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ブログ・コラム

2025.05.22

ただの玄関や廊下ではもったいないと思いませんか?。暮らしの質を高める風除室という設計術|建築家が提案する外と内をつなぐ『そとのま』のある住まい提案

カテゴリ:
間取り・動線・家事・プラン

暮らしに「ゆとり」と「機能」をもたらす

間という設計。

 

建築家が提案する、現代の暮らしに応じた

縁側という選択肢。

 

和モダン住宅の玄関まわりに設けられた、格子入りの掃き出し窓と自然素材で整えられた中間空間。障子風のプリーツスクリーンが優しい光を室内に取り込み、旅館のような上質な雰囲気を醸す。奈良で純和風・高級和風住宅を計画する方に人気のデザイン事例。

※和モダン住宅の玄関から回廊として設けた中間空間の広縁。障子風のプリーツスクリーンが優しい光を室内に取り込み旅館のような上質な雰囲気を醸すそとの間。

 

 

そとの間(風除室のような空間)のある住まい。

 

家の外周や中庭の周辺に「間」を設けるという、

建築的な思考・・・・・。

 

 

内と外がゆるやかにつながる和モダンなエントランス。無垢フローリングと石貼りの床が対比を描き、天井の木材がホテルライクな上質感を演出。ガラス越しには青モミジの坪庭が広がり、自然と調和した落ち着きある住空間が奈良の風土に寄り添う。

※内と外がゆるやかにつながる和モダンなエントランスで玄関から距離を取り開閉を二重に設計したプランで自然と調和した落ち着きある住空間が奈良の風土に寄り添う設計提案事例。

 

 

日々設計の現場で大切にしているのは、

「間取り」だけでなく「間の設計」です。

 

ここでいう「間」とは、

部屋と部屋をつなぐ

動線だけではありません。

 

リビングとつながるインナーテラス“ソトノマ”を設けたモダンな住宅空間。ホテルライクなデザインと自然光が調和し、玄関まわりに快適な中間領域を生む風除室としての機能を備える。奈良で快適な注文住宅を計画中の方に人気の設計アイデア。

※リビングとつながるインナーテラスを設けたリビング空間は玄関まわりとも繋がり快適な中間領域を生む風除室としての機能を備える。

 

 

 

外と内、暮らしと自然、都市と個人、

そうしたあらゆる境界に生まれる

中間領域のことを指します。

 

和風住宅でいう回廊や軒下の空間も

僕の設計では「それを指します」。

 

現代の家づくりは、

高性能・高断熱といった

機能性を重視しがちですが、

そこにもう一歩、

「暮らしにおける余白と気遣い」を加えることで、

より豊かで洗練された

住まいが実現できると考えています。

 

その象徴ともいえるのが、

そとのま(風除室のような空間)という

設計思想です。

 

そとの間とは何か・・・・・。

単なる風除室ではなく「暮らしを整える間」。

 

多くの方がイメージする「風除室」は、

後付けのビニールや

ガラスの囲いで構成される、

機能的な空間かもしれません。

 

しかし、

やまぐち建築設計室が提案する(そとの間)は、

それとは全く異なる概念です。

 

そとの間は、

  • 家の内と外の中間にありながら
  • 建築としてしっかり設計され
  • 暮らしに合わせて使い方をデザインできる

「縁側」や「インナーテラス」のような優しい存在です。

 

家族の動線に寄り添い、

四季の変化に対応し、

見た目にも美しく存在感を放つ、

そんな「そとの間」を住まいの一部に取り入れることで、

暮らしそのものが変化していくのです。

 

 

そとの間が実現する「温熱のバッファゾーン」。

 

冬の寒い日、

玄関を開けた瞬間に

冷たい風が吹き込んできて

「せっかく暖めた室内が一気に冷える」

といった経験をされた方は

多いのではないでしょうか?。

 

どれだけ断熱材を厚くしても、

開口部の「瞬間的な開放」によって

冷気や熱気は容赦なく侵入してきます。

 

これは住宅性能とはまた違った

空間設計の知恵で解決できる課題です。

 

