ブログ・コラム
2025.06.02
奈良で中古マンション購入を検討中の方へ、失敗しない選び方と理想のリノベーション実現のために建築家が提案する空間と暮らしを変えるマンション選びの視点、中古マンション購入+リノベ設計の相談、安心できる耐震性・資産性・住み心地までをしっかり確認して、理想を超える住まいづくりを一緒に考えませんか?。
- カテゴリ:
- リフォーム・リノベーション
中古マンションを購入して、
自分たちの暮らしの環境を良い意味で変化させる。
建築家が提案する
後悔しない中古マンション選びと
リノベーション成功の秘訣。
すまいづくりにおいて
「新築一戸建てを建てる」だけが選択肢ではありません。
※間取り図から始まる新しい暮らしのデザイン検討。中古マンション購入+リノベーションでは、建築家と一緒に空間の可能性を見極めながら理想の住まいを形にしていきます。
近年【ライフスタイルの変化】
【家族構成の変化】【住まう場所への価値観の変化】にともない、
中古マンションを購入して
自分たちらしい空間にリノベーションを
施すという選び方がますます注目を集めています。
やまぐち建築設計室にも、
最近こうしたご相談が増えてきました。
子育てを終えて、
一戸建てでは広すぎて持て余している。
今後はもっと利便性の良い場所で、
暮らしの質を高めたい。
仕事や趣味とのバランスを考えて、
中心市街地に拠点を持ちたい。
そんな思いで中古マンションを
ご検討される方が多くなっています。
この選択肢の魅力は、
単に「立地が便利だから」というだけではありません。
場所と空間を柔軟に選びなおすことで、
暮らしそのものを
より豊かに変化させていけるという
点にあるのです。
〇関連blog〇
暮らしをよりよくするために検討するマンションリノベという選択肢。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail481.html
とはいえ、
中古マンション選びは
新築物件購入とは異なる注意点が数多く存在します。
建物の状況や管理体制、
将来にわたる維持費用、
そしてリノベーションの自由度など、
見極めるべきポイントは多岐にわたります。
今回は、
やまぐち建築設計室の経験をもとに
後悔しない中古マンション選びと、
理想のリノベーション実現のための
チェックリストを建築家の視点から書いてみたいと思います。
これから住まいづくりを検討している方も、
ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
- 価格に隠れた“背景”を読み解く眼を養う
物件情報サイトなどで
中古マンションを探していると、
まず目に飛び込んでくるのが「価格」です。
しかしその価格には必ず「背景」があります。
市場相場よりも
極端に安価な物件には、
必ず何らかの理由が存在していることが
多いものです。
ここで重要なのは、
その「安さの理由」をきちんと把握し、
納得した上で選択することです。
特に注意すべきは
以下の4つの「瑕疵(かし)」と呼ばれる項目です。
- 物理的瑕疵:雨漏り、構造クラック、アスベスト、設備の老朽化
- 法的瑕疵:建築基準法や用途地域違反などの法的リスク
- 環境的瑕疵:周辺環境の問題(騒音、悪臭、不快施設の隣接など)
- 心理的瑕疵:事故履歴のあるいわゆる“いわく付き物件”
さらに「未リフォーム物件」は
リノベーション自由度が高く、
逆に「フルリフォーム済み物件」は
販売価格にリフォームコストが上乗せされているため、
自分たちの意向との相性も吟味が必要です。
中古マンション選びの初期段階で、
こうした「価格の裏側にある理由」を
丁寧に確認することが失敗しない第一歩となります。
- 建物規模と階数は将来的な“維持コスト”に直結
マンションは建築された瞬間から
「維持管理」と「修繕計画」という
長期的なコストが伴います。
その負担は建物の規模や戸数、
階数などの構成に大きく影響を受けます。
たとえば、超高層マンション(いわゆるタワーマンション)の場合は、
エレベーターの維持管理や外壁補修、
設備更新にかかるコストが
非常に高額になる傾向があります。
一方、小規模マンション(総戸数が30戸以下)では、
戸数が少ない分、
1戸あたりの修繕積立金の負担が
重くなりやすい特徴も。
また、意外と見落とされやすいのが
エレベーターの台数です。
理想は「50戸に対して1基程度」。
