ブログ・コラム
2025.12.12
在宅ワークに適した間取りの考え方・仕事と暮らしを無理なく整える住まい設計のポイントとQ&A。。
- カテゴリ:
- 家 住まい 間取り プラン
在宅ワークに適した間取りとは?。
仕事と暮らしを無理なく
両立させる
住まい設計の考え方。

※仕事に集中できる環境は、
机の大きさではなく
「空間全体の整え方」で決まります。
在宅ワークが特別な働き方ではなく、
日常の一部として定着した今。
住まいには
「くつろぐ場所」としての
役割だけでなく、
働く環境としての性能も
求められるようになりました。
・家で仕事をすると集中できない
・仕事が終わっても気持ちが切り替わらない
・生活音や家族の気配が気になる
・ダイニングテーブルでの作業に限界を感じている
こうした悩みを抱えながら、
「仕方がないもの」と
受け止めている方も
多いのではないでしょうか。
しかし多くの場合、
その原因は
働き方や努力不足ではなく、
住まいの間取りや環境が、
今の暮らしに
合っていないことにあります。
今回のblogでは、
新築・リフォーム・自宅での仕事や
開業を検討されている方に向けて、
在宅ワークに適した
間取りの考え方を
建築家の視点から、
少し書いてみたいと思います。
なぜ今「在宅ワークと間取り」が
重要なのか?。
店舗や事務所付き住宅は
今までもありましたが、
基本的に住まいは、
「外で働き、家で休む」ことを
前提につくられてきました。
しかし在宅ワークが増えたことで、
住まいの中に
仕事の時間が入り込み、
暮らしと仕事の境界が
曖昧になっています。
この境界が
整理されていない住まいでは、
・常に仕事のことが頭から離れない
・家にいても気持ちが休まらない
・家族との時間にも影響が出る
といった状態になりやすくなります。
だからこそ、
在宅ワークでは
仕事と生活を空間で切り替えられる
設計が重要になります。
在宅ワークに必要なのは
「書斎」よりも「環境設計」。
在宅ワークというと、
「書斎をつくるべきかどうか」
という相談をよく受けます。
もちろん個室の書斎が
有効な場合もありますが、
本当に大切なのは
仕事に集中できる環境が
整っているかどうかです。
具体的には、
・安定したインターネット環境
・パソコンやモニターの配置
・電源コンセントや配線計画
・書類や備品を整理できる収納
・オンライン会議を想定した音や背景への配慮
これらは、
設計段階で考えておくことで、
住み始めてからの
ストレスを
大きく減らすことができます。
仕事の内容によって、
理想の間取りは変わるということ。
在宅ワークと一言でいっても、
仕事内容によって
求められる空間は異なります。
例えば、
・オンライン会議が多い
・声を出す仕事が中心
・守秘義務のある業務を扱う
このような場合は、
音や視線を遮れる
個室性の高い空間が必要です。
一方で、
・資料作成
・事務作業
・短時間の作業が中心
であれば、
LDKの一角や
半個室のような空間でも
対応は可能です。
大切なのは、
どのくらいの集中度が必要な
仕事なのかを整理し、
それに合わせて
間取りを考えることです。
光・音・温度が、
在宅ワークの質を左右する。
在宅ワークでは、
机や椅子だけでなく、
住まい全体の環境が
集中力や疲労感に大きく影響します。
・自然光が入る明るさ
・風通しの良さ
・断熱性による温度の安定
・生活音が伝わりにくい配置
こうした要素が整っていることで、
長時間の作業でも
疲れにくくなります。
特に「音」の問題は、
後から対策することが難しいため、
間取り計画の段階での
配慮が重要です。
在宅ワークに適した
間取りの3つの考え方・・・・・。
LDKの一角を使うオープン型
リビングやダイニングの一角に
ワークスペースを設ける方法です。
短時間の作業や、
家族の気配を感じながら
働きたい方に向いています。
ただし、
生活音や視線の影響を
受けやすいため、
集中が必要な仕事の場合は
注意が必要です。
家具や造作で区切る半個室型
収納やカウンターなどで
緩やかに空間を区切る方法です。
・仕事と生活を程よく分けたい
・将来、使い方を変えたい
という方に適しています。
家族構成や
働き方の変化にも対応しやすい、
柔軟性の高い間取りです。
独立した空間をつくる完全個室型
オンライン会議が多い方や、
集中度の高い
仕事をされる方には、
完全個室型が向いています。
扉を閉めることで、
仕事と生活を
明確に切り替えられる点も
大きなメリットです。
限られた面積でも
在宅ワーク空間はつくれる。
個室をつくる余裕が
ない場合でも、
工夫次第で在宅ワークに
適した場所は確保できます。
・階段下
・廊下の突き当たり
・収納横の余白
こうしたスペースを活かし、
造作家具でデスクや
棚を設けることで、
集中しやすい
ワークスペースになります。
注文住宅やリフォームでは、
こうした細かな設計の積み重ねが、
暮らしやすさに
大きな差を生みます。
将来の変化を見据えた間取りが大切
在宅ワークに
限ったことではありませんが
間取りは、
「今」だけでなく、
将来の暮らしの変化も
見据えて考える必要があります。
・子どもの成長
・働き方の変化
・自宅での仕事や開業
こうした変化に対応できるよう、
用途を切り替えられる
余白を持った設計が理想です。
リフォームや
自宅開業にも共通する考え方
在宅ワークの環境づくりは、
新築に限った話ではありません。
・今の家で仕事がしづらい
・自宅の一部を仕事場にしたい
・仕事と生活を無理なく分けたい
こうした場合も、
間取り・動線・音・視線を
整理することで、
住まいの使い勝手は
大きく改善します。
これまで、在宅ワークに関して
質問をいただいた内容には
以下のようなものがあります。
在宅ワークに適した間取りについて
Q1. 在宅ワークに適した間取りとは、
どのような考え方ですか?
