ブログ・コラム
2025.12.02
高級和モダン住宅のつくり方|敷地・動線・素材を読み解き「美しく暮らす家」を叶える設計思想と暮らしの工夫提案。
- カテゴリ:
- 和モダン思想
和モダンやホテルライクな住まい。
そこに流れる空気は、
ただの「おしゃれ」ではありません。

※吹き抜けの大開口から光がそっと降り注ぐLDK。
一部細工を施したウォールナットの深みある木質天井、
石貼りの壁面がつくり出す陰影が、
ホテルライク×和モダンの
上質な空気を育てるLDKデザイン過去事例。
光の温度、
陰影の柔らかさ、
素材の質感、
動線の静けさ・・・・・。
そうした要素が
ひとつひとつ重なり合って、
心が落ち着く「美しい暮らし」が
生まれます。
しかし、
多くのご家族がその理想を
描く一方で、
必ずと言ってよいほど
いくつかの不安も抱えています。
この敷地(敷地)で
理想の家は本当につくれるのだろうか。
和モダンやホテルライクは、
コストが高くなりすぎないか?。
間取り動線や収納、
子育て、将来の暮らし方まで
考えられる?。
和風の家は暗くなりそうで心配。
天然素材は
メンテナンスが大変では?。
これらは、
これまでやまぐち建築設計室が
数多くの相談を受けてきた中で、
実際に多くのご家族から
寄せられた「本音のお悩み」です。
今回のblogでは、
和モダン住宅を多く手掛ける中での
解決策から、
土地の読み解き
暮らし方の整理・素材選定
光の設計
といった視点から、
こうした不安の「解消」にも
お役に立てればと思います。
「不安の理由を知ること」
「それをどう設計で解消できるかを知ること」
この二つが揃うと、
住まいづくりは驚くほど
安心して進められます。
どうか肩の力を抜いて、
ゆっくり読み進めていただければと
思います。
なぜ、
和モダン住宅には
計画前にも多くの「不安」が
つきまとうのか?。
和モダン住宅には、
洋風住宅とは異なる
独特の「構造美」「造形美」があります。
「余白」「陰影」「静けさ」「奥行き」。
これらが建物の印象を
大きく左右するため、
SNSや雑誌で見る
美しい写真にイメージが引っ張られ、
本当に我が家でも
こんな家になるのだろうか?。
という不安を抱きやすいようです。
しかし、
実際に設計相談の場では、
何よりも先に
敷地の特性と暮らし方が「最適解」を
導いてくれるとお伝えします。
たとえば、
・日当たりの弱い敷地:
光を取り込みやすい
あえて低い位置に窓を設ける。
・隣家が迫る敷地:
視線を遮りつつ、
天井方向へ抜けをつくり
空間を伸ばす。
・狭小地:
間接照明と水平ラインで
空間を広く見せる。
・変形地:
敷地の角度そのものを「余白」に
見立てたデザインを検討。
「難しい敷地」ほど、
設計力の見せどころが増えます。
やまぐち建築設計室では、
住まい手さんの価値観や
暮らしの趣から
土地が持つ可能性を最大限に読み解き、
そこから最も美しく
暮らしやすい「カタチ」となる造形を
引き出す設計を行っています。
敷地の広さとの関係。
和モダン住宅は
25〜30坪でも美しく成立します。
よく耳にするのが、
和モダンの家は
広い敷地が必要なのでは?
というご相談。
結論から申し上げると、
広い敷地は「あれば便利」ですが、
必須条件ではありません。
むしろ、
25坪〜30坪前後のコンパクトな家こそ、
和モダンの要素が
美しく活きることも多いものです。
●天井の高さを調整して
伸びやかな空間をつくる。
● 視線の抜けを計算し、
実際以上の広がりを感じさせる。
● 中庭・坪庭を取り入れて
光と風を柔らかく通す。
● 一直線にならない
くの字動線で立体感をつくる。
● 隣家からの視線は
木格子で穏やかに遮り、
落ち着いた佇まいに調整する。
このように、
敷地の大小よりも
「光」「風」「視線」「高さ」「素材」
といった建築的要素の「調整」こそ
和モダンの佇まいと暮らしには
重要です。
どんな敷地にも
“その土地にしか出せない
表情があります。
高級住宅は「豪華さ」ではなく
質の良いシンプルさが大事。
高級住宅と聞くと、
「高額=豪華」というイメージが
先行しがちです。
しかし、やまぐち建築設計室考える
高級な住まいとは、
不要なものを削ぎ落とした、
質の高いシンプルさを
軸にした住まいです。
●建具の線を丁寧に揃える。
●照明位置を慎重に選び、
柔らかな陰影をつくる。
●木の色、石の色、
壁の色を美しく調和させる。
●質の悪い派手さではなく
素材の美しさを感じる空間に。
●必要な収納を確保し、
生活感を外に出さない・・・。
これらは、
豪華さとは真逆の世界観ですが、
住み続けるほどに
「よい家だ」と
実感できる要素です。
さらに、
費用のコントロールも
取捨選択と優先順位の整理で
大きく変わります。
・素材はどこにこだわるべきか
・どこは賢くコスト調整できるか
・照明計画はホテルライクの
雰囲気づくりに最も費用対効果が高い
・壁や天井の配色で
空間の高級感は大きく変わる
こうしたバランスを
丁寧に整えていくのが、
高級和モダン住宅を成立させるカギです。
暮らしが整う家は、
収納と動線の「見えない設計」が
支えています。
高級住宅の満足度は、
見た目ではなく
「動線と収納の完成度」で決まる
と言っても過言ではありません。
日々の家事動線が適切であること、
必要な場所に必要な収納があること、
片付けやすさが
