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ブログ・コラム

2026.09.25

平屋の住まいに計画する駐車場、「2台停められればいい」と思っていませんか?|奈良の地域性と暮らしから考える、カーポート・玄関・外構・間取りのつくり方

カテゴリ:
住まいの新築・リフォーム・リノベーション・インテリア・土地活用のご相談

住まいの駐車場は「2台停められればいい」という訳ではない。

 

奈良の地域性も含みつつ、注文住宅で考える、

カーポート(駐車スペース・ガレージ)

玄関・外構・間取りを一体にした家づくり。

 

奈良で計画する平屋の住まい。2台分のカーポートと駐車場、玄関アプローチ、植栽、外構、照明を建物と一体にデザインした夕景の外観イメージ。

※車を停めて、玄関へ向かう。その何気ない時間も、毎日の暮らしの一部。駐車場、カーポート、植栽、玄関までを一体に考えることで、平屋の心地よさは外から始まります。

 

 

家を建てるとき、

LDKは何帖にするか。

キッチンはどんな形にするか。

収納はどれくらい必要か。

どんな外観にするか。

 

そうした「家の中」や「建物そのもの」については、

時間をかけて考える方が多いと思います。

 

では、駐車場については、どうでしょうか?

「車が2台停められればいい」

「カーポートは後から考えればいい」

「外構は建物が決まってから考えよう」

そんなふうに、

家とは少し切り離して考えてしまうことも

あるのではないでしょうか?

 

けれど私は、

特に平屋の家を計画するときほど、

駐車場も、庭も、玄関も、外構も、家の一部として考えることが

大切だと考えています。

 

毎日の暮らしは、どこから始まっているのか?

 

例えば、

買い物から帰ってきた日のことを

想像してみてください。

 

車を停める。

ドアを開ける。

買い物袋を持つ。

雨が降っていれば傘を差す。

玄関へ向かう。

靴を脱ぐ。

食品をキッチンやパントリーへ運ぶ。

 

実際の暮らしは、

玄関を開けたところから始まっているわけではありません。

 

道路から敷地へ入り、車を停めた瞬間から、

すでに「家での暮らし」は始まっています。

 

だからこそ、

駐車場から玄関まで何歩なのか。

雨の日にどれくらい濡れるのか。

車のドアを十分に開けられるのか。

荷物を持っていても歩きやすいのか。

子どもや高齢になった家族も安全に移動できるのか。

そして玄関からキッチンや収納まで、

どうつながっているのか。

 

そういうところまで考えることも、

暮しを意識した間取りを考えることだと思います。

 

平屋では「建物を置いた残り」を駐車場にしない

 

二階建てや三階建てと平屋建てを比べると

敷地への建物の配置計画は随分と差があります。

 

平屋は、生活のほとんどが一つの階に収まります。

 

階段がなく、

暮らしを水平につなげやすいことは

大きな魅力です。

 

一方で、

同じ延床面積の二階建てと比較すれば、

建物が敷地に占める面積は大きくなりやすくなります。

 

そこへ、2台分の駐車スペース。

玄関アプローチ。

庭。植栽。目隠し。自転車、バイク置場。

場合によっては来客用のスペース。

 

そうしたものを配置していくと、

「思っていたより庭が取れない」

「玄関まで遠くなった」

「車ばかりが目立つ外観になった」ということも起こるかも知れません。

 

ですから、やまぐち建築設計室では、

建物を決めて、残ったところに外構を入れるという順番ではなく、

最初から敷地全体を

一つの住まいの移動空間として考えることが大切だと思っています。

 

2台「停められる」と、2台「心地よく使える」は違うということ。

図面上、車が2台入っている。

それだけを見ると、

問題がないように思えるかもしれません。

 

でも、実際には違います。

車種によって、全長も全幅も違います。

SUVなのか。

セダンなのか。

軽自動車なのか。

将来、大きな車へ乗り換える可能性はあるのか。

EVを選ぶ可能性はあるのか。

 

そして車そのものだけでなく、

ドアを開ける場所も必要です。

 

人が歩く場所も必要です。

荷物を降ろす場所も必要です。

 

カーポートを設ければ、柱の位置も関係します。

 

道路へ出るときの見通しや、

ハンドルを切るための余裕も必要です。

 

