ブログ・コラム
2026.08.12
奈良で注文住宅・リフォームを考える方へ|家づくりの要望が多すぎて決められないときに、最初に整理したい「希望の優先順位」
- カテゴリ:
- 家づくりと間取りの考え方
奈良で新築・リフォームを考える方へ
家族の要望を全部叶えようとすると、なぜ暮らしにくい家になることがあるのか?
せっかく家を建てるなら、できるだけ希望を叶えたい、
そう考えるのは、とても自然なことだと思います。

※要望をすべて詰め込むのではなく家族が本当に大切にしたい暮らしから情報を精査して間取りを提案。
広いLDKがほしい。
収納を増やしたい。
家事動線を短くしたい。
大きな窓から庭を眺めたい。
書斎もほしい。
洗濯物を室内で完結できるようにしたい。
子どもには、それぞれ個室をつくってあげたい。
そして家族それぞれに、
「こんな暮らしがしたい」という希望があります。
リフォームであれば、
「キッチンを新しくしたい」
「LDKを広くしたい」
「寒い浴室をなんとかしたい」
「収納を増やしたい」
というところから始まることも多いかと思います。
ところが設計の仕事をしていると、
希望をたくさん叶えることと、暮らしやすい家になることは、
必ずしも同じではないと感じる場面があります。
むしろ、
「せっかくだから」
「将来使うかもしれないから」
「SNSで見てよかったから」
と要望を一つずつ加えていった結果、
家が大きくなったのに落ち着かない。
収納を増やしたのに片付かない。
動線を増やしたのに家事が楽にならない。
そんなことも起こります。
では、何を基準に家のイメージや間取りを決めればよいのでしょうか?
今回は奈良で注文住宅・建て替え・リフォームを考えている方へ、
「何を足すか」ではなく「何を残すか」から考える家づくりについて書いてみたいと思います。
家づくりが難しくなるのは、希望が足りないからではありません、
家づくりを始めると、
InstagramやPinterest、
YouTube、
住宅会社や設計事務所の施工事例、
住宅設備メーカーのショールームなど、
たくさんの情報を見ることになります。
最初は「こんな家にしたい」という夢が膨らみます。
ところが調べるほど、
「あれも必要かもしれない」
「これも付けた方がいいのでは」という情報が増えていきます。
すると、いつの間にか、
自分たちが本当に必要としているものと、見たことで欲しくなったものが混ざってしまいます。
ここが家づくりの難しいところです。
情報が増えるほど、
正解や最適解が分かりやすくなるとは限りません。
むしろ選択肢が増えすぎることで、
判断が難しくなることがあります。
ですから私は、
家づくりでは「要望を集めること」だけではなく、
要望の理由を整理することが大切だと考えています。
「広いLDKがほしい」は、本当の要望でしょうか?
例えば、
「25帖くらいの広いLDKがほしい」
というご希望があったとします。
もちろん、
25帖のLDKをつくること自体が悪いわけではありません。
でも私なら「どうして広いLDKが欲しいのですか?」
というところをもう少し考えます。
家族が自然と集まる場所がほしいのか。
友人を招いて食事を楽しみたいのか。
今の家が暗く閉塞感があるから、
開放的に暮らしたいのか。
庭とのつながりを楽しみたいのか。
家具をゆったり配置したいのか。
同じ「広いLDKがほしい」でも、
理由によって設計の方針や最適解は変わります。
もしかすると必要なのは、
面積ではなく大きな窓かもしれません。
天井の高さや光の入り方かもしれません。
庭への視線の抜けかもしれません。
家族それぞれが、
同じ場所で違うことをして過ごせる居場所なのかもしれません。
つまり「25帖」という数字は手段であって、目的ではないかもしれないということです。
収納についても同じことが起こります。
今の家が片付かないので、収納をたくさんつくりたい、という相談もよくあります。
ですが、収納量だけを増やしても、必ずしも家は片付きません。
例えば買い物から帰って、
玄関を通り、
LDKを横切り、
キッチンまで荷物を運び、
食品をパントリーへ、
日用品を収納へ、
上着をクローゼットへ戻す。
この一連の行動が暮らしに合っていなければ、
収納が十分にあっても、
テーブルやソファの上に物が置かれていきます。
必要なのは「収納を何帖つくるか」だけではありません。
人がどこから入り、何を持ち、どこで使い、どこへ戻すのか。
暮らしの行動と収納を一緒に考えることです。
家事動線も同じです。
短ければよいとは限りません。
重要なのは、その家庭の生活の順序に合っているかどうかです。
家族全員の希望を「平等に足す」ことが最適とは限りません。
ここは少し難しいところです。
夫婦でも、
住まいに求めるものは違います。
夫は書斎がほしい。
妻は大きなファミリークローゼットがほしい。
子どもには個室。
来客用の和室もほしい。
将来のために予備室もほしい。
これらをすべて独立した「部屋」として足していけば、
家はどんどん大きくなります。
しかし考えるべきところは、
部屋を増やさなくても、その希望を満たせないか?
