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2026.07.17
間取りで後悔する本当の原因とは|奈良で失敗しない注文住宅を建てるために建築家と考える7つのポイント
- カテゴリ:
- 家づくりと間取りの考え方
間取りの後悔は、
図面を描く前から始まっているということ。
間取りで後悔する本当の原因とは?
家を建てるなら、
できるだけ後悔のない間取りにしたい。
そう考えて、住宅雑誌を読み、
InstagramやPinterestで施工事例を集め、
間取り紹介の動画を見る方は
少なくありません。

※後悔しない間取りは、部屋の広さよりも、
家族の一日と未来の暮らしを
丁寧に紐解くことから始まります。
広いLDK。
回遊できる家事動線。
大容量のファミリークローゼット。
開放感のある吹き抜け。
ホテルのような洗面室。
どれも魅力的に見えます。
そして憧れます・・・・・。
ところが、実際に住み始めると、
・思っていたより家事がしにくい
・収納をつくったのに片付かない
・広いはずなのに落ち着かない
・窓が大きすぎて、
カーテンを閉めたままになった
・家族の生活音が気になる
といった後悔が生まれることがあります。
間取りで後悔する原因は、
知識が足りなかったからとは限りません。
本当の原因は、間取りを考える前に、
自分たちの暮らしを
十分に整理できていなかったことに
あります。
間取りは、
部屋を組み合わせる作業ではありません。
家族がどのように朝を迎え、
どこで食事をして、
どのように家事を行い、
どこで家族と過ごし、
一人になり、
どのように一日を終えるのか。
その暮らしの流れを、
空間に置き換える作業です。
今回は、奈良で注文住宅や
建て替えを検討されている方に向けて、
間取りで後悔する主な原因と、
失敗を避けるために
考えておきたいポイントを、
建築家の視点から
事実を書いてみたいと思います。
間取りの後悔は、
小さな違和感の積み重ねから生まれる
ということ。
間取りの失敗というと、
「部屋が狭かった」
「収納が足りなかった」
「コンセントの位置を間違えた」
といった、目に見える問題を
想像するかもしれません。
しかし、住まいへの不満は、
一つの大きな失敗だけから
生まれるとは限りません。
洗濯物を運ぶ距離が少し長い。
朝、洗面所で家族が重なる。
買い物から帰った後、
荷物を何度も持ち替える。
ソファに座ると、
キッチンの手元が気になる。
寝室までテレビの音が聞こえる。
帰宅しても、
鞄や上着を置く場所が決まっていない。
一つひとつは、
我慢できる程度のことかもしれません。
けれど、それが毎日、何年も続くと、
住まいの小さな違和感は
暮らしの疲れへと変わっていきます。
後悔しない間取りを
考えるために大切なのは、
目立つ設備や流行の間取りを
集めることではありません。
ご自身達の暮らしの周辺にある
毎日の中にある小さな不便を見つけ、
それを設計によって
減らしていくことです。
間取りで後悔する7つの原因
1.間取りを「部屋の数」から考えてしまう
間取りを考えるとき、多くの方が最初に、
「LDKは何帖必要か」
「子ども部屋はいくつ必要か」
「和室を設けるか」
「収納は何帖にするか」
と考えます。
もちろん、部屋の数や広さも大切です。
しかし、それだけで
間取りを考えると、
実際の暮らしとの間に
ずれが生まれやすくなります。
例えば、同じ20帖のLDKでも、
・キッチンに立つ人と家族の距離
・家具を置いた後に残る通路
・窓から見える景色
・天井の高さ
・光の入り方
・庭とのつながり
・家族がそれぞれ過ごせる居場所
によって、感じる広さや
居心地は大きく変わります。
大切なのは、面積の数字ではなく、
その場所で何をして、
どのような
気持ちで過ごしたいかです。
「広いリビングが欲しい」ではなく、
家族が同じ空間にいながら、
それぞれ好きなことをして
過ごせる場所が欲しいと考える。
「大きなキッチンが欲しい」ではなく、
料理中も家族と会話でき、
配膳や片付けが負担にならない
キッチンにしたいと考える。
要望を部屋や設備の名前で
考えるのではなくて、
そこで実現したい暮らしとして
考える事で、
間取りの精度は大きく変わります。
2.現在の不便を整理しないまま、
理想だけを集めてしまう
SNSや住宅雑誌には、
魅力的な住まいが
数多く掲載されています。
しかし、他の家族にとって
使いやすい間取りが、
自分たちにも合うとは限りません。
家族構成。
仕事の時間。
家事の分担。
休日の過ごし方。
来客の頻度。
所有している物。
将来の暮らし方。
大切にしている時間。