もし70戸以上に対して1基しかない場合、
朝の出勤時間帯や帰宅ラッシュ時に
ストレスを感じることもあります。
「立地が気に入った」「間取りが良い」
だけで判断せずに、
建物規模や階数のバランスを見ながら
中長期的な維持コストや
住み心地まで視野に入れて選ぶことが賢明です。
- 築年数と耐震性は“安心な暮らし”の基盤
マンションの築年数と耐震性能は、
安心して長く暮らすために欠かせない要素です。
1981年6月に新耐震基準が導入され、
それ以降に着工された建物は
震度6強程度でも倒壊しない前提での
設計となっています。
それ以前の旧耐震基準物件は
震度5程度の設計が中心となり、
現行の地震リスクに対して十分とは言い切れません。
また、住宅ローン控除の対象となる条件や、
資産価値維持という観点からも
新耐震基準に適合していることは
大きなメリットになります。
近年では旧耐震物件でも
「耐震補強工事」や「耐震基準適合証明」を
取得しているケースもありますが、
そのための費用や手間も踏まえて
慎重に判断することが大事です。
安心して暮らせる住まいづくりの第一歩は、
この耐震性の確認から始まります。
- 交通アクセスと周辺環境は“体感”で見極める
物件情報に記載されている
「徒歩○分」は一般的に【80m=1分】換算です。
しかし実際には坂道や信号、
歩道の幅、通行の安全性などによって
「暮らしやすさ」は大きく変わります。
また、駅や商業施設の距離だけでなく、
生活施設(スーパー、医療機関、銀行、郵便局など)が
日常動線にどの程度揃っているかも大切なポイント。
「日常的な暮らしのしやすさ」は、
紙面上の数字だけでは分かりません。
現地を必ずご自身の足で歩き、
五感で感じてチェックすることをおすすめします。
時間帯を変えて数回訪れてみるのも良い方法です。
特に夜間の雰囲気や騒音状況、
治安面などは日中とは
印象が変わることが多いからです。
- 管理費と修繕積立金は“健全性”と“将来性”を見極める視点が大切
中古マンションを購入する際、
「毎月の管理費・修繕積立金の金額」を単に
「払えるかどうか」だけで
見てしまうケースが少なくありません。
ですが、
ここで重要なのは
その金額が妥当かつ健全なものなのか、
そして将来に向けて適切に
管理・修繕が行われているかという点です。
たとえば、管理費は主に
共用部分(エントランス、廊下、エレベーター、外構など)の
維持管理や管理人の人件費、
設備保守に使われます。
常駐管理人がいるマンションは
管理費が高めになる傾向がありますが、
その分管理品質が高く、
防犯面や資産価値維持にもつながる場合があります。
修繕積立金は、
将来的な大規模修繕工事
外壁補修、防水工事、設備更新などのために
積み立てられるものです。
金額が妙に低い場合は「積立不足」の可能性があり、
将来的に一時金徴収(急な高額負担)や
特別会費が発生するリスクがあります。
また、機械式駐車場が
設置されている場合は
維持管理コストが高くなりやすく、
管理費・修繕積立金が割高になる傾向があります。
重要なのは「今払う額」だけでなく、
長期修繕計画の中で
将来どう推移していくのかまで把握すること。
このあたりも、
設計事務所や建築士が資料を確認し、
第三者視点で「健全性」を
見極めるお手伝いができます。
- 駐車場・駐輪場・次世代の設備も“未来視点”でチェック
自動車利用が前提となるエリアや
生活スタイルの場合、
駐車場の有無・配置・料金は
とても重要な要素になります。
さらに今後は、EV(電気自動車)シフトが
進むことが予測されています。
そのため、
EV充電設備(普通充電or急速充電)の有無や
将来的に導入可能な配線余裕があるかどうか
といった点も、
物件選定時に確認しておきたいポイントです。
また、駐輪場の設備や
動線も暮らしやすさを左右します。
たとえば、
自転車を出し入れする動線が極端に狭かったり、
階段を通らなければならない場合は
日々の使い勝手に大きな差が出ます。
バイク置場が別途用意されているかどうか、
雨天時の屋根の有無なども
チェックしておくと良いです。
このような設備面まで「未来視点」で
確認することで、
将来的な生活の質を高める選択ができます。
- 空き家か? 居住中か? 引き渡し時期と“工事スケジュール”への影響
中古マンション選びの際、
意外と見落とされやすいのが
「現状の居住状況」と