ということです。
例えば書斎も、
完全な個室が必要な仕事なのか。
LDKの一角では難しいのか。
寝室に小さなワークスペースを設ける方法はないか。
来客用和室も、一年に何回使うのか。
普段は家族の居場所として使いながら、
来客時だけ客間に変えられないか。
設計とは、
希望を削る作業ではありません。
一つの空間に複数の役割を持たせることで、希望をもっと自然な形に整えていくことでもあります。
「何をつくるか」より「どんな時間を増やしたいか」
家づくりを考えている方に、
一度試していただきたいことがあります。
欲しい部屋や設備を書く前に、
新しい家で増やしたい時間を書いてみてください。
例えば、
朝、慌てずに身支度できる時間。
休日に庭を眺めながらコーヒーを飲む時間。
夫婦で料理をする時間。
子どもが宿題をしている横で仕事をする時間。
洗濯物を短時間で片付けて、夜ゆっくり過ごす時間。
一人になって本を読む時間。
友人を招いて食事を楽しむ時間。
こうして考えると、
必要な間取りが少し違って見えてきます。
家そのものが目的ではなくて
その家で過ごす時間を、
今より心地よくすることが目的だからです。
リフォームでは「新しくする場所」より先に考えるべき内容があります。
キッチンが古くなったから、
最新のキッチンへ交換する。
浴室が寒いから、
新しいユニットバスへ交換する。
もちろん設備更新が必要な場合もあります。
しかし、キッチンが使いにくい原因が設備そのものではなく、
冷蔵庫との位置関係や、パントリーまでの距離、ダイニングとの関係、
家族が通る場所との重なりにあるなら、キッチンだけ交換しても、毎日の不便は残ります。
ですからリフォーム・リノベーションでは、
「何が古くなったか」だけではなく「何に困っているのか」を整理することが重要です。
要望にはその奥に「理由」があります。
設計で大切にしていることの一つが、
ご要望をそのまま図面に置き換えないことです。
「大きな窓がほしい」なら、なぜ大きな窓なのか。
「収納がほしい」なら、何がどこに散らかって困っているのか。
「LDKを広くしたい」なら、今の暮らしの何に窮屈さを感じているのか。
そこを考えていくと、最初に想像していたものとは違う答えが見つかることがあります。
意味を考える事に、
建築家と一緒に家づくりをする意味の一つがあると思っています。
家づくりで迷ったら、この5つを考えてみてください
新築でもリフォームでも、
要望が増えて迷い始めたら、
一度、次のことを考えてみてください。
1.それは「目的」ですか、それとも「手段」ですか?
広いLDKも、
ファミリークローゼットも、
アイランドキッチンも手段です。
その先にある暮らしを考えます。
2.その場所を、一週間に何回使いますか?
使用頻度を考えると、
必要な広さや位置が変わります。
3.それがなくなると、本当に困りますか?
「欲しい」と「必要」は似ていますが、少し違います。
4.10年後も、その使い方をしていますか?
家族構成や仕事、年齢によって暮らしは変化します。
5.その要望によって、毎日の何が良くなりますか?
ここに明確な答えがあるものは、優先順位を上げる価値があります。
よい家は、要望の数ではなく「選んだ理由」が見える
完成した住まいを見たとき、不思議と落ち着く家があります。
必要以上に大きいわけでも、
高価なものがたくさん使われているわけでもありません。
それでも、その家族らしさを感じます。
そういう住まいには
「なぜここに窓があるのか」
「なぜこの場所に収納があるのか」
「なぜこの距離なのか」という理由があります。
つまり、暮らしと設計がつながっているということ。
やまぐち建築設計室はそこを大切にしています。
奈良で新築・建て替え・リフォームを考えている方へ
家づくりを始めたものの、
情報を集めすぎて何が正しいのか分からなくなった。
家族の希望が増えて優先順位を決められない。
土地を購入してよいのか迷っている。
住宅会社を回っているけれど決め手が見つからない。
リフォームしたいけれど設備交換だけでよいのか分からない。
そんな段階であれば、
まだ間取りを決める必要はないと思います。
むしろ一度、
私たちは、この家でどんな暮らしをしたいのだろう?
というところへ戻ってみてください。
やまぐち建築設計室では、
新築・建て替え・リフォーム・リノベーションについて、
最初から答えを決めつけるのではなく、
今の暮らしの困りごとや、
これから大切にしたい時間を整理するところから考えています。
設計相談は、
「こんな家を建ててください」と
答えが決まってから来る場所でなくてもよいと思っています。
まだ何を選べばよいか分からない。
そんな段階だからこそ一緒に整理できることがあります。
奈良でこれからの住まいを考えていて、
「一度、自分たちの暮らしから整理してみたい」と感じたときには、
やまぐち建築設計室へご相談ください。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
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