これらは家族ごとに異なります。
例えば、人気の回遊動線も、
通路が増えることで
収納や居室の面積を圧迫する
場合があります。
大容量のファミリークローゼットも、
家族が着替える場所や
洗濯動線と離れていれば、
使われにくい収納になることがあります。
吹き抜けも、光や開放感を生む一方で、
音の伝わり方、空調、窓の清掃、
照明交換などを
一緒に考える必要があります。
理想の写真を集めること自体が
悪いわけではありません。
ただし、その写真の
どこに惹かれたのかを
整理することが大切です。
広さなのか。
光なのか。
素材なのか。
外とのつながりなのか。
生活感が見えにくいことなのか。
惹かれた理由を言葉にできれば、
写真と同じ間取りを再現しなくても、
自分たちらしい空間へ
置き換えることができます。
やまぐち建築設計室では、
理想を伺うだけでなく、
現在のお住まいで感じている
不便についても丁寧に確認します。
朝、どこで混雑するのか。
帰宅後、何が出しっぱなしになるのか。
洗濯物はどこで滞留するのか。
休日は家族がどこに集まるのか。
現在の暮らしの不便には、
新しい住まいを考えるための
大切な手掛かりが隠れています。
間取りや土地探しを始める前に
整理しておきたいことについては、
「家づくりは何から始めるべきか?」でも
詳しく解説しています。
〇関連blog
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail873.html?utm_source=chatgpt.com
3.生活動線を「短さ」だけで考えてしまう
家事動線は、短ければ短いほどよいと
思われがちです。
しかし、動線で本当に大切なのは、
単純な距離だけではありません。
人の動きが重ならないこと。
途中に必要な収納があること。
物を持ち替えずに済むこと。
家事の前後までつながっていること。
来客動線と家族の生活動線を適切に分けること。
こうした流れを含めて
考える必要があります。
例えば、洗濯動線は、
洗濯機と物干し場を近づけるだけでは
完成しません。
洗う。
干す。
取り込む。
畳む。
アイロンをかける。
家族ごとに分ける。
収納する。
この一連の流れを
確認する必要があります。
キッチンも同様です。
冷蔵庫、シンク、加熱機器の位置だけでなく、
買い物から帰る。
食品を収納する。
調理・料理をする。
盛り付ける。
食卓へ運ぶ。
食器を下げる。
洗う。
乾かす。
片付ける。
ごみを一時保管する。
ここまで考えて初めて、
暮らしに合った動線になります。
間取り図の上で線を引くだけではなく、
平日の朝、帰宅後、休日など、
具体的な一日を思い浮かべながら
確認することが重要です。
4.収納を「広さ」だけで決めてしまう
収納の後悔で多いのは、
単純な収納不足だけではありません。
収納はあるけれど、使いにくい。
奥に入れた物が取り出せない。
棚の奥行きが合っていない。
使う場所と収納場所が離れている。
扉を開けるために、
物を移動しなければならない。
こうした問題も、
暮らしを乱す原因になります。
収納計画で大切なのは、
収納率や帖数だけではなく、
「何を、どこで使い、どのように戻すのか」
を考えることです。
玄関では、
靴。
傘。
ベビーカー。
アウトドア用品。
ゴルフ用品。
上着。
鞄。
宅配便の荷物。
防災用品。
キッチンでは、
食品。
調理器具。
食器。
飲料水。
日用品のストック。
ごみ箱。
季節の道具。
それぞれの量と使用頻度を確認します。
大きな収納を一か所つくるよりも、
使う場所の近くに
必要な収納を配置した方が、
片付けやすい場合もあります。
それぞれの家庭環境に最適解の
考え方が重要です。
収納とは、
物を隠す場所ではありません。
物が自然に戻り、
暮らしが無理なく整う仕組みです。
5.家具と家電を後から考えてしまう
間取り図では広く見えていたのに、
家具を置いたら狭く感じた。
コンセントがソファの裏に隠れた。
ダイニングチェアを引くと、
通路が通れない。
テレビの位置によって、窓の光が映り込む。
こうした後悔は、建物だけを先に考え、
家具や家電を後から当てはめたときに
起こりやすくなります。
間取りは、家具が置かれて
初めて暮らしの空間になります。
ダイニングテーブルの大きさ。
椅子を引くための寸法。
ソファとテレビの距離。
冷蔵庫の扉が開く方向。
ロボット掃除機の収納場所。
スマートフォンやタブレットの充電場所。
将来設置する可能性のある家電。
これらを計画段階から
具体的に想定することで、
コンセントやスイッチ、照明、
窓の位置も決めやすくなります。
特にコンセントは、
