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ブログ・コラム

2025.11.13

ヌックで後悔しない間取り設計|奈良で叶える“暮らしやすさ”と癒しを育む和モダンの小さな空間デザイン

カテゴリ:
過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り

暮らしを豊かに彩る小さな癒しの場所、

ヌックの失敗と

後悔しないためのポイント。

 

住宅づくりをお考えの皆さまへ。

日々の暮らしの中で、

「自分だけの一息つける場所」が

あるかどうかで、

住まいの満足度は大きく変わります。

 

大きな窓辺にヌックを備えた和モダンのリビング空間。落ち着いたグレーを基調としたソファ、造作テレビボード、壁面収納、間接照明が織りなす上質なインテリア。自然光の入る窓際ベンチが“暮らしやすさ”と“癒し”を兼ね備えた間取りをつくる、やまぐち建築設計室の注文住宅デザイン。奈良で和モダン・ジャパンディ住宅を検討する住まい手に向けた参考事例。

※自然光が柔らかく差し込む窓辺のヌックと、

落ち着いたトーンでまとめた和モダンのリビング。

造作収納や間接照明を組み合わせることで、

暮らしやすさと上質さを両立した、

空間デザイン提案。

 

家づくり=大きなインテリア、

間取り、収納・・・・。

といった項目に目が行きがちですが、

それらを越えて「心のゆとり」を

生むのが、ヌック(nook)という名の

小さなコーナーです。

 

奈良県で和モダン住宅や

ジャパンディスタイルを中心に

住宅設計を手掛ける

やまぐち建築設計室として言えば、

ヌックは「暮らしの余白」として、

住まいをより豊かに、

より「自分らしく」するための

キースペースです。

 

しかしながら、

作ったけれどあまり使わなかった。

デザインはいいけれど落ち着けない

そういった後悔の声が出ないように、

後悔しないヌックのつくり方を、

建築家の視点で

丁寧に書いてみたいと思います。

 

住宅取得・土地探し

設計監理・竣工後の暮らしと進む中で、

ぜひ今のうちに「ヌックという間」を

知っていただけたらなと思います。

 

ヌックとは?

小さくて居心地のよいコーナーで

暮らしにゆとりを。

 

住宅用語としての「ヌック」は、

リビングの一角・窓際・階段下など、

住まいの中で位置づけられた

「小さくて落ち着ける場所」の事です。

 

読書、趣味、流し読みの時間、

子どもの遊び場、

あるいは夫婦それぞれのひととき。

そんな「自分だけの居場所」を

創出することが出来る場所。

 

季節の移ろいや自然光、

空間を自分の尺度にあわせるような

心地良さを活かした間取り設計なら、

この「ヌック」は

単なる付加価値ではなく、

住まいの質を高める要素になります。

 

特に土地価格が上がる郊外や住宅街では、

わずかなスペースを

どのよう活かすかが

住宅成功の鍵です。

 

ヌックは、

ある意味では

デッドスペースを活用しながらも、

住まいに個性と安らぎを

もたらします。

 

ヌックを取り入れるメリット

 

小さくても、

暮らしに与える影響は大きいという事。

 

プライベートな「癒しの時間」を確保

ご夫婦やお子さま、

ご両親との暮らし・・・・・。

どれもかけがえのない時間です。

 

しかしながら、

忙しい日常の中で

「自分だけの静かな時間」が

持てるかどうかが、

長く住み続けたときに

満足感を左右します。

 

ヌックがあることで、

誰かと一緒にいながらも

個を保てる空間が生まれ、

家族関係にもゆとりが深まります。

 

デッドスペースを

「価値ある場所」に変える。

 

階段下、窓サッシ脇、吹き抜け下、

廊下の端。

 

こうした「余白」を活かして

ヌックを設けることで、

限られた敷地・建築予算の中でも

家全体の満足度を上げられます。

 

インテリアのアクセント&ブランド化

ヌックは、

住まいの「スキマ」にこそ、

デザインの力が発揮されます。

 

和モダン・ジャパンディを

志向する住まいならば、

木・和紙・板張り・障子などの

素材を用いて、

「静」「風」「影」の要素を

持たせたヌックが、

住まい全体の品格を引き上げます。

 

