ブログ・コラム
2026.04.26
間取りの前に整えるべきものとは? 暮らしの質と時間の質から考える住まいづくり。
- カテゴリ:
- 暮らしと人生の哲学
その住まいづくりは、
本当に“これからの人生の時間”に
寄り添っていますか?
間取りの前に整えておきたい、
ひとつの視点から。

※内と外がやわらかくつながる空間。
光と風を感じながら過ごす時間が、
日々の感覚を静かに整えていきます。
暮らしの趣を価値観から設計提案した住まい。
美しい空間や景色に触れたとき、
私たちは言葉にできない
感覚で心を動かされます。
整えられた空間、
静かな佇まい、
光と影が織りなす奥行き
それぞれの人にとって
「美しい」の意味。
けれど、その美しさが、
そのまま自分の暮らしに
馴染むとは限りません。
むしろ、
見た目の美しさだけで
選ばれた住まいや空間は、
時間の経過とともに、
少しずつ違和感を生むこともあります。
なぜなら住まいは、
「眺めるもの」ではなく、
日々の暮らしや生活を
重ねていく場所だからです。
そしてその日々は、
思考を生み、行動を生み、
人生そのものへとつながっていきます。
○関連blog
人生設計から考える注文住宅|間取りの前に見直す、家族の変化に寄り添う住まいの整え方
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail814.html
目の前の選択に追われていないでしょうか?
現代の暮らしは、
日々選択の連続です。
どの情報を信じるのか。
どの選択肢を採用するのか。
どの価値観を基準にするのか。
住まいづくりにおいても同様に、
多くの情報と選択肢の中で、
判断を重ねていくことになります。
間取り、性能、素材、設備、デザイン。
それぞれに魅力があり、
それぞれに正解のようなものが
存在しています。
しかし、
その選択の積み重ねの中で、
知らず知らずのうちに
本質から離れてしまうことがあります。
どのような暮らしを望んでいるのか?
という問いが曖昧なまま
進んでしまうことです。
この問いが曖昧な状態では、
どれほど整った空間であっても、
どこか落ち着かない、
満たされない感覚が残ってしまいます。
住まいは「空間」ではなく「時間を包む器」
住まいとは、
単なる機能の集合体ではありません。
一日の始まりと終わりを
迎える場所であり、
人が最も素の状態でいられる
場所でもあります。
朝、静かに光が差し込む時間。
食卓を囲み、
何気ない会話が交わされるひととき。
夜、思考を整えながら過ごす
静寂の時間。
それらは一見すると
小さな出来事ですが、
その積み重ねが、
暮らしの質をつくり、
やがて人生の質へとつながっていきます。
やまぐち建築設計室では、
こうした時間の質にこそ
住まいの価値があると考えています。
だからこそ、
間取りを考える前に、
どのような時間を大切にしたいのかを
整えることを重視しています。
それは単なる設計手法ではなく、
暮らしと人生を見つめ直すための
大切なプロセスの部分。
環境や思考が人の心と行動をつくる。
人は、自分が思っている以上に、
環境の影響を受けています。
○関連blog
間取りの前に人生設計を考える|冷暖自知という設計思想が導く、本当に納得できる住まい
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail798.html
光の量や質。
風の流れ。
視線の抜け方。
素材の温度感。
それらはすべて、
無意識のうちに
心の状態や行動の質に
影響を与えています。
例えば、
柔らかな光に包まれた空間では、
自然と呼吸が深くなり、
心が穏やかになりやすくなります。
一方で、過度に明るく均一な光や、
情報量の多い空間では、
気づかぬうちに
緊張や疲労を
感じてしまうこともあります。
このように、
環境は人の内面に働きかけ、
思考や感情、
さらには行動の質を左右します。
つまり住まいの設計とは、
単に形を整えることではなく、
どのような状態で日々を過ごすのか?
ということを
整えることでもあるのです。
暮らしの中に潜む“違和感”の正体
多くの方が、
日々の暮らしの中で、
言葉にしづらい違和感を抱えています。
なんとなく落ち着かない。
気持ちが整わない。
無意識に疲れを感じる。
それらは必ずしも
大きな問題ではありませんが、
日々積み重なることで、
暮らし全体の質に影響を与えていきます。
その原因の多くは、
自分に合っていない環境にあります。
このブログを読んでいる方も
そのような感覚を様々な場所で
経験したことがあるのではありませんか?
・光の取り入れ方
・空間の広がり方
・動線の流れ
・視線の交差
・人間関係
こうした要素が
わずかにずれているだけで、
人は無意識のストレスを感じてしまいます。
そしてそれは、
長い時間をかけて、
思考や感情の質にも影響を及ぼします。
未来を見据えることで、
今の選択が整うということ。
日々の忙しさに追われていると、
人はつい目の前の判断に
意識が集中してしまいます。
しかし、本来大切なのは、
その選択が
どのような未来につながるか?
という視点。
どのような時間を過ごしたいのか。
どのような日常を重ねていきたいのか。
その方向性が見えてくると、
今の選択は自然と整理されていきます。
不要なものは削ぎ落とされ、
本当に必要なものだけが残っていく。
それは、
単なる合理性ではなく、
感覚としての納得感を伴った選択。
「選ぶ」のではなく
「整える」という視点を。
家づくりは、
比較して選ぶものだと
捉えられがちです。
けれど実際には、
自分自身の感覚や価値観を
整えていくためのプロセス・・・。
外から与えられた基準ではなく、
自分の内側にある感覚に
耳を澄ますこと。
どのような空間に身を置きたいのか。
どのような空気感の中で
過ごしたいのか。
それらを丁寧に見つめていくことで、
考え方は自然とシンプルに
なっていきます。
やまぐち建築設計室の設計
私は、
住まいを「形」として捉えるのではなく、
「暮らしの質を整えるための環境」
として捉えています。
静けさを感じる空間。
余白のある設計。
光と影が織りなす奥行き。
内と外がやわらかくつながる領域。
それらはすべて、
人が本来持っている感覚を取り戻し、
自然に整っていくための仕掛けです。
目に見える美しさだけでなく、
目に見えない心地よさを
丁寧に重ねていくこと。
それが、
やまぐち建築設計室の考える
住まいづくりです。
住まいづくりを考えるとき、
私たちはつい「何を選ぶか」に
意識を向けてしまいます。
しかし、
その前に整えておきたいものが
あります。
どのように過ごしたいのか?
という感覚です。
その感覚が整ったとき、
住まいは単なる空間ではなく、
人生を支える大切な器となります。
やまぐち建築設計室では、
設計のご相談の前に、
暮らしのこと、日々の過ごし方、
そしてこれからの時間について
お話を伺っています。
その時間は、
間取りを決めるためではなく、
これからの人生の質を
整えていくための対話時間です。
もし今、住まいづくりに
迷いや違和感があるのであれば、
それはとても大切な
気づきの入り口かもしれません。
一度立ち止まり、
ご自身の内側にある感覚に
耳を澄ませてみてください。
その先に、
本当に必要な住まいの状態が
見えてくるはずです。
今回の投稿が
家づくりを考えている方にとって、
少しでもヒントになれば嬉しく思います。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
ご連絡ください
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