単に数を増やせば
解決するものではありません。
家具の高さや配置、家電を使う姿勢、
掃除の仕方まで含めて
位置を決める必要があります。
設計段階では、平面図だけでなく、
家具を配置した図面や
CGなどを用いながら、
暮らしを立体的に確認することが
大切です。
6.窓を「明るくするため」だけに設けてしまう
窓には、さまざまな役割があります。
光を取り入れる。
風を通す。
景色を切り取る。
庭とつなぐ。
空間を広く見せる。
時間や季節の変化を感じる。
一方で、窓は、外からの視線。
夏の日射。
冬の熱損失。
家具を置ける壁の減少。
防犯。
掃除や維持管理。
音。
といった問題にも関係します。
そのため、窓は多ければよい、
大きければよいというものではありません。
南側に大きな窓を設けても、
隣家や道路からの視線が気になれば、
カーテンを閉めたままになる
可能性があります。
西側の大きな窓は、
夕方の眺望を楽しめる一方で、
夏の強い西日への対策が必要です。
高台の土地では、
遠くの景色を取り込めることがありますが
近隣からの視線や
風の強さも確認しなければなりません。
窓を考えるときは、
「どこに窓を設けるか」ではなく、
「何を見るための窓なのか」
「どの時間の光を取り入れるのか」
「外からどのように見えるのか」
まで考えることが大切です。
奈良には、郊外の広い土地、
高低差のある土地、古くからの住宅地、
山や田園を望む土地など、
多様な敷地・土地があります。
方位だけで判断するのではなく、
隣家、道路、地形、眺望、風、
季節による太陽の動きを読みながら、
窓の位置を考える必要があります。
7.家族の現在だけを基準にしてしまう
家は、完成した瞬間だけを考えて
設計するものではありません。
子どもの成長。
独立。
在宅勤務。
親との同居。
介護。
趣味の変化。
所有する物の増減。
身体の変化。
暮らしは年月とともに変わります。
子ども部屋を最初から細かく分けるのか。
将来、分割できるようにするのか。
一階だけでも生活を
完結できるようにするのか。
在宅勤務の場所をどのように確保するのか。
将来、寝室として使える部屋を設けるのか。
扉の幅や段差をどう考えるのか。
すべての変化を予測することはできません。
だからこそ、用途を限定しすぎず、
暮らしの変化を
受け止められる余白を残すことが大切です。
やまぐち建築設計室では、
この「余白」を単なる
空きスペースとは考えていません。
家族が少し離れて過ごせる場所。
来客時に使える場所。
子どもの遊び場。
家事の途中で物を広げられる場所。
椅子を一脚置いて庭を眺める場所。
用途を決めすぎない空間が、
年月とともに変化する暮らしを
支えることがあります。
家族がいつも近くにいることだけが、
心地よい住まいの正解とは限りません。
家族の気配と一人の時間を両立する「距離感の設計」についても紹介しています。
〇関連blog
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail823.html?utm_source=chatgpt.com
後悔しない間取りづくりのために
必要な7つの確認
ここからは、
間取りを決める前に
確認しておきたいポイントを整理します。
1.今の暮らしの不便を書き出す
理想の住まいを考える前に、
現在の住まいで
不便に感じていることを
書き出してみてください。
朝、混雑する場所。
片付かない物。
暗い場所。
音が気になる時間。
暑い場所、寒い場所。
家事に時間がかかる場面。
家族同士がぶつかる動線。
不満は、新しい家に持ち込みたくない
暮らしを教えてくれます。
2.家族の一日を時間順に確認する
平日の朝。
平日の夜。
休日。
来客時。
家族それぞれの動きを、
時間順に確認します。
「玄関からキッチンまで近い」という
部分的な便利さではなく、
一日の流れ全体として
無理がないかを見ることが重要です。
3.持ち物の量を把握する
現在の持ち物だけでなく、
今後増える可能性のある物も確認します。
収納を先に大きくするのではなく、
収納する物、使用頻度、
収納方法を整理したうえで
必要な広さを決めます。
4.家具を配置した状態で確認する
図面上の帖数だけでなく、
実際に使う予定の家具を配置します。
椅子を引けるか。
人が後ろを通れるか。
収納扉を開けられるか。
窓やスイッチと干渉しないか。
家具を置いた後に残る余白まで確認します。
5.朝・夜・季節の違いを想像する
昼間の明るいCGだけで判断せず、
朝の光、夕方の西日、夜の照明、
冬の寒さ、夏の日射まで想像します。
住まいは、一枚の完成写真ではなく、