つまり、駐車できる寸法(広さ)と、

気持ちよく使える寸法は同じでは無いということです。

 

カーポートを「後付けの屋根」にしない。

カーポートというと、

車を雨や日差しから守るための

設備という印象が強いかもしれません。

 

もちろん、それは大切な役割です。

 

でも設計の仕方によっては、

カーポートはもっと住まいに関係してきます。

 

例えば、建物の軒と高さを揃える。

外壁と柱の色を合わせる。

 

軒裏とカーポートの天井材に

木質のつながりを持たせる。

 

カーポートから玄関まで雨に濡れにくい動線をつくる。

 

格子や植栽を組み合わせ、

道路から玄関や室内への視線を整える。

 

照明を建物と一緒に計画する。

 

そうすると、

カーポートは「家の横に置かれた設備」ではなく、

建築と道路の間をつなぐ、中間領域になっていきます。

 

外観の印象は、建物だけでは決まらないということ。

 

注文住宅を考えるとき、

「格好いい平屋にしたい」

「ホテルライクな外観にしたい」

「和モダンな家にしたい」

というご希望を伺うことがあります。

 

そのとき、建物の形や外壁だけを整えれば

美しい家になるかというと、

私はそうではないと思っています。

 

道路から家を見たとき、

実際に目に入るのは、建物だけではありません。

 

駐車している車。

カーポート。

アプローチ。

門まわり。

植栽。

塀や格子。

照明。

そして、それらの間に残された余白。

 

すべてが一緒になって、一つの風景になります。

 

だからこそ、外観を設計するということは、

敷地全体の見え方を設計すること。

 

建物だけを格好よくしても、

その手前にある駐車場やカーポートとの関係が整っていなければ、

どこかちぐはぐに感じてしまいます。

 

車を隠すのか、それとも見せるのか?

 

ここにも、

住まい手さんによって違う答えがあります。

 

車は移動手段なので、

できるだけ外観で目立たせたくないという方。

 

一方で、車が好きで、

愛車も住まいの風景の一部として楽しみたいという方。

 

どちらが正しいということではありません。

 

大切なのは、住まい手さんにとって、

車が暮らしの中でどんな存在なのか?

ということです。

 

例えば、道路正面から車が主役になりすぎないよう

植栽や壁で視線を少しずらす。

 

反対に愛車を眺めたいのであれば、

室内からの視線の先に車が美しく見えるように配置する。

 

カーポートのフレームを使って、

車そのものを一枚の絵のように見せることもできます。

 

駐車場だからこうする。

 

ではなく、

どう暮らしたいかによって、駐車場の最適解(答え)も変わる。

私はそう考えています。

 

「帰ってきた」と感じる場所をつくる。

 

もう一つ、

駐車場やアプローチを考えるときに

大切にしたいことがあります。

 

それは、帰宅したときの気持ちの動きです。

 

仕事を終えて、車で家へ帰ってくる。

道路から自分の家が見える。

車を敷地へ入れる。

カーポートの下へ車を停める。

植栽の間を通って、

玄関へ向かう。

 

夕方になれば、

軒下や庭の灯りが迎えてくれる。

 

玄関の扉を開けるころには、

外で過ごしていた自分から、家で過ごす自分へと、

少しずつ気持ちが切り替わっている。

 

私は、そういう時間も住宅設計の一部だと思っています。

 

玄関扉だけが「外」と「家」の境界ではありません。

 

道路から玄関までの間にある

数メートルの空間にも、

暮らしの質を整える役割があります。

 

 

雨の日ほど、設計の違いが見えてくるということ。

 

晴れた日の完成写真だけを見ていると、

気づきにくいことがあります。

 

例えば雨の日。

車から降りて、子どもを降ろす。

買い物袋を取り出す。

傘を開く。

玄関を開ける。

または玄関までたどり着く経過。

 

こういう、

少し面倒な場面を想像してみると、

住まいの計画が

暮らしに合っているかどうかが見えやすくなります。

 

カーポートから玄関まで

屋根がつながっていればいい、

という単純な話でもありません。

 

柱が乗り降りの邪魔にならないか。

雨水はどこへ流れるのか。

床は滑りにくいか。

段差はどうなっているか。

玄関を開けたあと、荷物はどこへ運ぶのか。

 

一つひとつは、とても小さな動作であり環境。

 

