ブログ・コラム
2025.12.15
和モダン住宅の真価とは|数寄屋の美意識と設計思想から考える、上質な和モダンの住まい。
- カテゴリ:
- 和モダン思想
和モダンとは何か?
暮らしを整えるための、
建築家の設計思想。

※外観デザインから庭・アプローチまでを
一体で設計した和モダン住宅。
数寄屋建築の考え方を継承し、
素材とプロポーションにこだわって
住まい手さんの価値観に寄り添いながら
デザインの工夫を施した設計事例。
「和モダンの家にしたい」
住まいのご相談を
お受けする中で、
この言葉を耳にする機会は
少なくありません。
けれど、
詳しくお話を伺っていくと、
和モダンという言葉が
指しているものは、
人によって少しずつ異なります。
・落ち着いた雰囲気の家
・和の要素を取り入れたデザイン
・高級感のある、上質な住まい
どれも間違いではありません。
しかし、やまぐち建築設計室が
考える和モダンは、
見た目のテイストを
指す言葉ではありません。
和モダンとは、
暮らしを整えるための
「設計思想」だと考えています。
和モダンは
「足し算のデザイン」ではない。
住宅雑誌やSNSで
紹介されている
高級住宅を見ると、
美しい素材や照明、
印象的なデザインが
数多く並んでいます。
もちろん、
それらは住まいの魅力の一部です。
しかし、
実際に暮らし始めてから
大切になるのは、
どれだけの情報が
整理された空間に
なっているかという点です。
和モダンの設計で
大切にしているのは、
・何を見せ、
何をあえて見せないか
・視線がどこに向かい、
どこで止まるのか
・空間にどれだけ
「余白」を残せているか
という引き算の判断です。
豪華さよりも、
品のある静けさ。
派手さよりも、
心が落ち着く佇まい。
この考え方が、
和モダン住宅の土台になります。
心が落ち着く
高級住宅に共通するもの。
国内外の高級住宅や
ホテルを訪れると、
「なぜか居心地がいい」と
感じる空間があります。
理由を丁寧に紐解いていくと、
そこには共通した
設計の工夫があります。
・光が強すぎず、
柔らかくコントロールされている
・視線の抜けや
奥行きが意識されている
・動線が整理され、
無駄な動きが生まれない
・素材が主張しすぎず、
空間全体に馴染んでいる
これらは、
日本の伝統的な住空間が
大切にしてきた
考え方と重なります。
和室、縁側、坪庭、土間。
それらは単なる様式ではなく、
人の感覚に寄り添うための
合理的な空間でした。
和モダンとは、
その本質を
現代の暮らしに合わせて
再構築することだと
考えています。
和モダンは「所作」を整える住まい
やまぐち建築設計室では、
和モダン住宅を設計する際、
必ず意識していることが
あります。
それは、
この空間で、
どんな行動や時間が
生まれるのかという視点です。
・玄関で靴を脱ぎ、
気持ちを切り替える
・リビングに入った瞬間、
自然と呼吸が深くなる
・食事の時間が、
慌ただしくならない
夜、照明を落とし、
一日を静かに終える・・・。
和モダンの住まいは、
人の所作や感情を、
穏やかな方向へ導いてくれます。
だからこそ、
表面的なデザインだけを
真似しても、
本当の心地よさは生まれません。
和モダンとは、
暮らし方そのものを
設計することなのです。
和モダンと
ホテルライク住宅の共通点
近年、
ホテルのような家に住みたい
というご要望も増えています。
実はこのホテルライクな住まいは、
和モダンと非常に
相性が良い考え方です。
ホテルが心地よく感じられる理由は、
・情報量が抑えられ、
空間が整理されている
・動線が明確で、
無意識に使いやすい
・光・素材・音が
一体で設計されている
といった点にあります。
これらは、
和の住空間が
古くから大切にしてきた
価値観でもあります。
和モダン×ホテルライクの住まいは、
非日常を演出するための
空間ではなく、
日常を整えるための住まいです。
奈良という土地と、
和モダン住宅のつながり。
やまぐち建築設計室が
拠点とする奈良は、
和モダン住宅と
非常に相性の良い
土地柄だと感じています。
・長い時間をかけて
育まれてきた風景
・低層の街並みと、
空の広がり
・派手さよりも、
落ち着きを大切にする文化
奈良で和モダン住宅を
建てることは、
単に「和風デザインを選ぶ」
ということではありません。
この土地の空気感に寄り添いながら、
暮らしの質を静かに
高めていく
選択だと考えています。
和モダン住宅で後悔しないために
和モダン住宅は、
言葉やイメージだけで
進めてしまうと、
完成後に
違和感が残るかも知れません。
本当に大切なのは、
目に見えにくい部分です。
・日々の生活動線は
整理されているか
・収納は暮らし方に
合っているか
・光と影が、
時間とともに美しく変化するか
・将来の暮らしの変化にも
対応できるか
こうした点を
丁寧に積み重ねていくことで、
和モダンは
「長く愛される住まい」になります。
和モダンとは、
暮らしを整える知恵
和モダンとは、
流行や装飾ではありません。
人の感覚を大切にする、
日本の住まいの知恵です。
住まいは、人生の器。
その器が整うことで、
日々の時間や心の状態も、
自然と整っていきます。
やまぐち建築設計室は、
設計という仕事を通して、
「和モダン」という思想を
丁寧に形にしていきます。
資料請求・ご相談は
お問合せフームからどうそ。
やまぐち建築設計室|公式ホームページ
https://www.y-kenchiku.jp
○関連blog
奈良で叶える数寄屋・和風住宅の設計美学|屋根・外壁・間取りから玄関まで、高級和モダンの家づくりを暮らしの心地よさを踏まえて建築家が適切な提案設計を。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail610.html
○関連blog
和モダンの静けさが暮らしを整えるホテルライクな心地を生む動線と間(ま)のデザイン。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail648.html
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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