時間と季節によって
表情が変わる場所です。
6.家族ごとの譲れないことを整理する
家族全員の希望を
そのまま足し合わせると、
面積も予算も膨らみます。
大切なのは、
希望を並べることではなく、
優先順位を整理することです。
家事時間を短くしたい。
家族で食卓を囲む時間を大切にしたい。
一人で静かに過ごせる場所が欲しい。
庭や景色を眺めたい。
来客を気持ちよく迎えたい。
何を優先するかによって、
間取りの答えは変わります。
7.間取りを決める前に専門家へ相談する
土地を購入してから。
住宅会社を決めてから。
間取りがある程度できてから。
その段階で設計者へ
相談しようと考える方もいます。
しかし、土地の条件、予算、
建物の配置、窓、庭、駐車場、
暮らし方は、
それぞれ独立しているわけではありません。
奈良県では、高低差のある土地、
市街化調整区域、古い造成地、
農地を含む敷地、
道路幅員に注意が必要な
土地などもあります。
土地と建物、外構、
暮らしを分けて考えてしまうと、
希望する間取りが実現できなかったり、
造成や擁壁、給排水などに
想定外の費用が
必要になったりすることがあります。
間取りを描き始める前の段階で
相談することにより、
選択肢を残したまま
家づくりを整理しやすくなります。
良い間取りは、
見た瞬間に驚く間取りとは限らない
印象的な間取りや、
珍しい形の住まいは、
人の目を引きます。
けれど、本当に良い間取りは、
図面を見た瞬間の驚きだけで
決まるものではありません。
朝の支度が少し楽になる。
帰宅したとき自然に気持ちがほどける。
家族が同じ場所にいながら、
互いに無理なく過ごせる。
片付けることを頑張らなくても、
物が戻る。
庭の緑や光の変化に、ふと気づく。
夜、家全体が静かに落ち着いていく。
そうした小さな心地よさが
毎日積み重なる間取りは、
暮らすほどに価値を感じられる
住まいになります。
やまぐち建築設計室が
大切にしているのは、
見栄えのよい間取りを
早く提示することではありません。
ご家族の話を伺い、
まだ言葉になっていない希望や
不便を整理し、
それを住まいの形へ翻訳すること。
何帖の部屋が必要かを考える前に、
どのような時間を大切にしたいのか。
家族とどのような距離で
暮らしたいのか。
どのような場所に帰りたいのか。
そこから設計を始めます。
間取りを考え始めた方へ
現在、次のようなことで迷っていませんか。
・間取りを見ても、
自分たちに合っているか判断できない
・住宅展示場を回っても、
決め手が見つからない
・SNSで情報を集めるほど、
何が正解か分からなくなった
・土地を購入する前に、
希望する家が建つか確認したい
・家事動線や収納で後悔したくない
・和モダンやホテルライクな住まいに
憧れるが、暮らしやすさも大切にしたい
・家族の希望や予算を、
どのように整理すればよいか分からない
このような段階こそ、
設計相談を活用していただきたい
タイミングです。
相談は、完成した要望を
伝えるための場所ではありません。
まだ整理できていない迷いや希望を、
一緒に言葉にしていく時間です。
やまぐち建築設計室では、
奈良県橿原市のアトリエにて、
予約制の個別相談を行っています。
土地が決まっていない方。
間取りがまだない方。
何から始めればよいか分からない方も、
ご相談いただけます。
すぐに間取りを決めるのではなく、
現在の不便、家族の価値観、
土地、予算、
将来の暮らしを整理しながら、
家づくりの判断軸を一緒に見つけていきます。
間取りを決める前に、
まずはどのような暮らしをつくりたいのか
ということを考えてみませんか。
間取りの後悔を防ぐために大切なのは、
暮らしを先に考えること
間取りで後悔する原因は、
コンセントや収納の数だけではありません。
生活動線。
家具の配置。
窓と外部環境の関係。
家族の距離感。
将来の変化。
そして、自分たちが大切にしたい時間。
これらを十分に整理しないまま、
部屋の数や広さから
間取りを決めてしまうことで、
住み始めてからの違和感が生まれます。
後悔しない間取りづくりの第一歩は、
正解の間取りを
探すことではありません。
今の暮らしを見つめ直し、
家族にとっての
心地よさを整理することです。
住まいをつくるだけでなく、
これからの暮らしそのものを整える。
そのための設計を、
やまぐち建築設計室では
大切にしています。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
ご連絡ください
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