そとの間があることで、

通常の玄関ドアの外に

一つの層が生まれます。

 

この層が、

外気を直接的に室内に入れないための

緩衝帯となり、

エアコンの効きもよく、

体への負担も少ない室温が保たれるのです。

 

断熱効果だけでなく「安心」も得られる。

冬だけでなく、

夏にも恩恵があります。

 

炎天下から帰ってきたとき、

ドアを開けた瞬間に熱風が入るのではなく、

そとの間が一度それを吸収し、

和らげてから中に入れる。

 

これは小さなことのようで、

日々の疲れにじんわりと効いてきます。

 

また、宅配対応時なども、

一時的に外部と距離を取れる設計は、

防犯性やプライバシーの観点からも

魅力です。

 

しまうではなく「活かす」収納空間としての活用。

暮らしをしていくうちに、

どうしても増えていくのが

「外で使うけれど、完全に外に置きたくはない」ものたち。
たとえば以下のようなアイテムは、

どこにしまうか悩ましいものです。

  • 子どもの自転車や遊具
  • 季節のキャンプ道具やバーベキューセット
  • 車のスタッドレスタイヤ
  • 園芸用品や土、肥料
  • 雨の日に干すための洗濯道具
  • 大きめの傘やレインウェア類

 

これらを適当に玄関横や軒下に置いてしまうと、

景観が乱れ、

防犯上もよくありません。

 

そとの間を「動線上の収納スペース」にする発想。

 

そとの間は、

これらを無理に「どこかにしまう」のではなく、

動線上で使う置くが

自然にできる収納場所として

設計する事も可能です。

 

屋根のかかった空間だからこそ、

風雨を防ぎ、使い勝手もよく、

急な天候の変化にも柔軟に対応可能です。

 

さらには、

花粉が多い時期に

外着と室内着を分けるための一時収納スペース

としても重宝することができ、

暮らしのストレスを静かに減らす機能を果たします。

 

「身支度と準備」の専用空間という提案。

家を出る直前、また帰宅直後、
この「ほんの数分間」をどう快適にするかで、

日常のストレスは大きく変わります。

  • 雨の日に傘をたたむ・乾かす
  • 花粉や雪を払う
  • 靴を履き替える
  • 子どもに虫よけをスプレーする
  • ペットの足を軽く拭く

 

こうした一連の動作を、

室内に持ち込まずに「そとの間」で

完結できれば、清潔感・快適性・機能性が

すべて手に入ります。

 

これは特に、

子育て世代や共働きのご夫婦にとって

非常に重宝される動線にもなり得ます。

 

設計でしか実現できない「意匠性と強度」。

一般的な風除室は

アルミ製の既製パネルで構成され、

後付けが多く、

「ただの透明な囲い」という印象が

拭えません。

 

しかし、

やまぐち建築設計室の考える「そとの間」は、

住宅の構造と一体化して最初から設計されます。

 

これにより、

  • 木造住宅との調和がとれたデザイン
  • 耐震性や耐風性も備えた高強度構造
  • ファサードデザイン(正面)としての美しさ

 

が実現され、

風除室であることを忘れてしまうような、

建築的魅力を放つ空間が誕生します。

 

たとえば、

格子戸を活かした和モダンの外観、

ジャパンディスタイルに合う

ミニマルな佇まい、

奈良の風土に馴染む土間空間など、

暮らしの希望に応じたデザイン提案が可能です。

 

「家の外周に間を設ける」ことで変わる、

暮らしの質感。

 

そとの間は単なるオプション空間ではなく、

「外」と「内」の関係を

やさしく編み直すための重要な設計要素です。

  • 快適さを守る断熱バッファ
  • 外収納としての機能性
  • 出入りの準備室
  • 建築としての美しさ

 

条件や間取り計画の内容によりますが

それらすべてを兼ね備えたそとの間は、

暮らしに「余白」と「安心」を与えてくれます。

 

家は、ただ機能を満たすだけでなく、

「気持ちよく住み続けられること」こそが本当の価値です。

 

そのための設計の一つとして、

そとの間という考え方を、

ぜひ一度ご検討ください。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
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