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ブログ・コラム

2025.06.10

二世帯住宅で後悔しないための完全分離又は一部共有の最適バランス──親世帯と子世帯の距離感を整える玄関動線・バリアフリー・遮音設計の計画性と同居のルール、実際の家族の距離感から学ぶ“本当に暮らしやすい”同居プランのつくり方|同居から考える暮らしを両立、最適化する住まいの提案。

カテゴリ:
二世帯住宅

二世帯住宅という選択——家族の距離が暮らしを変える。

親世帯と子世帯が一緒に暮らす「二世帯住宅」。

 

高齢化や共働き世帯の増加とともに、

この選択肢を検討されるご家族が

年々増加しています。

 

奈良県の注文二世帯住宅に採用した回遊動線LDK。白いアイランドキッチン、木質ルーバー天井、遮音フローリングでバリアフリーを実現した和モダンの家族共有スペース

※広いLDKを中心に親世帯・子世帯の動線を緩やかに重ねた〈回遊型LDK〉

“距離感と快適性”を同時に叶える二世帯住宅のキッチン・ダイニングスペース同居型の和モダン空間提案事例

 

 

介護への備え、子育てのサポート、

コスト面でのメリットなど、

表面的にはいいことづくしに思えるこの住まい方。

 

しかし、

実際に暮らしてみてから「こんなはずじゃなかった

という声が後を絶たないのも事実です。

 

なぜ失敗するのでしょうか?

どこで家族が間違えてしまうのでしょうか?

 

〇関連blog〇

二世帯住宅で同居を考える/両世帯の時間的な考え方も間取りの設計に。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail380.html

 

今回のblogでは、

よくある二世帯住宅の失敗例と

その原因を建築家の視点から解説し、

「本当に暮らしやすい同居設計」のための

具体的な工夫と考え方を共有します。

 

〇関連blog〇

同居のカタチとしての二世帯住宅/価値観と将来設計に工夫を。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail406.html

 

親子の距離感、生活リズム、

プライバシー——その全てにバランスよく

寄り添う住まいづくりを目指す方に向けた、

実践的なヒントを書いてみたいと思います。

 

よくある「失敗する」二世帯住宅。

  • 1. 生活音と時間帯のズレに関するトラブル

「朝5時に親が台所を使い始めて起こされる」

「夜中の洗濯機の音が気になる」など、

元々の生活リズムの違いによる

ストレスがある暮らし。

  • 2. お風呂・キッチンの取り合い問題

1つの水回りを共有することで、

時間帯によっては取り合いになり、

両世帯ともにストレスを感じてしまいます。

  • 3. 子育て方針・家事スタイルの違いで摩擦が生じる

特に祖父母の干渉が強すぎるケースでは、

子世帯の育児や生活スタイルに

口を出されて関係が悪化することも。

  • 4. プライバシーの喪失

「リビングにいるといつの間にか親が入ってくる」など、

物理的な距離が近すぎることが

精神的な距離を縮めるとは限らず、

逆に摩擦の火種になります。

 

失敗を防ぐ設計のポイント。

  • 1. 「完全分離型」「一部共有型」どちらが向いているかを見極める
  • 完全分離型:玄関・水回りすべてが別。コストはかかるがプライバシーを保ちやすい。
  • 一部共有型:キッチンや浴室など一部を共有。建築費は抑えやすいが摩擦リスクが上がる。

 

→両世帯の関係性やライフスタイルに応じて、

どちらを採用するかが設計の肝になります。

  • 2. 玄関・動線の分離

心理的な独立性を保つには、

「玄関が別々」「動線が交差しない」

ことが非常に重要です。

 

特に来客時のプライバシーを守れる設計は、

子世帯のストレス軽減につながります。

  • 3. 音と視線の設計的配慮
  • 壁や床の遮音性を高める
  • 開口部の位置をずらす(視線がぶつからない)

 

設計段階でこうしたディテールを詰めておくことで、

将来的なトラブルを防ぐことができます。

 

家族関係を深める適度な距離感のデザイン

「仲がいいから近くに住む」のではなく、

「仲良く暮らすために程よく離れる」。

これは二世帯住宅において

非常に大切な設計思想です。

  • コミュニケーションは選べる形にする
  • 「リビングの位置を1階と2階で分ける」
  • 「同じ建物内に別宅感覚をつくる」

このように、

家族の交流を促す共有スペースと、

休息のための分離スペース

明確に設けることで、

お互いの生活の質が守られます。

 

やまぐち建築設計室の実例から学ぶ工夫

奈良県で実際に手掛けた

二世帯住宅では、

以下のような工夫を取り入れました。

  • 親世帯は1階でバリアフリー+畳の和室
  • 子世帯は2階に独立したLDK+ワークスペース
  • 中庭を挟んで両世帯がつながりつつ離れる構成
  • 外観は一体化しながらも、内部は別棟感覚

実際の住まい手さんご家族からは

気配は感じるけれど、

干渉されない安心感があると好評いただいています。

 

結論として距離と関係性を踏まえた設計こそが、

家族のよい未来をつくるという事。

 

二世帯住宅は、

親子のつながりを深める住まい方であると同時に、

設計次第で関係性に

影を落とすリスクも抱えています。

 

だからこそ、

人間関係と心と生活の距離を

どう設計するのか?

ということがすべての鍵になります。

 

同居するからこそ守りたいプライバシー、

共に暮らすからこそ育みたい安心感。

 

その両立を図るためには、

暮らし方を考えたうえでの

関係性に寄り添った設計が欠かせません。

 

やまぐち建築設計室では、

家族の背景や将来像を丁寧にヒアリングしながら、

関係性がよりよいカタチで

深まる住まいの在り方をご提案しています。

 

もし、二世帯住宅をご検討中であれば、

ぜひ一度ご相談ください。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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