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ブログ・コラム

2026.04.07

美しいだけでは終わらない住まい|余白の意味を設計する、侘び寂びと禅が導く“本質的に心地よい和モダン住宅”と奈良の建築家の設計思想

カテゴリ:
和モダン思想

粋を知るということ

奈良の建築家が考える「和の美学」と、

暮らしを整える住まいづくり。

 

「美しい家」とは何でしょうか?

 

奈良県で建築家が設計した和モダン住宅のLDK空間。床から天井までの大開口サッシを通して雑木と紅葉を配した中庭の借景を取り込み、木天井と間接照明による陰影が静けさと奥行きを生む設計。侘び寂びや禅の思想を取り入れた余白のある空間構成で、暮らしの質を高める注文住宅事例。

※内と外の境界を曖昧にし静けさを取り込む住まい。
大開口サッシの先に広がる中庭の借景と、

木天井の陰影が、

暮らしの時間を穏やかに整えていく和モダン住宅。

 

 

整っていること。

豪華であること。

新しく、機能的であること。

 

もちろん、

それらもひとつの価値です。

 

しかし、本当に人の心に残り、

長く愛される住まいには、

もっと深い「感覚」が

宿っていると考えています。

 

日本人が古来より大切にしてきた

「粋(いき)」という美意識です。

 

粋とは、

整えることではなく「感じること」

 

日本的情緒のある美しさは、

「足す」ことで生まれるものではありません。

 

むしろ、

削ぎ落とすことで、

浮かび上がるものだと考えています。

 

余白の中に宿る気配。

静けさの中に感じる豊かさ。

 

情報過多な現代において、

忘れられかけている感覚でもあるかと・・・。

 

だからこそ今、

住まいづくりにおいて「粋」を知ることは、

暮らしそのものを

整えることにも直結するものだと考えています。

 

やまぐち建築設計室が大切にする

「和の住まい」の思想・・・・・。

 

私が住まいを設計するなかで

和に拠り所を提案する場合、

目指しているのは、

単なる和風住宅という区分ではありません。

 

本質的な意味での「和の住まい」です。

 

そのために、

設計の根底に置いている考えがあります。

 

意味が本物であること。

素材、構成、空間の在り方。

 

すべてにおいて「本質」を重視します。

見せかけの和ではなく、

時間とともに深まる「本物の質感」を

大切にしています。

 

普遍的な価値があること・・・・・。

流行は必ず移り変わります。

しかし、

心地よさや美しさの本質は

基本的には変わりません。

 

10年後、20年後、

そして次の世代にも受け継がれる

住まいの在り方を丁寧に考えています。

 

唯一無二であること

住まいは「商品」ではなく、

その人の人生を映す鏡でもある存在。

 

同じものをつくるのではなく、

その人の暮らしにおいて存在するべき

空間を創造します。

 

社会性があること・・・・・。

日本には「おもてなし」という

文化があります。

過去には和モダンの住まいに

その「名称を与えた物件」も存在します。

 

単なる接客という意味ではなく、

空間の在り方そのものに

現れる「おもてなし」。

 

訪れる人の心が自然と整うような、

そんな空間を設計するという意味です。

 

自由度の高い設計であること・・・。

制約は、発想次第で

価値に変わります。

 

不自由をそのまま受け入れるのではなく、

設計によって自由へと転換する。

それが深みのある

設計の役割だと考えています。

 

自然素材へのこだわり・・・・・。

石、木、紙。

自然素材には、時間とともに変化し、

美しさを深める力があります。

それは、

人の暮らしと同じです。

 

侘び・寂び|「足りないこと」に

価値を見出すということ。

 

日本の美意識の核とも言える「侘び・寂び」。

侘びとは、

不完全さや不足の中に、

心の充足を見出す感覚。

 

寂びとは、

時間の経過によって生まれる、

静かな美しさ。

 

西洋のように「完成」を美

とするのではなく、

日本では「未完成」や「経年」にこそ

価値を見出します。

 

これは「和の精神を美」とする住まいにも、

そのまま当てはまります。

 

新品のときが最も美しいのではなく、

暮らしの時間を重ねることで、

味わいが増していく住まい。

 

そういったたエイジングのある

美しさが豊かな住まいを

生み出すと考えています。

 

非対称という美しさ|整いすぎないことの価値

完全な対称は、安心感を生みだします。

しかし同時に、

どこか人工的な印象も与えます。

 

日本の美意識は、

むしろ「崩れ」に美しさを見出します。

 

少しずれた配置。

あえて揃えない構成。

 

それによって生まれる余白や流れが、

空間に奥行きと豊かさを与えます。

 

奇数文化|不完全だからこそ美しい。

三、五、七。

日本の文化には、

奇数が多く使われています。

 

奇数は「未完成」であり、

余白を残した状態と読めます。

 

その余白が、

想像力や余韻を生み出すと考えています。

割り切れない事・・・・・。

住まいにおいても同じです。

 

すべてを整えすぎないこと。

あえて「余白」を残すこと。

 

それが、ある意味では

暮らしの豊かさにつながります。

 

借景|自然を取り込むという設計・・・。

日本の庭園に見られる「借景」という考え方。

 

遠くの山や空を、

あたかも自分の庭の一部のように取り込む。

これは、空間を広げるだけでなく、

心の広がりを生み出します。

 

現代の住まいでも、

窓の取り方ひとつで、

風景はまったく変わります。

 

陰影|光を減らすことで生まれる豊かさ。

 

現代の住宅は、

均一的な明るさを求めすぎています。

しかし、本当に心地よい空間は、

「陰」がある空間だと考えています。

 

明るさの中に、

わずかな陰影をつくる。

 

それによって、

空間に奥行きと静けさが生まれます。

その状態は、

人の心にも同じように作用します。

 

「粋」を住まいに取り入れるということ。

ここまで書いてきたことは、

特別な考え方ではありません。

 

本来、日本人が自然に持っていた感覚。

しかし現代では、

便利さや効率の中で、

その感覚が薄れてしまっています。

 

だからこそ、

住まいという日常の中に、

もう一度その美意識を取り戻すことが

重要だと考えています。

 

住まいは「人生の時間」を包む器。

家という建築物は、ただの器ではありません。

 

そこで過ごす時間、

そこで感じる感情、

そこで積み重なる記憶。

 

それらすべて、人の人生の時間を包む器です。

だからこそ、

間取りの前に考えるべきことがあります。

それはこのブログでも何度も書いているように

「どんな時間を過ごすのか?」

という問いです。

 

奈良で和モダンの家を建てたい方へ

やまぐち建築設計室では、

単に美しい家を設計するのではなく、

「暮らしの質そのものを整える設計」

を大切にしています。

 

和モダンの家、

静けさのある住まい、

本質的に心地よい空間を求めている方へ。

 

一度、

あなたの中にある「理想の暮らし」を、

ゆっくりと言葉にしてみてください。

 

その先に、

本当に必要な

住まいの意味とカタチが見えてきます。

 

・和モダン住宅を建てたい

・ホテルライクで静かな空間に憧れている

・他とは違う、本質的な住まいを考えたい

 

粋とは、

誰かに見せるためのものではなく、

自分の中にある感覚です。

 

そしてその感覚は、

住まいによって育まれます。

 

日々の暮らしの中で、

静かに整っていく時間。

その積み重ねこそが、

人生の豊かさにつながっていきます。

 

今回の投稿が

家づくりを考えている方にとって、

少しでもヒントになれば嬉しく思います。

○関連blog

住まいは人の振る舞いを育てる|何も語らず、暮らしの質を整える和モダン住宅の設計哲学

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail735.html

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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
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