ブログ・コラム
2025.12.24
目に見えない価値から設計する――和モダン×ホテルライクで叶える上質な暮らしの住まい設計思想
- カテゴリ:
- 設計の事・デザインの事
目に見えないものから、
住まいを設計する。
家づくりと暮らしの哲学を、
静かに掘り下げて。

※図面だけでは伝わらない「暮らしの感覚」を、
設計住宅模型を通して
共有する設計打ち合わせのひとコマ。
空間の奥行きや光の流れ、
家族の距離感まで立体的に
丁寧に確認しながら、
イメージCGも提示させていただきながら
図面、プランでは感じにくい価値を
住まいの形へと落とし込んでいきます。
家づくりとは、
何を建てるかを決める行為では
ありません。
どんな暮らしを、
どんな時間の流れの中で、
どんな心持ちで重ねていくのか。
その「在り方」を、
空間として結晶させていく
営みだと考えています。
やまぐち建築設計室が
向き合っているのは、
壁の位置や窓の
大きさだけではありません。
数字や性能表に現れない、
けれど確実に暮らしを左右する
目に見えないものについてです。
家づくりを始めると、
人は「正解」を探し始める。
家づくりを考え始めた瞬間から、
人は無意識のうちに
「正解」を探し始めます。
・失敗しない間取り
・後悔しない設備
・将来も安心な性能
・評価の高いデザイン
インターネットやSNSには、
無数の成功例と失敗例が並び、
気がつけば、
判断軸が外側に向いてしまう。
けれど本来、
住まいの正解は、
他人の暮らしの中には
存在しません。
その家で、誰が、
どんな日常を生きるのか。
その一点に立ち返らなければ、
どれほど情報を集めても、
「しっくりくる家」には
辿り着けないものです。
やまぐち建築設計室が
最初に計画するのは「暮らしの輪郭」。
やまぐち建築設計室の設計は、
間取りの線を
引くことから始まりません。
まず行うのは、
住まい手さんの暮らしを、
言葉や文字、
空間で「ほどく」こと。
・朝はどんなふうに
一日が始まるのか
・家に帰ったとき、
どんな気持ちで扉を開けたいのか
・休日は家で
どう過ごすことが多いのか
・一人の時間は必要か、
家族の気配はどの距離が心地よいか
それらは、
SNSの間取り診断や
間取り集には載っていません。
けれど、
暮らしの「輪郭」を形づくるのは、
最も大切な要素です。
目に見えない設計要素が、
暮らしを支えている
暮らしの中で、
本当に効いてくるのは、
意識しなくても
感じていることです。
たとえば・・・・・。
玄関に入った瞬間、
肩の力が抜けるかどうか。
リビングに座ったとき、
自然と深呼吸したくなるか。
家族と同じ空間にいながら、
一人でいられる感覚が
保たれているか。
これらは、
派手なデザインや
高価な素材だけでは生まれません。
・光の入り方
・陰影の濃淡
・視線が抜ける方向
・音の反射と吸収
・素材が持つ温度感
それらが、
静かに重なり合うことで、
暮らしの「居心地」が
整っていきます。
「便利さ」と「心地よさ」は、
必ずしも一致しないということ。
現代の住まいづくりでは、
「便利さ」が
強く求められます。
家事動線が短い。
収納が多い。
設備が最新。
もちろん、
それらは大切です。
けれど、
便利さを追い求めすぎると、
暮らしから余白が
消えてしまうことがあります。
効率だけで
整えられた空間は、
どこか息苦しい。
やまぐち建築設計室では、
便利さを否定するのではなく、
便利さが暮らしを
支配しないバランスを
大切にしています。
住まいは、
住む人の心の状態を
映すということ。
家の構成は
不思議なほど正直です。
忙しさが続けば、
散らかりやすくなり、
心に余裕があれば、
自然と整っていく。
だからこそ、
住まいは「完璧」である
必要はありません。
少し余白があり、
少し未完成で、
暮らしとともに育っていく。
人が育つ環境、
暮しが育つ環境であること。
そして人生の喜怒哀楽に
寄り添う空間であること。
そうした住まいの方が、
長い時間軸では、
人の心に寄り添い続けます。
家づくりは「人生の縮図」
家づくりの過程そのものが、
その人の人生観を映し出します。
急ぎたい人。
慎重な人。
迷いながら進む人。
どれも間違いではありません。
大切なのは、
自分たちのペースを
見失わないこと。
やまぐち建築設計室が
家づくりを急がなくていいと
伝えるのは、
そのためです。
設計とは、
答えを与える仕事では
ないということ。
やまぐち建築設計室では
「こうすれば正解です」とは
言いません。
そして正解を探しません・・・・。
ですが「最適解」の提案を
させていただきます。
そして、住まい手さんの
「どうありたいか」を考えます。
住まいを考える設計とは、
住まい手さん自身が、
自分たちの暮らしを
深く理解していく
プロセスを準備する事。
その過程に
伴走することこそが、
建築家の大切な
役割の一部だと考えています。
何年経っても、
静かに効いてくる家に。
完成直後の感動は、
いずれ日常に溶けていきます。
けれど、
・疲れて帰った夜
・気持ちが沈んだ朝
・何も特別なことがない休日
そんなときに、
「この家は、落ち着くな」と
感じられるかどうか。
そこに、
住まいの本当の価値があります。
目に見えないものを、
大切にしたい人へ・・・・・。
もしあなたが、
「おしゃれな家」だけでなく、
「心が整う家」に惹かれているなら。
もしあなたが、
流行よりも、
自分たちらしい暮らしを
大切にしたいと感じているなら。
やまぐち建築設計室の家づくりは、
きっと相性が良いはずです。
目に見えないものから設計する。
それは、派手さのない、
けれど確かな家づくり。
暮らしの背景として、
静かに人生を支え続ける住まいを、
つくっていけたらと
願っています。
ご相談は、
まだ何も決まっていない段階でこそ、
意味があります。
あなたの暮らしにとって、
本当に大切なものは何か。
その問いから、
家づくりを始めてみませんか。
このブログが、
家づくりを考えるうえでの
ひとつのヒントになれば幸いです。
○関連blog
和モダンの静けさが暮らしを整えるホテルライクな心地を生む動線と間(ま)のデザイン。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail648.html
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------

