ブログ・コラム
2025.07.16
数字ではなく体感で広がる住まいへ。 狭小ワンルーム空間でも上質で美しく暮らせる空間設計の秘密。 建築家がインテリアコーディネートを手がける、グレージュトーンで整えたホテルライクなインテリア設計提案実例と光・視線・余白を活かした空間デザイン術による暮らしの効能。
- カテゴリ:
- インテリア デザイン 家具
ワンルームでも広く・上質に暮らす
空間の印象を変える、
建築家の視点と
インテリアコーディネートの設計。
※グレージュの上質なワンルーム空間
建築家がインテリアコーディネートを手掛けた
ホテルライクな暮らしの実例
統一感あるグレージュトーンで整えたワンルーム空間。
リビング・寝室が一体化した空間でありながら、
家具配置と照明計画、視線設計により
広がりと上質さを兼ね備えた空間に。
住まいは広さがすべてではない
そう聞くと、
理想論に感じる方も
いるかもしれません。
しかし本質的に
空間の豊かさは、
数字で測れる面積よりも、
そこでどう過ごし、
どう感じられるかという
体感の質に大きく左右されます。
特にワンルームのような
限られた面積では、
収納や家具の選び方、
照明の置き方、視線の抜け、
素材の統一感など、
ひとつひとつの設計要素が
暮らしの印象を大きく左右します。
やまぐち建築設計室では、
建築設計の理論に基づいた
空間構成に加え、
インテリアコーディネートの
観点からも
暮らしの質そのものが上がるような
インテリア設計をご提案しています。
〇関連blog
ホワイトグレーインテリア×建築家提案×暮らしの質向上
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail532.html
空間を「ただ使う」のではなく、
丁寧に楽しむこと。
それが、
限られた住まいの中でも、
心から豊かに暮らす鍵となります。
色彩と素材の選び方で
「広さの印象」は変えられるという事。
たとえば、
ワンルームで最も気になる
狭さの印象。
その原因のひとつは、
色や素材における視覚の分断です。
多様な色や質感が混在すると、
視線は途中で留まり、
空間に連続性が生まれません。
すると、
人は無意識に狭さを
感じてしまうのです。
そこで重要なのが、
色彩のトーンと素材の一体化。
建築の設計段階から、
床材・壁・天井・家具
カーテンに至るまでの色調を
意味を持たせて統一しておくことで、
面の連続性が強まり、
視線が流れるように
広がっていきます。
特に、
淡いグレージュやベージュトーンは
日本の光環境と調和しやすく、
日中も夜も落ち着いた
空間を演出してくれます。
このような色彩計画は、
建築設計の構成力だけでなく、
素材の質感・照明環境との相性など、
インテリアコーディネートの
美意識と経験が不可欠です。
だからこそ、
空間全体を
面として、光として、質感として
デザインする事に注力しています。
見えない収納が
住まいの品格を高める。
空間が狭く感じられる
もう一つの要因は、
物が目に入りすぎることです。
とくにワンルームでは
生活空間と寝室、キッチン、
収納が一体化しているため、
少しの生活感が空間全体の
印象を崩してしまうことも
少なくありません。
そこで重要になるのが、
収納と動線の一体設計です。
玄関からキッチン、
リビングに至るまでの動線上に、
さりげなく収納スペースを
配置することで、
片付けが自然にできる仕組みを
つくります。
これは、
ただ収納棚を足すという
話ではありません。
扉の素材や高さ、
奥行き、把手の形状まで、
全体のデザインと連動させることで、
空間の一体感を保ちながら
「見せない美しさ」を実現できます。
建築設計とインテリア設計を
分けずに捉えることで、
住みながらも
常に整っている空間が叶います。
日々の整理整頓が、
負担ではなく、
自然と習慣になる。
そのための設計こそ、
ワンルームにおける上質さを
保つ大切な鍵となります。
光と視線の誘導で「奥行き」を生み出す。
住まいに「奥行き」を
感じさせるために、
建築家が大切にしているのが
「光の抜け」と「視線の流れ」です。
例えば、
部屋の一番奥に照明を置く場合、
単に明るさを補うだけでなく、
そこに目線が届くように設計する
ことが重要です。
スリムなフロアライトを
低めの位置に配置する。
カーテンやブラインドを
透け感のある素材で仕上げることで、
視線は自然と屋外へと導かれ、
空間の奥行きがぐっと深まるります。
また、
天井や壁に照明をバウンドさせる
間接照明を取り入れることで、
影を極力減らし、
空間の重心が軽くなります。
これは高級ホテルでも
多用される設計手法であり、
空間に心理的な余裕を生み出す
非常に有効な方法です。
装飾しないという美意識が余白を創る。
暮らしにアートを
取り入れる方は増えてきましたが、
インテリアにおける
アートの扱いは「飾る」ことよりも、
空間に余白をもたらす
ということにあります。
特にワンルームでは、
壁面を埋めすぎないことが大切。
小さなアートを多数並べてしまうと、
視線が散らかり、
空間に落ち着かなさが生まれます。
そこであえて、
抽象的な1点モノのアートを
余白の中に点として
存在させることで、
静けさと緊張感、
そして空間の「余裕」が
表現できます。
建築家がつくる面と、
インテリアコーディネートで選ぶ
点の美意識。
双方の連携が、
余白のある心地よい空間を
支えることにつながります。
家具は「空間の一部」として
デザインする。
家具の配置は、
空間の印象を劇的に変えます。
たとえば脚部がスリムな
ローテーブルや
ガラス素材の天板を選ぶことで、
床が透けて見える範囲が増え、
視覚的な広さが生まれます。
また、家具を壁に沿わせ、
中央部に余白を確保することで、
立ち止まる空間が生まれ、
暮らしにリズムが加わります。
このような
視線と身体の動きに合わせた
レイアウトは
建築家の設計視点と
インテリアコーディネートの視点で
計画するからこそ、
実現できるものです。
ラグの形状ひとつとっても、
円形を選ぶことで
視線は自然と回遊し、
空間に柔らかな印象が生まれます。
角ばった構成の中に
曲線を加えることで、
空間はより穏やかで、
洗練された印象へと変化します。
暮らしにふさわしい
設えを建築とインテリアの融合で。
ワンルームであっても、
丁寧に設計された空間には
「上質さ」が宿ります。
素材の組み合わせ、
視線の操作、
収納の在り方、
そして光と余白の活かし方。
それらすべてがひとつの空間で
融合するとき、
「狭さ」ではなく
「心地よさ」として住まいが
機能しはじめます。
やまぐち建築設計室では、
建築家としての空間構成力と、
インテリアコーディネートの
繊細な感性とを合わせて、
住まいの設えを総合的に
ご提案しています。
数字では計測できない
「暮らしの質」を、
住まいのカタチにしてみませんか?
建築とインテリアの両面から、
あなたの暮らしに寄り添う空間を
ご提案します。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------