引き渡し時期によるリノベーション工事への影響です。
- 空き家・即入居可の物件は、売買契約完了後すぐにリノベーション工事に入ることが可能でスケジュール調整がしやすいメリットがあります。
- 居住中物件は、売主側の退去スケジュールによって引き渡し時期がずれ込むこともあり、工事開始までのタイムラグが発生する可能性があります。
また、居住中物件の内覧時は
家具や家財が残っている状態で確認することになるため、
室内空間の「本来の広さ」や
「採光」「通風」などが
つかみにくくなることもあります。
この場合、
建築士が同行して内覧することで、
「見えにくい部分」まで適切に読み解くことができます。
間取り変更の可能性や
配管・構造の制約なども、
現場確認の際には気にしておくことが重要です。
- 内覧時に見逃してはならない“建築家ならではのチェックポイント”
中古マンションの内覧時には、
どうしても「見た目」に意識が行きがちですが、
本当に見るべきは
建物性能や管理状況に関わる部分です。
共用部のチェックポイント:
- エントランスやアプローチ、植栽の手入れ状況(管理の質の目安になります)
- 駐車場・駐輪場の整理状況や防犯対策の有無
- 掲示板の更新頻度や掲示内容(管理組合の活動度合いが見えてきます)
専有部のチェックポイント:
- 窓サッシの性能(ペアガラス or 単板ガラス)と断熱性
- 配管方式(スラブ下配管は漏水リスクが高く、床下メンテナンスが困難)
- 結露跡やカビの有無(特に北側の部屋や玄関ドア裏)
- 西向き住戸の場合の夏季の熱環境
- 遮音性能(上下階・隣戸との音の伝わりやすさ)
こうしたチェックは、
単なる「表層的な見た目」では分かりにくいため、
やはり建築家の視点で
同行内覧を行うことが理想的です。
- リノベーションを見越した“事前確認”とスムーズな工事計画
中古マンションを購入する方の多くは、
「自分たちらしいリノベーションをしたい」と
お考えだと思います。
ですが、
マンションリノベーションには
管理規約というルールが存在します。
購入前の段階で
必ず以下を確認しておくことが大事です。
- 共用部分に該当する部位の改修可否(玄関ドア、バルコニー手摺など)
- 配管や構造体への影響がないか(管理組合承認が必要な場合あり)
- 防音規定(フローリング材や床材の遮音等級)
- 大型設備(アイランドキッチンや浴室換気乾燥機など)の設置可否
さらに、
リノベーション工事を依頼する業者も
建設業許可・瑕疵保険加入の有無などを確認し、
安心して任せられるパートナーを選びを。
やまぐち建築設計室では、
物件探しの段階から
リノベーションに適しているかどうかを
アドバイスしつつ、
設計段階から工事管理まで
一貫してサポートが可能です。
- その他・細かいが重要な“見落とし防止”チェックリスト
最後に意外と見落とされがちな
「細かいけれど重要なチェック項目」をご紹介します。
- TVアンテナが4K・8K放送に対応しているか
- インターネット回線が光ファイバー対応か(将来的なテレワーク需要にも関係)
- 管理組合の運営状況(議事録の内容や総会の出席率)
- 長期修繕計画が策定されているか、計画的に修繕が進んでいるか
- 最下階住戸の排水リスク(汚水管逆流のリスクや定期清掃状況)
こうした細かなポイントも、
物件選びの質を左右します。
中古マンションの購入+リノベーションという選択肢は、
暮らしの質そのものを自分たちらしく
作り替えるための「新たな可能性」を秘めています。
ですがそのためには、
購入前段階での「物件の見極め力」が
非常に重要になります。
建築家の視点を取り入れた物件選定、
そして設計段階からの
伴走型リノベーション計画によって、
より豊かで快適な住まいが実現できるのです。
やまぐち建築設計室では、
中古マンションの物件選び段階から
内覧同行・設計相談・
リノベーション設計まで、
一貫したサポートをご提供しています。
どんな物件が理想の暮らしに合うのか?
このマンションは
リノベーションに向いているのか?など、
ぜひお気軽にご相談ください。
暮らしを変える一歩を、
建築家と一緒に始めてみませんか?。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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