でも、毎日の小さな不便は何年も積み重なります。

反対に、何気なくスムーズにできることも、

毎日の心地良さとして積み重なっていきます。

 

平屋だからこそ、庭と駐車場と室内を一緒に考える内容。

平屋には、

庭と室内との距離を近づけやすい

という魅力があります。

 

LDKから庭へ。

寝室から坪庭へ。

玄関から植栽へ。

そして、駐車場から玄関や収納へ。

 

すべてが一階で

水平につながっています。

 

だからこそ「家の中」と「家の外」を

別々に設計してしまうのは、少しもったいない。

 

窓の位置を決めるときには、

外から何が見えるのかを考える。

 

玄関を決めるときには、

車からどう歩いてくるのかを考える。

 

駐車場を決めるときには、

室内へ荷物をどう運ぶのかを考える。

 

庭を決めるときには、

室内のどこからどう見えるのかを考える。

 

そうやって、

内と外を行ったり来たりしながら考えていくと、

家は少しずつ、

その家族の暮らしに馴染んでいきます。

 

「何台停めますか?」だけでは、分からないこと。

家づくりの打ち合わせでは、

「車は何台ですか?」と聞かれることがあるかと思います。

 

もちろん、必要な質問です。

 

でも私は、それだけでは足りないと思っています。

普段どちらの車をよく使うのか。

朝は誰が先に出るのか。

休日はどうなのか。

買い物はまとめ買いなのか。

車から大きな荷物を降ろすことが多いのか。

自転車は何台あるのか。

来客は多いのか。

どれくらい期間で車種が変わりそうなのか。

車の台数は増える事が予想されるのか。

今でしたら・・・EVを選ぶ可能性はあるのか。

 

そして、車が好きなのか。

車は単なる移動手段なのか。

 

そういう話を聞いていくことで、

必要なのが単なる「2台分の駐車場」ではないことが

見えてくることがあります。

 

家づくりは、部屋をパーツのように並べることではないということ。

LDK。

キッチン。

寝室。

収納。

玄関。

庭。

駐車場。

カーポート。

一つずつ名前をつけると、

別々の場所に見えます。

 

でも暮らしの中では、

それらは全部つながっています。

 

朝、家を出るとき。

買い物から帰ったとき。

雨の日。

家族を迎えるとき。

友人が訪ねてきたとき。

 

そして、一日の終わりに家へ帰ってきたとき。

 

その一連の時間を考えることが、

住まいと暮らしの充実する外側と内側の間取りを考えることなのだと思います。

 

まだ間取りを考える前だからこそ、話せることがあります。

「平屋にしたいけれど、

土地に車2台と庭まで入るのだろうか」

「カーポートをつけると、

家が格好悪くならないだろうか」

「道路から家の中が見えるのは避けたい」

「雨の日でも、

車から玄関まで移動しやすくしたい」

「車も庭も家も、一体感のある外観にしたい」

 

こうしたことは、

間取りが完成してから考えるよりも、

まだ何も決まっていない段階だからこそ、

一緒に考えることができる内容があります。

 

土地の形も。

道路との関係も。

車も。

庭も。

外構も。

間取りも。

家族の暮らし方も。

 

一つずつ切り離すのではなく、それぞれの関係を考えていく。

その積み重ねによって、

見た目が美しいだけではなく、

毎日使いやすく、帰るたびに、

気持ちがほどける家になっていくのだと思います。

 

家は、玄関から入った

内側だけを設計するものではありません。

 

道路から家を眺め、

車を停め、

玄関まで歩き、

扉を開ける。

 

その時間から、暮らしは始まっています。

 

やまぐち建築設計室では、

建物だけではなく、

庭、外構、駐車スペース、カーポート、植栽、照明、

そして日々の動きや気持ちまで含めて、

住まい全体の在り方を考えています。

 

まだ土地や間取りが

具体的に決まっていない段階でも、

「自分たちは、どんなふうに暮らしたいのだろう」

というところから、

住まいについて考えてみることができます。

 

答えを急いで決めるためではなく、

自分たちにとって

本当に必要なものを整理するために。

 

そんなところから始める家づくりも、

大切だと考えています。

 

やまぐち建築設計室の完全予約制住まい造り相談会のご案内

 

※新築・リフォーム・土地探しなど、

まだ考えがまとまっていない段階からご相談いただけます。

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