ブログ・コラム
2025.06.05
face to face の対話が紡ぐ豊かな住まいづくり、人と空間と人生をつなぐ建築哲学、奈良で心地よい和モダン住宅・家族の距離感を丁寧に設計する住まいへの思考、話す時間の大切さと家づくりに込める想い。会話を重ねることで生まれる空間設計がもたらす暮らしの質の向上。丁寧な対話を重視した住まいづくりを目指す方へ。face to face の価値を住まいに活かす設計の本質とは?
- カテゴリ:
- 設計の事・デザインの事
対話が紡ぐ空間と人生
face to face の価値と住まいづくりの哲学。
はじめに「会って話す」という価値。
コロナでリモートが普及して
勿論僕自身もリモートを使いますが
直接会って話すという時間は本当に大切だと感じます。
※和モダンの住まいづくりを目指しパースやインテリア資料を囲みながら、face to face の打ち合わせを重ねている様子。
理想の暮らしをかたちにするための対話が丁寧に進められています。
建築の世界に身を置いて、
たくさんのご家族やお客様との出会いを重ねる中で、
僕はこの思いを年々強く実感しています。
言葉だけでは伝わらないものがあります。
画像からでは「認識できる情報」も実は限られています。
言葉にできないものこそが、
本当は空間をつくり、
人と人の間に「理解」を生むものです。
表情のゆるみ、間(ま)、空気の揺らぎ。
会って対話することで、
細かな範囲も、その方の人生の背景や価値観、
未来への願いまでもが、
ほんの少しずつ、
しかし確実に伝わってくるものです。
建築家として生業としている「建築」「住まい」も同じ。
間取りや性能の話だけではなく、
暮らしの本質を丁寧に見つめ、
そこに息づく人の心や営みまで読み取りながら
空間を形にしていくことが、
建築家としての使命だと考えています。
1.「空間」が紡ぐ人と人のつながり
■ 建築は「対話の器」である
やまぐち建築設計室では、
「住まいは人生を包む空間」だという哲学を大切にしています。
ただ性能の高い家を建てることが目的ではありません。
家とは、人と人とが出会い、
語らい成長し合う「場」をつくるもの。
つまり住まいそのものが「対話の器」だと言えるのです。
たとえば、
家族が集うリビングの一角に
「自然と座りたくなる場所」があるかどうか。
ダイニングテーブルが家族の会話を育む
サイズ感や距離感になっているか。
そうした設計の積み重ねが、
家族の関係性や人生の質までも育んでいくのです。
2.Face to face という原点と人生哲学としての対話
■ オンライン時代だからこそ、対話の意味を再確認
デジタルツールが発達し、
メールやメッセージ、
オンライン会議でのやりとりが日常になりました。
けれども、画面越しでは「繊細な空気感」までは
共有できません。
常に心がけているのは、
お客様と「直接会って話す時間」を
何よりも大切にすること。
住まいづくりのご相談でも、
まずは face to face の打ち合わせを何度も重ねます。
家というのは、住まい手さんである
お客様の人生そのものを形にする作業。
だからこそ、
お客様ご自身の言葉にならない「想い」や「背景」を
汲み取る対話が不可欠なのです。
■ 人生における face to face の重み
僕自身の人生哲学としても、
face to face の対話こそが人との関係性を深め、
信頼を築く基本だと思います。
・お客様(住まい手さん)との対話
・家族との対話
・友人との対話
・社会との対話
すべてのつながりは、
「顔を合わせて語り合う」という行為からはじまります。
建築という仕事を通じて、
僕は改めてその価値を日々噛みしめています。
〇関連blog〇
暮らしと人生観を丁寧に暮らしのスタンスを整理整頓。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail463.html
3.住まいと人生の「関係性」をどう設計するか
■ 間取りが育てる家族の距離感
家づくりの際によく住まい手さんご家族とお話するのが、
家族の距離感についてです。
・近すぎず、遠すぎず
・一人の時間と、家族の時間をどう両立するか
・暮らしの中で自然に交わる動線
これは単なる図面の話ではなく、
「人と人との関係性」をどう空間の中にデザインするか、
という深いテーマです。
顔を合わせた打ち合わせで、
お客様の家族観や価値観を感じ取ることで、
よりそのご家族らしい距離感の設計が可能になります。
■ 暮らしのリズムを整える設計
また、空間には「暮らしのリズム」を整える力もあります。
・朝の支度がスムーズにできる動線
・帰宅後ほっと一息つける居場所
・家族で自然と集まるタイミングを生む場所
こうした「時間の質」を設計に落とし込むことで、
日々の暮らしが豊かに整います。
家=人生の舞台。
そこに流れる時間の設計こそ、
建築家の大切な仕事の一つです。
4.家づくりの流儀
■ 丁寧な「聴く姿勢」
何よりも大切にしているのは、
お客様のお話にじっくりと耳を傾けることです。
間取りのご要望や設備の希望はもちろんのこと、
その背景にある人生観や価値観まで丁寧に汲み取る。
face to face での対話を重ねながら、
住まい手さんご家族の言葉にならない想いを
一つひとつ丁寧に設計に落とし込んでいきます。
■ 人と人の関係性を映し出す空間設計
その結果、出来上がる家は単なる「建築作品」ではなく、
住む人の人生を優しく包み、育んでいく空間になります。
家族の気配が心地よく感じられる距離感。
友人や親族が自然と集まる「もてなしの間」。
人生の節目ごとに新たな意味を帯びていく住まい。
そうした空間は、
face to face の対話という出発点なしには生まれません。
5.これからの時代と「対話の場」としての住まい
■ 暮らしの中の「対話」を育む家
これからの時代、
住まいはますます「人と人との関係性を育む場所」としての
役割が大きくなっていくと感じます。
・家族の会話が自然に生まれる間取り
・親しい友人を招きやすい動線や空間設計
・テレワークや趣味を通じた社会とのつながりの場
そんな「対話の場」を意識した住まいこそが、
人生をより豊かにしてくれると考えています。
人は環境で人生が変わります。
やまぐち建築設計室では、
face to face の対話を大切にしながら、
住まい手ご家族一人ひとりの人生に
寄り添う住まいづくりを丁寧にと考えています。
空間と言葉を丁寧に紡ぐということ、
空間が人をつなぎ、
言葉が人生を深めるということ。
言葉や表情が持つ意味はある種繊細です。
建築というカタチは、
その両方に様々な効能を持っていますから。
直接話し合い、
空気感や沈黙の中から紡ぎ出される想いを、
住まいという形ある空間に託していくという事。
これから家づくりをお考えの方も、
ぜひ face to face の対話の場にいらしてみてください。
一つひとつの対話から、
きっとかけがえのない住まいづくりが
始まるはずです。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------