ブログ・コラム
2025.11.15
暮らしの質を決める「間取りの設計哲学」― 動線・光・収納を整え、未来まで美しく続く住まいをつくるように。
- カテゴリ:
- 過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り
間取りの本質を整える
未来の暮らしが美しく続く家づくりの考え方
注文住宅の「間取り」は、
単なる部屋の配置図ではありません。

※暮らしの質を軸に図面を重ねながら、
動線・採光・収納・敷地条件をカタチにする設計プロセス。
家族がどのように生き、
どのように時間を紡ぎ、
どのように未来へ歩んでいくのか?
その暮らし方の「設計図」となるものです。
やまぐち建築設計室では、
間取りを「図面」ではなく「生き方」から考えます。
だからこそ丁寧なヒアリングと、
暮らしの価値観に寄り添う対話を重ね、
あなたの家族だけの「最適解」を
導き出していきます。
今回のblogでは、
家づくりを検討する多くの方が
見落としがちなポイントを、
建築家としての視点から深く掘り下げます。
間取りで後悔しないために、
そして暮らしの質を
最大限に引き上げる事ができるように。
家族の希望を「みえる化」することから、
家づくりが動き出す。
家づくりは、
家族の未来を形にする
プロジェクトです。
しかし、
家族の意見は必ずしも
一致するとは限りません。
価値観、生活リズム、
こだわり・・・・それぞれが
違う人間だから当然です。
やまぐち建築設計室では
家族で話し合わないと書くことが出来ない
「住まい造りのチェックシート」をお渡しして、
朝起きてから夜寝るまで、
平日と休日の動き、趣味・価値観
生活動線まで徹底的に書き出していただきます。
これは、単に「希望を聞くため」
ではありません。
✔ 本当に必要な空間とそうでない空間を見極めるため
✔ 家族の優先順位を整理し、対立を防ぐため
✔ 設計の起点となる「暮らしの軸」を明確にするため
これらを「みえる化」することが、
失敗しない間取りを生み出す為に
ご家族の意見の違いを確認する為の
ステップです。
まずはご家族の中で
どのような価値観の違いがあるのか?
それを「家族の中」で
知ることが重要なんです。
間取りで最も重要なのは「動線」の設計。
間取りは、
動線計画でその価値が
決まると言っても過言ではありません。
〇家事動線
〇生活動線
〇通勤動線
〇衛生動線
〇来客動線
これらの優先順位が
整理されていない間取りは、
暮らしにストレスを生みます。
特に家事動線と生活動線は
暮らしの質を大きく左右します。
動線が整った家は、
無駄な動きが消え、
時間が「ゆとり」へと変わります。
また、
来客が多いご家庭では
来客動線にも配慮が必要です。
来客によって
家族の動きが制限される・・・・・。
そんなことがないよう、
家族の生活が守られる間取りを軸に
空間を構成します。
玄関の配置は「家全体の質」を左右する
玄関は、
間取りの起点となる重要な要素です。
〇道路との関係性
〇駐車スペース・駐輪スペースからの動線
〇来客ルート
〇プライベートの入り方
さらに、
〇ウォークスルー型のSC(シューズクローク)
〇家族用/来客用の動線分離
〇土間収納の必要性と生活習慣
これらを総合的に判断しながら、
家族の動きを
美しく整理整頓できる玄関を
設計します。
土地の条件と
周辺環境は「間取り」という
答えを変える・・・・・。
土地は一つとして
同じものがありません。
日当たり、風向き、
隣家の配置、道路との関係、
視線の入り方・・・・・。
そのため、
間取りは土地を見てからが本番です。
例えば、
〇外からの視線が気になる → 中庭型プラン
〇日当たりの良い方向が道路側 → 逆転プラン
〇西日が強い敷地 → 深い軒や袖壁でコントロール
〇車通りの多い道路 → 騒音対策・窓配置の工夫
敷地を読む読み解く力と
暮らしをその環境に融合させる
設計力が重要です。
暮らしの快適性を決める「光と風」。
採光と風通しは、
快適性の根幹です。
〇リビング
〇ダイニング
〇キッチン
〇和室
〇中庭
〇吹抜け
これらの関係性が整うと、
家全体に「呼吸」が生まれます。
逆に光の入り方が悪いと、
どれほど高級な素材を使っても
本質的な心地よさは生まれません。
未来の家族の姿を見据えた
「可変性のある間取り」
家族の変化は必ず訪れます。
〇5年後の暮らし
〇10年後の暮らし
〇子どもが巣立ったあとの暮らし
〇老後の暮らし
〇介護が必要になった時の暮らし
未来の変化に対応できる間取りこそ、
価値の落ちない家です。
変化に耐えられない間取りは、
必ずどこかで不自由が生まれます。
家具レイアウトまで
設計に組み込むという発想。
間取りで最も失敗しやすいのは
家具の配置。
家具を置いた瞬間、
空間はまったく別物になります。
だからこそ、
〇窓と壁の比率
〇コンセント位置
〇扉の開閉方向
〇家具のサイズ
〇テレビやソファの角度
〇ダイニングの照明高さ
これらを「家具を置いた後の空間」を
想像しながら設計します。
家具もまた「建築の一部」 として
設計する。
高級住宅の設計では、
特に注意が必要です。
吹き抜け・リビング階段の
美しさとリスク。
吹き抜けは美しく、開放的です。
しかし、
音や温度差が伝わりやすいという
側面もあります。
〇メリット
〇デメリット
〇家族の生活時間帯
これらすべてを考慮し、
あなたの暮らしに
本当に必要な吹き抜けなのか?
を吟味していきます。
収納は「量」ではなく
「場所」と「意味」で決まる。
収納で失敗する大きな理由は、
「片付けるモノ」と
「収納場所」の一致が甘いこと。
どのタイミングで
誰が
どの動線で
何を片付けるのか
このリアルな生活動線が
見えていなければ、
収納はただの「物置」になります。
最後の落とし穴として
コンセントの位置と数・・・・・。
多くの方が図面だけを見て
コンセント数の内容に
安心してしまいますが、
実際の暮らしでは
コンセント位置関係が最も
使いづらさを生み出す要因です。
〇延長コード
〇家電の配置転換
〇掃除のしにくさ
〇見栄えの悪さ
これらを防ぐためには、
現場での実寸確認が
何よりも重要です。
暮らしの中にある本質を
見つめられる設計者と出会うこと。
間取りの正解は
一つではありません。
しかし、最適解という
間違いのない「考え方」は存在します。
それは・・・・・。
生活者としての視点で
間取りを考えられること。
図面の上では見えないこと。
実際に暮らすからこそ分かること。
家族の未来に寄り添うために必要なこと。
やまぐち建築設計室では、
それらを大切にしながら、
暮らしの本質を整える
家づくりをご提案しています。
家とは人生そのもの。
だからこそ丁寧に、
あなたの暮らしにふさわしい
間取りを描いてみませんか?
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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