実際、

北欧ブランド家具や高品質素材を

採用された住まい手さまからも、

ヌックが気に入って

毎日使っていますという声を

頂いています。

 

ヌックの注意点(失敗しやすいポイント)

作るだけでは

使われない空間になります。

 

ヌックを設置しても

使われなくなる原因は、

概ね以下のように整理できます。

 

場所選びのミス

例えば、

  • 家族の通行が多い動線上
  • リビングの雑音が届く位置
  • 日当たり・風通しが悪い場所
  • キッチンのすぐ隣で生活感が強すぎる
  • トイレや洗面と近すぎて落ち着かない

こうした場所に

ヌックをつくると

落ち着けないコーナーになり、

結果的に使われなくなってしまいます。

 

サイズ・寸法が曖昧

SNSなどで見る「かわいいヌック」は

あくまでビジュアルスタイルの一例。

 

実際には、

  • 座った時に足が伸ばせない
  • ベンチの奥行きが浅く窮屈
  • 天井が高すぎて落ち着かない
  • 照明が暗すぎて昼寝や読書に適さない

といった

「身体寸法・照明計画・天井高さ」が

合っていない例が

後を絶ちません。

 

用途が定まっていない

なんとなく

居心地いい感じがしそうだからと、

ヌックを設けても、

用途が決まっていないと

使われません。

 

用途が明確であれば、

設計も具体的にできます。

  • リラックス読書用
  • 夫婦二人の珈琲タイム用
  • 子どもの遊び場/学習コーナー
  • テレワークミニスペース
  • ペットとの時間用

用途を決めずにつくったヌックは、

リビングの雑多なものや

洗濯物の仮置き場のような

ソファのように

気がつけば「雑多な物置き」に

変わってしまうことがありますから。

 

採光・通風・照明が不十分

ヌックは「こもる」空間ゆえに、

周辺の環境計画が甘いと、

  • 冬場に冷気が溜まる
  • 夏に熱がこもる
  • 照明が足りず読書に向かない
  • 音が響く

など「使いにくさ」に繋がります。

 

奈良県特有の気候を考えると、

設計時に必ず断熱

通風・窓の配置を意識すべきです。

 

後悔しないヌックの設置を成功させるために

建築家・設計者の視点から・・・・。

 

用途を最初に決める

ヌック設計の

出発点は「用途の明確化」です。

 

用途が決まれば、

自ずとサイズ・位置・素材

照明が決まります。

  • 読書用窓際ベンチ+本棚+柔らか照明
  • 子ども学習用奥行き確保+収納+脚元暖房
  • テレワーク用コンセント・WiFi・遮音を含めた設計
  • 夫婦の珈琲タイム用緑を眺められる窓・ゆったり座面

用途が「定まらない+後から決める」という

設計パターンでは、

どうしても後悔が生まれます。

 

家族の動線から

少し離した「静けさ」を確保

 

ヌックは「静かな隣り合い」もポイントです。
家族の主動線

LDK→水回り/玄関廊下)から

適度に距離を取り、
「家族と過ごしている安心感」と

「自分だけの時間」の

バランスを保てる場所として。

 

例えば、

リビングから直接視線が届かず、

かつキッチンからの

音が届きにくいコーナー。

 

そんな場所を

家具の検討やインテリアの検討と含めて

間取りの設計段階から

探しておくことが大切です。

 

採光・通風・窓の配置を丁寧に設計

奈良県の気候では、

冬の底冷え対策と、

夏の風の通り道確保が重要です。

 

ヌック設計では

次のような点を意識します。

 

朝の柔らかい光が

入り込む位置関係を選ぶ

 

窓のサイズを小さくしつつ、

外との視線をほどよく保つ

 

ベンチを窓際に設けて、

外の景色を「座って楽しむ」仕掛けに

 

通風を確保するために、

小開口や高窓を併用する。

 

冬場冷気が溜まりやすい

窓下や吹き抜け直下は避ける、

若しくは断熱を強化する。

 

こうした設計を怠ると、

見た目は素敵でも

使いにくいヌックになりかねません。

 

素材・仕上げが「居心地」をつくる

ヌックとは

触れて・座って・寛ぐ場所です。

 

だからこそ、

素材と仕上げは

慎重に選びたいところです。

 

