お問合せフォーム

ブログ・コラム

2025.06.25

奈良で新築工事中の注文住宅・現場打合せ、図面では見えない“暮らしの実感”を体感する時間。棟上げ後に住まい手さんと共に進める後悔しない家づくりの秘訣とは?設計事務所ならではの現場対応と丁寧な対話から生まれる理想の住まいのつくり方提案と設計内容のリアルサイズでの昇華。

カテゴリ:
(仮称)土間回廊と豊かな陰影と中間領域のある和モダンの家新築計画

住まい手さんと共に紡ぐ

「打合せ」という名の現場対話。

 

図面や資料から立体化した空間体験と、

家づくりの本質。

 

 

奈良の地にて、

家づくりを進めていく。

 

奈良県で進行中の木造住宅新築現場にて、住まい手ご夫妻と建築家が打合せを行っている様子。図面・仕様書・設備カタログなどが広げられたテーブル越しに、リアルサイズの空間を体感しながら工事工程を確認している現場風景

※棟上げ後の現場にて。住まい手と設計者、施工担当が集まり

 図面・仕様書をもとに空間の詳細をすり合わせている打合せ風景

 

 

先日、

ある木造二階建て住宅の新築現場にて、

住まい手ご夫妻を交えた

「現場打合せ」を行いました。

 

 

昨年の2月にホームページより

お問合せをいただき

様々な打ち合わせと提案、

そして設計から建材、素材検討、

許認可申請を経て建築の骨格となる

棟上げを終えたところ。

 

〇関連blog

土間回廊と豊かな陰影と中間領域のある和モダンの家新築計画

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail354.html

 

 

(仮称)土間回廊と豊かな陰影と中間領域のある和モダンの家。

 

棟上げを終え、

構造体が姿を現した現場には、

これまで図面上で描かれていた住まいが

空間として立ち上がる、

独特の臨場感が漂います。

 

奈良県内で新築中の木造二階建て住宅現場の様子。構造材(柱・梁)が組み上がり、仮設足場が設置された棟上げ直後の建築現場。リビングからつながる軒下テラススペースを想定した設計で、光や風、自然とのつながりを意識した開放的な間取りが特徴。やまぐち建築設計室による設計監理のもと、家づくりのリアルな過程を体感できる現場風景。

※構造体が立ち上がったばかりの木造二階建て住宅の現場。

 中間領域の回廊のようなテラス部分。

 

 

今回のブログでは、

そんな打合せの風景を通して、

やまぐち建築設計室が大切にしている

「対話としての家づくり」について、

掘り下げて書いてみたいと思います。

 

■ 現場打合せは「建築の途中経過」

 ではなく「家族の物語」の節目

 

一般的には

「打合せ=確認作業」として

語られることが多いかもしれません。

 

ですが、

それを単なる工程のひとつとは

考えていません。

 

むしろ、

住まい手と設計者、現場関係者が

最も言葉を交わし、

価値観を共有する

大切な時間だと捉えています。

 

たとえば今回の打合せでは、

図面と仕様書や各種資料を

現場に設けた

仮設の打ち合わせテーブルに広げ、

使用予定の建材や設備のサンプル、

照明の位置関係、

壁の仕上げ、

収納内部の寸法まで、

細部にわたる確認が行われました。

 

ここで交わされる言葉は、

単なる「確認」ではなく、

「こう暮らしたい」

「この窓から、四季を感じたい」といった

暮らしの想いに根差したやりとりです。

 

打合せは、

まさに住まい手とつくり手とが

一緒になって

リアルを共有しながら

「未来の暮らしを描き直していく時間」なのです。

 

■ 「広さの体感」は図面では伝わらない

図面上の寸法と、

実際に現場で感じる広さは、

似て非なるものです。

 

棟上げを終えたばかりの現場は、

柱と梁だけの状態でありながら、

空間の輪郭がある程度までは

はっきりとわかる状態になります。

 

たとえば「8帖の寝室」と聞いても、

実際には想像しづらいかもしれませんが、

現場で立ち上がった空間の中に

身を置くと、

その感覚的な広さ

一気に実感として伝わってくるのです。

 

実際、今回の打合せでもご夫婦からは、

「玄関が広く感じますね」
「こう行ってこう歩いてここに壁があって・・・・。ここ」
「この部分が吹き抜けで・・・・・。」

「この壁のこの部分にキッチンが・・・・・。」

といった声があがり、

設計意図と実際の空間感覚が

合致していることを確認できました。

 

■ 「図面通り」で終わらない、

現場での微調整。

 

やまぐち建築設計室では、

図面の精度と人の感覚は

同じではないと理解しています。

 

サイズや寸法が同じでも

色や壁のカタチ、その先の視線などで

人の感覚による広さの認識は変化します。

 

