ブログ・コラム
2025.07.24
「暮らしと仕事を、美しくつなぐ器|住まい手さん、美容室オーナーと描く“店舗付き平屋住宅”という選択肢での生き方の設計」
- カテゴリ:
- 住まい造りの新築計画打ち合わせ
土地の活用と
店舗付き住宅の設計から考える
平屋の住まい造り。
美容室オーナーと紡ぐ、
無機質でありながら
癒しのある空間設計の第一歩。
※美容室併設の平屋住宅を検討中の住まい手さんと、
店舗空間のイメージを丁寧に共有しながら打ち合わせ中。
無機質でありながら
癒しを感じられる空間づくりを目指し、
ハード面とソフト面を考えながら
素材や光の設計を検討中。
店舗付き住宅という住まいのかたちは、
働き方や暮らし方が
大きく変わるこの時代において、
選ばれる理由があります。
特に好きな場所で
好きな仕事を続けながら、
生活の時間も大切にしたい・・・・・。
そう願う方にとって、
暮らしと仕事が無理なく
共存する設計は、
その人生観そのものを
映し出す鏡のような存在です。
やまぐち建築設計室の事例でも多い
事業所とつながる住まいの空間、
店舗付き住宅の設計。
奈良県某所で
新たに美容室併設の住まいを
計画されている
住まい手さんとの打ち合わせの場面。
土地の選定からはじまり、
まずは店舗空間のイメージづくりへと
歩を進めています。
オーナーと、その右腕となる美容師さん。
二人で資料を見ながら、
空間の雰囲気を思い描き、
想いを言葉にされる様子が印象的でした。
「店舗付き住宅」という選択肢
住まいと職場が近いという豊かさ。
美容室などのサービス業において、
働き手の身体的・精神的な余裕は
施術そのものの質にも直結します。
仕事と暮らしの距離が近いことで、
暮らしの時間と両立しながらも、
プロフェッショナルとしての軸を崩さない。
それをより
その人なりの余裕を生み出すのが、
店舗付き住宅という選択肢です。
今回は平屋の予定。
移動のしやすさ、
導線のシンプルさ、
将来に渡る住みやすさも
見越しての設計予定です。
働きながら
丁寧に暮らしたいという
思いを持つ方には、
非常に有効なスタイルだと
改めて感じています。
土地の特性を活かす設計視点。
方位・動線
駐車スペースの関係性。
今回の敷地は住宅地の一角にありながら、
前面道路の幅も確保されており、
店舗としての出入りも
スムーズに計画できるロケーション。
駐車スペースをしっかり確保しつつ、
来客と生活動線の交差を防ぐ
工夫が必要です。
現在検討中のレイアウトでは、
店舗部分が道路に面し、
プライベート空間が
その奥に展開される構成。
配置計画もそうですが、
待合スペースからの視線の抜け、
自然光の取り入れ方など、
美容室ならではの
設計視点も交えながら、
図面とパースを用いて
確認を重ねる予定です。
「無機質×癒し」を空間でどう表現するか?。
マテリアルと光の選定が鍵・・・。
少し無機質な空間にしたいんです。
でも、お客さまには
ほっとしてもらえるような
雰囲気にしたくて。
とお話くださった
住まい手でもあるオーナーの言葉が
とても印象的でした。
このバランス感覚が、
美容室という業種の特性にもよく
合っています。
非日常の中の安心感。
研ぎ澄まされた空間のなかで、
リセットされる時間。
今回は、
コンクリート系の素材感や
グレイッシュな空間構成などを
基調にしながらも、
間接照明や植栽、
素材の凹凸による柔らかな陰影によって、
空気に“余白”を持たせる
設計をイメージしています。
店舗空間は、
生き方の表現である。
想いを言語化しながら
カタチにする打ち合わせは、
まさに「空間の言語化」の時間。
カタログ等も見ながら、
イメージをすり合わせていく中で、
「こんな光の入り方が好き」
「この床の色が落ち着く」といった
断片的な言葉が、
やがて一つのコンセプトへと
昇華されていきます。
設計者として大切にしているのは、
「引き出すという事」。
図面を描くことだけが
建築家の仕事ではなく、
住まい手が日常のなかで抱えている
小さな“願い”や“こだわり”を汲み取って、
空間に丁寧に反映させること。
「暮らし」と「働き方」の
境界をどのように設計するべきか。
現代の住まいに求められる機能は
年々複雑になっています。
多様な生き方を支えるべく
けれどそれは決して“負担”ではなく、
「暮らしの多様性」に対応する
設計の可能性が広がっているとも言えます。
店舗付き住宅は、
その象徴的なひとつのかたち。
敷地の選定から始まり、
将来を見据えたゾーニング、
動線の工夫、光や風、
素材といった設計要素が
丁寧に積み重なっていくことで、
働くことと暮らすことが
無理なく共存する“住まい”が完成します。
美容室としての「体感設計」。
接客する人、される人、
両方にとって心地よい空間を・・・・・。
美容室という空間には、
独自の「リズム」があります。
施術者が動く範囲、
お客様が視線を落ち着ける位置、
鏡越しに見える背景、
音の響き、
香りの広がり方。
すべてが五感に訴える要素として
設計に影響します。
接客する側とされる側の
両方にとって無理のない動線
視線の設計を心がけ、
シャンプー台とカット台のゾーン分けや、
天井の高さのコントロール、
さらには外光の取り入れ方まで
細やかに検討していきます。
空間は生き方を映す鏡。
美容室という「場」は、
単なる商業施設ではありません。
そこに訪れる人の時間を預かり、
日々の疲れや
気持ちを整える場でもあります。
様々な意味で「リセット」が生まれる空間。
そしてそれを生み出す
オーナーにとっては、
自分の価値観を体現する表現の場であり、
人生そのものと
深く結びついた存在です。
だからこそ設計者として
空間を「生き方の器」として捉え、
その方の想いが
丁寧に形になっていくよう
伴走していきます。
店舗付き住宅のプロジェクトは、
まだ始まったばかりですが、
ここから紡がれる物語に
どのようなシーンを
生み出すべきなのかを丁寧に。
次回はインテリアの要素と
イメージの打ち合わせも兼ねて
「インテリアショールーム」にて
打ち合わせの予定です。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------