無垢の木のベンチ

和紙クロス・漆喰壁の質感

柔らかい間接照明(LEDライン/和紙ランプ)

ファブリッククッション・ブランケットのある仕様

引戸や格子で軽く仕切る選択肢

 

やまぐち建築設計室の設計では、

こうした素材的な「質の差」が、

ヌックの満足度を

左右するポイントだと捉えています。

 

サイズ設計は「身体寸法」ベースで

かわいい写真=そのままの寸法で再現

では危険です。

 

実際には「人がどう使うか」を想定して、

設計されるべきです。

 

座って背もたれに

もたれられる奥行き:6070㎝以上

 

ベンチの高さ:

だいたい400450 mm

脚を下ろしたときの座り心地

 

足を伸ばしてくつろぐなら、

横方向1.41.6 m

 

天井高さ:あえて少し低め

にすることで「こもり感」を演出

 

こういう寸法配慮がないと、

すぐ使わなくなるヌックになります。

 

大切にしている視点。

「開く」と「閉じる」の設計バランス

 

ヌックは、

完全に閉じた空間でも、

完全に開いた空間でもありません。

ほどよい閉じ感+開放感を

大切にしています。

 

適度な

囲われ感がある安心できる

 

適度な

視線の抜けがある圧迫感がない

 

例えば、

ベンチ横に格子のフレームを設けて

居場所感を出しつつ、

視線や風の抜けも確保する。

 

こうした設計マインドが、

ヌックの価値を高めます。

 

眺望・季節感・影を設計に取り込む

奈良の自然、

季節の移ろい、

庭とのつながり・・・・・。

 

これらをヌックに取り込むことで、

単に「座る場所」から

時間を味わう場所」へと

変わります。

 

東南窓+木漏れ日による陰影

 

庭の樹木を

ベンチから眺められる配置

 

冬の低い陽を取り込む窓

障子の柔らかい透過光

 

吹き抜けの上部から入る光が

ベンチに落ちる演出

 

こうした設計要素を、

家全体の光・風・影の流れの中で

検討します。

 

冬に使えるヌック=暮らし続けるヌック

奈良県は比較的

温暖な地域とはいえ、

冬の冷え込みや

北風の影響も無視できません。

 

そういえばあまり使っていない

とならないように、

設計段階で以下を検討します。

 

床の断熱を強化(ベンチ+床暖房併用も検討)

 

外壁・窓の断熱性能を確認

 

ベンチ部分の下部に

暖気が回るよう動線計画

 

冬季でも陽の恩恵を受ける窓の配置

 

通風と共に風の抜けすぎを

防ぐ設計

 

このように、

「寒いから使わない」にならない

仕組みをつくることが、

末永く愛される

ヌックに変わる鍵です。

 

ヌック設計において重要なのは

次のようなポイントです。

 

隣家側ではなく、

庭・景色・空を向いた位置に設ける

 

気にせず「自分時間」に使えるよう、

落ち着いた位置に配置

 

共有型ヌックも検討する

例:お茶・趣味・読書

 

引越~子ども成長~同居~老後

というライフステージの

変化を見据えた可変性を持たせる

 

やまぐち建築設計室では、

これらを敷地条件

予算・ライフスタイルから

内容を丁寧に読み取って

ヌックが「飾り」ではなく

「暮らしの根幹」になるよう

設計しています。

 

ヌックはただの

かわいいコーナーではありません。

 

暮らしの余白を確保し、

心が整う住まいへと

向かうための設計的な鍵です。

 

これから奈良県で

注文住宅を検討されているならば、

ヌックという

小さな贅沢空間を

ぜひ住まいづくりの中に

取り入れてください。

 

ただ、安易に作るのではなく、

  • 明確な用途
  • 動線と距離感の設計
  • 光・風・素材の質
  • 冬も使える暮らしやすさ

これらを丁寧に積み上げることで、

ヌックは「後悔しない場所」になります。

 

ご相談・資料請求はお気軽に

奈良県の住まい手さまへ、

やまぐち建築設計室では

予約制の個別相談も承っております。

 

あなたとご家族にとって、

本当に使える「ヌック」を。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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やまぐち建築設計室
奈良県橿原市縄手町387-4(1)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
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