ブログ・コラム
2025.06.17
築50年の実家を未来へつなぐ、やさしい再設計。壊さず活かす“親世帯リフォーム”という選択肢。和モダンの美しさとバリアフリー性能を両立した安心設計で奈良の暮らしに寄り添う老後の暮らしをデザインで示すカタチ。
- カテゴリ:
- リフォーム・リノベーション
老後を見据えた住まいのかたち
親世帯リフォームから学ぶ、
安心と心地よさの設計・・・・・。
【はじめに:築50年~の実家に向き合うとき】
※「記憶を活かし、安心を再設計する」
長年住み慣れたご実家を壊すのではなく、
未来へつなぐ選択肢として。
手すりのあるバリアフリー廊下、
障子のぬくもり、庭とつながる縁側。
和の趣と現代の性能を融合させた、
やまぐち建築設計室の“もてなしの再設計”です。
実家のこと、
そろそろ考えた方がいいのかもしれない。
そうした言葉が頭をよぎるのは、
ご両親の年齢や体調、
暮らしぶりに
変化が見えてきたときではないでしょうか。
急な階段に足を取られそうになる母。
冬の寒いトイレに行くのを億劫に感じている父。
見慣れた風景の中に、
少しずつ"不安"という色が
混ざりはじめたとき、
住まいの在り方を見直す必要に迫られます。
奈良という土地で
長年暮らしてこられた親御さんの住まいを、
どう未来へつなげていくか。
その答えは「壊して建て替えること」だけではなく、
住み慣れた家を活かし、
安心と快適さを加えてゆく
という選択肢にも、
確かな意味があります。
【築古住宅に潜むリスクと課題】
やまぐち建築設計室が
多くのご相談を受ける中で、
親世帯の住宅リフォームにおいて
よく見られる課題を、
以下に整理してみます。
1.急勾配な階段と段差の多い床
昭和期に建てられた住宅では、
階段の勾配が急であることが多く、
高齢の方にとっては
転倒や転落の大きなリスクとなります。
また、
リビングやキッチン、
廊下に段差があることで、
日常の動作にも危険が潜んでいます。
2.断熱性能の低さによる温熱環境の悪化
冬場のヒートショック、
夏場の熱中症リスクは、
古い住宅の断熱性や気密性の低さに起因します。
特にトイレや浴室といった
水まわりでの温度差は、
命に関わる重大な問題です。
3.耐震性への不安
築40年〜50年を超える木造住宅では、
現行の耐震基準に適合していない場合が多く、
安全性の予備も担保している事は少ないです。
見た目はしっかりしていても
構造的に不安があるケースがほとんどです。
4.水回りの老朽化
キッチン、浴室、
トイレの使い勝手が古く、
清掃や使用時の負担が大きい場合、
暮らしそのものの質を低下させます。
やまぐち建築設計室の
リフォーム・リノベーション設計:3つの視点。
やまぐち建築設計室では、
こうした親世帯の住まいに対する
リフォーム・リノベーション設計を行う際、
次の3つの視点を軸にご提案しています。
■①「記憶を活かす」設計
家はただの箱ではなく、
家族の記憶が染み込んだ場所です。
できるだけ既存の構造や素材を活かしつつ、
温もりと時間の蓄積を感じられる空間を
再構築します。
例えば、
昔の縁側を残しながら
断熱性能を加えた“ぬくもりの回廊”を設けることで、
懐かしさと快適性が
両立する空間を生み出します。
■②「安全と健康」を最優先した性能向上
目に見えるデザイン以上に、
目に見えない性能こそが
老後の暮らしには不可欠です。
バリアフリー化、断熱改修、
耐震補強といった基礎的な部分を丁寧に見直し、
家そのものが「守ってくれる場所」
となるよう設計します。
■③「暮らしを軽くする」動線設計
年齢を重ねると、
生活に必要な動作をいかに
無理なく行えるかが重要になります。
家事動線や生活動線を
ミニマムに整えることで、
毎日の“しんどさ”を減らし、
“自立した暮らし”を長く支える家に変えていきます。
【暮らしの質を変える「動線設計」の力】
リフォームやリノベーション
勿論「新築の場合」もそうですが
設計において、
もっとも生活実感として
変化を感じていただけるのが
人の移動の軌跡である「動線設計」です。
たとえば、以下のような改善例があります:
・トイレと寝室を隣接配置 → 夜間の移動が数歩に
・キッチン〜洗面所〜物干し場を直線に→家事の手間を大幅削減
・車寄せを玄関近くに設けて → 雨の日の出入りがスムーズに
こうした“ひとつひとつの動作を
軽くする設計”は、
長く暮らしてこられた
親御さんにとって、
実は大きな変化なのです。
【相談のご案内】
やまぐち建築設計室では、
親世帯住宅の改修やリフォーム、
空き家の再活用等に関しての相談も承っています。
〇過去参考blog〇
古民家再生と環境の再構築をデザインするリフォーム・リノベーション
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail141.html
リフォーム・リノベーションなのか。
建て替えか、
何から手をつけるべきか迷っておられる方も、
お気軽にご相談ください。
▷相談でお話しできること
・ご実家の現況確認
・ご両親のライフスタイルや健康状態にあわせた優先順位の整理
・おおよその予算感と改修範囲の提案
・補助金活用の可否と具体的な申請フロー
・設計のご依頼・ご相談
家は、時間を重ねるごとに
“想い出”を包み込んでいきます。
だからこそ、「壊す」のではなく、
「つなげていく」という選択肢には、
大きな価値があります。
親世帯の住まいを
未来へ手渡すための
リフォームやリノベーション。
それは単なる改修ではなく、
家族への“おくりもの”のような設計だと、
考えています。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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