声が聞こえる対面キッチン。

 

仕事帰りにホッとできる玄関の灯りと、

やさしい間接照明。

 

これらは全て「暮らしの質」を

高める要素であり、

設計図には描けない「感性の設計」です。

 

住まい手さんにとっての心地よさとは何か。

 

それを知るには、

ヒアリングの技術だけでは不十分です。

 

建築家・設計者が「暮らしの共感力」を持ち、

住まい手と同じ目線に立ち、

時には一緒に未来の風景を

想像することが必要です。

 

建築設計と暮らしの設計、

その決定的な違い・・・・・。

 

建てるための設計と、

暮らすための設計。

 

その違いは、次の視点にあります:

建てるための設計法的・構造的に成立させるための設計

暮らすための設計時間、感情、記憶に配慮した設計

 

設計者がよく陥るのは、

構造的な成立ばかりを追い求めてしまい、

暮らしの変化に対する

「余白」をつくることを

忘れてしまうことです。

 

実際に、

住み始めてから使いにくさに気づいた。

生活動線が想像していたのと違った。

という声は、

設計段階で「暮らし方」や「価値観」にまで

踏み込んでいなかったことが

原因である場合がほとんどです。

 

自邸設計で気づいた「暮らしの視点」の大切さ。

僕が自邸を設計した際は

会社員である勤務建築士だった25歳の頃で、

結婚もしていなければ、

家ではほぼ家事を行わず、

ただ暮らしているだけでした。

 

そして、

当時暮らしていた家族も含めて

自分自身が施主(新しい家を建てる住まい手)になり、

はじめはやはり苦労しました。

 

ただ標準的な内容や

家族の意見を鵜呑みにして

「理想と事実」のギャップの改善など

考えた事も無く「家族の理想」をカタチにしました。

 

それまではゼネコンと呼ばれる

総合建設業業者としかつきあいがなく、

木造住宅を建てる工務店も

同様と考えていましたが

「そうではない」事にその時気づき、

現場の対応等の理不尽さも

数多く知りました。

 

現場での想像を絶する紆余曲折の末、

家は完成しましたが

様々な苦労を経験したお陰で

「見える事、考える事の差」は鍛えられました。

 

そして、

実際に住んでみて気づいたのは、

暮らしには多くの感情やリズム、

タイミングが存在しているということです。

 

●子どもが成長するスピード

家族が過ごす時間帯のずれ

季節やライフステージによる暮らしの変化 

●家族の理想や要望は夢に現実を足す事が必要

 

まだほかにも色々とあるのですが

こうした要素を取り込んでいない設計は、

たとえ構造的に完璧でも

「使いこなせない家」になってしまう

可能性があります。

 

自邸設計を通して、

家族の理想や憧れだけではなくて

家族の現実をリアルに組み込みながら

美しさと使いやすさの両立、

そして「未来への対応力」を

設計に盛り込む重要性を痛感しました。

 

「空間」は人を変える、だからこそ対話が必要。

空間には、

そこに暮らす人の行動や

感情に影響を与える力があります。

 

朝の光が入るダイニングで朝食をとるだけで、

一日の気分がまったく違ってきます。

 

また、家族が顔を合わせやすい

リビング配置にすることで、

会話が生まれ、

家庭内の関係性も変わってくるのです。

 

だからこそ、

間取りを単なる空間構成としてではなく、

家族のつながりを育む舞台として設計します。

 

このプロセスには、

住まい手さん対話や「現実を汲み取る時間」が不可欠です。

 

人生100年時代の住まいとは

今、住まいづくりに求められているのは

「長く、柔軟に暮らせる家」です。

 

子育て期、仕事の変化、

親の介護、自分たちの老後。

 

暮らしは変化していくものです。

 

やまぐち建築設計室では「変化に耐える設計」ではなく、

「変化を受け入れる設計」を

大切にしています。

 

例えば:

  • 可変性のある間取り
  • 多用途に使える個室
  • 小さな書斎スペースの確保

これらはすべて「未来の余白」を大切にした設計です。

 

奈良という土地に根ざした設計思想。

奈良という地域には、

豊かな自然と長い歴史があります。

 

その中で培われた「風景との調和」や

「素材の魅力を引き出す文化」は、

僕自身が考える住まいの設計にも

深く影響しています。

 

古都奈良の穏やかさを住まいに取り込み、

日々の暮らしに静けさや

奥行きを添える。

 

現代的な快適さと、

古き良き感性のバランスをとった

和モダン設計こそ、

奈良で手掛ける家の根幹となります。

 

家づくりは、

未来をかたちにする行為ということ。

 

設計とは、

建物をつくることではなく、

人生の輪郭をデザインすること。

 

やまぐち建築設計室では、

図面の前にまず「暮らしの中身」を見つめなおし、

どんな未来を実現したいのかを

一緒に探っていきます。

 

建築を考えること。

暮らしを考えること。

 

この二つの視点を丁寧に重ね合わせたとき、

はじめて「住まい」は、

そこに住まう人の人生と響き合うものに

なるものです。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------

 

BACK

ブログトップへもどる