A.
在宅ワークに適した間取りとは、
単に書斎を設けることではなく、
仕事と暮らしの時間を
空間で切り替えられる設計のことを指します。
集中が必要な仕事には
音や視線を遮れる配置を、
短時間作業には
生活動線に近い場所を選ぶなど、
仕事内容や生活リズムに合わせて
間取りを考えることが重要です。
Q2. 在宅ワークには、
必ず個室の書斎が必要ですか?
A.
必ずしも個室の書斎が
必要というわけではありません。
オンライン会議が多い場合や、
守秘性が求められる仕事では
個室が有効ですが、
資料作成や事務作業が中心であれば、
LDKの一角や半個室の
ワークスペースでも十分対応できます。
大切なのは、
仕事に必要な集中度に合った
空間を選ぶことです。
Q3. 在宅ワークの間取りで
失敗しやすいポイントは何ですか?
A.
よくある失敗としては、
次のような点が挙げられます。
・生活音が多い場所にワークスペースを設けてしまう
・コンセントや配線計画が不足している
・仕事と生活の切り替えができない配置になっている
これらは住み始めてから
気づくことが多いため、
設計段階での配慮が非常に重要です。
Q4. 限られた床面積でも、
在宅ワーク用のスペースはつくれますか?
A.
はい、可能です。
階段下や廊下の突き当たり、
収納横の余白などを活用し、
造作デスクや
収納を組み合わせることで、
コンパクトでも
集中しやすい
ワークスペースをつくることができます。
新築だけでなく、
リフォームでも
対応できるケースは多くあります。
Q5. 在宅ワークを考えた間取りは、
将来の暮らしにも対応できますか?
A.
対応できます。
むしろ、
将来の変化を見据えて
設計することが重要です。
最初はワークスペースとして使い、
将来的には子ども部屋や
趣味室、収納として使えるよう、
用途を固定しすぎない間取りにしておくと、
長く使い続けることができます。
Q6. 新築だけでなく、
リフォームでも在宅ワーク環境は整えられますか?
A.
はい。
リフォームでも十分に可能です。
間取りの見直しや、
動線・音・視線の整理を行うことで、
今の住まいでも
在宅ワークに適した
環境を整えることができます。
「今の家で仕事がしづらい」と
感じている場合は、
リフォームという選択肢も
検討する価値があります。
Q7. 在宅ワークの間取りは、
どのタイミングで相談するのが良いですか?
A.
できるだけ早い段階での
相談をおすすめします。
特に新築の場合は、
基本設計に入る前に
働き方や生活リズムを整理しておくことで、
後悔の少ない
間取りにつながります。
やまぐち建築設計室の住まいづくり
やまぐち建築設計室では、
間取りを考える前に
暮らし方・働き方
価値観の整理を大切にしています。
在宅ワークは、
書斎をつくることが目的ではなく、
無理なく働き、
無理なく暮らすための
環境づくりです。
新築・リフォーム・自宅開業まで、
住まいに関する
ご相談を承っています。
在宅ワーク時代の住まいとは
在宅ワークが
日常となった今、
住まいの間取りは
仕事の質にも、
暮らしの質にも直結します。
仕事と生活を空間で切り替え、
自分と家族にとって
心地よい環境を整えること。
それが、
これからの時代に
求められる住まいのかたちです。
これまで、在宅ワークに関して
質問をいただいた内容には
以下のようなものがあります。
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