ブログ・コラム
2025.10.31
暮らしやすい動線と間取で叶える新築・リフォーム設計。収納・採光・風通しまで整える建築家の空間デザイン
- カテゴリ:
- 過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り
動線と暮らしの空間配置、
住むということを整える設計の根本。
皆さんは、
何のために家を建てますか?。

※暮らしの移動を整える間取り図。
LDK・玄関・収納・家事室・中庭をつなぐ動線が、
家族それぞれの時間を滑らかに紡ぐように設計の工夫施した提案プラン。
この問いに、
すぐに答えられる人は
実は多くありません。
家を建てること自体が目的ではなく、
その先にある「暮らしの質」を
どう描くべきなのか?。
そこにこそ、
家づくりのゴールが隠れています。
やまぐち建築設計室が
考える間取りとは、
単なる部屋の配置図ではありません。
日常という時間をどのように過ごすか?
という事柄をカタチにする、
人生のデザイン図と考えています。
今回のblogでは、
「動線と暮らしの空間配置」
という観点から、
住まいの質を大きく左右する
設計の考え方を紐解いて
みたいと思います。
移動の「ストレス」を設計で減らす
家の中で最も多く
行われている動作は「移動」です。
しかし多くの間取りでは、
この「移動」が軽視されがちです。
部屋の位置ばかりに注目しすぎると、
つながる通路や
使う人の動線が疎かになり、
暮らしの快適さを
損ねてしまうことがあります。
例えばこんな動線・・・・・。
洗濯動線:
洗濯機 → 物干し → 取り込み → アイロン → クローゼット
キッチン動線:
シンク → コンロ → 冷蔵庫 → 配膳スペース
この流れがスムーズであるかどうかは、
暮らしの質に直結します。
曲がり角が多い、
距離が長い、
動きが複雑すぎる・・・・・。
そんな小さな「ひずみ」が、
毎日の積み重ねで
大きなストレスになります。
便利という言葉の裏には、
必ず心理的な快適さがあります。
設計段階で「日常の移動」を
丁寧にデザインすることこそが、
家事や暮らしを支える
見えない贅沢につながります。
収納の「量」よりも「質」を設計する
注文住宅の
失敗例で多いのが「収納不足」。
しかし、
ただ収納を増やせば
良いというわけではありません。
重要なのは、
必要な量を理解したうえで、
使いやすい位置に
設けることです。
現代の暮らしでは、
物が多いほど
片付けが苦痛になります。
「収納が足りない」のではなく、
「持ち物の整理が足りない」ことも
多いものです。
建築家の視点でのポイント
・収納動線を生活動線に組み込む
収納を通過点にすることで
片付ける手間が減少。
・モノの性格に合わせた収納計画
日用品・衣類・季節物など、
用途別に配置する。
・欲張らないことが心地よさに繋がる
収納が多い=安心ではなく、
動線と視界を圧迫することも。
収納の設計は「物」との
付き合い方を
見直す機会でもあります。
自分たちらしい暮らしを
考えるほどに、
本当に必要な空間と、
そうでない空間が見えてくるのです。
音と距離のバランスを整える
「静けさ」は、
心を整える大切な要素です。
家の中の音の配置を無視すると、
どれほど見た目が美しくても
落ち着きません。
たとえば、
寝室が道路側に面していたり、
リビングの裏に洗面室があると、
水音や人の気配が
気になることがあります。
また、
隣家への音漏れを防ぐためには、
防音材だけでなく、
空間の挟み方を
工夫することも効果的です。
音の設計とは、
目に見えない空気の流れを
整えること。
静と動の空間を分け、
必要な距離を保つことで、
家全体に安心の時間が生まれます。
光と風を味方につける配置計画
家づくりの永遠のテーマ、
それが「採光と通風」です。
多くの方が
南向きのリビングを
理想としますが、
実はそれだけでは十分ではありません。
敷地の形や隣家の高さ、
周辺環境によって、
同じ南向きでも
採光条件はまるで異なります。
勿論、建物を建てようとする
地域による差も。
大切なのは、
光と風の「通り道」を
設計で導くこと。
南面リビングだけでなく、
吹抜けや中庭で光を拡散。
風の通りを生むために、
一直線の風道(ウィンドパス)を計画。
遮熱・断熱性能と連動した
快適性のバランス設計。
光や風を設計に取り込むことは、
単なる「快適」ではなく、
時間の流れを感じる
暮らしの演出でもあります。
朝の光、夕方の影、夜の静けさ。
それらが日々の
心地よさをつくり出すという事です。
理解の「質」が、
暮らしの「質」を変える・・・・・。
家の間取りを考えることは、
単に図面を描くこと
ではありません。
間取りというのは
あくまでも
自分たちの暮らし方を理解する
プロセスの一部です。
何を優先するか?
という理解の密度が大切です。
収納や動線、採光や風通しなど、
それぞれの要素を
「暮らしの本質」と
照らし合わせながら整える。
そこに、
心地よさの答えが見えてきます。
住まいとは、
人生を整える器のような装置
という考え方も出来ます。
家づくりの目的は
「家を建てること」ではありません。
その先にある、
「どう生きたいか」「どう過ごしたいか」。
それを形にすることこそ、
家づくりの本質です。
動線を整え、収納を整え、
光と風を整える。
それは単なる設計ではなく、
暮らしの哲学を整える行為。
〇関連blog
人生設計と同様に住まいの間取りにも生活環境を向上させる仕掛けをデザインする間取りの工夫、家電や家具のレイアウト、そして部屋への出入りと共に動線を設計するデザインの工夫と提案の意味。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail364.html
やまぐち建築設計室では、
そんな「暮らしの本質」を
暮らしの価値観や
それぞれの性活文化から
紐解きながら、
住まい手さんの未来に
寄り添う住まいの設計を
心掛けています。
ご質問、ご相談、ご依頼は
ホームページの問い合わせから
気軽にご連絡ください。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
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