お問合せフォーム

ブログ・コラム

2026.02.09

思考というフィルターが、暮らしの質を決めている ―― 建築家が考える「住まい」と人生の静かな関係性

カテゴリ:
過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り

思考というフィルターと、住まいの設計、

暮らしの質は、

どこから決まっていくのか?

 

住まいづくりを考え始めたとき、

多くの方は「間取り」や「性能」、

「広さ」や「設備」に意識を向けます。

 

もちろん、

それらは大切な要素です。

視線と動線を整理したホテルライクなLDK空間。フローティング階段と淡いトーンの家具、無垢材の床が思考を整え、暮らしの質を高める和モダン住宅の設計事例。

※視線と動線を整理することで、

空間に余白と静けさを生む設計提案事例。

 

 

 

長年建築設計に携わり、

実際に多くの住まい手さん達と

向き合ってきた中で、

私が強く感じていることがあります。

 

それは、

暮らしの満足度を決めている本質は、

図面の中にあるわけではない

ということです。

 

人は「思考のフィルター」を通して

住まいを見ているということ。

 

人は、目の前の出来事や空間を、

そのまま受け取って

生きているわけではありません。

 

これまでの人生経験、

育ってきた環境、

周囲から浴びてきた言葉や

培われた価値観。

 

それらが無意識のうちに重なり合い、

私たちはそれぞれ固有の

「思考というフィルター」を通して、

日常生活を過ごし、

人と関わり合い、

住まい、暮らし、人生を見ています。

 

設計の打ち合わせの中でも、

こうしたフィルターの存在を

意識しながら対話をさせていただきます。

 

「広いリビングでなければ不安」

「収納は多ければ多いほど良い」

「明るい家が正解だと思っている」

 

それらは、間違いではありません。

ただし、それが

ご自身の感覚から生まれた言葉なのか、

それとも、どこかで

刷り込まれた「正解」なのか。

 

この問いに一度立ち止まることが、

本当に満たされる

住まいづくりの入口になると、

私は考えています。

 

やまぐち建築設計室が考える

「住まい」とは何か?

 

やまぐち建築設計室では、

住まいを単なる

建築物として捉えていません。

 

住まいとは、

そこに暮らす人の

思考の癖、喜怒哀楽による感情の揺らぎ、

人生の在り方を

日々、受け止め続ける場です。

 

だからこそ、

間取りを決める前に、

素材を選ぶ前に、

その場を考えた際に

どんな暮らしの時間を

積み重ねるべきなのかを丁寧に伺います。

 

朝の過ごし方。

仕事と私生活の切り替え。

家族との距離感。

一人になれる時間の質。

 

これらはすべて、

住まいの中で無意識に繰り返され、

やがてその人の

思考や人生観にまで影響していきます。

 

光・視線・余白が、思考を整える

 

設計において、

特に大切にしているのが

「光」「視線」「余白」です。

 

強すぎない光。

すべてを見渡さない視線。

何かを詰め込まない余白。

 

これらは、

住まいを「おしゃれ」に

見せるための演出ではありません。

 

人の思考は、

無意識のうちに

環境の影響を受けています。

 

常に視界に

情報が入りすぎる空間では、

思考は休まらず、

知らず知らずのうちに

疲弊していきます。

 

反対に、

視線が抜け、

光にグラデーションがあり、

余白がきちんと設計された空間では、

思考は自然と

落ち着きを取り戻します。

 

皆さんも、

思考の内に情報が入りすぎると

疲労感を持つことはありませんか?

 

そういった意味で

住まいを整えることは、

心を整えるための

準備でもあるのです。

 

外側を整えることは、

内側を整えること・・・・・。

 

「暮らしを変えたい」

「気持ちに余裕を持ちたい」

 

そう思いながらも、

日常の忙しさの中で、

自分を後回しにしてしまう方は

少なくありません。

 

だからこそ、

やまぐち建築設計室では

住まいの力を信じています。

 

住まいは、

努力しなくても、

頑張らなくても、

人を正しい方向へ戻してくれる

意識と連動する

環境をつくることができる。

 

無理に気分を切り替えなくても、

空間に身を置くだけで、

思考のトーンが自然と整っていく。

 

そんな経験は

皆さんにもあるのでは?

 

高級であるかどうかではなく、

その時々に関して

自分にとって

誠実な空間なのかどうかの問題です。

 

正しさよりも、

その人の「心地よさ」を

環境から設計するように。

 

世の中には、

「成功する家」「失敗しない家」

といった言葉が溢れています。

 

けれど、

その正しさが、

すべての人の人生に当てはまる

わけではありません。

 

やまぐち建築設計室が考えているのは、

誰かの成功例を

なぞる住まいではなく、

その人自身の感覚に

静かに程よく馴染む住まいです。

 

言葉にできない違和感。

理由は説明できないけれど落ち着く感覚。

 

そうした感覚を大切に拾い上げ、

設計というかたちに落とし込むことが、

私たち建築家の役割だと考えています。

 

住まいは、人生を主張しない

 

住まいは、

人生を誇示する場所ではありません。

 

人生を変えようと、

声高に主張する必要もありません。

 

ただ、

日々の暮らしの背景として、

静かに、確実に、

人生を支え続ける存在であればいい。

 

その積み重ねが、

思考を整え、

感情を穏やかにし、

結果として人生の質を高めていく。

 

私は、住まいを

「人生の背景」ではなく、

人生を支える余白として

設計するべきだと考えています。

 

やまぐち建築設計室の

設計思想・・・・・。

 

住まいは、

人生の器であり、

思考の背景であり、

感情の居場所です。

 

だからこそ、

流行や正解ではなく、

その人の生き方に誠実であること。

 

暮らしの質を起点に、

住まいと人生をつなぐ設計を丁寧に。

 

今回の投稿が、

ご自身の暮らしを

少し立ち止まって考える

きっかけになれば幸いです。

○関連blog

住まいは、心のどこに寄り添っているか ―人生と感情のあいだを整える暮らしを考える―

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail736.html

‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------

 

 

BACK

ブログトップへもどる