自然と実現されていること・・・・・。
これらは「住んでからの満足度」に
直結します。
キッチン → パントリー → 水回り の連携
● 回遊動線も検討して家事に最適な距離を。
● 玄関収納・土間収納・外構と室内の連携。
● WIC/ファミクロを
ただの収納部屋にしない配置計画。
● 子育て中は散らかりにくく、
将来はシンプルに暮らせる可変性を。
住まいは暮しやすさが大事ですが
和モダン住宅は特に
生活感を美しく隠す設計が求められます。
そのためにも、
生活動線と収納計画が重要です。
家族が自然と片付けられる家は、
住む人を美しく見せる家
でもあります。
和の静けさ × ホテルライクの軽やかさを
両立する設計。
和モダン住宅の魅力は、
「静けさの中にある上質さ」。
しかし、
それだけでは重く見えてしまう
ことがあります。
現代的な「軽やかさ」を加えることで、
より美しい和モダンが成立します。
●間接照明を使い、光を「にじませる」。
● 天井の高さを抑えつつ、
水平ラインで奥行きを演出する。
● 木質+グレーの淡いコントラストで
気品をつくる。
● ストーン調の仕上げで
高級感と落ち着きを両立。
● 中庭・坪庭の緑が空間全体を整える
どんなデザインでも、
住む人の生活が主役となります。
だからこそ、
過度な装飾よりも「自然な美しさ」を
優先します。
和モダンと
ホテルライクを組み合わせると、
日常がひとつ上の
ステージにあるような感覚が
生まれます。
メンテナンスの不安。
実は「今の素材」はとても強い。
天然素材は手入れが大変、
というイメージがあります。
しかし、
現代の素材は性能が
大きく向上しており、
必要以上の心配は不要です。
●和紙・和紙クロスの耐久性アップ。
● 塗り壁の消臭・調湿性。
● 木材の経年変化はむしろ
味わいとして美しく育つ。
● 高耐久のフロア材や石材との
組み合わせ。
● 水回りや汚れやすい部分は
メンテのしやすい素材に切替。
素材の選び方ひとつで、
長く美しく住める家になります。
とくに高級住宅を検討される方は、
「時間の経過で美しくなる素材」
との相性がとても大事です。
住まいが「古くなる」のではなく、
「育つ」感覚を楽しめるのが
和モダン住宅の魅力です。
やまぐち建築設計室が
設計を手がけた実例に見る、
和モダン住宅の最適解。
これまで設計してきた住まいの中には、
敷地条件やご家族の暮らし方から
必然的に和モダンになった
という事例も多くあります。
・狭小地 × 木格子 × 中庭
コンパクトな敷地でも、
格子の取り入れ方ひとつで視線の抜けが変わり、
光と風が心地よく巡る家に。
・グレー×木質のホテルライクリビング
照明計画と素材の組み合わせで
高級感を演出しながらも、
暮らしの導線は極限までシンプルに。
・高低差のある敷地を活かした平屋
段差や地形を「欠点」ではなく
立体感のあるプランとして
活かした例。
・光が入りにくい敷地での「陰影の家」
あえて光を抑え、
柔らかな陰影を主役にした住まい。
どの事例にも共通しているのは、
敷地のクセを「強み」に変える設計。
その土地でしか生まれない表情が、
住まいの価値を
より深いものにします。
不安は設計で解消できます。
和モダン住宅や
高級住宅を計画するとき、
「本当に大丈夫だろうか」
という不安がつきものです。
しかし、不安は家づくりの
スタートラインです。
その不安をひとつずつ
丁寧に解きほぐすことこそ、
良い家づくりの
第一歩だと考えています。
・土地の条件は不利ではなく、
設計の素材になる。
・高級住宅は豪華ではなく
質の良いシンプルさ。
・収納と動線が
暮らしの質を大きく左右する。
・和モダン×ホテルライクは
美しく両立する。
・素材は現代の技術で
育つ家へと進化している。
そして、
どのご家族にも必ず
その家族にしかない最適解があります。
やまぐち建築設計室は、
その最適解を丁寧に
導き出すお手伝いをしています。
どんな家が自分たちに
合っているのか分からない。
敷地を見て、
具体的な可能性を知りたい。
和モダンやホテルライクに
興味があるが、
イメージが固まらない・・・・・。
そのような段階でも構いません。
やまぐち建築設計室では、
敷地調査や
暮らし方のヒアリングを
丁寧に行い、
あなたらしい住まいが
どこにあるのか、
じっくりと考えていきます。
あなたとご家族の未来の暮らしが、
ここから静かに
始まりますように。
暮しを丁寧に考えてみませんか?。
○関連blog
原点回帰という訳ではありませんが住宅設計と暮らしの趣に和風住宅の存在と過ごし方のイメージ、旅館のように暮らす過ごし方も和の設計デザインで満たされる空間に。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail179.html
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低い家具と配置の工夫で叶える広がりのある住空間、住まい造りやインテリアの要素に視覚効果でつくる上質で快適な暮らしの設計と過ごし方の意識を心地よくする家具のレイアウト。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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