そういった要素を含めて

住まい手さんにとっての体感時間には

徹底してこだわります。

 

それでも「現場で見てはじめて分かる」ことの

認識までは様々な経過も存在しています。

 

ある住まい手さんとの打合せでは、

キッチン背面収納の高さについて

現場で再検討する場面がありました。

 

図面上ではスッキリ収まっていた寸法も、

住まい手さんが実際に

その場に立ってみた時に

「もう少し低いほうが手が届きやすい」

との気づきがあり、

その場で施工担当者とも

相談のうえで

変更が決めた事もありました。

 

また、

別の事例では、

外側に面した窓の高さを、

実際に見上げた状態で

天井に寄せるように

数センチ上げることにより、

ソファの位置からの見える風景と

抜け感が格段に良くなったというケースもあります。

 

※ソファのサイズとレイアウトが途中で変わった為。

 

建築は「現場で決まる」とも

言われる所以は、

まさにここにあります。

 

■ 過去の打合せから学んぶ

 「対話の積み重ね」と共通言語の重要性。

 

設計は技術ですが、

それ以上に建築は信頼の上に

成り立つものです。

 

たとえば以前お引渡しをした

和モダンの平屋住宅では、

ご夫婦が毎回必ず

お子さんを連れて現場に来られました。

 

その都度、

「ここに本棚を追加したいです」

「おもちゃを片付ける場所がもう少しほしい」

といった暮らしに直結する

要望をその場でいただき、

それをどう空間に落とし込むか、

丁寧に対話を重ねて設計を進めていきました。

 

完成した住まいでは、

リビングの一角にしつらえた造作棚や、

玄関横の手洗いカウンターが

特に好評で、

「あの時、現場で相談してよかった」と

言っていただけたことが

強く印象に残っています。

 

※工事の工程によっては一旦工事を中断して

数十日~数か月、許認可先への

変更申請を行う事も必要です。

 

■ 住まい手さんとの関係性が深まる瞬間

建築とは不思議なもので

図面の段階では「イメージ」であったもの、

打合せを重ね、

現場での体験を共有していくなかで、

「現実的な意識」のような

理解度も住まい手さんは深まっていきます。

 

この変化をとても大切にしています。

 

日常会話でもそうですが

建築で使う言葉(用語)の意味や内容も含めて

判断が徐々にしやすくなりますし

図面上では語りきれない

「生活のリズム」

「家族の過ごし方」

「週末の過ごし方」

「家族それぞれの居場所」など、

日常のディテールに関しても

意識しやすくなってきます。

 

本当にその方たちらしい

住まいが形になっていきます。

 

打合せは、

その暮らしの輪郭

言葉と空間で描いていく、

大切な創作の時間です。

 

■ 図面に描かれない

「気配」まで設計するということ。

 

建築・住まい造りの仕事は、

単に部屋の数を

決めることではありません。

 

窓の位置から差し込む光、

風の流れ、

人の気配が感じられる距離感、

音の広がり、

季節の変化、

家族の営み・・・・・。

そうした「数値化できないもの」こそ、

設計の本質ではないかと感じます。

 

現場で打合せをすることで、

そうした微細な

暮らしの空気感に気づきを、

再度設計内容に反映させていく。

 

そこに住まい造りに対しての

設計スタイルがあります。

 

■ 建築は「モノ」ではなく「コト」

設計図は、

単なる建築の設計資料ではなく、

住まい手と共に描いた

「これからの暮らし」の地図です。

 

その地図を持って、

現場という道の途中に立ち止まり、

再確認し、

時には修正しながら進んでいく。

 

住まい造りとは、

まさに「モノ」ではなく

「コト」——出来事の連なりであり、

人生そのものなのかもしれません。

 

■ ご家族の笑顔のために、

現場の一瞬一瞬を丁寧に。

 

今回の打合せも、

住まい手さんご夫妻が

終始悩みながらも

未来の事を想像しながら

話されていたことが印象的でした。

 

「ここに住む」という事を

考えながらの現場での打ち合わせ。

 

一棟一棟、丁寧に、真摯に。

住まい手の人生に寄り添いながら、

これからも「暮らしの器であり舞台」となる

住まいの設計を。

 

お問い合わせ・ご相談はお気軽に

やまぐち建築設計室では、

初めて家づくりをされる方でも

安心してご相談いただけるよう、

プラン提案前の

ヒアリングや現地調査も丁寧に行っています。

 

〇 家づくりの第一歩を踏み出したい方
〇 家造りに関して迷っている方
〇 建築家とじっくり対話しながら設計を進めたい方

 

お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

この奈良という

穏やかな地で、

何十年先までも

ご家族が笑顔で

過ごせる住まいを、

一緒にかたちにしていきませんか?

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------

 

BACK

ブログトップへもどる